武器調達に係る莫大な維持費ーー自衛隊のリストラを図れ

 いまさらと思うけど、自衛隊の武器調達は超割高で米軍需企業の思いのままだ。

 陸自が購入(17機)予定のオスプレイの場合、調達費1842億円と維持整備費約4600億円(20年間)もかかる。とくに高額なオスプレイ、グローバルホーク、F35、E2Dの4機種で、維持整備費は年平均約860億円に上る。

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 FMS(有償軍事援助)とかいう調達方法が不公平で、米企業の思いのままだ。
たとえば、オスプレイについて、米陸軍は「高価すぎて、装甲も弱く、整備に手間がかかる」との理由で、陸自も保有するCH47大型ヘリを購入しているとのことだ。陸自だって、オスプレイ費用が他の武器購入費を圧迫するとの理由で不評らしい。

     防衛費の推移

 防衛費の17年度当初予算は5兆2511億円。第二次安倍政権発足以来、前年比0.8%ずつ増えている。
 見過ごすことができないのは、「後年度負担」という仕組みだ。「ローン払い」のことで最長10年払い、武器購入だけでローン残高4兆8815億円(15年度)に膨れ上がっている。このため年度の「真水」予算が枯渇しつつあるという深刻な状況らしい。

    後年度負担

 冷戦終結後、欧米などの主要国は「軍備削減」を行ってきたが、日本(防衛省)はほとんど怠ってきた。冷戦時代、「ソ連の脅威」を理由に北海道に大量の陸自を配備し、防衛予算を倍増させてきた。
冷戦後の現在は「中国・北朝鮮の脅威」を理由に「島嶼防衛」とか称して、水陸機動団をつくりオスプレイを買って陸自を南西に配備する計画だ。いわば陸自の〝生き残り策〟に過ぎない。

     海自の展示潜水艦

 「武器禁輸」撤廃から4年、日本は武器の国際商戦に参入して〝死の商人〟の仲間入りとなったが、三菱重工や川崎重工など軍需企業の救出策に他ならない。
 米軍需産業は戦争を求め、米軍は戦争を仕掛けたり紛争に介入して、膨大な武器を消費してきた。
 日本のGDPに占める借金の割合は239.18(16年度)と世界ワーストで、終戦直前の状況に近い。
 米軍需産業とのお付き合いはほどほどにして、防衛のあり方を抜本的に見直すべきである。

国際犯罪防止条約(TOC条約)はテロ対策のためではない

 「共謀罪」については、先月12日に書いておいた。国会では集中審議中だが、それに追加しておきたい。

 「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ「組織的犯罪処罰法改正案」――政府が推進の理由とするのは、2020年の東京五輪・パラリンピックに向けたテロ対策。法整備して国際犯罪防止条約(TOC条約)を締結すれば「捜査共助や犯罪人引き渡しが充実する」と訴える。

     ニコス・パッサス
     (ニコス・パッサス教授)

 ところが、TOC条約の「立法ガイド」作成の中心人物・ニコス・パッサス教授(米ノースイースタン大学)は、朝日新聞の取材に次のように証言した。
――TOC条約の目的はテロ対策ではない。イデオロギーに由来する犯罪のためではなく、利益目的の組織犯罪を取り締まるための条約だ。既存の法律で加盟の条件を満たすのであれば、新法の必要はない。

  17.5.5朝日・TOC、テロ対策目的でない
  (朝日新聞 5月5日付)

 高山佳奈子教授(京都大学)は、「現在ある(犯行前の段階の行為を処罰する)予備罪などと組み合わせることで、条約が求める既遂・未遂の前の段階の処罰に対応することは可能だ。条約締結のため新たな法律が必要という政府の説明には理由がない」と話している。

     与野党の主な対立点

 「共謀罪」は、憲法31条(適正手続きの保障)にも反すると述べるのは、内田博文教授(神戸学院大学)。ある行為を犯罪として処罰するには、あらかじめ法律で、犯罪とされる行為と科される刑罰を明確に規定しておかなければならないとする、近代刑法の基本原則に反するというのだ。

 ウソで塗り固め、ペテン的手法で押し通そうとする「共謀罪」法案をなんとしても潰さなければ!

憲法施行70周年ーー2020年制定めざす安倍首相

  改憲をめざす安倍首相の鼻息が荒い。
 憲法施行70周年を迎える5月3日を前に、読売新聞のインタビュー(4月26日)で自民党総裁としての決意を語った。

     17.5.3読売・首相インタビュー

――東京五輪・パラリンピックが開催される20年を『新しい憲法』が施行される年にしたい。
 (具体的な改正項目は)9条に自衛隊の根拠規定を設ける。「党の改憲草案にこだわるべきでない」と明言して、「私の世代は自衛隊を合憲化することが使命」との考え方を示した。
 また、日本維新の会が主張する「教育無償化」について、歓迎すると述べた。

  安倍首相は第一次政権の時「戦後レジームからの脱却」を掲げて、占領下で押し付けられた憲法を見直して天皇や国家を中心とした〝明治体制〟に戻る理念を示した。
  憲法第96条の三分の二突破が困難とみるや、第二次政権では「集団的自衛権の行使」を閣議決定するという奇略を断行して、「緊急事態条項」など〝各個撃破〟作戦に転じた。

     小林節

  元々、改憲派だった小林節氏(慶応義塾大学・名誉教授)は次のように語る。
――自民党の改憲草案は、国民主権を制限し、天皇や国家を中心とした明治憲法に戻ろうと戦前回帰を狙った内容になっている。
――自民党の改憲派は、現憲法は米国の押しつけで、人権は欧米の産物だという考え方が強い。「安倍一強」の時代となり、党内の反対者やメディアまで押し黙っている。
――私は、専守防衛を明確にするためにも、「自衛軍」と「個別的自衛権」は明記すべきだ。9条の精神を損なわないための改正が必要だ。

  自民党の上川陽子議員(衆院憲法審査会委員)は、「〝押し付け論〟を卒業して、基本的な議論を深めていきたい」と言っている。
  米国による「押し付け論」は事実に反するし、〝戦前回帰〟だとの批判を招くとの思いに至ったのだろう。
 「『押し付けだから気に入らない』というのでは、『いまの日本国憲法に内容的問題がない』と自白しているようなもの」と、木村草太氏(首都大学・法学系教授)は手厳しい。

     小熊英二
     (小熊英二氏)

  小熊英二氏(慶応義塾大学教授)は、「各党(自民・民進・公明・維新)が挙げる改正点は、環境権・地方自治・緊急事態対応・合区解消・教育無償化・首相の解散権。それらは改憲せずとも法律の改正で対応できる」と語り、ケネス・盛・マッケルウィン氏(東大社会科学研究所准教授)の解説を紹介している。

     17.5.3読売・マッケルウィン氏 - コピー
     (マッケルウィン氏)

――日本国憲法は字数でかなり短い。人権規定は多いが統治機構は少なく曖昧で、法律に委ねているものが圧倒的に多い(「法律でこれを定める」と書いてある条文は10カ所もある)。
 憲法は権力者が守るべきもの。憲法の規定が簡略すぎるのは問題だ。政権党や政府の裁量や解釈が入り込みやすい。

  ところで、憲法の「制定過程」については以前に書いたと思うが、再確認の意味で述べておきたい。
 最近、米国による「押し付け論」への反論として「幣原首相による提案」説が見受けられる。だが、幣原首相はマッカーサーからの「戦争放棄」の提案に消極的な発言をしたことを理由に反論もあり、9条の発案者を巡る論争は決着していないとされる。

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  マッカーサーは「回想記」で幣原提案説を語っている。それは、帰国後、大統領選挙に出馬するにあたり日本の「非武装」を批判されたことへの反論の必要からだ。
  マッカーサーは日本の統治に天皇を必要と考え、天皇も「皇室存続」だけが関心事であり、アジア諸国にたいしても日本の「非武装」が不可欠だったのである。
 「幣原提案」説は当時の天皇を差し置いてありえず、天皇の命でマッカーサーに提案したと推測するのが妥当だろう。

     天皇とマッカーサー

  いずれにせよ、憲法は施行以来70年間一度も改正されることもなく、国民の間に定着しているのが現状だ。あえて改正すべき具体的事情がほとんど見当たらない。

国鉄の分割・民営化から30年を検証する。

 国鉄の分割・民営化から4月1日で30年である。
以来、JR採用差別反対・職場復帰闘争は2010年の民主党政権下での合意まで約23年間続いた。

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 国労は「闘争団」を結成し、地区労、社民党は「国鉄闘争共闘会議」を結成して、街頭宣伝や座り込み、物販活動などを行った。
2000年、私が国会議員になった時、北海道の闘争団から涙のにじんだ手紙を何度ももらったものだ。

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 分割・民営化以降、国労は内部抗争・分裂・が続き約20万人が脱退して、現在約9000人にまで激減した。
書きたいこと、書いておくべきことは数多くある。今回は『昭和解体 国鉄の分割・民営化30年目の真実』(講談社)の著者・牧久氏の解説から引用してみる。

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――1987(昭和62)年3月31日。日本国有鉄道は明治5年に新橋―横浜を繋いだ本邦初の官営鉄道以来、115年の歴史に幕を閉じた。
膨大な累積赤字や労使関係の歪み、現場モラルの低下等、<病める巨象>。それは、「明治維新」にも似た昭和の「国鉄維新」であったのかも知れない。

――累積赤字が表面化し、国鉄が5万人の合理化策を打ち出した1967年以降、労使関係は迷走する。
組合側が獲得した<現場協議制度>が労使の力関係をおかしくし、国鉄崩壊の引き金となった。全国50万人を束ねる国労・動労を相手に、磯崎叡(さとし)総裁は<生産性向上運動>を掲げて失敗し、以降、組合潰しと分割・民営化が同義語になっていく。

――現場協議制度をねじ込んだ細井宗一は、戦時中、田中角栄の上官で〝肝胆相照らす仲〟だった。国労のドン・富塚三夫(のち総評事務局長)は社会党系、細井は共産系だが、固い友情で結ばれていた。
 一方、分割・民営化を国鉄キャリアとして内側から支え、運輸族・三塚博の下で暗躍した三人組は、井手正敬、松田昌士、葛西敬之の3氏を指す。

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――中曽根康弘元首相は、第二次臨時行政調査会(土光敏夫会長)を発足させ、〈国鉄を分割・民営化すれば、一企業一組合の原則の中で、全国一本の各組合も分断され、総評・社会党を支えてきた闘争至上主義の国労を解体に追い込める〉との筋書きを描いたのだった。

――国鉄改革の是非については、歴史の評価を待つしかないが、私にはあの時代が懐かしい。ギラギラとした人間臭さが失われた結果が、今の1億総体制化でありトランプ現象だ。中曽根氏みたいな怖い政治家はいなくなり、戦後70年と言っても昭和と平成は別の時代なんだ。

――半藤一利さんによれば、歴史の転換点は40年周期で訪れる。だとすれば今後10年間で何が起きてもおかしくない。借金や労使問題で自ら崩れた国鉄を書くことで、あの時、自分も含めて何を失ったかを総括したかったのかもしれない。
(【プロフィール】まき・ひさし/1941年大分県生まれ。早稲田大学第一政治経済学部政治学科卒業後、日本経済新聞社入社。社会部記者、ベトナム特派員、社会部長、労務担当常務等を経て代表取締役副社長。テレビ大阪会長、日経顧問を経て現在は同社客員。)

     整備新幹線の状況

 さて、30年後の現在、JRの現状はどうであろうか。
全国的に「不採算の路線」は廃止されて、第三セクターやバスに切り替えられた。駅の無人化なども進み、お年寄りや高校生が苦労している。
 とくに、JR北海道は全路線の約半分にあたる10路線13区間は「単独で維持できない」と発表した。苦境のJRは自治体に支援を求めるが、財政難に喘ぐ自治体にその余裕はない。

     三セク列車

 佐世保では松浦鉄道(MR)が運行しているが、青息吐息の状態だ。このような状況下、赤字覚悟で新幹線を地方にもってくるとは、その神経を疑う。
〝アベノミクス〟を追い風に、巨大公共事業が息を吹き返してきた。

米国の北朝鮮攻撃はあるのか?

  連日ウンザリするほど「北朝鮮」問題の報道だ。知人からも「朝鮮半島で戦争になるのか?」「北朝鮮の反撃ミサイルで佐世保は大丈夫か?」との問い合わせがある。
扇動に載るようで気は進まないが、一応大雑把に点描してみる。

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     (AERA 1992年1月の記事)

◎北朝鮮のミサイル・核開発の状況
  北朝鮮の「祝日」は今月3回もある。金正恩の最高指導者就任5年(11日)、金日成主席の生誕105年(15日)、朝鮮人民軍の創設85年(25日)といった具合だ。
 その都度、国連などの警告を無視してミサイル発射や核実験を繰り返してきた。
 北朝鮮が「核保有国」を急いだ背景ーー「イラク、リビアは核保有を断念して、米国から国を潰された」。「核保有国になれば、米国は対等な交渉相手とみとめるはずだ」、という「教訓」が主な理由だろう。

     イラクと北朝鮮の比較

     北朝鮮を巡る主な発言

◎米国のこれまでの「作戦計画」
  通常兵器や核戦力で圧倒的な米国は、なぜ北朝鮮の動向に神経をとがらせるのか。
  一つは、北朝鮮のミサイル射程がやがて米国に届くことを懸念している。
  二つ目に、過去、北朝鮮の反撃による「被害想定」をしたら、米・韓両軍の死者及び韓国民間人の犠牲者は100万人を超えると の結果を得た。
  北朝鮮の対韓火砲は約1万2千門、その威力はまさに「ソウルを火の海にする」に充分である。
 1993年、4年の朝鮮半島「危機」の折、金泳三大統領はクリントン大統領に激しく抗議している。トランプ大統領といえども、韓国  の頭越しに北朝鮮攻撃をするのは無理である。
  実際、米国の目的は北朝鮮のミサイル発射や核実験の断念であり、武力で崩壊するつもりはない。

     北朝鮮のミサイル戦力

◎中国の思惑
  現在、トランプ政権は北朝鮮と関係の深い中国に説得を頼んでいる。
  中国は、石油供給停止などをちらつかせて、北朝鮮に「六か国協議」に戻ってくるように勧めているようだが、それ以上の深入り を避けているようだ。
  仮に戦争ともなれば、北朝鮮から多くの難民が中国北東部に押し寄せてくることを何よりも警戒している。

     16.3.6朝日・米韓、最大の演習 - コピー

◎最悪の事態を避けるには
  いずれの観点からみても対話による解決以外にない。久しく行われていない「六か国協議」(議長国・中国)を開いて、北朝鮮を 粘り強く説得することだ。
  北朝鮮が「攻撃するなら全面戦争で米国を叩きのめしてやる!」などと繰り返しているのは、北朝鮮の国民向けの引き締めに  ほかならない。

     MD・米国防総省提供

 トランプ政権は北朝鮮を「テロ支援国」に再度指定すると言っており、日本の出番のはずだ。「拉致問題」を優先するのでなく、ミサイル発射や核実験の停止と引き換えに経済協力を約束するのだ。
 ただ、「拉致問題」優先と先島諸島への自衛隊配備、ミサイル防衛しか念頭にない安倍政権では無理な話しだろう。
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今川正美のブログへようこそ!

生年月日 1947年8月7日
住  所 長崎県佐世保市
学  歴 佐世保北高等学校
     卒業(66年)
     佐賀大学農学部農
     学科中退(68年)
職  歴 佐世保地区労書記
       (68年)
     佐世保地区労事務
     局長(94年)
政 治 歴 衆議院議員
     (2000年・1期
      社会民主党)