東日本大震災5周年~復興の虚実を問う

  早いもので「東日本大震災」からきょうで5周年を迎えた。
 避難者数は最大約47万人、いまも17万4471人(2月12日現在)の人たちが避難生活を強いられている。復興庁の集計(2月末とりまとめ)では、1万4466戸の災害公営住宅が完成し、進捗率は49%というが福島県の避難指示区域は含まれていない。

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     (塩崎賢明・立命館大教授)

 今朝の毎日新聞のオピニオン欄では、「大震災5年・『集中復興』の評価と課題」と題して、塩崎賢明氏(立命館大教授)、藻谷浩介氏(日本総合研究所主席研究員)、岡本全勝氏(復興庁事務次官)三者の論評記事が載った。

 なかでも、塩崎氏の論評が的を得ている。同氏は、兵庫県震災復興研究センター代表理事、岩手県大船渡市の復興計画推進委員会委員長を務めている。要旨は以下のとおりだ。

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――東日本大震災復興構想で掲げられた「創造的復興」という言葉は、元々は阪神大震災で使われた。理念はすばらしいが、実際は「赤字の星」となろうとしている神戸空港の建設など、被災者の生活再建とは直結しない巨大開発事業だった。
 約16兆円の巨費が復興事業名目に投じられたなか、復興自体に振り向けられたのは多く見積もっても11兆円。結果、甚大な被害に見舞われた神戸市長田区に見るとおり、21年経っても生活再建できない被災者の姿がある。

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 東日本大震災でもまた、被災者の生活再建は置き去りにされている。復興に振り向けられた11年度第三次補正予算では、総額9兆2000億円のうち約2兆円が全国防災対策の名目で建物の耐震化や下水道整備などに回されていた。

 どうして野放図な予算執行が行われるのか。出発点は「復興構想7原則」である。そこに「被災者」という言葉はない。「日本経済の再生なくして被災地域の真の復興はない」というフレーズだ。復興の目的は被災者の生活再建ではなく、「日本再生」にすり替わった。

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 昨年度までに支出された復興予算は約24兆円だが、そのうち被災者支援は約1兆8000億円だ。予算の大半は大型の公共事業や「日本再生」に流れており、いまも避難している人が17万人以上もいる。それだけみても本末転倒な事態が進行している。

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 被災地では高台移転や巨大防潮堤、災害公営住宅の建設などが進められている。人が済まない地域にしておいて巨大防潮堤がいるのだろうか。とにかくちぐはぐだ。
 いまは東北の復興に取り組まなければならないと同時に、次の災害への備えも必要だ。火山対策は喫緊の課題。日本は戦争のリスクよりも災害のそれの方がはるかに高い。場当たり的でなく、「防災・復興省」といった常設組織の創設が急務だ。
 あらためて、大震災復興に係るあまりの理不尽さに唖然としてしまった。
私も含めて多くの国民にとって、世界を震撼させた「福島第一原発事故」や東日本大震災の記憶はすでに遠のきつつあるのではなかろうか?

 安倍〝暴走〟政治は、安保法だけでなく、災害対策や社会保障など広範囲に及んでいる。とにかく何とかしなければと思う。

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生年月日 1947年8月7日
住  所 長崎県佐世保市
学  歴 佐世保北高等学校
     卒業(66年)
     佐賀大学農学部農
     学科中退(68年)
職  歴 佐世保地区労書記
       (68年)
     佐世保地区労事務
     局長(94年)
政 治 歴 衆議院議員
     (2000年・1期
      社会民主党)