「最終手段の書簡」と戦略原潜

 昨日の朝日新聞で、梅原季哉ヨーロッパ総局長のレポート記事に目がとまった。英国唯一の核戦略原潜の母港「ファスレーン」に関する記事である。

 「最終手段の書簡」と呼ばれる手紙――英首相が、自身や、代理職らも核攻撃で死亡した場合を想定し、核による報復の可否を戦略原潜の艦長あてに指示しておく遺言だという。

     世界の核兵器 - コピー

 全面核戦争は殆ど考えられない現在、こうした手紙が必要なのか?
 国防参謀総長を務めたチャールズ・ガスリー名誉元帥は「もし英国が核を放棄したら、国連のテーブルで耳を傾ける者はいなくなる」と語る。
 一方、情報将校として核運用にかかわったロバート・グリーン元海軍中佐は「軍事的には、核は何の安全保障にもならない無用の長物。消えた帝国の遺物にすぎない」と語る。

      NPT再検討会議準備会
       (NPT再検討会議第2回準備会議)

 現在、戦略原潜を保有するのは五か国である。戦略核兵器の運搬手段「三本の柱」(地上ミサイル・戦略爆撃機・戦略原潜)のうち、最後に残るのは秘匿性の高い戦略原潜だ。原潜1隻で一つの国を壊滅するだけの破壊力を持っている。以下に、保有国の写真を添付しておく。

     米・オハイオ級「メリーランド」
     (米国・オハイオ級「メリーランド」。トライデントD5を24基搭載。射程1万2千km)

    露・「タイフーン」型
      (ロシア・タイフーン型。SS-N-20を20基搭載。射程8千3百km)

     英・ヴァンガード級「ヴェンジャンス」
      (英国・ヴァンガード級「ヴェンジャンス」。トライデントD5を16基搭載。射程1万2千km)

    仏・ル・トリオンファン級「ル・テメレール」
      (仏国・ル・トリファン級「ル・テメレール」。M45を16基搭載。射程6千km)

    中・「晋」型
      (中国・「晋」型。JL-2を12基搭載。射程8千km)

 私にとって驚きだったのは、冷戦終結直後、最高機密のロシアの戦略原潜「タイフーン」型に日本のTVカメラが入り、艦内を撮影したことだった。居室は総檜張りで大型水槽に魚類が泳ぎ、別途、乗組員用のプールまで備えていた。バレンツ海の海底で待機し3か月を過ごす。

 米・ロ両国が保有する核兵器数は約16,300発。戦略核削減交渉も遅々として進まない。
再来年には、NPT再検討会議が開かれるが(4/27~5/22)、核保有国がまず核削減の実行と核廃棄への期限を設定しない限り、核兵器は拡散する一方である。

 被爆国・日本は、もういい加減に米国の「核の傘」を脱して、東北アジア「非核地帯化」の先頭にたつべきではないのか。
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生年月日 1947年8月7日
住  所 長崎県佐世保市
学  歴 佐世保北高等学校
     卒業(66年)
     佐賀大学農学部農
     学科中退(68年)
職  歴 佐世保地区労書記
       (68年)
     佐世保地区労事務
     局長(94年)
政 治 歴 衆議院議員
     (2000年・1期
      社会民主党)