「イスラム国」の台頭と揺らぐ国民国家

 いま、世界の注目を集める「イスラム国」。欧米からも〝志願兵〟が続出しているとのニュースが最近出たばかりだが、なんと日本からもシリアへ渡航しようとした北海道大学の学生が当局によって事情聴取されているらしい。
 最新のニュースによると、学生には自殺願望があり「どこで死ぬのも一緒だ」と語っている。ある専門家は「『イスラム国』には人間的存在感を与えるものがある。言語的環境が満たされれば〝志願〟する人もいるだろう」と言う。

         14.9.11朝日・欧米の若者、過激派へ - コピー
          (朝日新聞9月11日付)

 こうした現象の背景には何があるのだろうか?
 佐藤優。ひと頃鈴木宗男議員の〝子分〟と呼ばれた元外務官僚で、親イスラエル派として知られる。しかし、彼のけた外れの読書力に基づく状況分析が分かり易い。

         佐藤優
          (佐藤優氏。朝日新聞10月4日付より)

――石油資源の豊富な中東で、大勢の貧困にあえぐ人がいるのは、国際石油資本とそれに連なる王族や独裁権力者に富が偏在しているからだ。
 こうした状況を打ち破ろうと、二つの流れが出てきた。一つが、国家や民族の枠を超えたグローバルなイスラム主義によって克服しようという動き。「イスラム国」の運動がそうである。

          14.9.11朝日・イスラム国の戦闘員たち
           (朝日新聞9月11日付)

――もう一つが、小さな民族に主権を持たせることで危機を乗り越えようという動きだ。従来の国民国家をさらに純化する動きとも言え、英国からの独立を問う住民投票があったスコットランドがそうである。
 この二つの流れが、従来の国民国家の土台を揺るがせ始めた。新生イラクでは、疎外されたスンニ派が「イスラム国」になびき始めた。

         14.9.20朝日・独立否定 - コピー
          (朝日新聞9月20日付)

――300年前に併合されたスコットランドでは、イングランドとの格差が広がり、独自の言語も廃れ、軍事負担も過剰だ。そこで民族意識に火がついた。
 ウクライナでは、親欧米勢力が権力を握った瞬間に、言語政策で間違いを犯した。

――潜在的なナショナリズムの火種は世界各地にある。ただ、国民国家のシステムはそう簡単に崩れることはない。今のところ資本主義に代わる仕組みはなく、現行システムの微調整だと見るべきだ。

         トルコへ避難するクルド系住民
          (朝日新聞10月6日付。トルコへ避難するクルド系住民)

 以上は、北大生の「イスラム国」渡航の背景を直接説明している訳ではない。しかし、いまの日本に、とりわけ若者に「自分が社会に必要とされている」という実感を抱かせるものがどれ程あるだろうか?潜在的な自殺願望者が増えている、その原因を取り除くことが肝要だと痛感する。

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今川正美のブログへようこそ!

生年月日 1947年8月7日
住  所 長崎県佐世保市
学  歴 佐世保北高等学校
     卒業(66年)
     佐賀大学農学部農
     学科中退(68年)
職  歴 佐世保地区労書記
       (68年)
     佐世保地区労事務
     局長(94年)
政 治 歴 衆議院議員
     (2000年・1期
      社会民主党)