参議院選挙を振り返る

 今後の日本の行方が問われた参院選が終わって、すでに12日を過ぎた。
結果は、自公など4党が改憲発議に必要な議席(162)を確保した。(その後、平野元復興相が自民入党により、自民単独過半数となった)

     16.1.1朝日・衆参の勢力図

 選挙結果を巡っては様々な角度から分析・評価されている。私も、「気の抜けたビール」みたいだが、識者たちの評価を引用し率直な気持ちを記しておきたい。

 まず、朝日新聞・世論調査部長の前田直人氏の評論より。
――「与党勝利、野党敗北」という単純な表現ではとらえきれない世界が見えてくる」。「〝無風激戦〟という変な造語が頭に浮かんだ。一人区の東北6県は、秋田を除く5県を野党統一候補が制した」。
――世論調査の結果によると、与党の勝利の理由は「野党に魅力がなかったから」が71%。比例区で民進に投票した人の8割、共産に投票した人の7割までもが「野党に魅力がなかったから」と答えた。
 「まだら模様」の野党再生の前途には、政党のビジョンを明快に伝える力量が問われる。

     16.1.1朝日・主な参院選結果

 次に、「参院選の勝負は半年前から見えていた。野党、いわゆるリベラルに勝ち目は全くなかった」と語るのは、浅羽通明氏(著述業)。
――民主党があの時期に党名を変えるなど言語道断です。「ダレノミクス?」というCM見ても、すべて「安倍」を前提とする「アベ依存症」です。
 改憲など国民の大多数からすれば優先順位の低い観念的課題なのに、国民が何を望んでいるのかが見えなくなっていく。
 与党を攻撃するのに、ただ「違憲!」という葵の御紋を突き付けるワンパターンにハマり、経済や安全保障の現実的政策を生み出す能力が劣化している。

――確実に予測できるのは、団塊世代の要介護者が急増する「2025年問題」です。
 「もう成長なき社会を前提に再分配するしかない。相続税や累進課税を強化して富裕層から撮りますから、消費税アップも認めて!」と訴えれば説得力ありますよ。
――同時にリベラルは、「どぶ板」の地盤を気長に立て直さなくちゃ。09年の民主党勝利も小沢一郎氏のどぶ板選挙が支えた。
 なのに民進党の岡田克也代表は、敗北を全く直視せず現実逃避している。「ダイエットで3キロやせた!」とはしゃぐ人みたい。まずこの甘えぶりに絶望してほしいですね。

     2016072207130000.jpg
     (朝日新聞 7/22付)

 もうひと方、五野井郁夫氏(高千穂大学教授)の所見。
――野党共闘の成果を否定的に見る人もいるけど、各地の選挙区で10代から30代の市民が共闘を働きかけたのも大きい。
 アベノミクスの実感はないけど、「生活が苦しい自分」を代表してくれそうな政党がない。護憲、立憲主義も大事だけど、それだけでは貧しい人たちはメシが食えない。「この政党が勝てば少なくとも食べていける」と思わせる政党が今の日本に出てきていません。
 生活感の薄い旧来の護憲リベラルではなく、より生活の実感のあるリベラル。こうした動きが、復活の鍵を握ると見ています。

 さて、私の感想を若干述べておきたい。
 政治の現況からみてまずなすべきは、政治のバランスを取り戻すことだろう。そのためには国民から信頼される「野党再編」が不可欠だが、中心となるべき民進党が頼りない。
 旧民主党時代から、疑似自民党と言えるベテラン議員や改憲派議員も多く、「共産と組めば、保守票が逃げる」とか言って、野党共闘の阻害要因となった。
 
 与党側は「アベノミクスは道半ば、さらに前へ進む」と主張したのに比べて、民進党は「3分の2を阻む!」と訴えたが、これは政策ではなく護憲・リベラル派の危機感の表明であり、有権者に響くものではなかった。
戦略を練る司令塔や企画宣伝部局が、自民と民進では雲泥の差があるようだ。

 私が長く関わってきた社民党は、「2議席確保」に躍起となったが果たせず、党首を落選させる結果となった。比例票は約150万票で2001年の約360万票の半分以下に激減している。村山元首相は数年前から、「社民党はもはや限界だ。安倍政治に対抗しうるリベラル結集に力を注ぐべきだ」と訴えており、私も同感だ。

     衆院憲法審査会での主な発言

 さて、秋の臨時国会では、衆参の憲法審査会が動き始める。
 与党の中でも、自公の間にはかなりの温度差がある。自民は「緊急事態条項」などを先行審議して改憲の扉を開く、いわゆる〝お試し改憲〟で野党を分断してくるだろう。
 これに対して「護憲」の側は九条の中に閉じこもらずに、その理念を活かした具体的ビジョンを示すことが求められていると思う。
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生年月日 1947年8月7日
住  所 長崎県佐世保市
学  歴 佐世保北高等学校
     卒業(66年)
     佐賀大学農学部農
     学科中退(68年)
職  歴 佐世保地区労書記
       (68年)
     佐世保地区労事務
     局長(94年)
政 治 歴 衆議院議員
     (2000年・1期
      社会民主党)