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新たな核軍拡から核軍縮へ転換すべきだ。

  今日のTV報道は米朝首脳会談(第2回)でもちきりだが、北朝鮮の核兵器開発を巡っては、合意できなかったようだ。
 
 これに先立ち米国は今月2日、ロシアに「中距離核戦力(INF)全廃条約」からの離脱を正式に通告した。ロシアもすぐさま条約の履行停止を宣言し、新型ミサイル開発による対抗手段を決定した。

   米ロの核軍縮条約を巡る構図

 レーガン米大統領とソ連のゴルバチョフ書記長が同条約に署名、発効してからちょうど30年。目覚ましいミサイル開発による新たな軍拡競争の幕開けである。
 これまでの経緯を簡単に振り返ってみたい。
 冷戦時代、世界の核兵器数のピーク時は約7万発で米ソがその大半を占めた。

 1962年、キューバ危機で人類は核戦争の瀬戸際を経験し、翌63年、米ソは「部分的核実験禁止条約」(PTBT)に署名。
 64年に中国が核実験に成功すると核保有国拡大への危機感が高まり、「核不拡散条約(NPT)」へとつながった。

  19.1.31朝日・各国の核兵器保有数
  (朝日新聞 2019.1.31付)

 また、1991年、戦略兵器削減条約(START)が米ソ間で調印された(94年発効)。核兵器及び運搬手段(大陸間弾道弾・長距離爆撃機・潜水艦発射ミサイル)の上限保有数を決めて、徐々に減らしていくという協定である。
 現在は、2002年、モスクワ条約(NEW START)と名称変更しており、内容はほぼ同じである。現在の核兵器数は約14,500発(8カ国)である(ストックホルム国際平和研究所による)。

  INF条約の起源は、70年代後半から80年代初頭、欧州で発生した危機的事態である。
ソ連は、欧州全域を射程にできる中距離ミサイル「SS-20」を配備し、欧州各国は恐怖を抱いた。
一方、米国が当時西欧に配備していたのは、ソ連領土に届かない短距離ミサイルで中距離ミサイルは保有していなかった(長距離ミサイルは保有していたが)。
そこで新たに開発・配備したのが地上発射巡航ミサイル「パーシングⅡ」であり、発射から10分以内にモスクワに到達する。

Pershing_II[1] SS20.png
(パーシングⅡとSS20)

 こうした危機的状況のもと、核兵器配備反対運動が欧州全域にかつてない広がりをみせた。
INF条約はこの混乱しきった状況に活路を開くものだった。米ソのミサイルだけでなく、射程480キロ~5,300キロのすべての地上ミサイルの開発・配備を禁止した。
米国は約3,000基を廃棄、ソ連はその2倍のミサイルを廃棄した。

 しかし現在、ロシアは米国がルーマニアで運用する地上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」(日本にも配備予定)には、海上発射型巡航ミサイルの発射能力があると見ている。その対抗手段として音速の5倍以上で飛ぶ海上・空中発射型の極超音速(ハイパー・ソニック)兵器を多数保持する。

 中国も、米ロが結ぶ一連の軍縮条約の制約を受けず、ミサイル能力を質・量ともに大幅に向上させてきた。INF全廃条約が禁じる射程に近いミサイルを1400発以上保有していると推定される(米国防総省報告)。先月、中国TVで発射実験が報じられた中距離弾道ミサイル「DF(東風)26」は核・非核両用で射程4千キロである。

   19.2.3朝日・中国「東風26」
   (中国「東風26」)

 こうした核の拡散は止まっていない。インドやパキスタン、イスラエルはNPTに加盟せず極秘に核兵器を開発。北朝鮮もNPTを脱退して核兵器開発を続けている。
では、こうした流れに封じる動きはないのか。大半の非核保有国やNGOを中心に運動が高まり、「核兵器禁止条約」が国連で採択された。

  82年・代々木公園
  (1982年 代々木公園)

 それにしても、日本における反核運動の衰退は著しい。80年代に大きな高まりをみせた反核運動は米国スリーマイル原発事故が契機となり、米・ソの中距離ミサイル配備に反対する欧州の反核運動と結びついた。
当時、東京などで開かれた反核集会には必ず参加したものだが、何万人もの人々で溢れかえっていたのを思い出す。
 
  19.2.9朝日・核廃絶へアイデア出し合う - コピー
  (朝日新聞 2.9付 ICAN・核廃絶へアイデア出し合う)

 現在は、国際NGO「核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)」や「高校生一万人署名活動」の運動が見られるくらいである。
唯一の被爆国でありながら米国の「核の傘」のもとで核廃絶を叫んでも、国際社会の嘲笑の的となるだけだ。
 「核の傘」から脱して新たな核兵器廃絶の運動を始めることが必要だ。

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生年月日 1947年8月7日
住  所 長崎県佐世保市
学  歴 佐世保北高等学校
     卒業(66年)
     佐賀大学農学部農
     学科中退(68年)
職  歴 佐世保地区労書記
       (68年)
     佐世保地区労事務
     局長(94年)
政 治 歴 衆議院議員
     (2000年・1期
      社会民主党)