戦争への道を開く「集団的自衛権の行使」に反対する!

 一昨日、「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」(座長:柳井俊二。通称:安保法制懇)が報告書を安倍首相に提出した。
 これを受けて安倍首相は、集団的自衛権の行使容認に向けた与党(自民・公明)協議に入り、閣議決定をめざすと表明した。

          法制懇報告書
           (安倍首相に「報告書」を手渡す柳井俊二座長)

 集団的自衛権の行使を認めるには、憲法改正の手続きをとるべきだが、それを与党協議と閣議決定で済ませるというのは、立憲主義の破壊以外のなにものでもない。
 戦後70年あまりの日本の平和主義が、国民の意思を問うこともなく内閣の一存で「戦争できる国」に大転換されるなどということが、許されていいはずがない。

          報告書全文
           (「報告書」の全文 朝日新聞5月16日付)

 ところで、上記「報告書」の全文は、約3万9千字(中見出し含む)にも及ぶ長文である。国民の多くが読み通せる内容とは思われないが、一応逐条的に概観しておきたい。
 Ⅰ(憲法解釈の現状と問題点)Ⅱ(あるべき憲法解釈)Ⅲ(国内法制の在り方)Ⅳ(おわりに)の四節から成る。

 Ⅰでは、「砂川事件」の最高裁判決をもって自衛権の根拠としているが、元々、在日米軍の「戦力」の是非を問うた司法判断であるのに、ひどい曲解である。しかも、固定化された憲法論のゆえに国民の安全が害されかねないと断じて、国民主権原理より国防を上位に置いている。
 その上で、安保環境が著しく変化して従来の憲法解釈では十分に対応できないとして、4類型・6事例を示して憲法解釈や法制度を変えるべきだと述べている。しかし、それらの事例は、これまでの個別的自衛権で対応可能もしくはあまりに非現実的でためにする仮定である。

            14.5.14朝日・報告書の概要
             (朝日新聞 5月14日付)

 Ⅱでは、第9条第1項の規定は、「我が国が当事国である」国際紛争の解決のために武力による威嚇または武力の行使を行うことを禁止したものと解すべき。また、(自衛のための措置は)「必要最小限度」の中に、集団的自衛権も含まれると解釈すべきだと、まったく身勝手な解釈をしている。

 さらに、国連の集団安全保障措置は「武力の行使」に当らず憲法上の制約はないとして、日本が積極的に加わることを提言している。(ただし、この点については政府の「基本的方向性」の事例集に盛り込まなかった)
また、「武力行使との一体化」論は、我が国固有の概念でもはや時代遅れと一蹴している。
 国連PKO等に関しても、駆けつけ警護や妨害排除のための「武器使用」は「武力の行使」に当らず、法制度を整えるべきだと言う。
 また、武力攻撃に至らない(グレーゾーン)侵害についても、実力の行使も含む切れ目のない(シームレス)対応を可能とすべく法制度を整えるべきと提言する。

           創価学会、反対の見解
            (朝日新聞 5月17日付)

 Ⅲでは、集団的自衛権の行使、軍事的措置を伴う国連の集団安全保障措置への参加、積極的な国連PKOへの貢献を憲法に従って整備すべし。事態の態様に応じ手続きに軽重を設け、特に行動を迅速に命令すべき事態にも十分に対応できるようにすべきと提言している。

 Ⅳ(おわりに)では、本来は憲法解釈でなく憲法改正の手続きによるべきとの意見への反論である。個別的自衛権は憲法解釈により認められてきたのだから、集団的自衛権の行使や集団安全保障措置への参加についても、「政府が適切な形で新しい解釈を明らかにすることで可能である」と断じている。
国会など不要であると言わんばかりの恐るべき論理である。こうした解釈変更は、内閣が憲法を支配するといういびつな統治構造を生み出すものだ。

          熟議なき結論
           (朝日新聞 5月17日付)

 こうした歴史的大転換が、国民的議論を抜きに、しかも肝心の安保法制懇ですら十分な議論が交わされないまま「報告書」提出に至ったと、朝日新聞は報じている(5月15日付)。実際の報告書作成は北岡伸一・座長代理、兼原信克、高見沢将林・両内閣官房副長官補らが主導し、他の委員たちは「政権の駒だった」という有り様だったようだ。
 
 これから、国家安全保障会議(NSC)という密室(首相ら4閣僚)でことが進められ、与党協議を経て「閣議決定」に至る。その後、臨時国会に「国家安全保障基本法案」が提出され、年内に米国との新しい「日米防衛のための協力の指針」(ガイドライン)を交わす手はずとなっている。

          14.5.17朝日・憲法ぶった切り剣法
           (朝日新聞 5月17日付)
 一方、こうした法整備に先行する形で、中国との戦争も辞さない「離島上陸・奪還」訓練が奄美沖合で始まっている。
 もはや一刻の猶予もできない。集団的自衛権の行使に反対する世論と行動を広げて、安倍政権を退陣に追い込むために全力を尽くそう!
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生年月日 1947年8月7日
住  所 長崎県佐世保市
学  歴 佐世保北高等学校
     卒業(66年)
     佐賀大学農学部農
     学科中退(68年)
職  歴 佐世保地区労書記
       (68年)
     佐世保地区労事務
     局長(94年)
政 治 歴 衆議院議員
     (2000年・1期
      社会民主党)