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DATE: 2018/08/31(金)   CATEGORY: 女性の地位
女性優位社会ーーボノボとベラウ共和国
  過日、朝日新聞でサルの記事が興味深かった。
「ボノボ」――チンパンジーと並んで人間に最も近い動物で、アフリカ・コンゴの熱帯雨林に生息し、絶滅危惧種に指定されている。熊本県宇城市の京大野生動物研究センターで4頭の飼育が始まったという。

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  チンパンジーはオス優位の群れを作るが、ボノボはメス優位の社会を築くらしい。
 また、繁殖目的でしか性行動をしないチンパンジーに対して、ボノボはメスが発情していないときも性行動をするなど、人間との共通点をいくつも持っている。
  さらに、人間をはじめ類人猿では暴力的な行動が見られるけど、ボノボは暴力が発生しそうな緊張状態を、性行動で緩和するという。

     キッタレンの人たちと交流団
     (キッタレンの人たちと交流団)

  ふと思い浮かんだのは、太平洋のベラウ共和国(パラオ諸島)のことだ。地球上で最後に残る「母系社会」と言われる。
 25年前の93年1月、原水禁九州ブロックの第九次ベラウ交流調査団(団長:慶田盛泰八、12人)の事務長として参加した。私の帰国報告(読売新聞、93年2月19日付)から抜粋してみる。

――ベラウ共和国(パラオ諸島)は、人口は約1万5千人。日本の委任統治領だったが、戦後、米国の信託統治領となる。
 80年7月、三度の投票の末に世界で初めて「非核憲法」を制定する。日本の憲法第九条を参考に起草された。

――私たちが交流したのは、ベラウの非核・独立を求める住民組織「キッタレン」の人々であった。日系二世のクニオ・ナカムラ大統領は「わが国に軍隊はなく、非核・平和こそ尊い」と率直に語った。(※翌94年10月、米国と「自由連合協定」を結んで独立する)

     ベラウ・キッタレンの女性たち
     (ベラウ・キッタレンの女性たち)

――ヤシの木が生い茂るトタン屋根の下で、交流したキッタレンのメンバーは全員女性で、男性は缶ビールを飲みながら交流の様子を周りで覗っている。女性優位の社会は、なんとなく落ち着きと平穏を感じて、楽しいひと時だったことをしみじみ思い出す。
 戦前・戦後の女性解放運動の指導者だった平塚らいてうの「原始、女性は太陽であった」という有名な言葉が重なる。

――頑なに「非核憲法」を守り抜くベラウの人々とは対照的に、憲法九条を無きものにしてアジア太平洋に新たな野心を抱く〝大国ニッポン〟の姿と、70年前の暗い歴史が重なって見える気がしてならない。

     トミー・レメンゲサウ・パラオ大統領
     (トミー・レメンゲサウ・パラオ大統領)

  奇しくも、ベラウのトミー・レメンゲザウ大統領が朝日新聞の「ひと」欄(2018年6月9日付)に載っていた。
――環境保護への誓約を求める制度「パラオ・プレッジ」を昨年12月に始めた。入国審査で旅行者に署名を求め、誓約を破ると最大100万ドル(約1億1千万円)の罰金だ。
 人口2万人(5千人ほど増えている)の国に年16万人の観光客が押し寄せ、サンゴ礁や魚が傷つけられるのを目の当たりにした。
 「夕食の分以上に(魚を)捕ってはダメだ。今日の富より明日のことを考えなさい」との父の教えが生かされている。
(※観光客の大半は日本人である。)

     平塚らいてう
     (平塚らいてう「元始、女性は太陽であった」)

  日本では今なお、女性天皇否定、女性議員は全体の数パーセント、土俵上は女人禁制等々、男性優位社会のままである。
 日本には大昔の卑弥呼に始まり、8人の女性天皇が存在していた。
 もうそろそろ、名実ともに「男女平等社会」へ転換していってはどうだろうか。
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DATE: 2018/08/24(金)   CATEGORY: 労働問題
日立でも外国人実習生不正ーー中西経団連会長の理念と相反する
 朝日新聞で連載『2030.SDGsで変える』が始まり、「トップが語る①」で経団連会長の中西宏明氏(日立会長)が登場している。その要旨を紹介しておきたい。

――経団連の会員企業に順守を呼びかけている「企業行動憲章」を昨年11月、7年ぶりに改定しました。その精神の柱に据えたのが、SDGs(国連が掲げる持続可能な開発目標)です。
イノベーションを通じて持続可能な成長と社会的課題の解決を図ることを明記し、「すべての人々の人権を尊重する経営を行う」との文言を入れました。人権を無視した企業活動は長続きしません。人権を大事にすることを出発点に企業の行動原則を考えました。
 企業が社会に役立つ存在こそ、売り上げが立つ。SDGs(持続可能な開発目標)は経済界でも共有できる目標です。

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     (中西宏明・経団連会長)

―― 経団連は、SDGsと軌を一にし、AI(人工知能)やビッグデータを活用した新しい社会像「Society5・0」という考え方を打ち出している。狩猟、農耕、工業などに続く5番目の時代が来るという意味です。
 デジタル化が進み、社会のしくみはどんどん変わっています。だからこそ、SDGsを目標に据え、豊かで活力ある「5・0」の社会をめざして企業も貢献していかなければなりません。
 投資家の姿勢も変わりました。ここ数年はESG(環境・社会・企業統治)が重視されるようになりました。環境や社会問題に取り組む長期的な目標を企業経営者と共有したがっています。

―― モノづくりにおいても、いいモノをつくれば売れるという考え方ではもう成り立ちません。日立製作所はこれまで「技術」を経営の根幹に据え、優秀な人材ほど工場や開発拠点に配属してきました。今は、人材を事業の現場に配置し、顧客と対話して新しい価値をつくりだしていくという考え方に変わりました。
 日立はこのような業務を「社会イノベーション事業」と位置づけ、海水の淡水化、風力発電など再生可能エネルギーの普及にも取り組んでいます。鉄道事業においても、二酸化炭素の排出量を減らすことや、環境や高齢者にやさしいスマートシティーをつくりたいと思います。
 SDGsの達成に条件もあります。健全で平和な社会でなければならないし、国の安全も必要です。政府の財政破綻も避けなければなりません。安定的で低価格のエネルギーも不可欠です。

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     (朝日新聞 8/22付)

 なかなか立派なことを語っている。ところが、中西氏の足元である日立製作所でも「外国人技能実習生の不正な働かせ方」の疑いが明らかになっている。
 例えば、笠戸事業所では、「電気組み立て」の実習目的で来日したフィリピン人が全く別の作業ばかりだった。
 「協同組合フレンドニッポン」(本部・広島市、FN)から技能実習生を受け入れ始めたのは1999年。あるFN職員は「日立さんには約2千人受け入れていただいています」「技能実習は国際貢献の意味合いが強かったんですが、実態は労働力を補うために企業さんにご活用いただいています」。実習生の時給は「最低賃金プラス5円」との試算表を示したという。
 法務省は「労働力の需給の調整の手段として行われてはならない」と定める技能実習適正化法に抵触するとみているという。

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 また、日立がイギリスで新設を計画する原発。その工事の中核から米建設大手ベクテルが外れるようで、着工条件である出資金集めに悪影響が出る可能性がある。
 英西部アングルシー島に原発2基を新設予定。しかし、福島事故後に強化された安全基準への対策費などで、総事業費は最大3兆円になる見通しという。
 東芝のような二の舞になりかねない。
 中西会長が語る新たな企業理念からしても、早々に原発から撤退すべきではないか。
DATE: 2018/08/20(月)   CATEGORY: 論評
スポーツ界の相次ぐ暴力・不正事件を糺す
 スポーツ界の不祥事が絶えない。――アメフトの悪質タックル、相撲界の暴力事件、日本レスリング協会のパワハラ、日本ボクシング連盟の助成金不正流用や不正判定など相次いでいる。つい最近、日本体操協会でもコーチが女子に暴行を加えて登録抹消処分を受けたが、そのコーチは佐世保出身である。

     アメフトの悪質タックル

 報道では、「スポーツの組織運営では、古い体質が払拭できず、勝利至上主義や厳しい上下関係が続いてきた。勝つためには、時には体罰もやむを得ないという悪弊がいまだに残っていないか。スポーツ界の常識が取り残されているのではないか」と指摘している。

 振り返ってみると、高校の「体罰問題」が続出したのは5年ほど前だ。片山杜秀氏(政治学者)が「体罰 近代日本の遺物」と題して、次のように述べている。(朝日新聞 13.2.19)
――軍隊での暴力的指導はいつからのことか。日清戦争の頃の兵学校は暴力と無縁だった(故・鈴木貫太郎・連合艦隊司令長官談)という。
 転機は日露戦争。超大国ロシアに苦心惨憺のやりくりの末、何とか負けずに済んだ。
 仮想敵国は西洋列強ばかり。しかし、日本は人口も武器弾薬も工業生産力も足りない。結局、期待されたのは精神力だ。戦時に動員されうる国民みなに、日頃から大和魂という名の下駄を履かせる。やる気を示さぬ者には体罰を与える。

     軍事教練
     (軍事教練)

――軍隊教育だけではない。大正末期からは一般学校に広く軍事教練が課された。過激なしごきは太平洋戦争中の国民学校の時代に頂点をきわめた。
 戦後、日本から軍隊は消えた。しかし、暴力的指導の伝統はどうやら残存した。日本人は西洋人に個人の迫力では劣っても、集団でよく統率されれば勝てる。そういう話は暴力的な熱血指導と相性が良い。体格の立派な外国人と張り合うスポーツの世界ではなおさらである。

 現在も、国際競技で日本のサポーターなどは「それ行け!〝大和魂〟だ!」と大声で叫んでいるのを見かける。
 また、自衛隊内でもいじめや人権侵害行為が続発しているが、訴訟の場で国側は「『指導』の範囲内」などと言い訳をしている。自衛隊は旧軍とは別と言うが、先に紹介した「暴力的指導」を引き継いでいると言わざるを得ない。

 スポーツ各界の幹部の交代などでは、こうした暴力行為や不祥事を無くすことはできない。組織外の委員による公正な専門委員会の設置が必要ではないか。
DATE: 2018/08/16(木)   CATEGORY: 環境問題
異常な猛暑と温暖化を考える
 今年の夏は耐えられないほどの暑さだ。気象報道では「危険な暑さ」というこれまでにない表現を使っている。
 実際、西日本では死者200人を超す豪雨に見舞われた。立秋を過ぎても「災害級」の猛暑が日本列島を襲っている。
 地球環境は限界を超えつつあるのか。朝日新聞が「プラネタリー・バウンダリー(地球の限界)」の研究を主導したヨハン・ロックストロームさんにインタビューしている。(8月2日付)

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       (ヨハン・ロックストロームさん)

――私たちは、世界中で豪雨や熱波、ハリケーンなど、異常気象の頻発を目撃しています。ただ、西日本豪雨が温暖化の影響かと問われれば、『イエス』とも『ノー』とも言えます。世界の平均気温は産業革命前より1.1度上昇しました。
――複雑なプロセスの一つが、気温上昇による大気中の水蒸気の増加で、豪雨が増える。温暖化と豪雨災害を切り離すことはできません。
 一方で、個々の異常気象と気候変動を単純に結びつけることはできません。地球の気温は上昇しており、結果として気候変動が起きている。温暖化は異常高温だけでなく異常低温も引き起こします。
――パリ協定(1.5度)を下回る1.1度になっているのは、大気汚染などによるエーロゾル(浮遊粒子状物質)に日射を遮る冷却効果があるからで、これがなくなれば1.5度近くに急上昇することを覚えておくべきです。地球の気温は、すでに最終氷期終了(約1.2万年前)後で最も高くなっています。

     プラネタリ・バウンダリーの概念図

――プラネタリー・バウンダリー(地球の限界)の気候変動の限界値である1.5度は目の前に来ています。2度未満に抑えるには、化石燃料の使用をやめるだけでなく、ほかの項目が限界値を超えないようにしなければなりません。
――地球の陸地や海洋の自然生態系が、いまの均衡状態を保とうとする回復力を失わないようにすることです。そのための土台となるのがプラネタリー・バウンダリーの枠組みで、中核が気候システムと生物多様性です。
 地球の回復力には亀裂が生じています。2015年と16年、世界の二酸化炭素(CO2)排出に歯止めがかかった。大気中のCO2濃度上昇にもブレーキがかかると思ったら急上昇したのです。人間がCO2排出を削減したのに、森林や海などの自然生態系がこれまでのように吸収しなかったのです。回復力喪失のサインでしょう。

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     (南極の氷山)

――気候変動と生物多様性の損失、土地利用の変化、窒素とリンによる汚染の四つはすでに危険領域に入り、事態は悪化しています。
 かつて、自然を守るには犠牲が伴うと考えられていましたが、いまや収益性の高いビジネスや成功の好機になりました。再生エネが化石燃料より安くなって広がったように、いまの変化は持続可能性にこそ収益性があると分かったから起きているのです。
――(日本には、環境対策が経済や雇用にマイナスという考えが根強く残っています、との問いかけに対して)環境問題の解決のために、環境だけに注目するのはやめなければなりません。それは経済や雇用、豊かさ、繁栄の問題なのです。ただ、変革は急を要します。政治やビジネスのリーダーシップが必要です。

     39232241-地球温暖化[1]
     (地球温暖化)

――プラネタリー・バウンダリーの考え方は、SDGs(持続可能な開発目標)と強い関係があります。SDGsは、すべての国にとって地球の限界内で発展するためのロードマップであると言えます。日本やスウェーデンのような国は、SDGsを最高レベルの政策に位置付けなければなりません。

 ずいぶん以前、このブログで温暖化のことを書いた。北極圏研究の国際的権威と言われた赤祖父俊一氏(現在88歳)の論評を紹介しておいた。
 地球温暖化の原因の六分の五は「小氷河期(1400年~1800年)から地球が回復中」のためであり、もっぱらCO2が原因のように言うのは間違っており原発推進派の陰謀だと主張しておられた。

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     (太陽光発電モジュールの背景)

 いずれにしても私たちは、自然生態系の回復力が喪失するかどうかの瀬戸際に立っているように思う。一人一人が深刻に受け止めて行動すべきではないだろうか。
DATE: 2018/08/05(日)   CATEGORY: 私の近況&趣味
夏休みの宿題と子どもの遊具
  夏の甲子園が始まった。今年で100回の記念すべき大会だ。この時期になると、子どもらは「夏休みの宿題」を始める。虫好きの子どもらは今も昔も変わらない。だけど、今でも大きな虫取り網を手に山の中に入り込んでセミやクワガタなどを追い求めているのだろうか?そんな姿を見たことがない。

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 私が子どもの頃は、虫取り網や鳥もち竿を手に、やぶ蚊に刺されながらセミ・トンボ・クワガタなどを捕ったものだった。親は仕事で忙しく「危ない所に行くな」なんて言いもしなかった。捕った昆虫を家に持ち帰り、殺虫剤で殺して腐らないようにアンモニア水などで保存。その後、大きな箱に昆虫をピン止めして名前を書き『昆虫標本』を作るのだ。昆虫図鑑は名前を調べる。(※「鳥もち」と言っても今の子どもらが知る由もない。駄菓子屋にハマグリの殻に入れて5円か10円で売ってあった。)『折り紙の水族館』もよく作った。魚や貝などを折り紙で作って、紙で作った水族館の中に吊るすのだ。
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 あの頃は、今に比べて子どものおもちゃなどは限られていたけど、いろんなものを工夫して作って楽しんだものだ。
 例えば、紙飛行機、竹トンボ、竹馬、手作り凧、独楽などいろいろあったね。何かと器用な父が教えてくれたのは「竹製の武者」や「潜水艦」。潜水艦はブリキ片とゴムを付けると、水中に潜る。また、不要な木材を使って滑車を付けて自動車みたいに作り、ブレーキも付けて道路を滑り降りて行く。道路を走る車は限られていたので危険はなかった。

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 一方、秋になると、スズムシの捕り方も教えてくれた。マッチ箱に焼いた味噌を入れて石垣に仕掛けて捕る。虫かごに一杯入れて小学校に持っていき、級友たちが奪い合ったものだ。
 今の子どもらは、カブトムシやクワガタなどはデパートなどに売ってあるものと思い、捕り方など全く知らないのではないだろうか。
 もっとも石垣もコンクリート製なので、スズムシなどがいるはずもないのだが。

 公民館祭りなどでは、お年寄りがこうした昔の遊具の作り方を教えている。そうしたお年寄りもめっきり減ったが、子どもたちにぜひ伝承していきたいものだと思う。
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