安保法制違憲訴訟の原告団に加わって

  立憲主義を踏みにじって安保法案が採決強行されてから約1年半が経過した。
 多くの国民が「憲法」とは何かを考えるきっかけとなり、「SEALs」に象徴される学生らの新たな形態の〝決起〟が象徴的であった。

     15.7.16朝日・安保採決、自公が強行
     (衆院・安保法特別委員会で採決強行)

 同法案採決後、伊藤忠商事の丹羽宇一郎・前会長は「安保法の成立で各地で違憲訴訟が続発して混乱するのではないか。政治に波風が立つことは、経済界としてもやりにくくなり喜ぶべきことではない。誰が見ても戦争に近づく法律で、個人的にも反対だ」と語っていた。
 
 実際に昨年4月、「安保法制違憲訴訟の会」が立ち上げられ、現在15地裁に提訴されて
いる。
 長崎でも、昨年の被爆者を中心とした第一陣に続き、今年3月30日に第二陣が長崎地裁
に提訴し、私も第二陣に加わった。総勢200人を超えた。

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     (長崎地裁前で)

 ここでは、提訴のための「紙上ヒアリング」に基づきその要旨を書きとどめておきたい。
――精神的被害に関わる人生体験など
 国は各種の訴訟に敗訴しても、素直にそれを認めず事案の改善を図ろうとはしない。
 その良い事例は、自衛隊員の人権侵害裁判である。私は、護衛艦「さわぎり」や同「た
ちかぜ」などいくつかの人権侵害裁判に関わり支援してきた。全国で10件以上の自衛隊員
人権侵害裁判では、その大半が原告側の勝訴であり、原告側有利の和解の結果となってい
る。

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     (「たちかぜ」裁判で勝訴。東京高裁前)

 私は、国会でもその具体的事例を示して「自衛隊員の人権侵害は組織的・構造的なもの
であり、抜本的に改善すべきだ」と強く求めた。
 しかし、国(防衛省)は率直に認めようとはせず、もっぱら金銭解決に終始してきた。

 今回の「安保法制」施行によって、まず危険に晒されるのは紛争地に派遣される自衛隊
員であり、命に関わる深刻な問題である。それにもかかわらず稲田朋美防衛相は、戦闘が
続き内戦状態にある南スーダンに「紛争はない」と言い切って自衛隊員を派遣したのだっ
た。
 私を含め子や孫をもつ親にとって決して他人事では済まされないことであり、心の底よ
り憤りを覚える。

     th[6]

――日本国憲法に対する思い
 安倍首相をはじめ改憲派の最大の論拠は「押しつけ憲法論」である。
 しかし、憲法の制定過程を検証すると、米国が一方的に押しつけたわけではない。連合国総司令部(GHQ)のマッカーサー総司令官は、「戦争能力の破棄」と「民主化」という占領目的に基づいて明治憲法の改正を日本政府に命令する。
 ところが、日本政府の憲法草案は明治憲法を微調整したに過ぎず、マ総司令官は独自の草案作成をGHQに命じて、三原則(天皇は最高位・戦争放棄・封建制度廃止)を基にわずか1週間で作成した。急いだ理由は、マ総司令官が極東委員会の設置によって憲法構想への介入(天皇の戦争責任追及)を嫌ったことにあると言われる。

     天皇とマッカーサー
     (昭和天皇とマッカーサー総司令官)

 マ総司令官は、日本の占領・統治には「天皇制」が必要だと考え、アジア諸国に対しては日本の「非武装」を宣言し、天皇の戦争責任を免れようとした。
 一方、昭和天皇自身も、「天皇制」存続のために側近らを使って対米工作を試みており、「天皇メッセージ」(沖縄・琉球諸島の永続的占領を希望する。1947年9月)を米国側に伝えていた。
 昭和天皇はもとより今上天皇や皇太子が現憲法の擁護者であるのは、至極当然のことである。
 現在、天皇の「生前退位」が内閣や与野党の間で大きな議論の対象となっているが、改憲論者らは本来なら「天皇制廃止」を主張すべきだろう。(私が議員の頃、石破茂議員らは「象徴天皇制」と「第九条」がワンセットであることを理解できていなかった)

 私は、非武装を謳う第九条は世界でも例がなく、先見の明があると確信する。それを現実のものとするには『世界連邦』が必要だと考えている。
 国連は国家の連合体であり各国が軍隊を持っているので、戦争が絶えない。それに対して、『世界連邦』だけが軍隊を持ち、各国は警察力程度にとどめることで戦争を防止できるとの考えだ。原爆投下に衝撃を受けたアインシュタインや湯川秀樹らを先頭に世界連邦運動が世界規模で広がった。

     アインシュタイン&湯川秀樹
     (世界連邦運動の先頭に立ったアインシュタインと湯川秀樹)

 新憲法を審議する帝国議会では、吉田茂首相が「国際平和団体の樹立によって、侵略戦争を防止する」と答弁。貴族院議員の高柳賢三・東大教授は「世界国家が成立すれば、各国は第九条の想定する武装なき国家となる」と解説した。
 国連改革を妨げた冷戦終結から27年、いまこそ『世界連邦』へのロードマップをつくり実践するべきだと思う。軍事費に喘ぐ開発途上国などはこぞって賛同するだろう。

――安保法制違憲訴訟の原告に加わった理由
 昨年3月、「安保法制」が施行されたことに伴い、陸上自衛隊は「駆けつけ警護」や「宿営地の共同防護」という新任務を与えられて南スーダンに派遣された。
 同国では政府軍と反政府軍との間で戦闘が続発しており、仮に陸自が「国に準じる組織」との戦闘に遭遇すれば、憲法が固く禁じる「海外での武力行使」となる。
 「安保法制」はもはや机上の議論ではなく、派遣自衛隊員の命に関わる深刻な問題となっている。
 国会の中では自・公など与党が議席三分の二を占めているが、こうした相次ぐ訴訟と国民世論の力で「安保法制」を葬ることは可能だと考える。とくに、被爆地長崎から提訴されたことの意義は大きい。

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     (訴訟第二陣に加わった西川則夫・元自衛官)

――裁判所に希望すること、訴えたいこと
 戦後、「長沼裁判」や「砂川事件」の例が示すように、日米安保に関わる訴訟では政権側からの圧力がすさまじく、裁判所は憲法判断を忌避してきた。
 現在、安倍政権下で報道機関へ露骨な圧力が加えられているのは、周知の事実だ。今回訴訟の対象となった「安保法制」に関しては、元内閣法制局長官や最高裁判事などが「憲法違反」だと明確に指摘している事案である。
 当裁判所におかれては、あらゆる圧力に屈することなく公平・公正な判断を示していただくように、心より切に願う。


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今川正美のブログへようこそ!

生年月日 1947年8月7日
住  所 長崎県佐世保市
学  歴 佐世保北高等学校
     卒業(66年)
     佐賀大学農学部農
     学科中退(68年)
職  歴 佐世保地区労書記
       (68年)
     佐世保地区労事務
     局長(94年)
政 治 歴 衆議院議員
     (2000年・1期
      社会民主党)