在日米軍基地の検証をすべきだ

 日米安保や安保法制についての議論はあるけど、「在日米軍基地」の全体像についての記事などはさっぱり見かけなくなって久しい。

 80年代までは航空・軍事評論家の故・青木日出雄氏などが盛んに書いており、在日米軍基地はもとより世界各地の米軍基地については実に精緻な著作があった。軍事アナリストの小川和久氏や元朝日新聞の軍事専門家・田岡俊次氏は「青木門下生」と言われる。

 ところが、朝日新聞(1/14付)が「米軍基地はいま」という二人の評論記事を載せていた。少し紹介してみると・・・

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     (リチャード・サミュエルズ氏)

――リチャード・サミュエルズ氏(米マサチューセッツ工科大学教授)。
 ・「吉田ドクトリン」の柱は、比較的少ない防衛予算で、安全保障は米国に依存し、経済的繁栄をめざすこと。米国の安全保障に「安乗り」することだった。
 ・米国にとっても「二重の封じ込め」の道具だった。共産主義を封じ込め、日本をソ連に支配されない地政学上の要にすると同時に、米軍基地は日本を再び軍事大国にしない「ビンのフタ」でもあった。
 ・冷戦が終わって約30年。社会党が自民党との連立政権に入って、基地反対の動きは全国的には下火になっている。
  いまは中国が軍事力、経済力をつけて台頭しており、尖閣諸島などがきっかけとなり、米国が「日本と中国の戦争に巻き込まれる」ことを警戒するようになっている。
 ・アジアの国際環境の劇的な変化を踏まえれば、「吉田ドクトリン」に代わる国家戦略について、国民的な議論を深めるべきだった。
  東日本大震災では日米が初めて共同作戦を実行した。しかし、自衛隊と在日米軍の配置や役割、指揮命令系統の再編など、めざましい変化をもたらしていない。

     佐道氏
     (佐道明広氏)

――佐道明広氏(中京大学教授)。
 ・外国の軍隊が自国の中に居続けるのは、占領期を除けば例外的なことだ。
 日米安保の本質は「基地と防衛の交換」で、「基地を提供する代わりに日本を守ってください」という発想から始まっている。
 ・ドイツやイタリアでも米軍基地があるが、北大西洋条約機構(NATO)という枠組みで、「双務性」があり「基地と防衛の交換」ではない。
  日本は憲法9条の制約が大きいから、「基地と防衛の交換」という方法が発明された。
 ・日本は国会で「国家安全保障問題調査会」のようなものを与野党がつくり、憲法もタブーにせず、きちんと議論すべきだ。NATO加盟国のアジア版のようになることも一つの選択肢だ。
 ・自衛隊の役割は何なのかも、根本的に考え直すべきだ。国防、災害救助の支援、国際協力という三つの役割をこなしていくには、組織的にも、予算的にもすでに限界にきている。
 ・海上保安庁をもっと拡充してはどうか。自衛隊との連携のあり方も検討すべきだ。
  中国の状況なども考えると、米軍の駐留は当面必要だ。だが、全部米軍の都合に合わせるのではなく、「我が国の防衛戦略はこうだ。だから基地の数や場所はこうしてくれ」と言える関係にしていくべきだ。
 ・明確な戦略をもって米国と議論していけば、沖縄の海兵隊撤退の可能性を含めて、基地のあり方を変えていくことはできるはずだ。

    17.1.14朝日・米軍基地の3
    (朝日新聞 1月14日付)

 お二人にはまことに失礼だが、リチャード氏は古すぎるし、佐道氏は甘すぎるというの
が、私の感想である。
 米軍基地を語っていただくには、前田哲男氏(軍事評論家)や我部政明氏(琉球大学教
授)、田岡俊次氏(元朝日新聞記者)などの論客がおられる。
 沖縄では、普天間基地の辺野古移設をめぐって激しい闘いが繰り広げられている。
 沖縄の海兵隊は果たして日本の防衛に関わっているのか、在日米軍基地はどの程度役に立っているのか、根本的に検証すべき時期にきていると思う。
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生年月日 1947年8月7日
住  所 長崎県佐世保市
学  歴 佐世保北高等学校
     卒業(66年)
     佐賀大学農学部農
     学科中退(68年)
職  歴 佐世保地区労書記
       (68年)
     佐世保地区労事務
     局長(94年)
政 治 歴 衆議院議員
     (2000年・1期
      社会民主党)