米国の戦力見直しと日本外交

 来年は戦後70年を迎える。日本の政府はこんにちまで長い間、米国というフィルターをとおして世界を眺め、米国の(核)戦力に依存してきた。しかし現在、中国の著しい台頭によってアジアの戦略環境は大きく変化している。何より米中間の「相互依存」が顕著だ。

       アラメダ基地
    (閉鎖されたアラメダ米海軍基地を視察する佐世保地区労基地視察団。99年)

 米国の軍事戦略や戦力の見直しの大きな節目は、冷戦終結と9.11米国同時テロ事件だ。
冷戦後、世界唯一の超大国を自負する米国は「二正面での戦争を同時に戦う」ため、欧州に10万人・アジアに10万人の兵力を維持するとした。
 ブッシュ大統領(父)は、冷戦期の在外兵力を新たな環境に即応できる戦力へ再編するGPR(グローバル・ポスチャー・レビュー)に着手した。在日米軍の再編はその一環である。

      サンディエゴの市民団体と交流
      (サンディエゴの市民と交流する佐世保地区労・基地視察団。99年)

 同時に、米国内の基地も閉鎖・再編法(BRAC、90年)に基づき5回にわたって進めた。その結果、主要な基地の97カ所が閉鎖・55カ所が統合された。さらに、現在、319カ所の主要基地を6年間で33カ所が閉鎖・29カ所が統合される計画である。

     c7-2-1[1]

 9.11米国同時テロ事件が起きたのが01年。これをきっかけに始めたアフガン・イラク戦争で10年間に費やした戦費は約1兆ドル(約102兆円)、年間で7千億ドル(約71兆円)に膨らみ、財政赤字の大きな要因となった。
 オバマ政権は2年前、今後10年間で4900億ドル(約50兆円)以上を削減し、陸軍55万人を今後10年間で49万人以下に削減、海兵隊も20万人を15年までに2万人以上削減する方針を打ち出した。――冷戦後維持した「二正面戦力」を放棄した訳である。

     12.1.6朝日・二正面戦力を放棄 - コピー
       (朝日新聞 12年1月6日付)

 安倍政権の外交政策は、近隣諸国の反発を招き、米国からも失望されて、国際的に孤立しつつある。
 どうすべきか?――中国・韓国とは首脳会談のための環境を整えて、従前の友好関係に戻ることだ。また、米国とは、「思いやり予算」と米軍再編経費の大胆な削減・見直しを有力な「外交カード」として使えば、「普天間移設」問題の解決や在日米軍基地の閉鎖・統合も可能なはずだ。

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 必要なのは、米国の反発を恐れぬ日本政府の決断であると思う。
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生年月日 1947年8月7日
住  所 長崎県佐世保市
学  歴 佐世保北高等学校
     卒業(66年)
     佐賀大学農学部農
     学科中退(68年)
職  歴 佐世保地区労書記
       (68年)
     佐世保地区労事務
     局長(94年)
政 治 歴 衆議院議員
     (2000年・1期
      社会民主党)