お葬式のあり方を考える

 前回は、おカネをかけない会費制披露宴のことを書いたけど、今度は、お葬式のあり方について考えてみたい。

 昨年6月、「高野山真言宗のマネーゲーム」で書いた時は、宗教学者・島田裕巳氏の「葬式は、要らない」を引用した。
 今回は、長野県松本市の禅僧・高橋卓司さんのお話しが昨日の朝日新聞に載っていたので、その要旨を紹介しておきたいと思う。

          神宮寺住職・高橋卓志さん
           (高橋卓司さん)

 人口約24万人の松本市の浅間温泉にある神宮寺。自前のホールと祭壇を持ち、葬祭業者を介さない葬式を提案している。情報公開を進め、約700軒の檀家に毎年決算書を配っている。お葬式でのお布施は平均約26万円。――以下は、ご本人のお話し。

 「死をタブー視せずに見つめ、そこから老いや病を考えようと、2000年にNPO『ライフデザインセンター』を立ち上げました」「貧困や高齢化、家族のきずなの危うさ……。そうした矛盾がお葬式に凝縮されるかのようです」
 「地域コミュニティーは冠婚葬祭でつながっていた側面があります。しかし、高度経済成長期からお葬式はどんどん大きくなっていく。バブル期にお布施は全国的に一気に上がった」

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          (豪華すぎる祭壇)

 ――このお寺では、葬式費用の単価一覧表があり、20人規模の「家族葬」は約8万円で収まる。重視されるのは葬式の打合せだ。最低2時間かけて故人への思いを聞き取る。それでDVDをつくり、葬式の冒頭で流す。評判が広がり、葬儀件数の約4割は檀家外だという。
 「ここまでお葬式を改革するのに、葛藤と失敗を重ねて30年かかった」「たくさんの人が押しかけるようなお葬式なんて、もうやめたほうがいいですよ。主役であるはずの遺族は故人とお別れする時間が減ってしまいます」

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 (病院から火葬場へ直行する「直葬」が2割。通夜や告別式をしないことに、坊さんたちの批判がある。)――「経済的に苦しければ仕方ありません。宗教的儀式をしなくても、お骨を一定期間、手元に置いて故人と『対話』するとか、心の込め方はいくらでもあります」。「団塊の世代は、定番のお葬式に対して違和感を覚えるんです。(親は従来型で送るにしても)自分はあんな葬式はしたくないという意識が強い。『千の風になって』が大ヒットしたのもそういうわけです」

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 「(私がお葬式のあり方を徹底的に考えるようになったのは)1978年、インドネシアの小さな島で旧日本兵の慰霊に参加したことです」「故人は亡くなるまでの年月を精いっぱい生きた。そのことへの敬意を限られた時間で表し、心にちゃんとしまい込む場。それがお葬式です」「一人ひとりが新たな『葬式観』を構築し直さねばならなくなっているのだと思いますね」

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 格差が拡大する厳しい現在、お葬式にかかる費用は平均約200万円といわれる。また、少子化や信心希薄化のなかお寺を維持するのは、保育・幼稚園経営とお葬式とも言われる中で、すごいお坊さんがいたものだ。禅宗には臨済宗と曹洞宗があるが、このお寺は臨済宗とのこと。
 死を考えるなんて縁起でもないなんて言わずに、元気なうちに遺族に無用な負担などかけないで済むように、質素で心のこもったお葬式を考えておきたいと思う。
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今川正美のブログへようこそ!

生年月日 1947年8月7日
住  所 長崎県佐世保市
学  歴 佐世保北高等学校
     卒業(66年)
     佐賀大学農学部農
     学科中退(68年)
職  歴 佐世保地区労書記
       (68年)
     佐世保地区労事務
     局長(94年)
政 治 歴 衆議院議員
     (2000年・1期
      社会民主党)