辺野古は断念せよ!~海兵隊「抑止力」は幻想

 沖縄の普天間基地と辺野古移設に関しては、海兵隊の「抑止力」をどう評価するかがカギとなる。私はすでに、昨年10月14日付の当ブログで「在沖海兵隊は〝幽霊部隊〟だ」と断じておいた。

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     (マイケル・オハンロン氏)

 今回、少し補足しておきたい。
 朝日新聞は7月22日付の記事で「辺野古しかないのか」と題して、三人の論評を掲載している。
 まず、マイケル・オハンロン氏(米ブルッキングス研究所上級研究員)。
――米国がアジアでの駐留を削減して弱体化したと中国に勘違いさせないために、有事の対応能力を高めておく必要がある。
 ただ、辺野古に海兵隊のための新滑走路を建設する計画に対しては、沖縄で強い反対があり困難。法廷闘争などで長引くと、嘉手納の米空軍基地を含む他の拠点の存続まで危険にさらされる可能性がある。
――在沖海兵隊のうち、さらに約5千人を米西海岸に移し、平時の海兵隊員を約3千人にまで縮小する。同時に海兵隊員に提供できる兵器や物資を積んだ事前集積船を日本の港に停泊させておき、有事の際は船を現場に向かわせるのだ。
――また、沖縄の残る海兵隊員の対空能力をフル活用するため、キャンプ・シュワブ内に新ヘリポートを建設。普天間飛行場は閉鎖するが、滑走路は有事のために保持しておく。
 反対運動などの深刻な状況が、本当に抜き差しならない状態に陥る前に、こうした計画変更を行うべき時期にきている。

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     (森本敏氏)

 次に、森本敏氏(元防衛大臣)。
――海兵隊の役割で最も重要なのは、アジア太平洋地域の緊急事態に即座に対応する「陸上兵力」として、抑止機能を果たすことだ。
 海兵隊は不要だという議論は、必ずしも正しくない。地上・航空・後方支援部隊をワンセット自前で持ち、作戦目的を達成できる海兵隊は現代戦に不可欠だ。
――海兵隊が「沖縄」にいなくても抑止力は無くならない。九州南西部辺りに基地があれば、地域全体の抑止力は問題ないだろう。
 ただし、あらゆる訓練ができ、必要な後方支援を受けられ、部隊輸送に必要なオスプレイの飛行場があるという三つの機能が満たされることが条件だ。
 (揚陸艦基地が遠く佐世保に離れているが)現代の軍事環境で海兵隊を投入しなければならない事態は一瞬に起こらない。
――辺野古は以上の諸条件を満たしており、既存の米軍基地からのアクセスも利便性が高い。沖縄の中でも適地はほかに見当たらず、それゆえに「唯一の選択肢」なのだ。

     img317.jpg
     (前泊博盛氏)

 もう一人は、前泊博盛氏(沖縄国際大学教授)。
――沖縄で米軍による事件や事故が起きるたびに繰り返される「綱紀粛正」「再発防止」という言葉に実効性はない。根源に「日米地位協定」がある。
 米軍に特権的な地位や基地の自由な管理を認め、治外法権を与えている。特に、相手を支配するよう日々の訓練で刷り込まれた海兵隊員による凶悪事件が目立つ。
――地位協定改定の実現性は極めて低い。日本も同じように不平等な地位協定を海外で結んでいるからだ。
 地位協定の運用は、外務・防衛・法務などの官僚と米軍幹部らによる日米合同委員会で決められている。いくつもの秘密合意、密約が重ねられ、内容は複雑だ。
――協定の「改定」は難しくても、できることはある。たとえば、罰則規定を設ける。規定違反の深夜早朝飛行には「飛行停止1か月」などとする。基地外居住者に住民税を課す。
 あるいは、イタリアやドイツのように国内法を適用できるようにする。
沖縄の現状は、憲法に基づく法治国家ではなく、犯罪の歯止めが利かない放置国家だ。

     gunjin[1]

 オハンロン氏の考えはある面明快だ。元々、在沖海兵隊の隊員は米本国の第1、第2師団の借り物で、半年おきのローテーション配備だ。軽装備の1個大隊(約800人)で戦争は無理。事前集積船はグアム辺りに配備しておけばよい。ただし、普天間の滑走路は宜野湾市の最大の障害であり返還すべきだ。
 現在、沖縄の米兵人数は約2万6千人、海兵隊(約1万5千人)が3千人程度に減ると沖縄の基地負担は半分以下になる計算だ。

     辺野古の海
     (辺野古の海)

 一方、森本氏の主張は米軍のレクチャーを鵜のみにして「抑止力」の虜になっている。海兵隊は緊急事態に即応できる兵力と言いつつ、現代の軍事環境で緊急投入する事態は考えにくい、とも述べており自己矛盾だ。これで防衛相が務まったのかと思うと情けない。
 安保再定義「ナイリポート」の提言者ジョセフ・ナイ元・国防次官補も提言しているように、辺野古は諦めて代替策を検討すべきではないか。
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生年月日 1947年8月7日
住  所 長崎県佐世保市
学  歴 佐世保北高等学校
     卒業(66年)
     佐賀大学農学部農
     学科中退(68年)
職  歴 佐世保地区労書記
       (68年)
     佐世保地区労事務
     局長(94年)
政 治 歴 衆議院議員
     (2000年・1期
      社会民主党)