軍事同盟の危うさと怪しさ

 ずいぶん以前のことだけど、「軍事同盟などを信用するのはお人好しだ」「力の弱い国の方が貢がされ続ける」という論考を聞いた覚えがある。論者は軍事スペシャリストの田岡俊次氏である。

         田岡俊次
          (田岡俊次氏)

 急に思い出したのは、今朝の朝日新聞で「ペロポネソス戦争」の記事を目にしたからだ。その内容を紹介する。
紀元前400年代、古代ギリシャを二分して覇権を争った戦い。アテナイはペルシャの脅威に備えて「デロス同盟」を結成してエーゲ海に君臨。恐怖を抱いた覇権国・スパルタは「ペロポネソス同盟」を率いて開戦を決議し勝利したが、ギリシャ全体の衰退を招くことになった。

         古代ギリシア

 この頃、アテナイではデマゴーゴスと呼ばれる扇動政治家が多数現れ、巧みな弁論術で和平案をことごとく潰した。このようなデマゴーゴスが民衆を扇動して行った政治を「衆愚政治」と呼ぶ。政治家ペリクレスは、支配権の拡大を望んだり、危険な道を選んだりしないように市民に説いた。だが、彼に続く政治家は民衆を扇動して、没落のきっかけになるシケリア(シチリア)遠征を決めた。

 古代ギリシャの歴史家・ツキジデスは、ペロポネソス戦争に参加して記録『戦史』をまとめた。--アテナイが敗れる大きな要因は、同盟都市の要請に応じる名目で「われらは盟約を誓った仲、援軍を送るべき義務を負っている」とシケリア(シチリア)に遠征したことだ。
 密接な関係にある国が攻撃を受けた場合、敵国への反撃に加わる。現在、安倍首相がしきりにこだわる「集団的自衛権の行使」に当たる。

          第一次大戦
           (第一次世界大戦の映像)

 日米が脅威と考えるのは、海洋進出に積極的な中国。中国はロシアと東シナ海で合同演習すると発表。丹羽宇一郎・前駐中国大使は、「米中は、『ツキジデスの罠』にはまってはいけない」と訴える。
古くはペロポネソス戦争、100年前は第一次世界大戦の例に見るように、同盟関係は連鎖反応によって大きな戦争につながりやすい。

                      丹羽宇一郎
                     (丹羽宇一郎・前駐中国大使)

 米国の国際政治学者・グリアム・アリソン教授(ハーバード大学)は1月、今年起こりうるシナリオとして東シナ海での日中の武力衝突を挙げ「100年前の過ちは、私たちに独りよがりの危うさを思い起こさせてくれる」と論文に書いた。
安倍首相の独りよがりに煽られて『ツキジデスの罠』にはまることのないように、お互いに心したいと思う。
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生年月日 1947年8月7日
住  所 長崎県佐世保市
学  歴 佐世保北高等学校
     卒業(66年)
     佐賀大学農学部農
     学科中退(68年)
職  歴 佐世保地区労書記
       (68年)
     佐世保地区労事務
     局長(94年)
政 治 歴 衆議院議員
     (2000年・1期
      社会民主党)