学校や自衛隊に横行する〝暴力的指導〟

 学校での「体罰」が社会問題となった頃の記事を思いだした。
慶応大の片山杜秀准教授が「軍隊での暴力的指導は日露戦争を転機としている。日本は人口も武器弾薬も工業生産力も足りない。結局、期待されたのは『精神力』だ。…戦後、自衛隊に暴力的指導の伝統は残存した」と指摘している。

 また、作家の丸谷才一さんは朝日新聞のコラム「袖のボタン」で、「半藤一利さんの話によると、日本海軍の軍艦が5隻も爆沈している。精神科医の中井久夫さんによると、その半数は制裁のひどさに対する水兵の道連れ自殺という噂が絶えない」と書いている。

   13.2.19朝日・軍隊の精神論
   (朝日)新聞13年2月19日付

 先月の朝日新聞(2月17日付)で、坂上康博・一橋大学教授が「規律重視は兵士養成のなごり」という話をされている。その要旨を紹介してみたい。
 ――日本の体育の起源は幕末にさかのぼり、明治以降は軍隊で行われた。学校教育にも体育が導入された。欧米に比べて体格が劣るので、「強兵」をつくるため男子の体格・体力の向上が必須と考えられた。
 ――戦前の学校体育の科目名は「体操科」で、集団行動や規律の訓練にもなるので、軍事的な価値を持つようになる。やがて、軍隊式の集団訓練が入ってきて「軍事教練」と呼ばれ、陸軍将校が配属される。
 体操や軍事教練に対し、スポーツや武道は遊戯という扱いだったが、共産主義思想に影響される学生が増えると、対応策としてスポーツを思想教導の手段と見なすようになる。

   坂上康博さん
   (坂上康博・一橋大学教授)

――戦後、軍事教練や武道必修は廃止されたが、兵士養成のために重視された集団性や規律は、民主的な社会形成に必要だとして生き残った。
注目すべきことは、特に部活で精神主義や暴力的な指導が目立つようになった。戦前の遺物というより、戦後になって一般的になったものだ。軍隊経験をもつ指導者が、短期間で強くするために軍隊のやり方を部活に応用した。
根性主義も戦後の産物で、60年代とりわけ東京五輪前後からだ。

   学校軍事教練

――日本人のスポーツ観が集団主義的、根性主義的だというのも一面的だ。スポーツは本来、強制されるのではなく自発的に行うべきものだ。日本では、学校を卒業して初めて本来のスポーツのあり方を楽しむようになるという特殊な状況が続いてきた。
海外ではスポーツは文化となったが、日本ではそうなっていないと言われるゆえんだ。

学校での「体罰」や自衛隊での「いじめ」が横行する現実を、あらためて深く考えさせられた思いだ。

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生年月日 1947年8月7日
住  所 長崎県佐世保市
学  歴 佐世保北高等学校
     卒業(66年)
     佐賀大学農学部農
     学科中退(68年)
職  歴 佐世保地区労書記
       (68年)
     佐世保地区労事務
     局長(94年)
政 治 歴 衆議院議員
     (2000年・1期
      社会民主党)