天皇の「お言葉」と生前退位に思う

 今月8日、天皇陛下自らが象徴天皇のあり方を問いかけるビデオメッセージ(約11分)が公表された。

 天皇は数年前から、自らの「身の処し方」や「象徴天皇のあり方」について思索を重ね、皇太子や秋篠宮と食事を共にして自らの考えを伝えていたようだ。
 3年前には、自分の「最後」に際して火葬や陵の見直しなどを宮内庁に伝えていた。これまでの天皇にはなかったことだ。

     16.8.9朝日・天皇のお気持ち表明 - コピー

 今回の「お言葉」で天皇は、公務を減らすつもりはなく、摂政を置くことを事実上否定し、儀礼の簡素化などかなり踏み込んだ内容になっている。
 「戦前的、権威的な面があった昭和天皇に対し、平成天皇はここ十数年、開かれた皇室と皇室外交、戦争の犠牲者への慰霊追悼という平和希求、国民とくに弱者に寄り添うという四つの柱を立てて、象徴天皇として内実を築くのに大きな役割を果たしてきた」(吉田裕・一橋大教授)。

     憲法と皇室典範の条文

 天皇がその位を生前に皇太子に譲る「生前退位」の意向を示されたと、新聞報道されたのは先月14日だった。
 譲位継承を実現するには、「皇室典範改正」が必要となる。現天皇に限って例外的に特別立法をつくるのは将来に禍根を残しかねない、との指摘がある。
 皇室典範改正に現政権は消極的と言われる。女性・女系天皇についての議論が再燃しかねないからだ。

     16.8.9朝日・象徴天皇の1-4 - コピー

 こうした「天皇制」に関して、国民の大半が支持している。しかし、左翼や平和運動家、労組活動家などは否定的である。共産党も「国民的合意に基づいて廃止する」と綱領に書いている。また、「皇室に関心はない」という人たちも少なくない。

 私の率直な感想――終身天皇って想像以上に大変なんだ。天皇・皇后が「私人」になれる時はどれほどあるんだろうか?
 「私人として過ごすときにも自分たちの立場を完全に離れることはできません」(68歳)。「私は(結婚する前)家庭生活をしてこなかった」(75歳)。「天皇という立場にあることは、孤独とも思えるものです」(80歳)。(いずれも天皇の会見より。「天声人語」8/9付)

     南阿蘇訪問の天皇
     (南阿蘇の被災者を慰問する天皇)

 今日、最大の「憲法擁護」者は天皇ではないかと思う。「象徴天皇制」(第一章)と「非武装」(第九条)はワンセット。つまり第九条は、「天皇免責と皇室存続」の〝担保〟となっているのだ。
 最近、「米国による憲法押し付け」論への反論として「第九条の発案者は幣原首相だった」との説が流布している。しかし、幣原首相が天皇の頭越しに第九条提言(対マッカーサー)などできるはずがなく、真相は昭和天皇が「命じた」はずである。
 現天皇は、皇室にとって憲法が何より重要であるということを、昭和天皇よりしっかり受け継いでいるのである。

     「岸時代の調査会」肉声発見

 いずれにしても、自民党の「憲法改正草案」で謳う「天皇元首化」など論外で、皇室にとっては甚だ迷惑な話しであろう。
 皇室典範改正ともなれば数年がかりの煩雑な作業となり、憲法改正は当分棚上げせざるをえないのではないか。
 
スポンサーサイト

comment

管理者にだけ表示を許可する

お久しぶりです

コメントなしで、失礼します。
とりあえずは、連絡先の通信です。
最新記事
カレンダー
07 | 2017/08 | 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -
月別アーカイブ
カテゴリ
プロフィール

FC2USER537587ATX

Author:FC2USER537587ATX
今川正美のブログへようこそ!

生年月日 1947年8月7日
住  所 長崎県佐世保市
学  歴 佐世保北高等学校
     卒業(66年)
     佐賀大学農学部農
     学科中退(68年)
職  歴 佐世保地区労書記
       (68年)
     佐世保地区労事務
     局長(94年)
政 治 歴 衆議院議員
     (2000年・1期
      社会民主党)