自民圧勝となった衆院選を振り返る(その1)

  今月はブログの更新が少ない。それというのも、衆院選を巡る状況の目まぐるしさからだった。
 今回は、今次選挙の異様な有様と結果について、2回にわけて書いてみたい。

 安倍政権は、野党が求めた臨時国会に3か月間も耳を貸さず、やっと開いた臨時国会では一切審議することなく、〝冒頭解散〟の挙にでた。
 野党側は「森友・加計」疑惑隠し解散だと批判したが時すでに遅く、安倍首相は、混乱する野党のあり様をみて勝機ありと判断しての解散だった。

       安倍晋三

 野党第一党の民進党が公示直前に分解するなど前代未聞だ。
 メディアの報道などでも明らかなように、〝小池旋風〟に乗じて「希望の党」になだれ込み、果ては選別・排除に直面して「希望」「立憲」「無所属」に割れての〝分裂型候補〟となった。
 昨年の参院選で成果をあげた「野党共闘」は無残に破たんして、与党との1対1の戦いの構図は崩れ去った。
 結局、「ここまで勝てるとは思わなかった」と安倍首相に言わしめる結果となった。改憲発議に必要な三分の二を超える318議席(自・公)である。

       17.10.24朝日・改憲賛成姿勢、当選者の8割 - コピー
       (朝日新聞 10/24付)

 この間の経緯について、自称「永田町素浪人」・亀井静香氏の見方が面白い。
――おかしな政局だよ。自民はボサーッとしているし、野党は野党で、おなごの色香がちょっと薄れたらがっくりして右往左往しているだろう。情けないよ。
――前原君が色香に迷った。だが、あとの連中は冷めて立憲君主党に行った。一つの政党が一夜にして大転回しますか。恋なんて一瞬にして冷めるもの。箸の上げ下ろしだけで嫌になる。
――(小池百合子代表の)いやらしさが見えた。選別だ。思い上がるな、という反発が出るに決まってる。しっかりした国家観、歴史観に基づいていないからそうなった。

       小池&前原協議

――大きな奴と戦う時には野党が割れてはダメだ。相手は、痩せたりといえども自民党だぞ。政策というのは権力を握ってから考えればいい。それをやってれば今回政権交代だったよ。
――(野党再編は)枝野君(立憲君主党)のところが中心になる。反自民の連中の身を寄せる場はそこしかない。前原君のところというわけにはいかない。希望は一瞬にして絶望に変わるんだ。

       枝野幸男
       (枝野幸男・立憲民主党代表)

――(安倍3選は)可能性が出てくる。ただ、この安倍政権、そんなに党内基盤は強くない。派閥の裏支えがない。
(以上、『サンデー毎日』11/5号より)
(以下、次号)

なんとしても「自公優勢」の情勢に歯止めをかけたい!

  衆院選の投票日まであと三日となった。解散以降の動きが目まぐるし過ぎてとまどっている。
 マスコミなどの世論調査では、「自公で300議席超す勢い」「自民単独で過半数か」「希望失速」「立憲が躍進」などとなっているようだ。

       17.10.17朝日
       (朝日新聞 10/17付)

  何よりも民進党が「希望」「立憲」「無所属」に三分裂して、共産や市民連合も含む「野党共闘」の構図が崩れたのが大きな原因だろう。
 「自民・公明」「希望・維新」「立憲・共産・社民」の三勢力で争う構図となっている。

  比例区の投票先で「自民」と答えた人で、「他よりよさそう」が52%だった。「希望」では56%、「立憲」で53%。こうした消極的選択は若年層で30台以下では6割以上が「他よりよさそう」と答えている。(朝日・東大共同調査)

       サンデー毎日 10.29号

  「憲法改正」を発議するには、衆・参両院でそれぞれ三分の二議席が必要だが、世論調査に準じた結果であれば憲法改正が具体的日程にのぼるだろう。
 だが、カギを握るのは、安倍政権下での衆院選(12年、14年)の投票率は10ポイントずつ減って戦後最低となった。この〝消えた有権者〟が1700万人、あるいは今回の無党派層で投票先未定が約4000万人。この人々の投票行動次第で、最終結果は大きく違ってくるだろう。

  いかなる結果にせよ、立憲民主党の行く先と「野党再編」の動向から目が離せない。
 私は、新たな「リベラル勢力」の結集を前提にして、憲法九条を巡る空中論戦ではなく「非武装」を可能ならしめる構想や、自衛隊の改編と安保体制の見直しなど、具体的なオルタナティブを考案して議員や立憲・社民などの議員に働きかけていきたいと考えている。

  (※選挙結果に対する論評は23日以降に書いてみたい。)

さあ、衆院選が始まるーー全力あげて「安倍退陣」をめざせ!

  明日から衆議院選挙が始まる。
 安倍首相の虚をつく「冒頭解散」以来2週間あまり、TVや新聞では連日、選挙関連の話題が繰り返された。

       安倍首相

 〝政治の世界は、一寸先は闇〟と言う。〝安倍一強〟体制が大きく揺らぎ始めていた矢先、小池新党「希望の党」や民進党の分裂・崩壊、「立憲民主党」の立ち上げなどまさに〝日替わりメニュー〟のあり様だ。

       若狭勝&小池[1]
       (都知事選挙で小池氏と若狭氏)

  7月の都議選で「都民ファースト」の候補者が圧勝し、自民が大惨敗したことで小池都知事の存在感は大きくクローズアップされた。
  解散・総選挙が間近とみるや、若狭・細野氏らの新党協議をリセットするとして「希望の党」を立ち上げ、政権交代と首相就任を胸に秘めて自ら代表に就いた。

       小池&前原協議
       (小池&前原会談)

  一方、民進党は、就任間もない前原代表が小池知事と協議し、「名を捨てて実を取る」と称して「希望の党」への合流を図った。
9/29付のブログで記事「前原氏の本心」を紹介したが、後日、前原氏は(「希望の党」の寿命云々よりも)「民進党は左に偏り過ぎ、分裂する以外になかった」とその本音を吐露したのだった。要するに、支持率低迷の状況を打開するには、「希望の党」人気にあやかる他なかったということだろう。
  民進党を分裂させ、「希望の党」を野党第一党にするという小池戦略に、前原氏はまんまと乗せられたわけだ。

       枝野・立憲民主党
       (「立憲民主党」を立ち上げた枝野幸男氏)

  民進党の候補者たちは大いに戸惑った。選挙のためなら平気で捨てられるようなものが、政治家の〝信条〟だということか。
 選挙間近の中で、「希望の党」合流組、「立憲民主党」入党組、無所属出馬組などでごった返した。
 選挙準備も大変だ。選挙事務所とスタッフ、選挙車など「選挙の七つ道具」も間に合わない。選挙区での事情説明でも、ずいぶん厳しい批判が相次ぐ候補者が多かったようだ。

       17.9.30朝日・独断選考いたします - コピー
       (朝日新聞 9月30日付)

  人気急上昇だったはずの「希望の党」は、小池代表の民進党候補者の「選別・排除」を断言したことから猛反発を受けて、陰りが生じた。
  加えて、都民ファーストの都議二人が小池運営に異議を唱えて離党した。「内部で情報統制され、自由な議論ができなかった」との理由である。

       野党再編・人物相関図

  始まったばかりの選挙結果は推測しようもないが、小池代表の狙いは「安倍降し」であり、希望+自公+維新の会による大連合構想を描いているとの情報もある。
  政治家・小池は、安倍氏よりさらに過激で独裁的な人物だということを忘れてはなるまい。
核武装論者であり、関東大震災の朝鮮人犠牲者の追悼をやめた、特異な歴史観の持ち主だ。
  公約にしても、まだ党規約もなく、党の意思決定の仕組みさえできていない。すべてが小池氏の号令一下で決まっているようだ。
  都政でも、築地市場の豊洲移転など何一つ解決できないでいる。だから、国政へ転じるのではという憶測が絶えない。

 ※ ところで、これまで内閣(首相)の解散権には一切の制約がないかのように語られてきた。しかし、解散権は制約がなければ、勝機を窺う行政権によって濫用されうる。英国でも2011年の立法によって厳しい制約が設けられた。

       17.10.5朝日・「ぼやき橋」顔も赤らむ日暮れ時 - コピー
       (朝日新聞 10月5日付)

  わが長崎県では、1~4区で民進党の候補者は全員「希望の党」公認として闘う。
県平和運動センターや地区労、社民党などはこれまで民進党の候補者を支援してきたが、「憲法改正」や「安保法制の適正運用」を公約に掲げる候補者は支援できないとして、「自主投票」とした。
  結果、自民党が全区勝利の公算が高くなった。投票を棄権する人が増えて投票率がさらに低下するのが心配だ。

民進・前原代表の〝本心〟は?

  衆院選の公示まであと11日。ここ数日、小池新党(『希望の党』)ブームが永田町を席捲する中、民進党の同党への「合流」話と代表・前原誠司氏の挙動に関心が高まっている。 
 28日、衆院解散の午後に開かれた民進党の両院議員総会で、前原誠司代表は「もう一度政権交代を果たすため、名を捨てて実を取る、その決断をご理解いただきたい」と述べた。

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       (民進党の両院議員総会に臨む前原代表)

 ――以下、SNSの「前原氏の〝本心〟とは」という論考を抜粋引用してみると、
 前原氏の提案」は以下の3点だ。① 今回の総選挙における民進党の公認内定は取り消す。② 民進党の立候補予定者は「希望の党」に公認を申請することとし、「希望の党」との交渉及び当分の間の党務については代表に一任する。③ 民進党は今回の総選挙に候補を擁立せず「希望の党」を全力で支援する。
 リベラル派議員から若干の質問はあったが、全員一致で同提案を了承した。すなわち党所属の衆議院議員は全員が離党して「希望の党」に公認申請するが、参議院はそのままにするということ。「民進党」の党名は残ることになった。

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 これはかつて新進党が結成された際に、公明党が用いた手段と同じである。公明党は1994年12月の新進党結党に参加したが、1992年の参院選当選組と地方議員で「公明」を結成。参議院では新進党と統一会派を組む戦法をとった。この「公明」は1997年12月に新進党が崩壊した時、旧公明党の議員の受け皿となった。

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 また「希望の党」は入党希望者全員を受け入れるわけではなく、は拒否される」との話も出ている。「希望の党」の小池代表は「ひとりひとりを見て、(入党させるかどうか)自分が決める」と述べたが、その数は約30人と言われる。菅直人元首相、辻元清美衆議院議員、赤松広隆元農水相をはじめ、いずれもリベラル的な傾向が強い。
 ただ、「希望の党」に入れてもらえず無所属で立候補したからといって、不利になるとは限らない。共産党が応援する可能性が残っているからだ。また枝野幸男元官房長官や長妻昭元厚労相などは、もともと選挙に強い。
    
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                      志位和夫 鼻[1]

 さらに「希望の党」がリベラルな議員の参加を拒否するのなら、衆院選挙の後で予定されている参議院の合流にも混乱が予想される。そもそも結成間もない同党には参院議員はいない。
前原氏がこうした意図を持って参院議員の新党入りを衆院選後に延ばしたのならば、なかなかの策士といえるだろう。その背後には小沢一郎・自由党党首が控え、知恵者で知られる平野貞夫・元参議院議員が付いている可能性が高い。衆院選後を睨んだ攻防は、すでに始まっている。
                                          ーー以上。                                                    
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 ところで、一方の小池・希望の党代表の狙いは何か?おそらく、民進の持っているカネ(政党交付金約100億円)と全国の組織網と候補者数だろう。「希望の党」への入党には供託金など〝持参金〟付きで総額50億円程度と推測される。候補者数は約200人ほどで過半数に及ばず、残された期間にはそれが限度だ。
 また、小池代表の出馬が話題になっている。本人は都政に専念し、オリンピック・パラリンピックを迎えるのだと言う。果たして残る10日間で変心することはないのか?機を見るに敏な小池氏のことだから、出馬の可能性は捨てきれない。

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 今日は、朝日新聞から県内情勢に関する取材を受けた。また、宮島だいすけ氏(4区)の強力な支援者であり、親交のある光武元市長からは闘いのメールが届いた。2、3区には残念ながら自民現職に対抗しうる候補者がいない。1区では、高木義明前議員の後継候補として西岡秀子氏(故・西岡武夫・参院議長の長女)が立候補している。4区の宮島だいすけ氏と共に、自民現職を打ちのめし復活当選も阻む闘いにしたいものだ。
目指すは〝安倍政権打倒〟である!

臨時国会の審議抜き・冒頭解散を許すな!

  安倍政権は、今月28日に臨時国会を召集して冒頭解散するようだ。呆れて開いた口が塞がらない。

       衆院解散の意向

  「国民の目には『安倍総理が国会での疑惑追及を逃れるために解散する』みたいに映る」と指摘したのは、首相側近の山本太一参院議員だ。「総理ご自身の言葉で大義名分を日本国民に十分、理解してもらうための最大限の努力が不可欠だ」と求めた。
 疑惑とは言うまでもなく『森友問題』と『加計問題』のことだ。次々に新たな事実が明るみに出てきている。

 「安倍さんは『できるだけ丁寧に国民に説明する』と言っていた。その説明もせずに、冒頭解散するというのは私には理解できない」と批判するのは、河野洋平元衆院議長だ。
さらに、「権力の側が自分の都合の良いときに自分の都合で解散するというのは果たしていいのかどうか、議論しなければならない」と訴えている。
 英国首相の下院解散権が2011年に封印されたことに触れて「非常に賢明な対処法で、あのやり方ができればいいと思う」との見方も示した。

       野党はいま

 民進など野党4党は、『森友・加計問題』の真相を解明するとして6月22日に臨時国会の召集を要求した。(憲法53条は、衆参いずれかで4分の1以上の議員から臨時国会の召集の要求があった場合、「内閣は召集を決定しなければならない」と定めている)
 しかし、この3か月余、召集されなかった。自民党の憲法改正草案でも要求があった日から「20日以内」に召集するとされている。明らかな憲法違反である。

       冒頭解散の狙いと結果

 自民党内からは「北朝鮮がミサイルを撃っている中で、解散なんてあり得ない」との声があるようだが、一方では「選挙期間中に弾道ミサイルが発射されれば、『自民党頑張れ』の世論になるのではないか」(閣僚経験者)との計算が見え隠れする。

 安倍首相は国連総会の一般演説で、「対話による問題解決の試みは、無に帰した」「必要なのは対話ではない。圧力だ」と強調してみせた。
 何のことはない。〝虎の威を借りる狐〟を演じたに過ぎない。虎とは「米国」、狐とは国民を騙し続ける安倍首相のことだ。

       武装難民は射殺!
       (「北朝鮮の武装難民が来たら、射殺」と述べた麻生太郎・財務相)

 要するに安倍政権の狙いが、「森友・加計」問題から逃げ、民進など野党の混乱に乗じて解散総選挙に持ち込み、「北の脅威」を利用して3分の2議席を維持する。
 その上で、本丸の「憲法改正」を成し遂げる、というものだろう。
 こんな無謀な野心を打ち砕き、安倍政権にとどめを刺すことが、野党には求められている。野党共闘と市民連合による「統一候補」を各選挙区に立てて、自公政権に打ち勝つ。それは多くの国民の願いであり、必ず実現できると確信する。
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今川正美のブログへようこそ!

生年月日 1947年8月7日
住  所 長崎県佐世保市
学  歴 佐世保北高等学校
     卒業(66年)
     佐賀大学農学部農
     学科中退(68年)
職  歴 佐世保地区労書記
       (68年)
     佐世保地区労事務
     局長(94年)
政 治 歴 衆議院議員
     (2000年・1期
      社会民主党)