今上天皇の「生前退位」に思う

 今回の参院選は、新聞・TVなどの事前予測のとおり改憲4党で「3分の2」議席を確保する結果となった。その分析と今後の行方について考えていたら、天皇の「生前退位」のビッグニュースが飛び込んできた。

 話題沸騰の都知事選は14日始まったばかりだが、〝天皇ニュース〟にかき消された格好だ。今上天皇についてはある思い出もあり、憲法九条との関わりも深いので、率直な考えを述べておきたい。

    豊かな海づくり大会
    (稚魚を放流する天皇皇后陛下)

 佐世保市で「全国豊かな海づくり大会」(2002年)が開かれた折、天皇皇后がご出席されて、私も衆議院議員として同席した。その席で天皇はあいさつで、「中学生のころ、干潟に関する映画を観て感動したのを覚えている」と干潟の大切さを何度も強調された。諫早干拓のことを意識されていたかどうか知る由もないが、天皇をとても身近に感じたものだ。
 金子県知事(当時)が夕刻、「天皇さまは、諫早干拓のことをおっしゃったわけではありません」と緊急記者会見を行ったのが傑作だった。

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    (パラオ・ペリリュー島で弔問)

 これまで天皇は、全国のハンセン療養所をすべて訪問し、東日本大震災の被災地や熊本大地震の被災地を訪れて、被災者を慰問されている。
 また、パラオやフィリピンなど激戦地への慰問の旅を続けられてきた。
 つまり、天皇は政治的発言が許されない中で、常に「社会的弱者」に寄り添うことを具体的行動として示されてきたと思う。

    南阿蘇訪問の天皇
    (南阿蘇を慰問された両陛下)

 さて、このような天皇が何かにつけて現憲法の遵守をしっかり強調されてきた。
それに比べて、自民党など保守系が「天皇の『元首化』」を主張するのはいかがなものか?
天皇にとっては〝迷惑千万〟であろう。
「皇室の存続」と「憲法九条」がワンセットである歴史的事実への認識が完全に欠けている。改憲派の政治家たちは、天皇を政治的に利用しているに過ぎない、というのが私の体験上の実感である。

    img070 - コピー

 安倍首相は女性宮家創設の検討について、「男系でつむいできた皇室の歴史と伝統の根本原理が崩れる危険性がないか、心配する」と語っている。まさに、古色蒼然である。
 今回の天皇の「生前退位」について、原武史・放送大学教授は、「憲法に見合った天皇制がつくれるかを模索した天皇の集大成のようなご決断ではないか」と語っている。
 「皇室典範」や関連法規の改正など簡単にいく話ではないが、冷静に国民的議論を深めるいい機会ではないだろうか。
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生年月日 1947年8月7日
住  所 長崎県佐世保市
学  歴 佐世保北高等学校
     卒業(66年)
     佐賀大学農学部農
     学科中退(68年)
職  歴 佐世保地区労書記
       (68年)
     佐世保地区労事務
     局長(94年)
政 治 歴 衆議院議員
     (2000年・1期
      社会民主党)