「天皇主義者」に変身した内田樹

  内田樹さんのインタビュー記事が朝日新聞の今月20日付に載っていた。
 「天皇主義者」宣言のわけ、という大見出しに目がとまったのだ。

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     (内田樹氏)

 内田樹といえば、9条護憲や脱原発などリベラルな主張で知られる思想家だ。彼の話しはずいぶん以前、北海道で自治研の全国集会があった時に聞いたことがある。
 ありきたりの話しが多くて、印象に残った内容はなかった気がする。

 インタビュー記事の内容をかいつまんでみると――
*「立憲デモクラシーと天皇制は原理的に両立しない」と考えていた時期もあったが、天皇制を含めた今の政治システムをよく練られた政治的発明だと思うようになったことで「僕は天皇主義者に変わった」。
今の天皇制システムの存在は政権の暴走を抑止し、国民を統合する貴重な機能を果たしていると評価している。

     南阿蘇訪問の天皇
     (南阿蘇訪問の天皇)

*陛下自らが天皇の務めは鎮魂と慰藉(いしゃ)の旅だとの解釈を示されたのに、保守派の中からは「余計なことはするな」「静かに国事行為だけをしていればよい」と言わんばかりの声が出た。
 皇室への素朴な崇敬の念すらなく、その存在をただの道具としてしか見ていない。
 「国民は天皇への素朴な敬意の念を持っている」というフィクションを維持しなくて大丈夫なのか、と保守派に問いかけたかった。

     みんなで靖国神社お参拝する国会議員の会
     (靖国神社を参拝する国会議員)

*先代から今上に至る過程で、A級戦犯が合祀された靖国神社には参拝しない原則が確立されたことが重要だ。
 国家にはしばしば、宗教や文化を歴史的に継承する超越的で霊的な「中心」がある。日本の場合、それは天皇なのだと思う。
 霊的な側面の強調は「危なっかしい」けど、むしろそこを直視し、天皇制がどう機能しているか、どう暴走に結びつくのか、できるだけ理解し、コントロールする方法を探した方がいい。

 いやー、驚いた。リベラル思想家の豹変にはそれなりの理屈があるものだ。
 NHKの最近の「日本人の意識」調査によると、天皇に対して2003年ごろから「尊敬」との回答が増え始め、13年には34%に上昇し、最も多い「好感」(35%)に迫る勢いだという。被災地を訪ねる天皇・皇后の姿が反映しているのではという。

     16.8.9朝日・天皇のお気持ち表明 - コピー
     (天皇のお気持ち表明 16年8月9日)

 ところで、昨年の天皇陛下の「生前退位」お気持ち表明に関して、「日本会議」や「神道政治連盟」は統一見解を示せずにいる。
 また、今国会で一代限りの「特例法」が成立したが、今後の検討課題とされた「女性宮家」に関して自民など保守派はきわめて否定的だ。
 まさしく、彼らには天皇への素朴な崇敬の念すらなく、その存在をただの道具としか見ていないのだ。
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今川正美のブログへようこそ!

生年月日 1947年8月7日
住  所 長崎県佐世保市
学  歴 佐世保北高等学校
     卒業(66年)
     佐賀大学農学部農
     学科中退(68年)
職  歴 佐世保地区労書記
       (68年)
     佐世保地区労事務
     局長(94年)
政 治 歴 衆議院議員
     (2000年・1期
      社会民主党)