今こそ「イラク戦争の検証」をすべきだ!

  米国が主導したイラク戦争(2003年)から13年、日本でも遅まきながら同戦争の検証が始まった。

 今年5月末、市民グループ「イラク戦争の検証を求めるネットワーク」主催の「イラク戦争公聴会」が開かれた。元防衛官僚の柳沢協二氏が証言した。

     「対テロ戦争」の死者

 戦争の犠牲は大きかった。国際NGOの推計では、米英軍の侵攻後に亡くなった民間人は16万人を超す。
 なぜ開戦の根拠がない戦争をおこしたのか。(以下、朝日新聞7/7付より抜粋)
米国は、04年「独立調査委員会」を発足させ翌年3月の報告書では、専ら情報機関の不備を指摘し、政権側の情報操作などについては明らかにならなかった。

オランダの独立調査委員会は10年、「イラク戦争は国際法違反だった」との報告書を出した。
豪州は、04年7月の報告書で「(大量破壊兵器情報は)あいまいで不完全だった」と結論付けたが、政府による情報操作の疑いは否定した。

     イラク戦争と各国の検証

英国では04年、二つの独立調査委員会(「ハットン委員会」「バトラー委員会」)が報告書を出したが、肝心のイラク戦争に踏み切った理由や、その後の占領政策に疑問をもつ世論に応えるものではなかった。
そこで09年、「チルコット委員会」では、開戦前から撤退までの8年間を検証対象として、ブレア元首相ら120人以上を喚問した。今月6日に260万語に及ぶ膨大な報告書を公表した。

     ルコッジョン・チルコット委員長
     (英国・チルコット委員長)

 ――開戦当時のブレア首相が、米ブッシュ政権の対イラク強硬策に根拠なく追従した経緯を詳細に描写した。従来の「封じ込め」から「フセイン政権打倒」に変質した時期は02年4月の米英首脳会談。
 ブレア政権内で、開戦前の重要な計画や準備について閣僚全体で明確に監視していなかった、と指摘。
 「米英関係」について、「国益や判断が異なる部分で無条件の支持を必要とするものではない」、とブレア政権の姿勢を批判した。

――また、復興政策や駐留の準備が欠けたままイラク占領を続けた英政府の「戦後」の姿勢も厳しく批判している。「イラクで軍事行動をとれば、アルカイダなどテロ組織の脅威が高まり、イラクの兵器がテロリストの手に渡る可能性がある」、と情報機関がブレア氏に対して03年2月に示した警告を掲載している。ISのテロが続く世界の姿を予期したような筆致だ。(在英アラブ紙「ライ・ヨウム」は「米英のイラク侵攻でイラクが失敗国家にならなければ、ISは組織されていなかったはず。ブレア氏とブッシュ氏には、混乱の種をまいた直接の責任がある」と批判した。)
 キャメロン英首相は6日、報告書発表を受け、下院で「最も大事なことは、将来に向けた教訓を得ることだ」と述べた。

     イラク復興支援活動行動史2
     (「イラク復興支援活動行動史」)

 さて、日本政府の場合はどうか。
 自衛隊のイラク活動終了後、09年に報告書を国会に提出したが、「戦争支持の是非などを一切省いたおざなりの内容」(柳沢協二・内閣官房副長官補)だったが、特段の議論もなかった。
 民主党政権下の12年、外務省が「検証結果」を発表したが、わずか4ページで聴取した対象者名も伏せた。

 では何故検証しないのか。
 「英国で検証が可能なのは、検証を個人攻撃や政局の道具に使わない暗黙のルールがあるから」(細谷雄一・慶応大教授)。
 「日本では国家は間違わないという神話が根強く、官僚も政府の過ちを認めない」(中野晃一・上智大学教授)。
 
 昨年7月、国会で「安保法制」を審議中に野党の追及で防衛省は陸自の報告書「イラク復興支援活動行動史」を提出した。その内容は、「イラク特措法」の範囲を超えた活動となっていたことが判明した。
 その後、「安保法制」が成立して、海外で自衛隊が米軍などと緊密に連携して行動する可能性が大きくなった。過去の政策の検証を欠いたまま同盟路線をひた走るのは危険が大きすぎる。

     15.6.13朝日・大物OBも反対表明
     (記者会見で「安保法制」に反対表明する山崎拓氏)

 当時、小泉首相に開戦を支持するよう進言した山崎拓幹事長も、「ISの製造責任は、イラク開戦に賛成した日本にもある。その意味では検証は必要だ」と語る。
 米国と最も絆の太い英国ですら、米政権の暴走をいさめることができず、戦争に引きずり込まれてしまった。日本にとっては重い教訓を含んでいる。
 秋の臨時国会ではまず、政府から独立した調査委員会を設けて「イラク戦争の検証」を行うべきだ。
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生年月日 1947年8月7日
住  所 長崎県佐世保市
学  歴 佐世保北高等学校
     卒業(66年)
     佐賀大学農学部農
     学科中退(68年)
職  歴 佐世保地区労書記
       (68年)
     佐世保地区労事務
     局長(94年)
政 治 歴 衆議院議員
     (2000年・1期
      社会民主党)