「共謀罪」法の〝奇略〟的採決は許せない!

  こんなひどい国会が許されていいはずがない。
 いわゆる「共謀罪」法案を巡って、政府は参議院法務委員会での審議を打ち切り、採決を省略して本会議採決を行う「中間報告」 という奇略で、15日午前中に採決を強行してしまった。

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     (参議院本会議)

 安倍首相をはじめ政府は、同法案を「丁寧に分かり易く説明する」と約束していたはずだ。
 しかし、実際は法務大臣と官僚の答弁が食い違ったり、「一般の人は該当しない」と繰り返すのみだった。

     17.6.16朝日・かまわん、ぶっ飛ばせ!
     (朝日新聞 6/16付)

 〝一強〟と言われる安倍政権だが、「森友問題」に続いて「加計問題」まで噴出した。元官僚の具体的な告発(「総理の意向」文  書)に続いて現職官僚も内部告発し始めた。
 菅官房長官らは「怪文書」だと言い逃れ、元官僚のプライベート攻撃(読売新聞など)をする有様だ。

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     (朝日新聞 6/16付)

 歯止めがあいまいな「共謀罪」は警察の強力な武器になる。これで終わらず、通信傍受などの捜査手法の拡大が待っている。  (ジャーナリスト・青木理氏)
 一連の審議で気になったのが、野党の追及の矛先が法相の発言ぶりに集中し、法案の危険性をあぶり出す本質的なやりとりに 欠けたことだ。(ジャーナリスト・田原総一朗氏)
 こんな状況でも採決できるのは、「監視の対象は犯罪者だけ」「自分たちは関係ない」という国民も多くいたからだろう。監視の対 象にならないように国民が「気をつけて」しまう、政府が理想とする「やりやすい」社会に近づいている。(弁護士・亀石倫子氏)

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     (読売新聞 6/16付。「テロ準備罪法」と呼称したのは読売のみ)

 闘いは〝第二ラウンド〟だ。特定秘密保護法、安保法制、そして共謀罪などの悪法を潰すために、野党はもとより国民世論を大 きく広げていこう!

日本のPKO派遣25年ーー国際平和協力のあり方を見直そう

  日本が国連PKOとかかわってから25年が経過した。
PKOとは「平和維持活動」の略称であり、約70年ちかくの歴史があるが、その任務や活動は大きく変化してきている。

 そもそも国連は、国際紛争を解決する時の措置を「集団安全保障」と言うのだが、東西冷戦の対立で機能せず、国連憲章にも明記されていない。
※第6章(紛争の平和的解決)と第7章(平和に対する脅威、平和の破壊および侵略行為に関する行動)の間という意味で、〝6.5章〟の措置とも言われる。

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  国連加盟国は、任意で要員を派遣し義務で負担金を拠出してきた。基本三原則は①当事者の受け入れ同意②不偏性③自衛および任務の防衛以外の実力不行使、である。
 〝PKOの父〟と言われるピアソン(カナダ)。強制執行を提唱して失敗したブトロス・ガリ。ルワンダ大量虐殺を見殺しにして避難を浴びたアナン(ガーナ)など、歴代事務総長の責任と苦労は大きい。
  この15年間で、派遣要員数は15PKOに延べ2万人から約10万人に増加し、年間予算も12億ドルから75億ドルへと増加している。PKO任務の多様化などにより、要員・装備面での能力不足が大きな課題となっている。
 
     PKO[1]

  さて、日本のPKO派遣は、「国連平和活動協力法」(PKO協力法)が成立(92年6月)してからだ。当時、国会での社会党や共産党による〝牛歩戦術〟で抵抗した光景が印象深い。
自衛隊の任務は「専守防衛」に徹することであり、海外に派遣することは許されないという理由からであった。

  同法の成立後、アンゴラ監視団に監視要員3人を派遣(同年9月)、同時にカンボジア暫定統治機構(UNTAC)に施設部隊約600人を派遣した。
 しかし、翌93年、国連ボランティアの中田さんが死亡(4月)、翌月には文民警察要員の高田さんが死亡するという犠牲を出した。
 以降これまでに、延べ14のPKOに約9000人が派遣され、日本の要員の活動は規律正しく信頼性の高いものとして、国際社会から高い評価を受けてきたという。

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  そもそも、PKOへの自衛隊派遣のきっかけは「湾岸戦争のトラウマ」つまり「カネは出しても人は出さない」と揶揄されたことにあるというのだが、私は違うと思う。
  自民党や政府の中には、〝海外派遣ありき〟の考え方にこだわるものもいた。例えば、中曽根康弘首相はイラン・イラク戦争の頃、ペルシャ湾に護衛艦派遣を検討して、後藤田正晴・官房長官に体を張って抵抗され断念した、というエピソードが残っている。
  当時の状況に関しては、私の尊敬する友人だった故・佐々木芳隆氏(朝日新聞編集委員)
の著作「海を渡る自衛隊」(岩波新書)に詳しい。

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     (南スーダンの陸自と稲田朋美・防衛相)

  自衛隊の南スーダン派遣(12年1月)は、国連PKOが住民保護型へと〝戦うPKO〟に変化し、日本のPKO参加5原則が通用しない状況下での困難な任務となった。
  安倍政権は、戦闘状態にあることを記した「日報」にまごついたあげく、「駆けつけ警護」の新任務を与えたものの、「活動に一区切りついた」として今年5月部隊を撤収した。このまま活動を継続して自衛隊員に犠牲者が出たら政権が持たないと判断したのだろう。
  内戦や飢饉など困難の中で国連派遣団(UNMISS)が安定化の努力を続けている最中での撤収は如何なものだったろう。
 
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  この25年間のPKO問題の根本は、何をやりたいのかが見定まっていないことにある。
憲法の定める「国際協調主義」とは何か、国際平和協力の在り方についてはじめから自衛隊派遣ありきではなく、もっと日本の特性を生かせる分野は何かを根本的に検討し直すことだ。

政権疑惑を徹底追及すべしーー「森友学園」と「加計学園」

  今国会で最大の争点は『共謀罪』法案だろう。すでに衆院を通過したが参院での審議時間が窮屈で、政権側は会期延長を検討しているようだ。
 ところで、法案審議ではないが、安倍政権を巡る〝疑惑〟が野党やメディアの砲火を浴びている。

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 最初は、「森友学園」の小学校建設を巡る国有地売却問題であった。
 「森友学園」と安倍夫婦、とりわけ籠池泰典・理事長と昭恵夫人のやりとりなどは具体的で、国会でも野党の厳しい追及を受けた。
 しかし安倍首相は「まったく関与していない。関与していれば辞職する」と開き直った。

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 次に出てきたのが、「加計学園」問題だ。
 これまで獣医学系大学の新設は据え置かれていた。獣医学部構想を持つ今治市が「国家戦略特区」に認められ、加計学園がその事業主体に認定される。応募を検討していた他の大学は撤退を余儀なくされた。

     獣医学部新設と前川前次官の説明 - コピー

 この不可解な経緯について、朝日新聞が5月17日、「総理のご意向である」「官邸の最高レベルが言っている」との官邸から文科省へ伝えられた文書がある、との前川喜平・前文科次官の証言を報道したのだ。記者会見でも前川氏は「公正公平であるべき行政のあり方がゆがめられた」「圧力を感じなかったと言えばうそになる」と発言している。

     前川・前文科次官
     (前川喜平・前文科省事務次官)

 官邸の驚きと衝撃はこの上なく大きかったに違いない。松野博一・文科相は「文書の存在は確認できなかった」と発表。菅官房長官も記者会見で「出所不明で信ぴょう性も定かでなく、怪文書みたいな文書」と強調した。
 政権内でも動揺が出始めているらしく、あるベテラン議員は「政府が『文書は確認できない』と言うのは、裏返せば、それだけ苦しい立場ということ」との見方を示したという。

 自民党のしぶとさと嫌らしさは相変わらずだ。読売新聞は22日付で、前川・前次官が「在職中、売春や援助交際の出会い系バーに、頻繁に出入りしていた」との記事を載せた。
 前川氏は「不適切な行為はしていない。誤解を招きかねない行為だった」と語った。

 いずれにしても、政権が事実を否定し続ければ、さらに政治不信を深める以外にない。野党は、政権疑惑の徹底究明に向けて全力を尽くしてほしい!

国際犯罪防止条約(TOC条約)はテロ対策のためではない

 「共謀罪」については、先月12日に書いておいた。国会では集中審議中だが、それに追加しておきたい。

 「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ「組織的犯罪処罰法改正案」――政府が推進の理由とするのは、2020年の東京五輪・パラリンピックに向けたテロ対策。法整備して国際犯罪防止条約(TOC条約)を締結すれば「捜査共助や犯罪人引き渡しが充実する」と訴える。

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     (ニコス・パッサス教授)

 ところが、TOC条約の「立法ガイド」作成の中心人物・ニコス・パッサス教授(米ノースイースタン大学)は、朝日新聞の取材に次のように証言した。
――TOC条約の目的はテロ対策ではない。イデオロギーに由来する犯罪のためではなく、利益目的の組織犯罪を取り締まるための条約だ。既存の法律で加盟の条件を満たすのであれば、新法の必要はない。

  17.5.5朝日・TOC、テロ対策目的でない
  (朝日新聞 5月5日付)

 高山佳奈子教授(京都大学)は、「現在ある(犯行前の段階の行為を処罰する)予備罪などと組み合わせることで、条約が求める既遂・未遂の前の段階の処罰に対応することは可能だ。条約締結のため新たな法律が必要という政府の説明には理由がない」と話している。

     与野党の主な対立点

 「共謀罪」は、憲法31条(適正手続きの保障)にも反すると述べるのは、内田博文教授(神戸学院大学)。ある行為を犯罪として処罰するには、あらかじめ法律で、犯罪とされる行為と科される刑罰を明確に規定しておかなければならないとする、近代刑法の基本原則に反するというのだ。

 ウソで塗り固め、ペテン的手法で押し通そうとする「共謀罪」法案をなんとしても潰さなければ!

国鉄の分割・民営化から30年を検証する。

 国鉄の分割・民営化から4月1日で30年である。
以来、JR採用差別反対・職場復帰闘争は2010年の民主党政権下での合意まで約23年間続いた。

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 国労は「闘争団」を結成し、地区労、社民党は「国鉄闘争共闘会議」を結成して、街頭宣伝や座り込み、物販活動などを行った。
2000年、私が国会議員になった時、北海道の闘争団から涙のにじんだ手紙を何度ももらったものだ。

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 分割・民営化以降、国労は内部抗争・分裂・が続き約20万人が脱退して、現在約9000人にまで激減した。
書きたいこと、書いておくべきことは数多くある。今回は『昭和解体 国鉄の分割・民営化30年目の真実』(講談社)の著者・牧久氏の解説から引用してみる。

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――1987(昭和62)年3月31日。日本国有鉄道は明治5年に新橋―横浜を繋いだ本邦初の官営鉄道以来、115年の歴史に幕を閉じた。
膨大な累積赤字や労使関係の歪み、現場モラルの低下等、<病める巨象>。それは、「明治維新」にも似た昭和の「国鉄維新」であったのかも知れない。

――累積赤字が表面化し、国鉄が5万人の合理化策を打ち出した1967年以降、労使関係は迷走する。
組合側が獲得した<現場協議制度>が労使の力関係をおかしくし、国鉄崩壊の引き金となった。全国50万人を束ねる国労・動労を相手に、磯崎叡(さとし)総裁は<生産性向上運動>を掲げて失敗し、以降、組合潰しと分割・民営化が同義語になっていく。

――現場協議制度をねじ込んだ細井宗一は、戦時中、田中角栄の上官で〝肝胆相照らす仲〟だった。国労のドン・富塚三夫(のち総評事務局長)は社会党系、細井は共産系だが、固い友情で結ばれていた。
 一方、分割・民営化を国鉄キャリアとして内側から支え、運輸族・三塚博の下で暗躍した三人組は、井手正敬、松田昌士、葛西敬之の3氏を指す。

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――中曽根康弘元首相は、第二次臨時行政調査会(土光敏夫会長)を発足させ、〈国鉄を分割・民営化すれば、一企業一組合の原則の中で、全国一本の各組合も分断され、総評・社会党を支えてきた闘争至上主義の国労を解体に追い込める〉との筋書きを描いたのだった。

――国鉄改革の是非については、歴史の評価を待つしかないが、私にはあの時代が懐かしい。ギラギラとした人間臭さが失われた結果が、今の1億総体制化でありトランプ現象だ。中曽根氏みたいな怖い政治家はいなくなり、戦後70年と言っても昭和と平成は別の時代なんだ。

――半藤一利さんによれば、歴史の転換点は40年周期で訪れる。だとすれば今後10年間で何が起きてもおかしくない。借金や労使問題で自ら崩れた国鉄を書くことで、あの時、自分も含めて何を失ったかを総括したかったのかもしれない。
(【プロフィール】まき・ひさし/1941年大分県生まれ。早稲田大学第一政治経済学部政治学科卒業後、日本経済新聞社入社。社会部記者、ベトナム特派員、社会部長、労務担当常務等を経て代表取締役副社長。テレビ大阪会長、日経顧問を経て現在は同社客員。)

     整備新幹線の状況

 さて、30年後の現在、JRの現状はどうであろうか。
全国的に「不採算の路線」は廃止されて、第三セクターやバスに切り替えられた。駅の無人化なども進み、お年寄りや高校生が苦労している。
 とくに、JR北海道は全路線の約半分にあたる10路線13区間は「単独で維持できない」と発表した。苦境のJRは自治体に支援を求めるが、財政難に喘ぐ自治体にその余裕はない。

     三セク列車

 佐世保では松浦鉄道(MR)が運行しているが、青息吐息の状態だ。このような状況下、赤字覚悟で新幹線を地方にもってくるとは、その神経を疑う。
〝アベノミクス〟を追い風に、巨大公共事業が息を吹き返してきた。
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今川正美のブログへようこそ!

生年月日 1947年8月7日
住  所 長崎県佐世保市
学  歴 佐世保北高等学校
     卒業(66年)
     佐賀大学農学部農
     学科中退(68年)
職  歴 佐世保地区労書記
       (68年)
     佐世保地区労事務
     局長(94年)
政 治 歴 衆議院議員
     (2000年・1期
      社会民主党)