問題だらけの巡航ミサイル導入とIAMD加担

 安倍政権のもとで高価な兵器導入がとどまるところを知らない。この件については8月の論考で書いておいたが、補足しておきたい。

 トランプ米大統領が呼びかける「バイ・アメリカン」(米国製品を買おう)と「北朝鮮の脅威」が追い風になっている。
 トランプ米大統領は「日本の首相が膨大な量の装備品を買うことだ」と述べ、安倍首相は「米国の経済や雇用にも貢献するものと考えている」と応じた。

       膨らむ防衛費
       (朝日新聞12月20日付)

 安倍政権発足以降、6年連続で膨らむ防衛費。過去最大となる18年度(5兆2千億円)に加え、今年度補正予算案に弾道ミサイル防衛(約600億円)など2千億円を追加計上する。
 戦闘機F35Aや無人偵察機グローバルホーク、新型輸送機オスプレイや水陸両用車などが並ぶ。
 目玉は、陸上配備型迎撃ミサイル「イージス・アショア」や長距離巡航ミサイルの導入だ。
 米国防総省は13年、「IAMD ビジョン2020」を発表。IAMDとは統合防空ミサイル防衛の略称で、まだ開発途上だ。その狙いは「膨大な経費を同盟国にも分担させる」ことにある。
 米国は10月、カナダやフランス、英国など9カ国と共に「IAMDシナリオ」で初の実弾射撃共同訓練を実施した。

     17.12.17朝日・防空網強化5
     (朝日新聞12月17日付)

 日本がIAMD構想に加わることは際限ない兵器導入につながりかねない。
 ちなみに、日本のFMS(有償軍事援助)調達の兵器購入費は、総額4858億円(16年度)。これに加えて修理などの維持整備費が、オスプレイ(17機。20年間で4600億円・年230億円)。F35(42機。30年間で1兆2千億円・年400億円)。これにグローバルホーク・早期警戒機E2Dの4機種で年平均860億円。
 まさに米軍需産業の「言い値」通りとなる仕組みである。

 技術的にはどうか。米議会調査報告書によれば、米国がBMDを配備した02年12月から今年7月までの迎撃ミサイルSM3による迎撃実験は32回で、成功は約88%の28回。
 思い起こすのは、米国の弾道ミサイル迎撃の初期段階の実験だ。ハワイ沖合から標的ミサイルを打ちあげて迎撃ミサイルで撃ち落とすのだが、何度やっても失敗する。
 焦った生産メーカーは、打ち上げる時間・方角などを予め知らせて撃ち落としたのだ。これでは子どもが撃っても落とせるだろう。

      17.12.8朝日・長距離巡航ミサイル導入方針 - コピー
       (朝日新聞12月8日付)

 自衛隊が導入を検討している巡航ミサイルは「JASSM-ER」「LRASM」「JSM」で、空自の主力機F15やステルス機F35に搭載予定だ。
 「離島防衛」を理由としているが、これらの性能上、「敵基地攻撃」能力がある。安倍首相は「他に手段がないと認められるものに限り、敵に誘導弾(ミサイル)などの基地をたたくことも憲法が認める『自衛の範囲』に含まれ、可能」と国会答弁している。
こうした巡航ミサイルや弾道ミサイルに瞬時に対処するには、情報共有や運用面で〝日米一体化〟が進み、日本独自で判断する余地は極めて少なくなる。
 
 イージス・アショアについて、東京新聞の半田滋・論説兼編集委員の説明はこうだ。
――イージス護衛艦は人体に影響のある強力なレーダー波を出すことから航海中、乗員は甲板に出ることを許されていない。
同様のレーダー波を出すXバンドレーダーが置かれた京都府京丹後市の米軍経ケ岬通信所の場合、半径6㌔、高さ6㌔の半円柱状の空域を飛行制限空域としている。
 防衛省はイージス・アショアの候補地を東北地方や中国地方の自衛隊施設とする方向だが、周囲に飛行制限空域が設けられる可能性は高い。
(※政府は19日、イージス・アショア2基の導入を閣議決定。陸自の新屋演習場(秋田市)とむつみ演習場(萩市)への配備を見込む)

 防衛省内部には「必要な維持整備費や訓練費にしわ寄せが及ぶ」との懸念や、「行け行けどんどんで、一線を逸脱しかねない」(外務省)との声もあるらしいが、「専守防衛」の枠はすでに突破され国会によるシビリアンコントロールも無きに等しい。
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生年月日 1947年8月7日
住  所 長崎県佐世保市
学  歴 佐世保北高等学校
     卒業(66年)
     佐賀大学農学部農
     学科中退(68年)
職  歴 佐世保地区労書記
       (68年)
     佐世保地区労事務
     局長(94年)
政 治 歴 衆議院議員
     (2000年・1期
      社会民主党)