「第五福竜丸事件」62年に思う

  きょうは「第五福竜丸事件」から62年である。
 1954静岡県年3月1日、焼津のマグロ漁船が、ビキニ環礁での米軍の水爆実験によって被曝し世界的な事件となった。船員23名は降下する〝死の灰〟を浴びて全員被曝し、久保山愛吉無線長は半年後の9月に死亡した。

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  実際は〝死の灰〟を浴びた漁船は数百隻(水産庁文書では1423隻)にのぼり、被曝者は2万人を超えたとみられる。
 米政府は「日本政府は米政府の責任を追及しない」確約のもと、200万ドルの「好意による見舞金」を支払って事件の幕引きとした。
  また、米国はこの事件後も水爆実験を繰り返し、46年から62年にかけて太平洋各地で100回以上の核実験を行った。

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  この事件では「放射能マグロ」が社会問題化した。国の検査の結果、延べ992隻が魚を廃棄させられた。
また、この事件がきっかけとなって日本で反核運動が始まり、現在の国際的な原水禁運動へと発展していく。

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 そのNews Paper(16年2月号)では、第五福竜丸展示館の学芸員・市田真理さんのインタビューが載っていた。核実験被害を展示する唯一の施設で、フォトジャーナリスト・豊崎博光さんのマーシャル諸島関係の資料や外務、厚労省からの行政資料も展示してあるという。

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    (旧知の間柄・豊崎博光さん)

 ところで、朝日新聞の「余滴」という社説で加戸靖史記者が南海放送のディレクター・伊東英朗氏の言葉を紹介している。彼は、核実験に遭った全国の漁船のその後を10年余り追い続けているという。

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 伊東氏は、「『ビキニ60年』『第五福竜丸事件』という呼び方をやめませんか」って、言い続けているという。「記念日」や「節目」にこだわる報道が「事件を矮小化するのではないか」という懸念。例えば、「放射能マグロ」の検査は54年だけで打ち切られ、乗組員の健康状態が広く調査されることもなかった。

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 この年前後の核実験でも広範な大気・海洋汚染が起きたはずだが、影響は不明だ。『ビキニ60年』『第五福竜丸事件』と呼べば、何も知らない人たちに、それ以外の被害の広がりを想像させることがますます難しくなる。
 メディアは、事件の一面を切り取って「わかりやすく」見せるだけに終わっていないか。つねに自戒する必要がある、と言う。
 今月11日、発生5年を迎える福島第一原発事故にも相通じるものがある。
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生年月日 1947年8月7日
住  所 長崎県佐世保市
学  歴 佐世保北高等学校
     卒業(66年)
     佐賀大学農学部農
     学科中退(68年)
職  歴 佐世保地区労書記
       (68年)
     佐世保地区労事務
     局長(94年)
政 治 歴 衆議院議員
     (2000年・1期
      社会民主党)