時代錯誤の安保戦略と防衛大綱

 きょうの新聞各紙は、安倍内閣が昨日閣議決定した「国家安全保障戦略」と「新防衛大綱」「新中期防」を一斉に報道した。
 「新防衛大綱」については9月14日に一度書いているが、今一度、安保戦略も併せて要点のみ論じておきたい。

   13.12.18朝日・安保戦略の初策定
   (朝日新聞 2013年12月18日付)

 新聞報道とくに解説に関して結論を言えば、まるで防衛省の「広報部」みたいな解説になっている。
 例えば、著名な小川和久さんは「中国軍増強のスピードは速く、九州・沖縄の防衛力強化、拠点化は避けられない」とのコメントだ。自衛隊出身の優秀な軍事アナリストだが、政府機関に深く関与している立場からくる限界だろうか(失礼)。

    海兵隊&陸自訓練3
     (カリフォルニア沖合で米海兵隊の指導で訓練する自衛隊・西普連)

 安倍政権が進める戦後防衛政策の大転換~「日本版NSC」「秘密保護法」、「国家安保戦略」「武器輸出解禁」「集団的自衛権の行使」~という一連の流れの中で部隊編成や装備導入を解説すべきであろう。

 最近、外洋進出が目立つ中国海軍や、「防空識別圏(ADIZ)」設定を理由にして、「水陸機動団」の創設や水陸両用車両、オスプレイ機、無人偵察機などを導入するとしている。
 冷戦時代の「ソ連脅威論」に基づく北海道重点配備の検証・総括が欠落しているから、こんどは二番煎じの「中国脅威論」を恥ずかしげもなく掲げる始末だ。米軍と軍需産業にとっては大歓迎だろう。(現に、米海兵隊幹部は朝日新聞に「島国にとって、『水陸機動団』は不可欠だ」とのコメントを寄せている)

       水陸両用車
         (52両導入予定の水陸両用車)

また、「防空識別圏(ADIZ)」への無理解から、中国機から撃墜されるというトンチンカンな論評が出回っているのも見過ごせない。(元自衛官・数多久遠氏のブログが詳しい)
 「南西の島を奪われる」というおよそありえない想定をして、新部隊を配置したり新装備を導入して訓練を重ねるなど、詐欺行為に等しい。
大体、日本のような島国はミサイル飛び交う本格的戦争に耐えうる地形条件がない。「水際戦」で済むはずもなく、米国頼りの中国包囲網など、米国にとっても大迷惑だろう。

       オスプレイ
        (17機導入予定のオスプレイ機)

 日・米・中の相互関係を「冷戦時代」の感覚で捉えていたら大間違いで、日・米両国はもとより各国にとって、中国抜きに国際関係は語れない時代である。
過去の戦争責任すら認めず「軍事大国」をめざす安倍政権に対して、アジア諸国から冷笑が浴びせられている現実を直視すべきだろう。

(※)「国家安全保障戦略」については、参議院調査室の「立法と調査」をぜひご覧ください。
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生年月日 1947年8月7日
住  所 長崎県佐世保市
学  歴 佐世保北高等学校
     卒業(66年)
     佐賀大学農学部農
     学科中退(68年)
職  歴 佐世保地区労書記
       (68年)
     佐世保地区労事務
     局長(94年)
政 治 歴 衆議院議員
     (2000年・1期
      社会民主党)