政権疑惑を徹底追及すべしーー「森友学園」と「加計学園」

  今国会で最大の争点は『共謀罪』法案だろう。すでに衆院を通過したが参院での審議時間が窮屈で、政権側は会期延長を検討しているようだ。
 ところで、法案審議ではないが、安倍政権を巡る〝疑惑〟が野党やメディアの砲火を浴びている。

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 最初は、「森友学園」の小学校建設を巡る国有地売却問題であった。
 「森友学園」と安倍夫婦、とりわけ籠池泰典・理事長と昭恵夫人のやりとりなどは具体的で、国会でも野党の厳しい追及を受けた。
 しかし安倍首相は「まったく関与していない。関与していれば辞職する」と開き直った。

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 次に出てきたのが、「加計学園」問題だ。
 これまで獣医学系大学の新設は据え置かれていた。獣医学部構想を持つ今治市が「国家戦略特区」に認められ、加計学園がその事業主体に認定される。応募を検討していた他の大学は撤退を余儀なくされた。

     獣医学部新設と前川前次官の説明 - コピー

 この不可解な経緯について、朝日新聞が5月17日、「総理のご意向である」「官邸の最高レベルが言っている」との官邸から文科省へ伝えられた文書がある、との前川喜平・前文科次官の証言を報道したのだ。記者会見でも前川氏は「公正公平であるべき行政のあり方がゆがめられた」「圧力を感じなかったと言えばうそになる」と発言している。

     前川・前文科次官
     (前川喜平・前文科省事務次官)

 官邸の驚きと衝撃はこの上なく大きかったに違いない。松野博一・文科相は「文書の存在は確認できなかった」と発表。菅官房長官も記者会見で「出所不明で信ぴょう性も定かでなく、怪文書みたいな文書」と強調した。
 政権内でも動揺が出始めているらしく、あるベテラン議員は「政府が『文書は確認できない』と言うのは、裏返せば、それだけ苦しい立場ということ」との見方を示したという。

 自民党のしぶとさと嫌らしさは相変わらずだ。読売新聞は22日付で、前川・前次官が「在職中、売春や援助交際の出会い系バーに、頻繁に出入りしていた」との記事を載せた。
 前川氏は「不適切な行為はしていない。誤解を招きかねない行為だった」と語った。

 いずれにしても、政権が事実を否定し続ければ、さらに政治不信を深める以外にない。野党は、政権疑惑の徹底究明に向けて全力を尽くしてほしい!
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佐伯啓思氏の『異論のススメ』に異論あり!

 朝日新聞のコラム『異論のススメ』には、とても違和感を抱く。佐伯啓思氏(京都大学名誉教授)の主観と偏見に満ちた論説には辟易する。

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     (佐伯啓思氏)

5月5日付の「憲法9条の矛盾 平和守るため戦わねば」を要約してみる。
――「朝鮮半島有事」が現実味を帯びてきたが、果たして憲法の枠組みのなかで対応できるのか。「安保法制」は違憲という野党や識者・学者は、朝鮮半島情勢にはまったく無関心のふりだ。

――今日のような「緊急事態前夜」になってみれば、そもそもの戦後憲法の基本的な立場に無理があった。もはや「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して」いるわけにはいかなくなった。
 ロシアや北朝鮮とはいまだに平和条約を締結していない。中国との国交回復に際しては、尖閣など領土問題は確定していない。つまり、これらの諸国とは、形式的にはいまだに戦争は終結していない。

――9条は「戦力の放棄と交戦権の否定」(2項)しており、自衛のしようがない。
 しかし、自衛権は主権国家の固有の権利であり、国防は憲法の前提なのだ。
 われわれが他国によって侵略・攻撃されたら、断固として自衛の戦いをしなければならない。これこそ「普遍的な政治道徳の法則」である。

 いやー、恐れ入ったね。(笑い)事実誤認もさることながら、これほど手前勝手に物事を解釈して平然としておれるとは・・・。
 こんな人物をあえてコラムニストに選ぶとは、朝日新聞の見識を疑いたくなる。

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      (内田雅敏氏)

 520日付のコラム「私の紙面」では、内田雅敏氏(弁護士)が反論を加えている。
――中国とは、72年の日中共同声明で中国は戦争賠償の請求を放棄し、78年には日中平和条約が結ばれて、日中間の戦争は終結している。
――無人島の防衛で息巻く人たちが沖縄問題に冷淡なのには驚く。佐伯氏は、ポツダム宣言や降伏文書に沖縄の現状が違反していることになぜ気づかないのだろうか。
――「諸国家」同士は争っていても、「諸国民」同士は戦争を望んでいないし、煽らなければ仲良くできるのだ。

     首相・安倍晋三

 「朝鮮半島有事」とか大上段に振りかぶっているけど、その正体は――米朝の〝チキンゲーム〟。「危機などない」と自衛隊幹部。在韓米国人への退避勧告なし。空母艦載機パイロットの離着陸訓練も前倒しなし。演出含みの危機に過剰反応せず、危機を「正しく恐れる」ことも重要ではないか。(朝日新聞5/19付の社説『余滴』)
 安倍政権はこの間、北朝鮮ミサイルや中国軍拡の「脅威」を煽り〝奇禍〟として、「秘密保護法」「安保法制」を成立させ、今「共謀罪」も成立寸前だ。
 どうやら佐伯氏は、こうした流れを後押ししているようだ。

武器調達に係る莫大な維持費ーー自衛隊のリストラを図れ

 いまさらと思うけど、自衛隊の武器調達は超割高で米軍需企業の思いのままだ。

 陸自が購入(17機)予定のオスプレイの場合、調達費1842億円と維持整備費約4600億円(20年間)もかかる。とくに高額なオスプレイ、グローバルホーク、F35、E2Dの4機種で、維持整備費は年平均約860億円に上る。

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 FMS(有償軍事援助)とかいう調達方法が不公平で、米企業の思いのままだ。
たとえば、オスプレイについて、米陸軍は「高価すぎて、装甲も弱く、整備に手間がかかる」との理由で、陸自も保有するCH47大型ヘリを購入しているとのことだ。陸自だって、オスプレイ費用が他の武器購入費を圧迫するとの理由で不評らしい。

     防衛費の推移

 防衛費の17年度当初予算は5兆2511億円。第二次安倍政権発足以来、前年比0.8%ずつ増えている。
 見過ごすことができないのは、「後年度負担」という仕組みだ。「ローン払い」のことで最長10年払い、武器購入だけでローン残高4兆8815億円(15年度)に膨れ上がっている。このため年度の「真水」予算が枯渇しつつあるという深刻な状況らしい。

    後年度負担

 冷戦終結後、欧米などの主要国は「軍備削減」を行ってきたが、日本(防衛省)はほとんど怠ってきた。冷戦時代、「ソ連の脅威」を理由に北海道に大量の陸自を配備し、防衛予算を倍増させてきた。
冷戦後の現在は「中国・北朝鮮の脅威」を理由に「島嶼防衛」とか称して、水陸機動団をつくりオスプレイを買って陸自を南西に配備する計画だ。いわば陸自の〝生き残り策〟に過ぎない。

     海自の展示潜水艦

 「武器禁輸」撤廃から4年、日本は武器の国際商戦に参入して〝死の商人〟の仲間入りとなったが、三菱重工や川崎重工など軍需企業の救出策に他ならない。
 米軍需産業は戦争を求め、米軍は戦争を仕掛けたり紛争に介入して、膨大な武器を消費してきた。
 日本のGDPに占める借金の割合は239.18(16年度)と世界ワーストで、終戦直前の状況に近い。
 米軍需産業とのお付き合いはほどほどにして、防衛のあり方を抜本的に見直すべきである。

国際犯罪防止条約(TOC条約)はテロ対策のためではない

 「共謀罪」については、先月12日に書いておいた。国会では集中審議中だが、それに追加しておきたい。

 「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ「組織的犯罪処罰法改正案」――政府が推進の理由とするのは、2020年の東京五輪・パラリンピックに向けたテロ対策。法整備して国際犯罪防止条約(TOC条約)を締結すれば「捜査共助や犯罪人引き渡しが充実する」と訴える。

     ニコス・パッサス
     (ニコス・パッサス教授)

 ところが、TOC条約の「立法ガイド」作成の中心人物・ニコス・パッサス教授(米ノースイースタン大学)は、朝日新聞の取材に次のように証言した。
――TOC条約の目的はテロ対策ではない。イデオロギーに由来する犯罪のためではなく、利益目的の組織犯罪を取り締まるための条約だ。既存の法律で加盟の条件を満たすのであれば、新法の必要はない。

  17.5.5朝日・TOC、テロ対策目的でない
  (朝日新聞 5月5日付)

 高山佳奈子教授(京都大学)は、「現在ある(犯行前の段階の行為を処罰する)予備罪などと組み合わせることで、条約が求める既遂・未遂の前の段階の処罰に対応することは可能だ。条約締結のため新たな法律が必要という政府の説明には理由がない」と話している。

     与野党の主な対立点

 「共謀罪」は、憲法31条(適正手続きの保障)にも反すると述べるのは、内田博文教授(神戸学院大学)。ある行為を犯罪として処罰するには、あらかじめ法律で、犯罪とされる行為と科される刑罰を明確に規定しておかなければならないとする、近代刑法の基本原則に反するというのだ。

 ウソで塗り固め、ペテン的手法で押し通そうとする「共謀罪」法案をなんとしても潰さなければ!

憲法施行70周年ーー2020年制定めざす安倍首相

  改憲をめざす安倍首相の鼻息が荒い。
 憲法施行70周年を迎える5月3日を前に、読売新聞のインタビュー(4月26日)で自民党総裁としての決意を語った。

     17.5.3読売・首相インタビュー

――東京五輪・パラリンピックが開催される20年を『新しい憲法』が施行される年にしたい。
 (具体的な改正項目は)9条に自衛隊の根拠規定を設ける。「党の改憲草案にこだわるべきでない」と明言して、「私の世代は自衛隊を合憲化することが使命」との考え方を示した。
 また、日本維新の会が主張する「教育無償化」について、歓迎すると述べた。

  安倍首相は第一次政権の時「戦後レジームからの脱却」を掲げて、占領下で押し付けられた憲法を見直して天皇や国家を中心とした〝明治体制〟に戻る理念を示した。
  憲法第96条の三分の二突破が困難とみるや、第二次政権では「集団的自衛権の行使」を閣議決定するという奇略を断行して、「緊急事態条項」など〝各個撃破〟作戦に転じた。

     小林節

  元々、改憲派だった小林節氏(慶応義塾大学・名誉教授)は次のように語る。
――自民党の改憲草案は、国民主権を制限し、天皇や国家を中心とした明治憲法に戻ろうと戦前回帰を狙った内容になっている。
――自民党の改憲派は、現憲法は米国の押しつけで、人権は欧米の産物だという考え方が強い。「安倍一強」の時代となり、党内の反対者やメディアまで押し黙っている。
――私は、専守防衛を明確にするためにも、「自衛軍」と「個別的自衛権」は明記すべきだ。9条の精神を損なわないための改正が必要だ。

  自民党の上川陽子議員(衆院憲法審査会委員)は、「〝押し付け論〟を卒業して、基本的な議論を深めていきたい」と言っている。
  米国による「押し付け論」は事実に反するし、〝戦前回帰〟だとの批判を招くとの思いに至ったのだろう。
 「『押し付けだから気に入らない』というのでは、『いまの日本国憲法に内容的問題がない』と自白しているようなもの」と、木村草太氏(首都大学・法学系教授)は手厳しい。

     小熊英二
     (小熊英二氏)

  小熊英二氏(慶応義塾大学教授)は、「各党(自民・民進・公明・維新)が挙げる改正点は、環境権・地方自治・緊急事態対応・合区解消・教育無償化・首相の解散権。それらは改憲せずとも法律の改正で対応できる」と語り、ケネス・盛・マッケルウィン氏(東大社会科学研究所准教授)の解説を紹介している。

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     (マッケルウィン氏)

――日本国憲法は字数でかなり短い。人権規定は多いが統治機構は少なく曖昧で、法律に委ねているものが圧倒的に多い(「法律でこれを定める」と書いてある条文は10カ所もある)。
 憲法は権力者が守るべきもの。憲法の規定が簡略すぎるのは問題だ。政権党や政府の裁量や解釈が入り込みやすい。

  ところで、憲法の「制定過程」については以前に書いたと思うが、再確認の意味で述べておきたい。
 最近、米国による「押し付け論」への反論として「幣原首相による提案」説が見受けられる。だが、幣原首相はマッカーサーからの「戦争放棄」の提案に消極的な発言をしたことを理由に反論もあり、9条の発案者を巡る論争は決着していないとされる。

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  マッカーサーは「回想記」で幣原提案説を語っている。それは、帰国後、大統領選挙に出馬するにあたり日本の「非武装」を批判されたことへの反論の必要からだ。
  マッカーサーは日本の統治に天皇を必要と考え、天皇も「皇室存続」だけが関心事であり、アジア諸国にたいしても日本の「非武装」が不可欠だったのである。
 「幣原提案」説は当時の天皇を差し置いてありえず、天皇の命でマッカーサーに提案したと推測するのが妥当だろう。

     天皇とマッカーサー

  いずれにせよ、憲法は施行以来70年間一度も改正されることもなく、国民の間に定着しているのが現状だ。あえて改正すべき具体的事情がほとんど見当たらない。
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今川正美のブログへようこそ!

生年月日 1947年8月7日
住  所 長崎県佐世保市
学  歴 佐世保北高等学校
     卒業(66年)
     佐賀大学農学部農
     学科中退(68年)
職  歴 佐世保地区労書記
       (68年)
     佐世保地区労事務
     局長(94年)
政 治 歴 衆議院議員
     (2000年・1期
      社会民主党)