英国のイラク戦争の検証を評価するーー日本は?

 参院選の投票日まであと1日、結果がとても気になるけど、やはり書いておきたい。

イラク戦争から13年。米英軍の侵攻後に亡くなった民間人は16万人を超える。海外では、オランダや英国など政府から独立した機関の検証が進んでいる。
英国の判断と対応を7年間検証してきた独立調査委員会(チルコット委員長)が6日、「報告書」を発表した。(ブレア元首相ら120人を喚問し、260万語に及ぶ膨大な内容だ)その要旨を綴っておきたい。

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    (朝日新聞 7/7付)

――軍事行動に法的根拠があると決断できる状況にはほど遠かった。従来の「封じ込め」から「フセイン政権打倒」に変質したのは02年4月の米英首脳会談。
 しかも、政権内では「計画や準備について閣僚全体で明確に監視していなかった」と指摘。(米英関係について)「国益や判断が異なる部分で無条件の支持を必要とするものではない」と英政権の姿勢を批判した。

    英・チルコット調査委員長
    (チルコット調査委員長)

――イラク占領を続けた英政府の姿勢も、「課題の大きさと全く合致していなかった」と厳しく批判した。
 戦後のイラクでは、宗派対立や民族対立が高まる中でISが生まれ、隣国シリアに実効支配を広げた。「イラクで軍事行動をとれば、テロ組織の脅威が高まる」との情報機関の警告(03年2月)を掲載している。ISのテロが続く世界の姿を予期したようなものだ。

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    (ブッシュ大統領&ブレア英首相)

――さて、日本ではどうであったか。外務省は12年12月、民主党政権時代に「検証結果」を発表したが、たったの4ページのおざなりな資料だった。
安倍首相は昨年夏の国会で、「悪いのはフセイン政権であって、米英の武力行使は国連決議で正当化されている」と答弁している。
 また、外務官僚らは「人道支援と後方支援のみを行った日本を同列に論じるのは不適切」と語っている。「米国に反対する選択肢はない」ということなんだろう。

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    (ブッシュ大統領と小泉純一郎首相)

 私が議員時代に憤りに満ちた記憶がある。イラク特別委員会で、小泉首相に対して「イラク全土が戦闘地域なのに、自衛隊をどこに派遣するのか」と問い質したら、首相は「自衛隊を派遣する所が〝非戦闘地域〟だ」と、ふざけた答弁をしたものだった。

    大統領宮殿跡のCPU本部
    (イラク・フセイン大統領宮殿前に立つ今川)

 いずれにせよ、安保法制の施行で日本(自衛隊)が戦争の当事者になる可能性はとても高くなった。「米国の同調の求めに、日本は断る術がなかった。問題なのは、日本の外交は日米同盟堅持の方が優位にあることだ」と述懐する山崎拓・元幹事長は語る。

 残念ながら、こんどの参院選で与野党とも、この重大な問題を争点にしなかったことだ。
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生年月日 1947年8月7日
住  所 長崎県佐世保市
学  歴 佐世保北高等学校
     卒業(66年)
     佐賀大学農学部農
     学科中退(68年)
職  歴 佐世保地区労書記
       (68年)
     佐世保地区労事務
     局長(94年)
政 治 歴 衆議院議員
     (2000年・1期
      社会民主党)