エルズバーグ氏と核貯蔵問題

  朝日新聞のブロークンアロー(核事故を追う)。――2月18日付記事に関して、簡単なコメント。

 元米国防総省のダニエル・エルズバーグ博士は、米政府が情報を隠したままベトナム戦争を始めたことなどが記された『ペンタゴン・ペーパーズ』を暴露したことで知られる。そのエルズバーグ氏が「岩国の米軍基地に60年代まで核兵器があった」と証言したのは、78年つまり28年前のことだ。

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 朝日新聞の取材に対してエルズバーグ氏は、「岩国基地に核兵器があったことを日本政府も知っていた。国防長官に撤去すべきだと進言したが、受け入れられなかった」。
 「軍事機密はつきものだが、政府の役人を守るためだ。終戦後数年で公開されるべきだ」。「大量の核兵器保有の戦略的理由などなかった。スタッフの仕事と、兵器企業の利益のためだ」。

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 なんともあっけらかんとしたものだ。私は、長崎でエルズバーグ氏と会う機会があった。23年も前のことだ。彼は、原水禁世界大会の特別分科会(93年)に招かれていた。そこで私はエルズバーグ氏に対して、「日本は弾道ミサイルと核保有の可能性があるのでは」と問うてみたのだ。
彼は、江田五月・科技庁長官を表敬訪問した折、長官の卓上に置かれたH2ロケットを見て「これはICBMだ!」と言ったと答えたのだった。
 
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     (H2ロケットを打ち上げる種子島基地)

 米国には今なお、日本の核兵器保有に対する警戒心が根強くある。何よりも、安倍首相や祖父・岸信介らは根っからの「核保有論者」である。
 いま一つ、佐世保の前畑弾薬庫にも50年代、明らかに核兵器を貯蔵していた。基地で働く従業員(全駐労)のA氏がはっきり証言していた。

    前畑弾薬庫
    (前畑弾薬庫)

 「国家の利益と人類の利益の間で揺れた。最後は、憲法や、だまされてきた市民や議会を助けることを選んだ」、というエルズバーグ氏の発言を重く受け止めたい。
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妻の骨折・入院~不幸中の幸い

 結婚以来33年間、出産以外では一度も入院したことがない心強い妻。
それが今月17日、自宅の階段を踏み外して転倒し動けなくなった。すっかり気が動転したけど、なんとか整形外科に連れていったら、「大腿骨骨折です。大きい病院で手術を受けてください」との先生の判断。
すぐ近くの中央病院に即入院。翌日には手術となった。期間をおくと「人工骨」を入れることになるという。

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    (参考図:このような釘様の金具で支える)

 さて、毎日の生活パターンがガラリと変わった。朝・昼の食事はすでに5、6年前から自分で作るようになったが、夕食は初めて。どんなメニューを作ったらいいのか見当がつかない。作り方などはネット検索で見る事ができるので、とても便利だ。

    イトヨリのフライ
    (イトヨリのフライ)
    カレイのフライ
    (カレイのフライ)

 面白いもので、自分の部屋はまるで〝ゴミ屋敷〟みたいにしてた次女が大変身!――身の回りを手際よく片付けたり、お米を仕込んだり、洗濯機を回したり、ゴミ出しまでやるようになった。

    野菜炒め
    (野菜炒め)
    肉じゃが
    (肉じゃが)

 私の方は、来月で「骨髄移植」から丸4年を迎えてとても順調。白内障の手術も終えて、眼鏡のお世話にならない生活は半世紀ぶりのことだ。とにかくスッキリよく見えるようになった。
 いずれにしても、妻の思いもしないケガは大腿骨骨折で済んでよかった。もし、頭をひどく打ち付けていたら大変な事態を招いたことだろう。〝不幸中の幸い〟だったと思いたい。

「重力波」を初観測ー夢が膨らむ

  私は、昔から〝宇宙もの〟が大好きだ。ブログやフェイスブックにも何度か書いてみた。
 最近のニュースでは、ハッブル宇宙望遠鏡25周年(15年4月)と先日の重力波・初観測(2/11)
の記事に目がとまった。

   16.2.13朝日・重力波4

 先日、「ハッブル宇宙望遠鏡25周年記念」という写真雑誌(宝島社)を買った。付録のDVD(約50分)も分かり易く素晴らしい。第1章の書き出しをそのまま載せてみる。
――ハッブル宇宙望遠鏡は、2015年4月に25周年を迎えました。この25年間におけるハッブルの功績は、なんといっても宇宙を解き明かす科学的裏付けデータを生み出したこと、そして、その圧倒的に美しい画像で宇宙の魅力を広く世に知らしめたことです。
――ハッブルは、地球の大気の影響を受けないという利点を活かして、銀河周辺にさまようチリやガスの塊を鮮明にとらえることができます。この25年間、太陽系内の天体から100億光年彼方の銀河まで、鮮明な画像を次々と私たちに届けてきました。

    X線天文衛星2

 いま一つは、米国の研究チーム(LIGO)が、宇宙からの「重力波」を初観測したことだ。
 「重力波」と聞いてもピンとこない。なんでも「時空のゆがみが〝さざ波〟のように宇宙を伝わる現象」で、光では見えなかった宇宙の姿(ブラックホールや中性子星など)を見せてくれるという。

    ハッブル25周年記念

 今回の観測では、二つのブラックホールが互いの周りを回る「連星ブラックホール」が最後に合体する現象をとらえた。合体では、太陽3個分の巨大なエネルギーが放出されたとみられる。
 宇宙が誕生した138億年前から生じていて、原初の謎に迫る新たな「道具」という。ただし、無辺の宇宙を究める上で、初観測は始まりにすぎないらしい。

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    (アインシュタイン)

 なんだか解説を読んでいるだけでもワクワクしてくるが、アインシュタインは100年前に「重力波」の存在を予言し、実証は「最後の宿題」とされていたという。もじゃもじゃ頭で舌をべろっと出したあの顔写真が、まるで「神様」のように見えてくるし、どんな脳みそだったのか覗いてみたい誘惑にかられる。

ロマンに満ちた遠大な宇宙。しがない現実から目を外して、瞑想に耽ってみたい気がする

核兵器事故「ブロークンアロー」

 『ブロークンアロー』……久しぶりに目にした言葉だ。朝日新聞に載った「核関連事故」の記事にあった。「59年、韓国で訓練中の米戦闘機は福岡県・板付基地所属」(2/1付)。「61年、米東海岸にB52爆撃機が空中分解、落下事故」(2/5付)。

    ブロークンアロー
    (朝日新聞 2/5付)

 Broken.Arrow――米国防総省の核兵器事故の暗号名で、直訳すると「折れた矢」。
前記記事は、朝日新聞が入手した米公文書による。後記記事は、米国が80年代に公表した32件の重大核兵器事故の一つだ。
 せっかくの機会なので、若干の記憶を呼び覚ましながら、メモ的に書きとどめておきたい。

 私は思わず、梅林宏道氏(核問題研究家)の著書『隠された核事故』(創史社、1989年刊)を思い起こした。米ソ冷戦が終焉する4か月前に出版された著書である。

    隠された核事故

 同著によると、米国防総省も次の五つのコード名で呼ばれる核事故を想定している。
①ニューク・クラッシュ(核の閃光)……偶発的または命令のない核爆発で、米ソ間の戦争を誘発する可能性のあるもの。
②ブロークンアロー(折れた矢)……a.前記の事故で戦争誘発の恐れのないものb.核兵器の燃焼や非核爆発c.放射能汚染d.核兵  器や部品の強奪、盗難、紛失e.公害あるいはその可能性のある事態。
③ベント・スピア(曲がった槍)……核兵器の重大事故もしくは未然の事故で、前記以外のもの。
④ダル・ソード(切れない剣)……核兵器の事故で重大でないもの。
⑤フェイデッド・ジャイアント(萎えた巨人)……海軍の原子炉事故ないしは放射能事故。
 実際、冷戦時代から米・ソ両国の核兵器事故は何度も起きている。原潜が丸ごと海底に沈んだケースもある。
 上記のノースカロライナ州での核事故から4年後、奄美大島沖で、米空母から水爆搭載機が水中に落下する事故が発生。いまなお深海に水没したままになっている。

    引揚げられた水爆。スペイン
    (スペイン沖から引揚げられた水爆)

 さらに、日本に寄港する米原子力艦で原子炉の事故や搭載核兵器(今なお米国は核搭載について「否定も肯定もしない」との政策だ)の事故被害に関する「デイビス・レポート」が有名だ。横須賀・呉・佐世保に対する想定事故シナリオの定量的分析で、風下10キロの住民が遺伝障害も含め約15万人が死亡するとの分析結果は、関係自治体に大きな衝撃を与え、内閣府中央防災会議の資料にも引用してある。

    16.2.1朝日・福岡の米軍機、核関連事故
    (朝日新聞  2/5付)

 佐世保や横須賀では、12年前から年に1回、米原子力艦の事故を想定した避難訓練を実施しているが、米軍は「事故はあり得ない」との立場で訓練に参加を拒んでいる。
 さらに佐世保では、原子炉から約200メートルほどの岸壁に原潜が停泊を繰り返しているのは、米国の原子力規制法に違反しているということは何度も指摘したとおりだ。
 日本政府は、こうした事実を知りながら「一切承知しない」としらを切り、「安全保障上に影響を及ぼす」として肝心の情報を公開しない。

    核兵器事故を報じる各紙
    (『隠された核事故』より)

 目下、国際的にも問題となっている北朝鮮の弾道ミサイル発射に関して、国連や米・中両国も打開策を見い出せないでいる。本来なら、東アジアの「非核地帯」構想について関係各国が具体的シナリオを協議して、相互の信頼醸成を通して北朝鮮の核保有を断念させるべきなのだ。
 日本が米国の「核の傘」に安住しているようでは、そうした構想もおぼつかないと言うほかない。
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今川正美のブログへようこそ!

生年月日 1947年8月7日
住  所 長崎県佐世保市
学  歴 佐世保北高等学校
     卒業(66年)
     佐賀大学農学部農
     学科中退(68年)
職  歴 佐世保地区労書記
       (68年)
     佐世保地区労事務
     局長(94年)
政 治 歴 衆議院議員
     (2000年・1期
      社会民主党)