国鉄の分割・民営化から30年を検証する。

 国鉄の分割・民営化から4月1日で30年である。
以来、JR採用差別反対・職場復帰闘争は2010年の民主党政権下での合意まで約23年間続いた。

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 国労は「闘争団」を結成し、地区労、社民党は「国鉄闘争共闘会議」を結成して、街頭宣伝や座り込み、物販活動などを行った。
2000年、私が国会議員になった時、北海道の闘争団から涙のにじんだ手紙を何度ももらったものだ。

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 分割・民営化以降、国労は内部抗争・分裂・が続き約20万人が脱退して、現在約9000人にまで激減した。
書きたいこと、書いておくべきことは数多くある。今回は『昭和解体 国鉄の分割・民営化30年目の真実』(講談社)の著者・牧久氏の解説から引用してみる。

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――1987(昭和62)年3月31日。日本国有鉄道は明治5年に新橋―横浜を繋いだ本邦初の官営鉄道以来、115年の歴史に幕を閉じた。
膨大な累積赤字や労使関係の歪み、現場モラルの低下等、<病める巨象>。それは、「明治維新」にも似た昭和の「国鉄維新」であったのかも知れない。

――累積赤字が表面化し、国鉄が5万人の合理化策を打ち出した1967年以降、労使関係は迷走する。
組合側が獲得した<現場協議制度>が労使の力関係をおかしくし、国鉄崩壊の引き金となった。全国50万人を束ねる国労・動労を相手に、磯崎叡(さとし)総裁は<生産性向上運動>を掲げて失敗し、以降、組合潰しと分割・民営化が同義語になっていく。

――現場協議制度をねじ込んだ細井宗一は、戦時中、田中角栄の上官で〝肝胆相照らす仲〟だった。国労のドン・富塚三夫(のち総評事務局長)は社会党系、細井は共産系だが、固い友情で結ばれていた。
 一方、分割・民営化を国鉄キャリアとして内側から支え、運輸族・三塚博の下で暗躍した三人組は、井手正敬、松田昌士、葛西敬之の3氏を指す。

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――中曽根康弘元首相は、第二次臨時行政調査会(土光敏夫会長)を発足させ、〈国鉄を分割・民営化すれば、一企業一組合の原則の中で、全国一本の各組合も分断され、総評・社会党を支えてきた闘争至上主義の国労を解体に追い込める〉との筋書きを描いたのだった。

――国鉄改革の是非については、歴史の評価を待つしかないが、私にはあの時代が懐かしい。ギラギラとした人間臭さが失われた結果が、今の1億総体制化でありトランプ現象だ。中曽根氏みたいな怖い政治家はいなくなり、戦後70年と言っても昭和と平成は別の時代なんだ。

――半藤一利さんによれば、歴史の転換点は40年周期で訪れる。だとすれば今後10年間で何が起きてもおかしくない。借金や労使問題で自ら崩れた国鉄を書くことで、あの時、自分も含めて何を失ったかを総括したかったのかもしれない。
(【プロフィール】まき・ひさし/1941年大分県生まれ。早稲田大学第一政治経済学部政治学科卒業後、日本経済新聞社入社。社会部記者、ベトナム特派員、社会部長、労務担当常務等を経て代表取締役副社長。テレビ大阪会長、日経顧問を経て現在は同社客員。)

     整備新幹線の状況

 さて、30年後の現在、JRの現状はどうであろうか。
全国的に「不採算の路線」は廃止されて、第三セクターやバスに切り替えられた。駅の無人化なども進み、お年寄りや高校生が苦労している。
 とくに、JR北海道は全路線の約半分にあたる10路線13区間は「単独で維持できない」と発表した。苦境のJRは自治体に支援を求めるが、財政難に喘ぐ自治体にその余裕はない。

     三セク列車

 佐世保では松浦鉄道(MR)が運行しているが、青息吐息の状態だ。このような状況下、赤字覚悟で新幹線を地方にもってくるとは、その神経を疑う。
〝アベノミクス〟を追い風に、巨大公共事業が息を吹き返してきた。

「共謀罪」は平成版「治安維持法」だ。4度目の廃案に追い込もう!

 「共謀罪」法案の審議が衆院で始まっている。
 「共謀罪」は小泉内閣時代の2000年代、「思想や内心を理由に処罰される」との世論の反発を浴びて、過去3度も廃案となった法案である。
それを化粧直しして『組織的犯罪処罰法改正案』として提出された。先立つ与党審査会では、「テロリズム集団」という言葉を条文に書き込んだ。

     閣議決定された法案の概要

 法案のポイントは、①取り締まる団体を「組織的犯罪集団」に限定する②処罰できるのは、重大犯罪を実行するための「準備行為」があった場合に限る③対象犯罪を組織的犯罪集団のかかわりが想定される277に絞る――の三つだ。

 ①は新たな縛りとはいえない。「共謀罪」でも組織的な犯罪集団に限って成立すると言ってきたからだ。②の「準備行為」も何をさすのか、はっきりしない。③「共謀罪」は組織的犯罪防止の国際条約に加わるため600超の犯罪に一律導入する必要があるとの主張だった。今回の法案では277に半減させている。

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 政府が「市民生活に影響は及ばない」と説明しても、状況次第で法律の解釈適用をいかようにも変えられる。
 「集団的自衛権の行使」に係る憲法解釈を一片の閣議決定で覆し、安保法制を制定した安倍政権の体質をみれば明らかだ。
 加えて、違法・脱法行為をくり返してきた捜査当局に対する国民の根深い不信がある。

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 藤野保議員(共産党)は「治安維持法」が制定された経緯を例に「ひとたび内心を処罰する法律をつくれば、時の政権と捜査機関次第で、恣意的に解釈され、萎縮効果を生み、自由な社会をつぶしていく」、「未遂より前の段階で処罰できる国内法がすでにある」と述べた。

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 すでに各地では、同法案反対や慎重な議論を求める訴えが広がっている。
地方議会でも2県議会、34市町村議会から反対または慎重審議を求める意見書が届いている。(4月6日現在)
 とくに、長野県では最多の13市町村議会が反対または慎重審議を求める意見書を出した。背景には、1933年、治安維持法違反容疑で約600人が検挙された「二・四事件」があるようだ。

 「共謀罪」法案は平成版「治安維持法」だ。4度目の廃案を目指して運動と世論を広げたい!

〝トランプ旋風〟ーー「対米従属」から脱却の好機だ

 このところ少しばかり『サンデー毎日』の記事から目が離れない。
 特に、最新号(2/12)の「サンデー時評」(倉重篤郎)に登場した松竹信幸・元共産党安保外交部長の取材記事が興味深い。
 トランプ旋風が吹き荒れる中、マティス米国防長官が官邸を訪れ安倍首相と会談した。「尖閣諸島は安保条約第5条が適用される」との国防長官の言葉に、首相はすっかり満足した様子だ。涙が出るほど笑ってしまう。
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     (マティス米国防長官と安倍首相)

 歴代政権は、日米安保にビルトインされた「対米従属」から脱却する意図も術もなかった。安倍政権にしても「戦後レジームからの脱却」を謳いあげながら、日米同盟の根源的見直しはおろかますます「対米従属」の度合いを強めている。
 そんな折、松竹氏の新著「対米従属の謎」(平凡社新書)という本が出た。著者はジャーナリスト兼編集者の松竹信幸氏(元共産党安保外交部長)である。松竹氏は従属をどうすれば解消し、どうしたら日本は自立できるのか、その道筋を模索しているという。
     
サンデー毎日2.12号
     (「サンデー毎日」2.12号)

 ここでは「サンデー時評」の記事を要約しておきたいと思う。
――日米安保に潜む不平等・対米従属性について、『戦後史の正体』(孫崎享著・創元社・12年)、『永続敗戦論』(白井聡著・太田出版・13年)、『日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか』(矢部宏治著・集英社インターナショナル・14年)という3作から松竹氏は影響を受けたという。
 松竹氏はまず「従属の現実」として、公務中の在日米軍人の事件・事故について、実際に裁判にかけられたケースが皆無に近いこと、地位協定についても、ドイツが改定し、イタリアが主権を前面に出して原因の徹底究明を求めたのに比し、日本が一貫して及び腰である。

 「従属の原点」について、日本とドイツの占領形態の違い、占領を受け入れた政治家の対米自主度の差に求め、さらに「従属の形成」「従属の展開」として、日本が世界史に前例のない形で裁判権を全面的に放棄したこと。安保改定により双務性を強化しながら、その自主判断権を棚上げし、米国との一体化を追求することで従属を慣行化させてきた。
 鳩山元首相は、政権崩壊の一因として同盟強化派官僚の背信を挙げたが、「抑止力信仰」こそ崩壊の真因である。

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――では、抑止力とは何か。歴代政権は、米国の核抑止力への依存、つまり核の傘に入ることを自国の外交・安保政策の大前提としてきた。
 NATO加盟国が核戦力使用について米国と事前協議する仕組みがあるのとは全く異なっている。
<対米従属解消の方策> NATOを見習う形で核に関する日米間の戦略協議を実現する。将来的には専守防衛政策を世界に普遍化させる。 
<方策を担う政治主体> 今なお抑止力信仰が続く民進党が国民の不安に応えられる安保・防衛政策づくりに挑んでいけるかが課題。
<民進、共産両党を軸とする野党共闘のあり方> 政権からの『野合』批判を受けないためにも、やはり基本政策の一致が必要だ。

――松竹氏のユニークな活動と生き方について。
ところで、松竹氏の経歴も興味深い。学生時代に共産党系全学連委員長をつとめ、その後、06年まで12年間共産党政策委員会の安保外交担当部長をつとめていたという。
転機は、自衛隊の位置づけで志位和夫委員長との間で深刻な意見対立が生まれたことだったらしい。松竹氏が「共産党は自衛隊容認と自衛隊解消という両者を理解できる立場」との論文を発表したら、同党中央は「党は解消論に重点がある」と言って自己批判書提出を求められ、結局離党を余儀なくされたという。

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     (箕輪登・元政務次官)

 その後、京都の出版社の編集者となり、最初に手掛けたのが『我、自衛隊を愛す 故に、憲法9条を守る』という本の出版だった。箕輪登・元政務次官と元防衛官僚二人が護憲への思いを語った内容だ。

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     (柳沢協二・元内閣官房副長官補)

 松竹氏はこうした出版活動をとおして、柳沢協二・元内閣官房副長官補、伊勢崎賢治・東京外大教授、加藤朗・桜美林大教授との出会い、憲法9条の枠内で自衛隊を活用する道を求めて、「自衛隊を活かす会」(代表:柳沢氏)を結成したというのだ。

     防衛費の推移

 米国新大統領〝トランプ旋風〟で日本の「対米従属」は一層深まる可能性もある。
九条の理念を大切にすることはもちろん大事だが、政治の世界では現実的な解決策が求められる。
 きわめて困難な道ではあるが臆することなく、安保・同盟体制からの脱却の道を探っていきたいものだ。

「カジノ解禁法案」に反対する!

 国や自治体が「賭博」を推奨するとは、何事だろうか。昨日、衆院内閣委でいわゆる「カジノ解禁法案」が採決強行で可決された。自民、維新が賛成し、公明は採決容認した上で自主投票とした。
 推進議連は「経済効果が高い」と訴え、安倍首相も「成長戦略の目玉になる」と語っている。維新の会は賛成の見返りに、IR(統合型リゾート)と大阪万博、リニア新幹線の大阪延伸を求めた。

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 元々この法案は、刑法が禁じる賭博に、民間業者が営むカジノという新たな例外を認めようとするものだ。
しかし、香港・マカオ・シンガポールなどでは、大きな弊害がみられる。

 最大の懸念はギャンブル依存症だ。日本では競輪・馬・競艇なども含めると、依存症患者は海外より多いといわれ、「成人の5%・536万人」(厚労省)との推計もある。
「多重債務、自殺、犯罪を誘発しており、カジノ解禁はゆがんだ発想だ」(共産党・清水忠史衆院議員)。
 また、反社会勢力が食い込むのは火を見るより明らかだ。マネーロンダリング(資金洗浄)は世界的に見られ、防ぐことは困難だ。
 「IR方式」は、家族で出かける先に賭博場がある方式で、青少年らが賭博に対する抵抗感を喪失したまま成長することになりかねない。(日本弁護士連合会の意見書)
 カジノで100億円余の大金を失った大王製紙元会長は、「現世にポッカリ口を開けた無間地獄」と、カジノの底に落ちた恐怖をそう表現したそうだ。(「天声人語」12/2)

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     (眩いネオンのカジノ街の下では)

 では経済効果は本当にあるのか?シンガポールやマカオに見られるように、「IRの収益が横ばいという海外の傾向もあり、かつてのリゾート法の失敗例のように廃墟が残るだけではないか」(公明党・高木美智代衆院議員)。
 恥ずかしいことに、わが長崎県の知事や佐世保市長、ハウステンボスなどは先を競ってカジノ誘致に必死だ。
 私のかつての友人は競輪にハマり込んで、あげくの果てにテンボス前の川に身を投じたのだった。

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     (リゾート・ワールド・セントーサ)

 大手各紙はそろって慎重審議を求め、世論調査(朝日、14年)では法案賛成30%に対し、反対は59%で大きく上回っている。
カジノ経営者は、開業には「法案成立から7年かかる」と言い、投資意欲もしぼみかねないという危機感をもっている。

 安倍政治自体が〝ギャンブル〟みたいなもんだ、と笑って済まされる問題ではない。法案を廃案に追い込むチャンスはまだある。カジノやIRの魔力にとり憑かれた人々を目覚めさせる工夫と努力をしてみよう。

「駆けつけ警護」閣議決定ーー「交戦するPKO」下での陸自派遣は無謀だ

 政府はきょう、南スーダンPKOに派遣する陸自部隊に、新任務「駆けつけ警護」付与を含む実施計画を閣議決定した。
 「改正PKO法」に基づく新任務付与は、安保法の本格運用の第一歩となる。

 しかし、南スーダンでは7月に政府軍と反政府勢力の大規模な戦闘が発生。このため政府は、出動範囲を首都ジュバ周辺に限定し、「他国軍人を『駆けつけ警護』することは想定されない」と強調。実施計画では新たに撤収規定を設けるなど、活動要件を厳格化する方針だ。

     駆けつけ警護のイメージ

 ここでは伊勢崎賢治氏の見解を参考に示しておきたい。(朝日新聞 11/15付)
伊勢崎氏は〝武装解除人〟と自他共に認めるとおり、アフガンなどで紛争処理に力を尽くしてきた。
――1992年にPKO法が成立してから約四半世紀がたち、国連PKOの役割が様変わりしたことが十分考慮されていません。
 いまPKOの最も重要な任務は、紛争現場で武器を使ってでも住民を保護することです。100万人もの犠牲者を生んだルワンダ虐殺(1994年)をきっかけに、1999年、アナン国連事務総長は、任務遂行に必要ならば、PKOが「紛争の当事者」になって「交戦」することを明確にしました。
 もはや停戦合意の有無は関係なく、住民保護のためには中立の立場を放棄することもあるし、武器使用も必要最小限とは言えなくなりました。
 「交戦するPKO」の登場で、日本の5原則は意味をなさなくなったのです。

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     (伊勢崎賢治氏)

――南スーダンの自衛隊は、施設部隊です。「駆けつけ警護」が付与されても、国連司令部が自衛隊に、歩兵部隊がやる能動的な警備任務をさせることはまずありません。
 しかし自衛隊の宿営地に南スーダン政府軍に追われた住民が助けを求めたら、住民を追ってきた政府軍と交戦になるでしょう。
 自衛隊員が、過って住民を撃ってしまったらどうなるのか。憲法9条は交戦権を認めていないので、日本には軍法も軍事法廷もありません。自衛隊員の責任をどう問うのか、国際問題になるでしょう。

――交戦するようになったPKOの現場に「交戦できない」自衛隊を送る。憲法とPKOの矛盾を取り繕うことは、もはやできません。
 憲法と矛盾しない代替策が必要です。まず国連PKOへの財政支援、また非武装の軍事監視団に自衛隊幹部を派遣することも必要でしょう。文民警察も派遣して、PKO支持を明確に打ち出すことです。

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     (山本洋氏)

 いま一人、最初に陸自が南スーダンに派遣されたとき、「中央即応集団司令官」として統括責任者を務めた山本洋氏の意見も引用しておく。
――駆けつけ警護について誤解を恐れず言えば、過去のPKOの活動でも、それに近い状況はあったのです。現場の指揮官が法的に許されるぎりぎりの範囲で悩みながら判断してきました。
 自衛隊を海外に派遣する以上、法律の不備を残したまま送り出すのはやめてほしい。

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     (駆けつけ警護の訓練)

――駆けつけ警護は、新たな「任務」の付与と言われますが、過去の経緯に照らせば「権限」の付与ととらえる方が実態に近いと思います。要請があっても、隊員の安全が守れないと判断すれば行かないこともありうるからです。
 自衛隊が国際社会から高い評価を受けているのは、道路や水道などのインフラ整備の任務です。
 南スーダンの情勢は悪化しており、情報収集を強化しUNMISS(国連南スーダン派遣団)司令部と連携して最大限の配慮をすることを政府に求めたい。

 政府はこうした意見に耳を貸すことなく、閣議決定に基づいて陸自部隊を今月20日に派遣する予定だ。
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今川正美のブログへようこそ!

生年月日 1947年8月7日
住  所 長崎県佐世保市
学  歴 佐世保北高等学校
     卒業(66年)
     佐賀大学農学部農
     学科中退(68年)
職  歴 佐世保地区労書記
       (68年)
     佐世保地区労事務
     局長(94年)
政 治 歴 衆議院議員
     (2000年・1期
      社会民主党)