季刊誌『通販生活』~反原発・憲法特集がおもしろい。

  普段気にもとめなかった、季刊誌『通販生活』。

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 いつも買い物に行くスーパー「エレナ」店で、雑誌棚を見ていたら『通販生活』が目にとまった。落合恵子と小泉純一郎・元総理の「脱原発」対談。与野党議員による「国民投票法と憲法9条」特集。アフガニスタンの子どもたちをドイツの国際平和村で治療するための寄付の呼びかけ。・・・など内容豊かで、本誌の編集方針は「脱原発」「護憲」に徹している。

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 価格はたったの180円なので、かなりの読者層がいるのだろう。今回は、落合恵子と小泉純一郎・元総理の「脱原発」対談の内容を見てみたいと思う。長くなるのをご勘弁願いたい。

――「総理のときは『安全、安い、クリーン』という原発3大スローガンを鵜のみにしていました」。(小泉氏)
小泉さんと考えが違う分野はありますが、原発ゼロの提唱には心から敬意を表します」。(落合さん)
 私は総理を辞めて、さまざまな書物を読んで「これはゼロにしなければ」と自信を持った。「過ちは改むるに憚ることなかれ」だと思ってね。(小泉氏)

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 福島原発事故から6年、「40年で廃炉」という約束もうやむやにされました。再稼働している原発は2基ですが、再稼働が許可、審査中の原発もある。再稼働の是非こそ衆議院選挙で問われるべきではありませんか。(落合さん)
 そうですね。野党がまとまり「原発ゼロ」を争点にすれば自民党は衆院選で負けますよ。柏崎刈羽原発が最大の争点となった新潟知事選では、自民・公明と連合が応援した候補が負けた。鹿児島も原発再稼働に反対した三反園さんが突然立候補して勝った。いままでの政治的常識を覆したね。(小泉氏)
 野党第一党の民進党が、はっきりと「原発反対」を打ち出せていない。(電力会社の労組への遠慮から)
 電源三法交付金を受け取る市区町村の選挙だとまだ推進派も強いかもしれないけど、そうでない選挙であれば反対派が勝つと思います。(落合さん)

―― 福島原発事故のとき、推進派の3大スローガンに疑問をもつようになった。原発導入の経緯や実態などを本や映画で勉強しました。『100,000年後の安全』(09年、フィンランドほか)という映画を観たことも、原発ゼロへの思いを強くさせたな。(小泉氏)
 小泉さんは実際に核廃棄物最終処分場「オンカロ」にも行かれています。(落合さん)

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     (フィンランドで建設中の核廃棄物処分場「オンカロ」)

 13年春に経済界の人たちから「視察に行かないか」と誘われたんです。何と、三菱重工、東芝、日立製作所の幹部が一緒に行きました。
 「オンカロ」を見て「地震や火山の多い日本で、こうした方法は無理だ」「原発は一刻も早くやめないといけない」と、確信したんです。(小泉氏)
――小泉さんは、「総理が決断すればすぐにでも原発はゼロにできる」とおっしゃっています。総理が公約として掲げた選挙に勝てば、「原発ゼロ」を実行できるということですね。(落合さん)
「そうです。与野党全てが反対だった郵政民営化に比べたら、原発ゼロの実現のほうがまだ簡単ですよ」。(小泉氏)

――「安倍総理にお会いして、『原発はやめたほうがいいよ』とおっしゃったそうですね」。(落合さん)
 (安倍総理の反応は)苦笑いするだけだった。だけど「原発への依存度を下げよう」とか言い始めた。ゼロじゃないとダメです。
 経産省が「原発のコストは安い」と言っているけど、大ウソ。交付金、廃棄物処分場など多額の税金が必要。
 もんじゅ(高速増殖炉)なんて、無駄遣いのいい例です。維持するだけで毎日5000万円ぐらいかかっている。(小泉氏)

――原発はクリーンもウソですよね。(落合さん)
 冷却水に使った海水は海に放出される。温暖化防止に貢献するなんてウソで、環境汚染産業だよ。
 経済界のある方からは「高い石油を買い、自然エネルギーなんてわずか。経済成長しなければならないから、やはり原発ゼロは無理ですよ」と言われた。(小泉氏)
 安全よりも経済優先。現実は経済的にも立ちいかないものなのですが。(落合さん)

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     (風力発電の説明を聞く小泉氏と細川氏)

 推進派は、「寒い冬、暑い夏がくれば、電力不足。国民は原発の重要性を思い知るだろう」と言いました。
 でも、事故後の12年3月から13年9月まで54基あった原発が2基しか動いていない。13年9月から15年8月までは1基も動いていない。
 「3.11」以降原発ゼロ同然。省エネ技術も発展してきて、太陽光発電によって原発10基分以上の電力を供給している。(小泉氏)

――小泉さんは16年7月に「トモダチ作戦被害者支援基金」を細川(護熙元首相)さんらと設立されましたが、きっかけは何だったのですか。(落合さん)
 16年3月に日系4世のジャーナリストが、東日本大震災で米軍が「トモダチ作戦」として被災地で救援活動をして、兵士たちが被ばくしたことを教えてくれた。
 それで5月にサンディエゴに行って元兵士たちに話を聞いたのです。400人くらいが被ばくしたらしい。(小泉氏)
 兵士は国に対して「どうにかしてほしい」と言えないんですよね。(落合さん)
 言えない。だから、彼らは東電やGE(原発メーカー)などを相手に訴訟を起こしている。(小泉氏)

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――小泉さんは原発事故で甲状腺がんになった日本の子どもたちを支援する「3.11甲状腺がん子ども基金」の呼びかけ人もなさっていますね。私もご一緒させていただいています。
「病気と放射線の因果関係が立証できていない」という批判がありますね。(落合さん)
 アメリカ海軍の医師も「放射線によるものと断定できない」と因果関係を認めない。だけど、目の前で苦しんでいる人を、見捨てるわけにはいかない。(小泉氏)
 元兵士も福島の子どもも、異常な状態なのは事実。因果関係が証明されるまで待て、と言うのか、ということですよ。(落合さん)

――私、日本の政治家の多くは、自分が人間だということを忘れておられるんじゃないかと思うんです。小泉さんは74歳になられましたけど、頼もしいです。(落合さん)
 クラーク博士は「少年よ、大志を抱け」と言ったけど、「老人でも大志を抱いていい」。私の大志は原発ゼロの実現。(小泉氏)
 国会中継などを見ていて「ふがいない!」って、腹立たしいんです。(落合さん)
 何のために政治をやってるんだと言いたいな。こんな大事な問題を。(小泉氏)


原子力3社の「統合計画」

 月日の移ろいは早いもので、明日から11月で「立冬」を迎える。
 TVでは毎日、〝小池劇場〟でいささかウンザリする。
  ところで、原子力をめぐる動きから目が離せない。小さな記事だけど、「日立の原子力事業、統合視野」というのがあった。

     東電の東原社長
     ( 日立製作所の東原敏昭社長)

 日立製作所の東原敏昭社長は今月27日の記者会見で、東芝、三菱重工業との3社で核燃料の製造事業を統合する方針に関連し、「燃料だけでなく、全体を考えるべき時期が来る」と話した。
 中核となる原子炉の設計、製造事業も将来的に統合する可能性に踏み込んだ。
東電福島第一原発の事故後、国内では原発の再稼働や新増設が進まず、各社とも原子力事業の採算が悪くなっているという。

     東芝とWH

     仏アレバ社
     (仏アレバ社のスタッフ)

 ただ、原子力事業の統合は、各社が別々の海外メーカーと手を組んでいることなどからハードルが高いとされる。
ちなみに、日立は米GEと合弁事業を組み、東芝は米WHを買収、三菱は仏アレバ社と合弁会社を設立といった具合に、世界の原子力産業の中核主体となっている。

 一方、福島第一原発の事故に伴う事故処理や賠償費用は、いまの想定より7兆円超増える見込みで、経産省は東電が負担しきれない分は「国民負担」とする魂胆のようだ。
例えば、溶けだした核燃料(デブリ)の実態すら不明で、正確な見積もりなど困難だ。

     16.10.17朝日・東電救済シナリオ

〝核のゴミ〟処分場の見通しもないまま、再稼働や運転期間延長への認可が進んでいる。
 ドイツに続き台湾も2020年までに「原発ゼロ」を決めた。日本も、核燃料サイクルを断念して「原発ゼロ」へのロードマップをつくる局面を迎えているのではないか。

再処理事業はやめられる!

 また、原発にかんする話題になる。
「再処理事業は中止できる」との記事が載った(朝日新聞 9月10日付)。主張しているのは弁護士の河合弘之さん。

 主張の主な内容は、次のとおりだ。――「六ヶ所村で使用済み核燃料を再処理してプルトニウムと高レベル放射性廃棄物にする工場の建設が進んでいない。」
 「工場は止められない」という最有力の根拠は、98年に青森県、六ケ所村と日本原燃が締結した「覚書」だ。これを根拠に「再処理事業をやめたら、今ある使用済み核燃料を全て各原発に返送せねばならない。しかし、各原発の保管場所は既に満杯に近く、返送受け入れは無理。だから再処理事業は継続するしかない」とする主張だ。
 現に野田政権(民主)はその主張にぶつかって腰砕けとなり、核燃料サイクルの中止を決断できなかった。

     六ヶ所村再処理工場
     (六ケ所村再処理工場)

 しかし、本当だろうか。覚書には「元の原子力発電所に戻せ」とは書かれていない。日本原燃が別の場所を用意すれば良いのだ。電力会社や国は覚書の当事者ではないから返送受け入れの義務はない。
 義務を負う日本原燃は、施設外への搬出ができなければ、損害賠償その他「必要かつ適切な措置」を講ずればよい。損害賠償で資金が不足すれば、国は貸し付けなどの支援をすべきだ。賠償額は巨額になるだろうが、再処理事業を続ける青天井の額に比べればずっと少額で済む。
 また、金銭賠償だけでなく、青森県や六ケ所村に自然エネルギーなどの代替産業の整備が必要で、県民や村民が明るい展望をもって繁栄できるようにするべきだ。

     核燃料サイクル

 ところで、再処理にかかる費用はどれほどだろうか。
 再処理工場の総費用11兆円、放射性廃棄物管理などバックエンド費用を合わせると約19兆円。――六ケ所再処理施設にかかわるコストについて、電気事業連合会(電事連)が公表した(04年1月)金額だ。

 原子力資料情報室(CNIC)で核燃料サイクル問題を担当する澤井正子氏の説明はこうだ。
――もともと公表されていたのは、再処理工場の建設費だけで着工当時7600億円(93年)だったのが2兆1400億円(99年)と膨れ上がった。そして04年の発表で唐突に「19兆円」が現れた。「これほどコストがかさむと思っていなかった電力会社が、『受益者負担』として国民に転嫁するために慌ててはじき出したのでしょう」。

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     (澤井正子氏)

――だが、事業計画自体が六ケ所再処理工場の処理能力は年間800トンで、06年から40年間〝無事故でフル稼働〟する計画だった。
 ところが、稼働原発からは毎年1000~1100トンの使用済み核燃料が発生していた。再処理できず過去の蓄積分と合わせると46年までに3万4000トンが中間貯蔵に回るとはじき出された。その上操業終了以降の再処理や中間貯蔵のコストは算出されていない。

――驚く点はほかにもある。再処理費用が発生する期間の設定が、05年から369年までと実に360年間にも渡っている。「未来に先送りしつつ〝広く薄く〟徴収することにして、現役世代から『負担が重い』との批判をかわすためだろうか」。
 再処理工場の操業可能期間としている40年間で「19兆円」を完済するとなれば、今とは比べ物にならないほど負担が増大するはずだ。

――福島原発事故を受けて、内閣府の原子力発電・核燃料サイクル技術検討小委員会資料(12年6月11日付)に、興味深い試算が載っている。
 使用済み核燃料の「全量再処理」と、再処理せず「直接処分」した場合、それぞれ併存させた場合の3パターンについての費用が計算された。
 直接処分の費用が最も低かった。電力総需要の原子力比35%でも、全量再処理が18兆4100億円なのに対して、直接処分は14兆8100億円だ。

     14.1.11朝日・核燃とプルトニウム - コピー

――直接処分すれば安くなるのは当然で、核燃料サイクルを諦めれば負担を最小限に抑えられる。再処理工場の運転、MOX燃料加工工場、TRU廃棄物のコストが不要となり、19兆円のうち7割を削減できる。
 「もんじゅ」は操業再開のメドが立たず、プルサーマル発電は国民感情が許さない。本格稼働させれば費用が「右肩上がり」で膨らむ。それでも国が「全量再処理」の方針を捨てきれないのは、「核のゴミ」の貯蔵プールとしての役割が欲しいからではないか。

 こんなに矛盾に満ちた「再処理」に係る問題。国民のことなど全く念頭になく、税金を湯水のように使い捨てる国や電力会社に、鉄槌を下したい!

     もんじゅ
     (高速増殖炉「もんじゅ」)

<追記>
 なんと!政府が「もんじゅ」の廃炉も含めた検討に入った――今朝、各社が報道した。20年以上ほとんど運転していない施設に数千億円をさらに拠出することに国民の理解を得るのは難しい、と判断したようだ。

      渕上隆信・敦賀市長
      (「もんじゅ存続」を政府に要請する渕上隆信・敦賀市長)

 福井県や敦賀市は廃炉に猛反発しているが、カネや地域経済よりも県民、国民の命と健康を優先すべきではないか。
 再運転には新規制基準に適合する必要があり、施設の改修などに数千億円かかる見通し。
 いよいよ、核燃料サイクルの破たんが明白となり、原発再稼働を止めて古い原発や活断層沿いの原発から廃炉にしていく局面を迎える。

〝脱原発〟派の首長潰しを許すな!

 新潟県の泉田裕彦知事が8月30日、知事選への立候補を突然撤回した。泉田知事はこれまで、柏崎刈羽原発の再稼働に慎重な姿勢をとり続けてきた。

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     (不出馬を表明する泉田知事)

 撤回の理由として、県が関連する事業に関する船の購入契約トラブルを巡る新潟日報の報道姿勢を挙げた。
 自分が退くことで、「原子力防災を争点化した上で選ばれる知事が誕生して欲しい」との期待を示した。

 知事は、川内や伊方原発が再稼働する中、柏崎刈羽原発について「福島第一原発事故の検証が先だ」と訴えてきた。
 また、「福島事故の検証と総括を続けていく中で、重大な問題が浮かび上がっている」と指摘し、原発の新規制基準は「国際水準に達していない」と批判した。
 住民避難についても「新潟県の場合、どうやって約44万人が2時間で避難できるのか」などと国の指針に疑問を呈した。

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     (週刊金曜日 9月9日号)

 「週刊金曜日」(9月9日号)によると、――「対抗馬の森民夫前長岡市長は高齢で知名度も低く、泉田知事に及ばない」。そこで、「一部の自民党が『新潟日報』と組んで泉田知事へのネガティブキャンペーンを仕掛けたようです。東電も同紙に全面カラー広告を出して援助」したというのだ。
 同じようなケースは原発立地・青森県でも見られた。同県の『東奥日報』は、脱原発派の鹿内博青森市長に対して、第三セクターの赤字問題を執拗に批判し、鹿内市長が辞意を表明した。

 泉田知事は後継指名はしないとの態度だが、是非とも原発再稼働に反対する新知事を誕生させてほしいものだ。

核廃棄物の管理10万年という「超現実」方針

 先月27日、当ブログに故・藤田祐幸先生の「脱原発論」を詳しく紹介しておいた。
 その内容を裏付けるような事態が相次いでいる。

 一つは、原子力規制委が原発廃炉に伴う制御棒など放射能レベルが高い廃棄物について処分の基本方針を了承した(8/31)。
地震や火山の影響を受けにくい場所で70メートルより深い地中に埋め、電力会社に300~400年間管理させる。その後は国が10万年間、管理するという。
 電力会社の管理期間を「数万年とするのは現実的でない」とし、国による処分は地下300メートルより深い場所で10万年間管理する。

     放射性廃棄物の処分イメージ

 規制委は、冗談が過ぎる。
 人類が生まれたのが約20万年前。400年先まで電力会社が存続しているのか?10万年先に日本政府が、いや地球や人類が果たして存在するのか、絶滅していないか?
 藤田先生は指摘する。――「地下に溶け落ちた炉心の放射能は100年や1000年経ってみても、とうてい手に負えるものではない」。「10万年間管理するというが、その技術と安全性について検証のしようがない」。

 いま一つは、凍土壁の致命的欠陥が露呈したことだ(9/1)。凍土壁で遮蔽された下流のエリアの地下水位が、台風10号による降水量以上に上昇していた。東電は、上流の放射性物質で汚染された地下水が凍土壁を抜けて流れ込んだとみている。
 規制委の外部有識者からは、「計画は破綻している」との指摘も出ている。

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 誰しも「責任」を負うことができるのは生きている間である。400年先とか10万年先なんて、責任をとりようのない話しではないか。
 政府や電力会社の「超現実的」な方針に愕然とする。あまりにも非常識かつ無責任である!!
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今川正美のブログへようこそ!

生年月日 1947年8月7日
住  所 長崎県佐世保市
学  歴 佐世保北高等学校
     卒業(66年)
     佐賀大学農学部農
     学科中退(68年)
職  歴 佐世保地区労書記
       (68年)
     佐世保地区労事務
     局長(94年)
政 治 歴 衆議院議員
     (2000年・1期
      社会民主党)