「解雇特区」構想をやめて、非正規労働を減らせ

  「解雇特区」――安倍政権が掲げる国家戦略特区の一環だという。
 要するに、これまでの解雇規制を解除して企業活動を円滑にする。それが経済成長に繋がって雇用創出できるとの論理だが、ふざけるのもいい加減にしろと言いたい。

 終身雇用と年功序列型賃金という日本の雇用形態はとっくの昔に崩れて、80年代から非正規雇用が広がり始め、90年代に入ると20%台になり03年に30%、11年には過去最高の35.2%で3人に1人超を占めた。とくに95年、日経連は「新時代の『日本的経営』―挑戦すべき方向とその具体策」との提言を発表して、非正規労働を促進した。

   「解雇特区」を巡る意見対立

 その背景として、厚労省は「賃金の低い者を活用しようとする人件費コストの抑制志向が強かった」、さらに「労働者派遣事業の規制緩和が、こうした傾向を後押しした面があった」と指摘した(10年版労働経済白書)。
 一方、OECD(経済協力開発機構)は、非正規雇用増大の原因は「非正規社員に比して正社員の解雇規制が強いこと」と「非正規雇用への社会保険非適用」にあると指摘。労働市場の二極化を是正するよう、勧告している。

  非正規雇用者比率の推移

 解雇規制が強い?確かに民間大手では、非正規社員が企業活動縮小時の❛安全弁❜とされて、正規社員労組はそれを見過ごしてきた。だが、中小企業などでは使用者の権限が強く、地域ユニオンなどがなんとか正社員やパート労働者の雇用を守ってきた。

 仮に、解雇規制を緩和するのであれば、北欧諸国に見られるような「社会的セーフティネット」があらかじめ必要である。例えば、スウェーデンでは解雇されても2~4年間の職業訓練期間で職種転換やスキルアップを図り、収入は解雇直前の8割が保障される。日本では、訓練が最長1年間で収入は解雇直前の6割である。
 現実は、社会保険料を納められない、結婚もできない非正規労働者が増大している。それはやがて、社会保障制度の崩壊や国の先細りを招くこと必至である。

  正規・非正規の結婚比率

 一方、大手企業では、社会保険料の企業負担を無くすだけで飽き足らずに、「偽装請負」労働という反社会的行為を平然とやってきた。
 だというのに、政府のワーキンググループの座長・八田達夫阪大招聘教授は「(雇用の規制緩和が)一番難航している『岩盤規制』だが、破らないといけない」「ブラック企業の活躍は望んでいない」などと語っている。

  雇用の岩盤規制破る2
  (朝日新聞 2013年10月11日付)
 連合など労組はおとなし過ぎないか。ストライキの打ち方を忘れたか。それとも、経営トップらとゴルフに興じているのではあるまいな。
 正規社員だけの賃上げだったら、やめたほうがいい。社会の行く末を大きく左右する「解雇特区」構想と対決し、脱❛非正規労働❜と雇用拡大に向けて実力行使の準備こそすべきではないか。
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生年月日 1947年8月7日
住  所 長崎県佐世保市
学  歴 佐世保北高等学校
     卒業(66年)
     佐賀大学農学部農
     学科中退(68年)
職  歴 佐世保地区労書記
       (68年)
     佐世保地区労事務
     局長(94年)
政 治 歴 衆議院議員
     (2000年・1期
      社会民主党)