柄谷行人氏のマルクス評

 毎週土曜日の朝日新聞「書籍紹介・解説」が面白い。
 きょう(6月9日)の紙面に、柄谷行人氏のカール・マルクス評が載っており興味深かった。

       411YYNNDYKL._SX302_BO1,204,203,200_[1]

 私が哲学者である柄谷氏を知ったのは、彼の著作『世界共和国へ』(岩波新書)であった。
新憲法制定にあたり、「非武装で国・国民が守れるか?」との問いに対して、高柳賢三・貴族院議員(大学教授)は「世界国家が成立すれば、各国は第九条の想定する非武装国家となる」と応えている。
 以来、私は第九条の根拠(担保)は「世界連邦」であると認識している。このことを詳しく論述しているのが柄谷氏であった。

     img353.jpg

朝日新聞の柄谷氏のマルクス評の要点はこうだ。
――マルクス主義は唯物史観(史的唯物論)だということになっているが、この考えは20世紀の末にはほとんど消滅してしまった。
 資本主義経済という現実を見るのに、マルクスの『資本論』が不可欠である。
――私はマルクスを今も読んでいる。その理由は、宇野弘蔵の影響を受けたことにある。宇野は、唯物史観も社会主義もイデオロギーであるが、『資本論』は科学である、という。

――戦後から60年代半ばまで、東大の法学部・経済学部では、宇野ないし宇野派の教授による『資本論』の解読が必須科目で、日本の国家・資本の中枢に向かった人たちの多くが精読した。

     img354.jpg

――マルクスの経済学というと労働価値説で、マルクスはアダム・スミスやリカード派の見解を受け継いでいることは確かであるが、『資本論』は何よりも、「国民経済学批判」なのだ。
 私が学生時代に震撼させられたマルクスの著作『ルイ・ボナパルトのブリュメール18日』は、唯物史観などで説明できるものではない。その透徹した分析は、今もって示唆的である。

――私は、基本的に宇野弘蔵の考え方であったが、20世紀の末に考えが変わった。『資本論』は商品の交換から出発して、全体系に及ぶ。私はそれと同様に、ただし、別のタイプの交換から出発して、共同体、国家、宗教、社会主義などを科学的に把握できると考えるようになった。

     IMG_20180609_105211.jpg

 柄谷氏の著作は、『世界共和国へ』と同様実に難解だ。
 カール・マルクス……久しぶりに聞く名前だ。今年、生誕200年である。今の学生も、レーニンは知らないがマルクスは知っているようだ。
 『資本論』は、私が佐世保地区労に入局した折、記念にと事務局長からいただいた。解説書は読んだことがあるが、書棚に半世紀間並べたままだ。宇野弘蔵の著作は処分してしまった。
 『レーニン全集』は、入局後、給料の2倍以上もする価格(5万数千円)なのに買って、ダンボール箱に入れて押入れの中で寝ている。図書館や大学、古本屋も受け取ってくれないのだ。学生運動がない時代なんて想像だにしなかった。
スポンサーサイト

comment

管理者にだけ表示を許可する

最新記事
カレンダー
05 | 2018/06 | 07
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
月別アーカイブ
カテゴリ
プロフィール

FC2USER537587ATX

Author:FC2USER537587ATX
今川正美のブログへようこそ!

生年月日 1947年8月7日
住  所 長崎県佐世保市
学  歴 佐世保北高等学校
     卒業(66年)
     佐賀大学農学部農
     学科中退(68年)
職  歴 佐世保地区労書記
       (68年)
     佐世保地区労事務
     局長(94年)
政 治 歴 衆議院議員
     (2000年・1期
      社会民主党)