「たちかぜ」控訴審は、全面勝訴だった!

 4月23日、退院後初めて上京した。目的は、護衛艦「たちかぜ」控訴審判決を傍聴するためだった。午前10時過ぎ、東京高裁玄関前はマスコミの報道陣であふれ、傍聴希望者の長い列ができた。

午前11時、鈴木健太裁判長は、「たちかぜ」の乗組員Tさん(一等海士)の自殺は、➀上官(二等海曹)の執拗な暴行・恐喝が原因である➁上司らが適切に対処すれば自殺は回避できた(自殺の予見は可能であった)と認定し、国などに約7350万円の支払いを命じた。

 P4230009.jpg

 また、海自は、全乗組員にいじめの有無を尋ねたアンケートを実施。遺族は、アンケート原本の開示を求めたが、海自は「破棄した」として拒否していた。ところが、現役の三等海佐が控訴審で「隠されている」と内部告発し、海幕はこれを認めて謝罪した。判決では、意図的な隠ぺいだったとして「裁判の判断に影響を及ぼす重要な証拠だった」と指摘して、別途20万円の損害賠償を命じた。
ところが防衛省は、「文書のコピーを外部に持ち出した」との理由で、内部告発した三佐の処分を検討している。本末転倒も極まれりである。

 隠匿した内部文書
 (毎日新聞 4月24日付)

 横浜地裁に提訴から8年余、東京高裁へ控訴して3年余に及ぶ闘いの末の「全面勝訴」となった。原告・弁護団・「支える会」など関係者の皆さん方に、心よりねぎらいと祝福の気持ちを表したい。
 午後、議員会館で行われた判決報告集会も会場は満員であった。何よりも原告のお母さんの涙と笑顔がすべてを物語っているように思われた。また、岡田尚弁護団長をはじめ弁護士の皆さんの誇らしげな顔がとても印象的であった。

 P4230028.jpg

 自衛官の「人権問題」にメディアや国民の関心が集まったのは、護衛艦「さわぎり」の人権侵害裁判が最初であった。乗組員Kさんが上司の執拗ないじめに遭って自死に追い込まれた事件(99年11月)は、提訴以来7年間の苦闘の末に福岡高裁で全面勝訴した経緯がある。
 

 ところで、自衛隊員の自殺は毎年80人前後を推移している。2003年から2012年までの10年間で893人(陸自549人・海自152人・空自127人・事務官65人)、隊員10万人あたりの自殺者数は36.4人(12年度)で、一般職国家公務員の約1.5倍である。自殺の原因は、「借財」「病苦」など様々だが、「その他・不明」が毎年約半数を占めており、この点が「いじめ」などによる自殺と推測される。
 現在、自衛隊のいじめ・セクハラなどに関する訴訟は、全国に広がりつつある。
しかし、防衛省はこうした痛ましい事件が起こるたびに、「個人の資質の問題」だとして自衛隊の「構造的な病根」であることを決して認めようとしない。事件の調査は自衛隊の捜査機関「警務隊」が行うが、所詮「身内による捜査」で限界がある。

 自衛官の自殺数2
  (三宅勝久氏の著作より引用)

 私の持論でもある「軍事オンブズマン制度」について、東京新聞・三浦耕喜記者の著作によると――戦後、ドイツが再軍備するときに、ナチスの教訓から二度と軍が悪用されないために設置された。兵士の不満や異論を議会がチェックすることで軍内部に潜む問題点を明らかにし、議会による軍の統制を図ることが目的だ。

こうした、軍事オンブズマン制度に関する国際会議が、09年以来すでに5回開催されている。また、欧州各国では軍人たちの“労働組合”が事実上作られており、軍人たちの人権や労働条件を求めて集会・デモ行動などが公然と繰り広げられているとのことだ。(第2回国際会議に出席された石村善治・福岡大学名誉教授の話し)

 ラインホルト・ロッベ氏
   (東京新聞 08年12月24日付)

日本でもできるだけ早く「軍事オンブズマン制度」を創設すべきだ。こうした自衛官の人権確立のための取り組みは、自衛隊を海外での戦争へと駆り立てる道から、国内外の災害救援など国民のための非軍事的組織へと改編・転換していくためにも不可欠なものだと確信する。
スポンサーサイト

comment

管理者にだけ表示を許可する

最新記事
カレンダー
05 | 2017/06 | 07
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -
月別アーカイブ
カテゴリ
プロフィール

FC2USER537587ATX

Author:FC2USER537587ATX
今川正美のブログへようこそ!

生年月日 1947年8月7日
住  所 長崎県佐世保市
学  歴 佐世保北高等学校
     卒業(66年)
     佐賀大学農学部農
     学科中退(68年)
職  歴 佐世保地区労書記
       (68年)
     佐世保地区労事務
     局長(94年)
政 治 歴 衆議院議員
     (2000年・1期
      社会民主党)