北海道新幹線が開業~危機に立つJR北海道

  昨日、北海道民の「長年の悲願」と言われてきた北海道新幹線が開業した。
 道民挙げての祝賀ムードとはいかず不協和音の中での出発だ。JR北海道は深刻な危機にあるとの記事が目にとまった。(朝日新聞 3月19日付)

    16.3.19朝日・「祝・新幹線」の陰で
    (朝日新聞 3月19日付)

  コラム「記者有論」(北海道報道センター、日比野容子)によると、危機の内容はこうだ。
――鉄道事業は年400億円の赤字で、黒字路線は一つもない。頼みの新幹線も年50億円規模の赤字が出る見通しだ。
2013年にレール検査数値の改ざんが発覚して国の事業改善命令を受け、安全投資に2600億円を投じねばならず、21年に経営破綻するとの試算も社内にはある。

――そもそもJR北は、年500億円近い赤字が出ることを前提に発足した。そこで6822億円の経営安定基金が設けられ、運用益で赤字を埋めるはずだった。
  ところが90年代半ば以降の低金利で運用益が半分に減り、収支のつじつまを合わせるために安全投資を削り続けた。そのツケが近年、事故やトラブルの形で一気に噴き出した。

――JR北はいま、「国は実質上の株主。まさか見捨てはすまい」という甘えから決別。全30線区ごとの収支を情報公開するなど、安全最優先の企業へ再生する改革を進めている。
  しかし、不採算路線の見直しに、地域住民や自治体は反発を強める。政治家や道民の方が、「最後は国が助けてくれる」という甘えから抜け出せず、JR北の進める改革の足を引っ張っているように、私(日比野)には見える。

    新函館
    (新函館駅を出発する新幹線「はやぶさ」)

――国にも問題はある。赤字体質の会社を発足させた責任を棚上げして、「運用益の減少はJR北の創意工夫で補うべきだ」と言うのは無責任だ。国には、JR北が安全投資を削るのを知りながら黙認してきた責任もある。
  経営安定基金の積み増しなど、枠組みの抜本的な見直しを進めるべきだ。来年は国鉄分割民営化から30年。それぞれが「甘え」を捨てて知恵を出し合い、人口減少時代にふさわしい地域の足のあり方を考え、練り上げるべきではないか。

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    (フリーゲージ・トレインの軌道)

    16.3.27朝日・整備新幹線、見えぬ採算 - コピー
     (朝日新聞 3月27日付)

  さて、「長崎新幹線」はどうか。「フリーゲージ・トレイン(FGT)」は車両の開発が遅れ、国や長崎・佐賀両県はとりあえず在来特急と新幹線を乗り継ぐ「リレー方式」による22年開業につじつまを合わせた。国は引き続きFGTの開発を進める方針だが、地元経済界や政治家たちは、莫大な資金(税金)のことなどお構いなしに「フル規格」に地道をあげる始末だ。

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信じがたい!東電の「炉心溶融マニュアル」発見まで5年

  何ともにわかには信じがたいことだ。
 東京電力は、「炉心溶融(メルトダウン)」の判定基準が、福島第一原発事故当時の社内マニュアルに明記されていたのに、その存在に5年間気づかなかったと謝罪したという。

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  以下、朝日新聞の記事(3/24付)から要点を引用してみる。
――柏崎刈羽原発を抱える新潟県は、泉田裕彦知事の意向で、今も「技術委員会」という有識者会議で独自に検証を続けている。
  特に、炉心溶融の公表が2か月遅れたことを問題視し、マニュアルの存在が明らかになって、同委員会の座長である中島健・京都大教授は「東電が真摯な対応をしているのか根本的に疑義を持たざるを得ない」と不信感をあらわにした。

    炉心溶融の状況

――福島事故からしばらくして、「燃料は溶けているはず」とただす泉田知事に対し、東電は絵を描きながら、炉心溶融は否定したという。
  県庁であった東電の広瀬直己社長との恒例の会談(1/5)。避難計画作りへの協力を申し出る広瀬社長に対し、「メルトダウンを隠されると避難ができない。避難計画以前の話だ」と突き放した。

――当時の「原子力災害対策マニュアル」には、「炉心損傷の割合が5%を超えていれば炉心溶融と判定する」との基準が明記。これに従えば、1,3号機は事故から3日後の3月14日、2号機は15日夕には判断し、公表できていた。
  新潟県への対応のために社内資料を調べ、今年2月に「発見」されたという。地元の会田洋・柏崎市長は「誰も(基準を)知らなかったとはにわかには信じがたい」と不信感を示した。

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――東電は事故から2か月後の5月に解析結果を踏まえて炉心溶融したと認めるまで、「炉心損傷」で通した。
  なぜ5年間もだれも気付かなかったのか。国会事故調査委員長を務めた黒川清・政策研究大学院大客員教授は「(判定基準が)今ごろ出てきたのかとあきれている。そんなことも知らなかったのは東電に緊張感が無かったということだ。過酷事故は起こらないと考えていたのだから当然だろう」と話している。

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    (朝日新聞 3/24付)

  再稼働に走る安倍政権や他の電力会社は、今回のケースをどのように受け止めているのだろうか?
  一旦足を止めて、国民が納得のいく説明と対応をしっかり示す責任があるはずだ。

白内障手術の新技法

  私は、今年2月に両眼の白内障の手術を受けた。
 手術時間は約20分ほどで、あらかじめ点眼による麻酔をするので痛くも痒くもない。

  手術が両眼の場合、1週間おきに片眼ずつの手術となる。術後1週間ほどは、目をこすったり濡らしたりするのを避けることが肝要だ。
  両眼の手術後は、実にスッキリものが見えるようになった。中学3年生のときに近視用めがねをかけて以来、半世紀ぶりにめがね不要の身となった。
 
  もっとも、めがねに関しては目が安定する1か月後、遠近両用にするか老眼にするかを選択することになる。私は老眼鏡だけにすることにした。
 手術費用は両眼で約8万円ほどで、医療共済からの給付金と高額医療費の補助があるので手出しは実質ゼロだ。

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  ところで、先日、TVで「手術3分、白内障・老眼が治る!」という特集番組があった。『フェイコ・プレチョップ法』という新しい手術法で、考案したのは三井記念病院の赤星隆幸・眼科部長だ。
  両眼とも一日で手術を済ませて、目をこすったりするのを防ぐプラスチック眼鏡をかけて即退院でき、眼鏡は一切不要になるという。

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  難点は費用だ。保険が利かないので約120万円の患者負担になる。やがて、保険適用となり全国の病院で同様の新手術が普及する日がくるのではないだろうか。
  白内障は40代から罹りはじめ80代では罹患率100%という。放っておけば失明の危険があるので、早めに手術を受ければ済む。

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  あらためて医療技術の進歩に感心したものだ。

  (写真:いずれもBSジャパンより 3月18日)

「福島第一原発事故」に関する識者の論評

  今月はどうしても「原発問題」を取り上げざるをえない。
  現在、原発が再稼働しているのは川内原発1、2号機と高浜原発3、4号機の4基だ。
そのいずれもが事故時の放射線測定の性能不足であることは、フェイスブックにも書いておいた。

     全国の原発の現状
     (全国の原発の現状。 朝日新聞3/10付)

  ここでは、「3.11福島第一原発事故」に関する識者の示唆に富む論評を、朝日新聞の記事から〝つまみ食い〟的に紹介しておきたい。少々長くなることをお許し願いたい。

    塚原
    (弁護士・塚原朋一氏)

――まずは弁護士・塚原朋一氏(94年、女川原発1、2号機の建設・運転差し止め請求訴訟担当)。伊方原発訴訟の最高裁判決「看過し難い過誤、欠落の場合、原子炉設置許可処分は違法」ではハードルが高すぎる。そこで、「社会通念上無視しうる程度にまで管理」という表現を用いた。チェルノブイリ原発事故などは起きていたけど、「日本では起きない」と信じていた。(3/3記事)

    河合
    (弁護士・河合弘之氏)

――次に弁護士・河合弘之氏(脱原発弁護団全国連絡会・共同代表)。裁判官たちは「原発安全神話」に毒されている。そんな裁判官たちの姿勢が3.11大震災と福島第一原発事故の後、変わった。その象徴が、福井地裁の関電大飯原発の運転差し止め判決(14年)と、高浜原発の運転差し止めの仮処分(15年)だ。
関電は大飯原発の判決を出した樋口裁判長に決定をさせまいとして裁判官忌避を申し立てていた。最高裁は裁判の中身に直接介入することはないけど、人事を通じて介入してくる。一連の人事は、「原発再稼働へと突き進む安倍政権に配慮する最高裁の姿勢は固い」という印象を与えたと思う。(3/3記事)

    飯田
    (飯田哲也氏)

――飯田哲也氏(環境エネルギー政策研究所所長)。大津地裁の仮処分決定は画期的で、原発をめぐる議論へのインパクトは強い。とはいえ、守旧的な動きも強く、自民党と電力会社・経済界と経産省による反動だ。
 世界では、この10年で自然エネルギーの本流化が急速に進んでいる。風力発電は10年前、世界で5千万㌔ワット(原発50基分)だったが、昨年だけで原発64基分が新たに生まれた。太陽光も10年前には原発3基分だったのが、昨年だけで原発59基分ができた。
 あれだけひどい大震災と福島第一原発事故を経験して、なぜ再稼働への動きが進むのか。「思考停止」だ。お陣にとってはおかしいと思っていても、全体を変えられないという意識がある。
 私は、原発廃止のルールと時間軸を国民的に合意した上で廃止すべきという考えだ。核廃棄物の総量規制と福島第一原発事故の教訓を反映した安全規制の強化がカギだ。

    武田
    (評論家・武田徹氏)

――評論家・武田徹氏(恵泉女学園教授)。原発問題は「原発以外の問題」でもある。経済成長に労働人口を提供して過疎化した地方にとって、原発受け入れは新規の雇用や税収、交付金確保を求める切実にして現実的な選択だった。原発を前提として様々な社会構造が固定化されていった地域に、その経緯を無視して「全原発を即時廃炉」といっても無理がある。
 障がい者や病者と立場を反転させても納得できる電力の使い方、電源の確保を考えていく必要があったはずだが、そうした議論は今に至るまで存在しない。
 原発をめぐる構造を変えていくとすれば、まず原子力委員会や規制委員会のあり方を見直すべきだ。時の政権とは独立した組織と、その決定に実効性を持たせる制度設計が必要だ。(3/10記事)

    小林
    (小林傳司氏)

 小林傳司氏(大阪大学副学長)。震災により科学者への信頼は大きく失墜した。日本社会が「専門家主義」から脱却できていない。震災で専門家の視野が狭いことが露見したにもかかわらず、「大事なことは専門家が決めるから、市民は余計な心配をしなくてよい」という姿勢が今も色濃い。
 もう一つ重要な視点が「見逃しの構図」と呼ばれるものだ。阪神大震災後、一部の科学者が原発における安全神話の危うさを警告したが、専門家集団の主流派は相手にしなかった。そもそも問題の検討に最適な専門家を本当に集めているのか。
 まずは、市民が意思決定を専門家に任せすぎず、自分たちの問題ととらえることだ。原子力のような巨大技術ほど「科学技術のシビリアンコントロール」が必要だ。
 専門家は明確に言える部分と不確実な部分を分けて説明する責務があり、最終的には「社会が決める」という原則を受け入れなければいけない。「インフォームド・コンセント」の思想だ。
 日本社会は、自分の専門を超えて物事を俯瞰的に見られる科学者を育ててこなかった。広い意味での「教養」が重要だと思う。(3/10記事)

    IOC総会で安倍首相
    (IOC総会で演説する安倍首相 13年9月)

  安倍政権は、このような貴重な意見・提言を全く無視する。安倍首相が五輪誘致に臨んだIOC総会での「原発はアンダーコントロール」発言に始まり、再稼働に批判的なメディアやニュースキャスターなどへ圧力を加えてきた。
  汚染水対策はままならず、核廃棄物の最終処分場も決まらず、住民の避難訓練もいい加減で、「再稼働」と「原発輸出」に猛進する安倍政権にとどめを刺さないと、国民の命と健康が損なわれ、国際的信用も失墜してしまいそうだ!

東日本大震災5周年~復興の虚実を問う

  早いもので「東日本大震災」からきょうで5周年を迎えた。
 避難者数は最大約47万人、いまも17万4471人(2月12日現在)の人たちが避難生活を強いられている。復興庁の集計(2月末とりまとめ)では、1万4466戸の災害公営住宅が完成し、進捗率は49%というが福島県の避難指示区域は含まれていない。

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     (塩崎賢明・立命館大教授)

 今朝の毎日新聞のオピニオン欄では、「大震災5年・『集中復興』の評価と課題」と題して、塩崎賢明氏(立命館大教授)、藻谷浩介氏(日本総合研究所主席研究員)、岡本全勝氏(復興庁事務次官)三者の論評記事が載った。

 なかでも、塩崎氏の論評が的を得ている。同氏は、兵庫県震災復興研究センター代表理事、岩手県大船渡市の復興計画推進委員会委員長を務めている。要旨は以下のとおりだ。

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――東日本大震災復興構想で掲げられた「創造的復興」という言葉は、元々は阪神大震災で使われた。理念はすばらしいが、実際は「赤字の星」となろうとしている神戸空港の建設など、被災者の生活再建とは直結しない巨大開発事業だった。
 約16兆円の巨費が復興事業名目に投じられたなか、復興自体に振り向けられたのは多く見積もっても11兆円。結果、甚大な被害に見舞われた神戸市長田区に見るとおり、21年経っても生活再建できない被災者の姿がある。

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 東日本大震災でもまた、被災者の生活再建は置き去りにされている。復興に振り向けられた11年度第三次補正予算では、総額9兆2000億円のうち約2兆円が全国防災対策の名目で建物の耐震化や下水道整備などに回されていた。

 どうして野放図な予算執行が行われるのか。出発点は「復興構想7原則」である。そこに「被災者」という言葉はない。「日本経済の再生なくして被災地域の真の復興はない」というフレーズだ。復興の目的は被災者の生活再建ではなく、「日本再生」にすり替わった。

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 昨年度までに支出された復興予算は約24兆円だが、そのうち被災者支援は約1兆8000億円だ。予算の大半は大型の公共事業や「日本再生」に流れており、いまも避難している人が17万人以上もいる。それだけみても本末転倒な事態が進行している。

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 被災地では高台移転や巨大防潮堤、災害公営住宅の建設などが進められている。人が済まない地域にしておいて巨大防潮堤がいるのだろうか。とにかくちぐはぐだ。
 いまは東北の復興に取り組まなければならないと同時に、次の災害への備えも必要だ。火山対策は喫緊の課題。日本は戦争のリスクよりも災害のそれの方がはるかに高い。場当たり的でなく、「防災・復興省」といった常設組織の創設が急務だ。
 あらためて、大震災復興に係るあまりの理不尽さに唖然としてしまった。
私も含めて多くの国民にとって、世界を震撼させた「福島第一原発事故」や東日本大震災の記憶はすでに遠のきつつあるのではなかろうか?

 安倍〝暴走〟政治は、安保法だけでなく、災害対策や社会保障など広範囲に及んでいる。とにかく何とかしなければと思う。

MOX工場を打ち切る米国、日本も「核燃料サイクル」断念を!

  MOX燃料――プルトニウムとウランの混合酸化物燃料で、主に高速増殖炉の燃料として用いられる。
 米政府は、そのMOX燃料工場の建設を打ち切る方針を打ち出したと報道された。
朝日新聞 の記事(3/3付)から引用してみる。

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――MOX計画の発端は、米国とロシアが結んだ核軍縮協定(2000年)だ。解体した核兵器のプルトニウム34トンずつ(両国で核兵器計1万7千発分)をMOX燃料にして、原発と高速炉で消費することで合意。

 米国は07年に、サウスカロライナ州のサバンナリバー核施設の一角で、仏アレバ社の請負で工場建設を始めた。
しかし、建設費は当初想定の約10億ドルを超え、すでに50億ドル近く使ったが、工事の進捗は約7割。試算では、運転を含めた将来にわたる総費用は300億~400億ドルと見込む。しかも、MOX燃料を原発で燃やし始めるのは40年ごろまで遅れる。

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    (朝日新聞 3/3付)

 代替案の「希釈処分」は、プルトニウムをほかの物質と混ぜて、ニューメキシコ州にある核廃棄物隔離試験施設で地下655メートルに地層処分することを想定する。
米エネルギー省のモニツ長官は「(MOX工場に比べ)確実に技術的な挑戦が少なく、今からでも半分以下のコストですむ」と評価。
 一方、ジョセフ・ナイ元米国防次官補ら専門家13人は2月下旬、「再処理工場をもつ日本や、導入を検討する韓国に対しても、中止を求めるべきだ」との公開書簡をモニツ長官に送ったという。

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    (高速増殖原型炉「もんじゅ」)

 日本の原発でMOX燃料を使っているのは4基(玄海3号・伊方3号・福島第一3号・高浜3号)だったが、福島は3.11事故で破綻、高浜は仮処分で止められた。
高速増殖原型炉「もんじゅ」は原子力規制委員会から「資格なし」が突き付けられ、六ヶ所村の再処理工場は事故続きで運転不能の状態だ。

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 もはや、日本の「核燃料サイクル」計画は完全に破たんしているのは周知の事実である。しかし、誰も責任を負うべき所在がないので、展望もなく無期限に計画だけが存在して膨大な税金が注がれ続けているに過ぎない。

 米国などの〝外圧〟に直面する前に、日本の主体的判断で「核燃料サイクル」計画を断念すべきだと確信する。

3.11福島第一原発事故から5年~高浜原発で相次ぐトラブル

  これはあまりにも酷い。無責任の極みだ!
他でもない、高浜原発のことである。先月29日、4号機でトラブルが発生して原子炉が自動停止した。再稼働して3日後の重大な出来事である。原因は、いまだに分かっていない。

    16.3.1朝日・高浜4号機緊急停止
    (朝日新聞 3/1付)

  先月20日には、第一次冷却水漏れ事故が起こったばかりだ。肝心な箇所のボルトの緩みが原因だったという。
 にもかかわらず、1、2号機は運転寿命を(40年)を延長して「60年運転」とすることが決まっている。

    16.2.25朝日・高浜1、2号機60年運転へ
    (朝日新聞 2/25付)

  さらに、3号機ではMOX燃料を使う「プルサーマル発電」であり、石油ストーブで灯油とガソリンを混ぜて使うようなもので、リスクは格段に高まると言う(小出裕章・元京大原子炉実験所助教)。
  原子力規制委員会は、一体何を審査しているのだろうか?

    15.4.15長崎・再稼働認めず
    (長崎新聞 15年4/15付)

 九州の川内原発でも、満足な避難訓練もしないまま再稼働した。――政府は経済活性化のためと言い、電力会社は黒字確保、自治体は財政確保、地域住民は雇用確保のためと、それぞれ理屈を並べる。
 間もなく福島第一原発事故から5年を迎える。福島級の事故が起こったら、そんな理屈は吹っ飛ぶのではないか?

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 福島原発では、地元住民の数をはるかに超える約7000人の人たちが、毎日汚染除去や復興のために働いている。だけども、汚染水対策や放射能ゴミの処理もままならない現実がある。
 「プロメテウスの罠」(朝日新聞の連載記事)を読むにつけ、現地の言いようのない苛立ちや怒り、生活の不安などに胸が痛む。政治の側にそうした認識がないことに、怒りのぶつけようがないのだ。
 彼(彼女)らはおカネが欲しいのではない。今までどおりの安心できる生活を求めているに過ぎないのだ。

    16.3.1朝日・原発事故の責任、法廷へ
    (朝日新聞 3/1付)

 福島第一原発事故の収束はいまだにおぼつかない。だけど、誰も責任をとろうとはしない。このたび、東電の元会長や副社長ら三人が強制起訴されたのは、遅きに失したとはいえ当然だろう。
 しかし、民間企業の責任だけではないだろう。「国策」として原発を推進してきた以上、国の責任が問われるのは当然ではないのか?

「第五福竜丸事件」62年に思う

  きょうは「第五福竜丸事件」から62年である。
 1954静岡県年3月1日、焼津のマグロ漁船が、ビキニ環礁での米軍の水爆実験によって被曝し世界的な事件となった。船員23名は降下する〝死の灰〟を浴びて全員被曝し、久保山愛吉無線長は半年後の9月に死亡した。

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  実際は〝死の灰〟を浴びた漁船は数百隻(水産庁文書では1423隻)にのぼり、被曝者は2万人を超えたとみられる。
 米政府は「日本政府は米政府の責任を追及しない」確約のもと、200万ドルの「好意による見舞金」を支払って事件の幕引きとした。
  また、米国はこの事件後も水爆実験を繰り返し、46年から62年にかけて太平洋各地で100回以上の核実験を行った。

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  この事件では「放射能マグロ」が社会問題化した。国の検査の結果、延べ992隻が魚を廃棄させられた。
また、この事件がきっかけとなって日本で反核運動が始まり、現在の国際的な原水禁運動へと発展していく。

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 そのNews Paper(16年2月号)では、第五福竜丸展示館の学芸員・市田真理さんのインタビューが載っていた。核実験被害を展示する唯一の施設で、フォトジャーナリスト・豊崎博光さんのマーシャル諸島関係の資料や外務、厚労省からの行政資料も展示してあるという。

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    (旧知の間柄・豊崎博光さん)

 ところで、朝日新聞の「余滴」という社説で加戸靖史記者が南海放送のディレクター・伊東英朗氏の言葉を紹介している。彼は、核実験に遭った全国の漁船のその後を10年余り追い続けているという。

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 伊東氏は、「『ビキニ60年』『第五福竜丸事件』という呼び方をやめませんか」って、言い続けているという。「記念日」や「節目」にこだわる報道が「事件を矮小化するのではないか」という懸念。例えば、「放射能マグロ」の検査は54年だけで打ち切られ、乗組員の健康状態が広く調査されることもなかった。

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 この年前後の核実験でも広範な大気・海洋汚染が起きたはずだが、影響は不明だ。『ビキニ60年』『第五福竜丸事件』と呼べば、何も知らない人たちに、それ以外の被害の広がりを想像させることがますます難しくなる。
 メディアは、事件の一面を切り取って「わかりやすく」見せるだけに終わっていないか。つねに自戒する必要がある、と言う。
 今月11日、発生5年を迎える福島第一原発事故にも相通じるものがある。
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今川正美のブログへようこそ!

生年月日 1947年8月7日
住  所 長崎県佐世保市
学  歴 佐世保北高等学校
     卒業(66年)
     佐賀大学農学部農
     学科中退(68年)
職  歴 佐世保地区労書記
       (68年)
     佐世保地区労事務
     局長(94年)
政 治 歴 衆議院議員
     (2000年・1期
      社会民主党)