「安保法制違憲訴訟」第二陣の原告として意見陳述

  「安保法制違憲訴訟」第二陣の初公判は、5月30日、長崎地裁で行われた。私を含む4人の原告が意見陳述を行なった。元教員の熊江雅子さん、元自衛官の西川末則さん、牧師の大藪朝祥さん、それに私である。
 各自の持ち時間は約8分、ここでは私の住む佐世保と基地、佐世保市民の「生存権」が脅かされるという点に絞って要点を紹介しておきたい。なお、「安保法制」の問題点については弁護士が詳しく述べたので、割愛する。

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     (長崎地裁前で事前集会)

――「安保法制」と基地を擁する佐世保 について
 1991年に始まった湾岸戦争の際は、米軍佐世保基地から揚陸艦が沖縄の海兵隊をペルシャ湾まで輸送しました。また、輸送艦などが前畑弾薬庫や赤崎貯油所などから大量の弾薬・燃料を中東まで輸送し、「佐世保の弾薬敞がなければ、湾岸戦争は戦えなかった」と言われるほどでした。

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     (イラク・サマワの陸自部隊)

 アフガン戦争やイラク戦争の際も、日本はインド洋に輸送艦などを派遣しイラクやクウェートなどに施設部隊や航空部隊を派遣して米軍の後方支援を行いました。
 米軍佐世保基地からも揚陸艦が海兵隊員を中東まで輸送しました。このように、佐世保は米軍の戦争に深くかかわってきた街です。

 来年度、「水陸機動団」という部隊が創設されます。中核部隊は佐世保・相浦
駐屯地所属の精鋭で、米軍海兵隊が戦争指導に当たっており、「日本版海兵隊」
とも呼ばれています。
 これからは、安保法制に基づいて「駆けつけ警護」や「米軍の艦船防護」という新しい任務を与えられた自衛隊が、米軍の「後方支援」ではなく「戦場で共に戦う」ことになるでしょう。

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 つまり、今回の「安保法制」施行によって、まず危険に晒されるのは紛争地に派遣される自衛隊員であり、命に関わる深刻な問題です。
 憲法第九条の制約で、日本には軍法や軍事法廷がなく、軍事的な過失を問う法体系がありません。にもかかわらず、政治の都合で自衛隊を紛争地に派遣するなど、人道的見地からも許されないと思います。
 私を含めて子や孫をもつ親にとって決して他人事では済まされないことであり、心の底より憤りを覚えます。

――佐世保市民の「平和的生存権」が侵害されることについて
 米国ではトランプ氏が新大統領となり、これまでの外交・防衛政策に大きな変化が見られます。
 シリアへの一方的空爆の実施で多くのシリア市民が犠牲になり、国際法違反だとの批判が高まっています。

     北朝鮮のミサイル

 次は、北朝鮮です。核実験やミサイル発射をくり返して、国連からも制裁決議を受けています。トランプ政権は、北朝鮮に影響力をもつ中国が説得するように要請しています。もしだめなら米国は、「軍事的攻撃も選択肢の一つ」とし
て攻撃態勢を検討しています。
 米国が韓国の頭越しに北朝鮮へ軍事攻撃をするとは考えにくいのですが、仮に、米国が攻撃して北朝鮮と交戦状態になり、日本が「集団的自衛権」を行使して北朝鮮を攻撃した場合、北朝鮮は日本の米軍基地や原発をミサイルで攻撃するでしょう。
 安倍首相は、「集団的自衛権の行使で〝抑止力〟が高まる」と主張していますが、かえって日本の危険が高まるのは必定でしょう。

 とくに、朝鮮半島から至近距離にある佐世保が北朝鮮からの攻撃の標的となるのは避けられません。核弾頭や化学兵器付きのミサイルなどの攻撃で、米軍や自衛隊の基地はもとより佐世保の市街地は壊滅状態となります。
 長崎原爆による死者は約7万4千人、建物の36%が全焼及び半壊でした。今日、めざましい原水爆の開発で、佐世保市民約26万人が犠牲者となり、建物の殆どが全壊・全焼するでしょう。
 さらに、かろうじて生き残った人も原水爆による放射能障害で長期間苦しめられ、放射能で汚染された街に市民が住めなくなって〝ゴーストタウン〟と化すのは、福島原発事故を見れば明らかです。

     図5・大空襲の跡

 佐世保市民は終戦直前、米軍による大空襲で約1200人が犠牲となり、街の中
心部が廃墟となった経験をしています。現代の戦争では兵器の殺傷力も甚大で
犠牲者は大空襲の比ではなく、想像するだけでも身の毛がよだちます。

――裁判所に望むこと
 現在、安倍政権下で報道機関へ露骨な圧力が加えられているのは、ご承知のことだと思います。
 今回訴訟の対象となった「安保法制」に関しては、元内閣法制局長官や最高裁判事などが「憲法違反」だと明確に指摘している事案です。
  当裁判所におかれては、あらゆる圧力に屈することなく公平・公正な判断を示していただくように心より切にお願いして、私の陳述を終わります。

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     (丹羽宇一郎・元伊藤忠商事会長)

 なお、安保法制の問題点についてとくに次のことを強調しておいた。
 伊藤忠商事の丹羽宇一郎・前会長は「安保法の成立で政治に波風が立つことは、経済界としてもやりにくくなる。誰が見ても戦争に近づく法律で、個人的にも反対だ」と語っている。
 (※ちなみに、経済同友会・終身幹事の故・品川正治氏は、「経済人が『憲法改正』や『自衛隊の海外派遣』を主張するのは、戦争の厳しい現場を知らず、米軍需産業と癒着しているからだ」と手厳しく語っておられた。)

 すでに全国的には、「安保法制違憲訴訟」の提訴済が18地裁・22裁判所で、原告総数6126人(5/31現在)にのぼり、さらに増えていきそうな勢いだ。
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生年月日 1947年8月7日
住  所 長崎県佐世保市
学  歴 佐世保北高等学校
     卒業(66年)
     佐賀大学農学部農
     学科中退(68年)
職  歴 佐世保地区労書記
       (68年)
     佐世保地区労事務
     局長(94年)
政 治 歴 衆議院議員
     (2000年・1期
      社会民主党)