「時間の再配分」と鶴見俊輔

  いつの間にか、私は池澤夏樹氏のファンになっている。
 鶴見俊輔さんが93歳で亡くなられた(7/20)ことを、とても惜しんで、「この時」と題するを紹介している。(朝日新聞コラム『終わりと始まり』9/5)

        宇宙の底に
      しずかにすわって
      いると思う時がある
      この自分がまぼろし

      私の眼にうつる人も
      ここにいる時はみじかく
      いない時の中に
      この時が 浮かぶ

 無頼の輩どもがよってたかって国を壊そうとしている今、この人の後ろ盾を失うのは辛い。居てくださるだけで心強かったのに、と池澤氏は嘆く。

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    (鶴見俊輔氏)

 しかし、ベトナム反戦運動のころ小田実さんらと「ベ平連」の中心にいた鶴見さんらは、〝過激派〟からは「生ぬるい考えだ」として評価されていなかったように記憶する。
 私は、過激派ではないけど、小田さんや鶴見さんたちの考えに深く立ち入ったことはなかった。

 ところで、池澤氏が今回取り上げたのは、「時間の再配分」というテーマだった。広井良典氏の『ポスト資本主義』を引き合いにして解説している。
――「生産性が上がると、多くの人が失業する」という問題に対して、欧州では「時間の再配分」が提案されているという。

――職場の空気でことが決まるために休暇を取りにくい日本社会に対して、広井氏は国民の休日倍増を提案している。
 職を失業者に奪われまいと過労に陥る。要はみんなが少しずつ働くように雇用の形を変えていけばいいのだ。

 そこで、小さな印刷屋を営む福本俊夫さんの生き様を紹介している。
――「月10万円を目標に仕事してる」。京都ベ平連の縁で選挙を手伝い、三里塚に行ってセクト間の争いに呆れて戻り、印刷機を買って家業とし、丸木位里夫婦や知花昌一さんとも親しくなった。福本さん曰く「一人でさびしくしていたら疑心暗鬼になるやん。市民運動にいてたら一人じゃなくなる」。

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    (池澤夏樹氏)

 池澤氏は言う。――昔の日本では、大人が果たすべき責務は二つあった。一つは家族を養うための「かせぎ」、もう一つは世間さまへの「つとめ」。それが今は「かせぎ」だけになってしまった。
 福本さんは言う。――「昔は人をつぶすとこまではせえへんかった。今はちがうやろ?大学でたかて、みんなつぶされてるやん」。

 う~~ん、身にしみる話だ。
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生年月日 1947年8月7日
住  所 長崎県佐世保市
学  歴 佐世保北高等学校
     卒業(66年)
     佐賀大学農学部農
     学科中退(68年)
職  歴 佐世保地区労書記
       (68年)
     佐世保地区労事務
     局長(94年)
政 治 歴 衆議院議員
     (2000年・1期
      社会民主党)