書評「帰還兵はなぜ自殺するのか」と戦闘ストレス障害

 先日、「帰還兵はなぜ自殺するのか」という書籍の書評が目にとまった。
 私が、自衛官の人権問題に取り組んでからすでに15年になる。その関係もあって、アフガン戦争やイラク戦争での死傷者数、自殺数やPTSDなどの問題を探ってきた。

   帰還兵はなぜ自殺するのか

 同書の評者・保阪正康氏によると――アフガンとイラクに派兵された米軍兵士は約200万人、そのうち50万人はPTSD(心的外傷後ストレス障害)とTBI(外傷性脳損傷)に悩まされており、毎年240人以上が自殺している。

 同書の著者はワシントンポスト紙の元記者であるデイヴィッド・フィンケル氏で、こうした戦闘ストレスに悩む元兵士たち、その家族、さらにはペンタゴン(米国防総省)の自殺防止会議の調査報告にふれながら、この悲劇の実態はどのようなものか、具体的に鮮烈に記述してその苦悩を現代社会に正確に伝えようとしている、と評している。

   死者数と戦費2

 国会図書館の刊行物「レファレンス」に、鈴木滋氏が「メンタルヘルスをめぐる米軍の現状と課題~『戦闘ストレス障害』の問題を中心に」(2009年8月)及び「防衛省・自衛隊のメンタルヘルス対策~米軍の事例紹介を交えつつ」(2015年1月)と題して詳しく論じている。
 また、昨年のNHKドキュメント現代「イラク派遣 10年の真実」でも、帰還自衛官の自殺やPTSDなどを分かり易く報道している。

   元派遣隊員2
   (NHKドキュメント現代「イラク派遣 10年の真実」)

 国会では、照屋寛徳衆議院議員(社民党)が「イラク帰還自衛隊員の自殺」について質問主意書で問い質し、政府は「答弁書」(07年11月13日)で次のように答えている。――「テロ特措法」に基づき、延べ約1万900人の海自隊員を、また「イラク特措法」に基づき陸・海・空自合わせて延べ約8800人。そのうち自殺者は陸自1人、海自8人、空自1人。派遣と隊員の死亡との関係については、一概に言えない。退職後の精神疾患については把握していない。
 前述のNHK報道では、自殺者は28人に増えている。

   海兵隊との共同訓練

 米国では、年間約3万人の自殺者のうち帰還兵が約25%を占めているという。日本でも、安倍政権の思惑どおりに「安保法制」が成立したら、自衛隊は米軍と共に戦闘行動をすることになり、〝帰還兵の心〟の問題は自衛隊員にも降りかかってくる問題である。
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生年月日 1947年8月7日
住  所 長崎県佐世保市
学  歴 佐世保北高等学校
     卒業(66年)
     佐賀大学農学部農
     学科中退(68年)
職  歴 佐世保地区労書記
       (68年)
     佐世保地区労事務
     局長(94年)
政 治 歴 衆議院議員
     (2000年・1期
      社会民主党)