「イスラム国」が生まれた土壌を考える

 「イスラム国」による日本人二人に続いて、ヨルダン人パイロットも惨殺された。
 憎んでもあまりある残酷極まる行為だが、安倍首相のエジプトでの挑発的演説、米国など有志連合によるシリア、イラクへの空爆、日本をはじめ各国でのイスラム教徒への差別・迫害、日本のメディアの報道のあり方など、問題や課題も数多く残った。

   イスラム国の勢力範囲

 多くの識者たちが認めるとおり、ブッシュ元大統領によるイラク戦争を起点とし、その後の中東の政変とシリアの崩壊が悪逆非道の疑似国家を生み出した。
 ここでは、作家・池澤夏樹の「ムスリムとフランス社会」と題する批評(朝日新聞2月7日付)が示唆に富んでいるので、その要旨を引用してみる。

――フランスは、ライシテと呼ばれる政教分離が徹底しており、国家は宗教の影響力を排除してきた。清教徒が築いたアメリカのような宗教国家とは違う。
 フランスは、海外に植民地を作り、大戦後は安い労働力を求めて旧植民地の人々の移住を認めたが、二級国民として扱った。

   シャルリー・エブドに連帯の人々

――五百万のムスリムを社会に迎えるための努力をフランスは怠ってきた。信仰に貧困が重なると信仰は過激になる。
 シャルリー・エブドの殺戮は歴然たる犯罪である。表現の自由は民主主義の原則だからわかる。しかし、風刺というのは本来は強者に向けられるものだ。今のフランスでムスリムは弱者である。シャルリー・エブドはくりかえしムスリムをからかい続けた。
 風刺漫画にムハンマドが描かれてからかわれるのはムスリムにとっては侮辱であり精神的な苦痛なのだ。
 日本のメディアの無理解も問題。(以下、略)

   15.1.24朝日・米国など「有志連合」の対「イスラム国」作戦

   言うまでもないことだが、空爆や武力で「イスラム国」を追い詰め縮小させることはできても、それらを生み出した土壌をなくさない限り再生産されていくに違いない。暴力の連鎖だけは何としても避けなければならない。
(※「イスラム国」という呼称はやめて、過激な武装集団「ダーイシュ」に呼び換えます。)


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今川正美のブログへようこそ!

生年月日 1947年8月7日
住  所 長崎県佐世保市
学  歴 佐世保北高等学校
     卒業(66年)
     佐賀大学農学部農
     学科中退(68年)
職  歴 佐世保地区労書記
       (68年)
     佐世保地区労事務
     局長(94年)
政 治 歴 衆議院議員
     (2000年・1期
      社会民主党)