がん「10年生存率」を考える

  「がん10年生存率58%」「がん『10年生存率』どう見る」――今月、朝日新聞で2回(1/20、1/26)、また「週刊文春」でも「10年生存率」についての記事が載っていた。
 私自身が、4年前に「急性骨髄性白血病」に罹患したので、この種の記事などにとても敏感になった。

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 このたび、国立がん研究センターが、がん患者を10年間追跡して集計した10年後の生存率を始めて公表した。
 全国16のがん専門病院で、99年から02年にがんと診断された患者約3万5千人を10年間追跡したのだという。

 結果、5大がん(胃、大腸、肝臓、肺、乳房)のうち、胃と大腸は5年生存率と比べて2ポイント前後しか変わらなかった。乳房の場合、5年生存率は9割近いが、5年以降もほぼ同じ割合で生存率が下がる。肝臓は約3割の5年生存率が1割台に下がる。

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    (「週刊文春」2/4号より)

 同研究センターの若尾文彦・がん対策情報センター長によると、「あくまで10数年前のデータとして参考にしてほしい」と言う。
 今はがん検診を中心に早期の発見・診断が進み、新薬も登場した。若尾さんは「08年ごろから、新しい抗がん剤や分子標的薬が出てきて、現在はもっと改善された数値になるとみられる」とのことだ。

 以前は、「がんは5年以内に亡くなる病気」だと考えられていた。しかし今は、目覚ましい医療技術や新薬の研究・開発で、多くの命が救われている。
 さらに、今年1月からは「全国がん登録」という制度がスタートしたらしい。これからは全国すべての病院からデータが集められ、精度の高い生存率を出せるようになるという。
 データを駆使したがん治療の時代が、すぐそこまで来ている。

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     (「週刊文春」2/4号より)

 それにしても気になるのは、「血液がん」に関するデータや言及が全くないことだ。私の担当医が「血液がんだけは原因が未だに把握できず、予防法もない」と言っていた。
 しかし、知人のH元市議は白血病を罹患してすでに18年生存、Y県議は悪性リンパ腫に罹ってから15年を経過して、二人ともいたって元気だ。

 私の場合、今年3月で「骨髄移植」から丸4年を経過する。担当医は「再発リスクの低減は5年が一応の目安です」と言っておられた。
 危ういところで〝拾った〟命だ。くよくよ考えずに、運を天に任せて前向きに生きていきたいと思う。
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原発「廃炉」と高レベル放射性廃棄物の処分場

 原発の廃炉にとって欠かせないのは、高レベル放射性廃棄物の処分である。
経産省は、その処分場を「公募方式」から「国の選定方式」に替えたが、候補地の見通しは立たない。

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      (朝日新聞 1/27付)

 朝日新聞が昨年12月、都道府県の調査を実施したら受け入れはゼロだった。原発立地県は「国の政策に貢献してきた。電力消費地を優先すべきだ」と主張。大都市は「国の責任で選定すべきだ」との態度だ。

    ガラス固化体

 ところで、高レベル放射性廃棄物は経産省の資料によると、使用済み核燃料が約1万7千トン(平成26年4月現在)、同廃棄物は再処理分含めて固化体約2万5千本分という(100万kw原発で年間約30本分)。温度や放射能が下がるまで数万年~10万年保管する必要がある。

    核ゴミの地層処分

 経産省の作業部会は14年12月から有望地の基準作りを始めたらしい。――中間整理によると、火山や活断層の近くや侵食、隆起が見られる場所を除いて、港に近い沿岸部を「より適性の高い」地域とした。
NUMO(原子力発電環境整備機構)の担当者は、沿岸部や島に設けた入口から斜めにトンネルを掘り、海底下の処分場までつなぐ案を示したという。「海水の影響や地質に関するデータが少ない」との懸念も出されたというが、当然だろう。

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    (オンカロ最終処分場)

 地震による廃棄物の地表流出は想定内というから呆れてしまう。また、300メートル以上深い地層処分場だと、点検・監視の方法もない。地下水が放射能で汚染されたら防ぎようがないのだ。
だいたい、数万年~10万年もの間保管するというが、誰が責任を負えるのだろうか?

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    (スウェーデン)

 最終処分場の見通しもないまま、原発の再稼働に拍車がかかる現状は、狂っているとしか言いようがない。
フィンランドは、世界で初めて最終処分場を確定した。オンカロ最終処分場の稼働は2022年の予定だ(小泉、菅両首相も視察している)。スウェーデンもこれに続いている。そのカギは「透明性」と「信頼性」だと言う。
 日本ではそう簡単ではない。国民に充分情報開示して丁寧に説明する、政治への信頼をもとに処分場を選定する。そうしない限り「廃炉」への道筋は見えてこないだろう。

社民党の衰退と村山首相

 社民党がこれほど衰退した、その原因は「村山富市首相」のせいだ。――長崎新聞の元記者で友人のI氏が、フェイスブックで恨めしく書いていた。
 折しも、朝日新聞の連載『新聞と9条』の「沖縄から」編で、自・さ・社連立政権の頃を書いている。少しばかり抜粋してみる。

――「護憲」の象徴ともいえた社会党の首相、村山富市が「安保堅持、自衛隊合憲」と表明したことは、メディアにも衝撃だった。
 沖縄タイムス記者、長元朝浩は驚きで受け止めた。「沖縄での反戦平和運動の土台を掘り崩すほどのインパクトだった」

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    (朝日新聞 1/19付)

――長元は地元の社会党関係者の動揺を取材した。
ある市議は「魂が抜けたような感じです」。妻からは「こんな社会党なら辞めたらどうねぇ」と言われた。
 同党県本部の戸惑い。自衛隊基地の建設反対運動を続ける本島北部の人たちの失望。そして、安保廃棄・基地撤去を訴えて4年前に当選した県知事・大田昌秀の苦悩。「憲法を大事にし、反戦平和を求める気持ちに変わりはない。沖縄にとって、これだけは譲れない一線だ」と語っている。

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    (朝日新聞 1/20付)

 村山連立政権の発足は1994年6月30日。日本社会党が社会民主党に名称変更したのは96年1月の同党大会であった。
 党員や党支持者らの離反が続出した。その一部は「新社会党」を創ったりした。私の尊敬する元・佐世保地区労事務局長K氏は離党し、その後、石橋政嗣・元中央執行委員長も離党した。

 私が落選後、社民党全国連合の定期大会に出席した折、村山さんが笑みを浮かべながら私のそばに来て、「今川くん、自衛隊は『専守防衛』ってことでいいんじゃろう?」と聞かれて困った。
 こんなお人好しふうのお爺ちゃんに向かって、「そりゃ、ダメですばい!」とはさすがに言いづらかった。「まぁ、そういうことで良かとじゃなかですか」と言って誤魔化したものだった。

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      (議事堂前で安保法反対を訴える村山富市さん)

 今夏の参院選で、もし党首・吉田忠智が落選し、政党交付金を受けられなくなれば、解党的事態に直面するだろう。そうした事態を見越してのことか、村山さんは最近「社民党はもう限界じゃ。安倍政治に対抗できるリベラル勢力の結集に力を注ぐべきじゃと思う」と述べている。
 社会党の歴史的役割はすでに終わっている。まだ地方組織が残っている間に、新しい政治勢力の結集に向けて頑張ってみたらどうだろう。村山さんの責任を今さら問うてみても意味がない。(敢えて問うとすれば、当時の社会党や自治労・日教組など支持労組である)

「安保法」~自衛官OBに聞く

  先日、友人の飯島慈明氏(名古屋学院大学教授)から「安保法に関する著書を近々出版する。そこでぜひNGOや自衛官OBらの生の声を取材したい」と電話があった。
 私はピンと思いついた。「安保法制」強行採決の頃、TVで反対表明していた自衛官OBを。名前は「西川末則」、佐世保市小佐々町の人だった。

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    (西川末則さん)

 18日の午前、西川さんの店「西川ラジコン」に出向いた。
 とても気さくな人柄だった。彼は開口一番こう言った。――昨年テレビで「安保法が成立すると、現職の後輩たちが命を落とすことになるので反対だ」と、率直な気持ちを語った。すると、東京のTV各局や海外局までがうちの店に殺到して面食らった、と照れ笑いしながら、まんざらでもなかった。

 以下、飯島教授や私とのやりとりを少し紹介してみる。
――敢えて安保法に反対表明されたのはなぜですか?
――私は、自衛隊に入隊以来37年間、無事に退職できたのは憲法九条のおかげだと思っています。もちろん、どこかの国が攻めてくれば、国や国民を守るため命を張って戦う覚悟はありました。ところが、この安保法は米国や多国籍軍のために命を捧げろという。これには反対です。

――現職の自衛官やご家族はどう思われていますか?
――そりゃ、不安で心配ですよ。そんなつもりで自衛隊に入った訳ではないですからね。訓練はたしかにきつい。だけど実際に戦争するような状況はありませんから。なんではるか海外で米軍の後方支援などしなければならないのか?
 海自はまだいい。陸自は〝敵地〟に上陸して戦うんだから、相手を殺したりこちらがやられたり、大変ですよ。

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――他のOBたちはなぜ、貴方のように声を上げないのですか?
――自衛官の再就職は、自衛隊関連の企業などが殆どなんです。そこで「安保法反対」なんて声に出したらアウトですよ。私は自分の店を持てたから、なんとか声が出せるだけのことです。

――他にも言いたいことは、たくさんありそうですね。
――例えば、いまメディアなどが嫌韓・反中などと煽るけど、やり過ぎですよね。ここに飾っているドローン(中国製)の技術は全て日本製ですよ。日本がやるべきことは、争っている国の間に入って仲裁することではありませんか?各国が、戦争しない〝九条の国〟を尊敬しているのだから。

――僕は自営業で遠慮はしないで、反対の声を上げ続ける。現職とOBの皆さん、あえて声を上げなくてもいいよ。その代り、こんどの参議院選挙では、必ず「野党」に投票して欲しい。それが〝平和の一票〟となるのですよ!

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 いやあ~、なんとも嬉しい取材の旅となった。小佐々町は市町村合併でいまは佐世保市の一員だ。高速道路だと佐世保駅から約15分。
 北松浦郡(略称:北松)では就職の場がなくて海自隊員になる若者たちが多い。その素直な気持ちを活かすことのできる自衛隊組織のあり方を根本から見直す時期にきていると、つくづく思うのである。

参院選の最大争点は「憲法改正」だ!

  第190通常国会は、4日からという異例の開幕となった。
 安倍首相はNHK番組で、夏の参院選に向け、「自民、公明だけでなく、憲法改正に前向きなおおさか維新などとともに、『3分の2』を構成していきたい」と明言した。
 すでに与党は衆院で3分の2を超える議席を持ち、参院でも3分の2を確保できれば首相が悲願の憲法改正を実現できるチャンス、と見ているのだ。

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 では、憲法のどこを改正しようというのか?首相は「これから議論が深まっていくだろう」とはぐらかしている。
 自民党内では、大災害などに備えるための「緊急事態条項」などを検討している模様で、これを突破口に次は「九条改正」に進んでいくというのが狙いだろう。しかし、災害対策基本法などに緊急事態の規定はすでにあり、憲法に新たに書き込む必要性などない。

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 与党内でも異論があるようだ。二階俊博総務会長は「いま、急いでしなくちゃいけない状況ではない」と語り、谷垣禎一幹事長も「野党第一党を巻き込んでやっていくのが妥当な手法だ」と述べている。
 また、公明党の山口那津男代表は「改憲の方向性についてコンセンサスを形成し、国民に争点を提供するのは現実的ではない」と、参院選の争点化に釘を刺した。

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 一方、おおさか維新の会の馬場信幸幹事長は「(改憲の)仲間に入れてもらえるのであればありがたい」と語った。予算委員会では下地幹夫議員が、「我々は安保法反対のデモをするような無責任野党ではない!」と民主党に攻撃のホコ先を向けていた。
 「おおさか維新に軸足を置くと、公明党との選挙協力がまずくなる」(自民党幹部)との懸念の声が聞こえるほど、おおさか維新は与党になりたい『ゆ党』ぶりである。

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 いずれにせよ、参院選に向けて「与党の『3分の2』を阻止したい」(岡田克也・民主党代表)、それが実現するか否かはひとえに党内に改憲派を抱える民主党にかかっている。
 安保法の強行採決にも拘わらず、安倍政権は約5割の支持率を維持しており、情勢の展開次第では、衆参ダブル選挙という切り札を安倍自民党は握っているのだ。

 13日に補正予算が成立して、いよいよ新年度予算を巡る与野党の攻防が始まる。
まさしく日本の針路を賭けた最重要の国会が始まる。
 民主・共産・社民・生活など野党の必死の奮闘を願いたい!

経済成長ゼロ下の生活を考える

  私は、ずいぶん以前から「脱・経済成長」を主張している。
 リーマン・ショック以降、50万部超のベストセラーとなった仏経済学者・ピケティの『21世紀の資本』をはじめとして、グローバル資本主義の〝限界〟を主張する著作がかなり売れているようだ。

    内田樹
    (内田樹・神戸女学院大名誉教授)

 年が明けたら、朝日新聞で『考・2016』(6回)という連載に目がとまった。第1回目の「成長は望めない、公正な分配に焦点」という記事を少し紹介してみたい。(語り手:内田樹・神戸女学院大名誉教授)

――「グローバル資本主義はもう限界に来ています」。「貧者から吸い上げたものを富裕層に付け替え、あたかも成長しているような幻想を見せているだけです」。
――「左右を問わずメディアは『経済成長せねばならない』を前提にしています」。「成長がありえない経済史的段階において、まだ成長の幻想を見せようとしたら、国民資源を使い果たすしか手がない」

    ジャスティン・トルドー
    (カナダのリベラル、ジャスティン・トルドー)

――「人口が減り、超高齢化する日本にどういう国家戦略があり得るのか、衆知を集めて考えるべきときです」。「どうやって成長させるかより、限りある資源をどう国民に公正に分配していくかに社会的な関心が移りつつある」。

――「歴史には必ず補正力が働きます。いまは針が極端に行き過ぎた後の補正段階に入っている」。「『暴走する老人とそれを制止する若者たち』という逆説的な構図もその兆候だとぼくは見ています」。

 まったく同感だ。経済成長がなくても国際競争に負けたとしても、国は滅びることなく人間はしっかり生きていける。これ以上の豊かさは求めない。経済成長ゼロ下の「セーフティーネット」をしっかり張り巡らすことこそ必要だと確信する。

辺野古事業に係る防衛汚職を追及すべし!

 新年明けましておめでとうございます。
 三が日が過ぎたらさっそく第190通常国会が始まった。6月1日までの160日間、異例の幕開けだ。
 与・野党ともに、夏の参院選を視野に入れての攻防が繰り広げられるだろう。

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    (朝日新聞 16年1月4日付)

 ところで新年早々、朝日新聞(1/3付)は一面トップで「辺野古事業、天下り先8割」という記事を載せた。――辺野古への移設計画で、防衛省が直近の2年間に発注した移設事業936億円のうち、少なくとも8割にあたる730億円分を、同省・自衛隊の「天下り」先業者やそれらの業者が加わる共同企業体(JV)が受注していた。

 今から10年前、防衛施設庁の官製談合事件が発覚して、同庁は解体され官製談合防止法が改正された。
 しかし、こうした天下り自粛ルールが完全に骨抜きになっていた訳だ。朝日の取材によると、受注各社は理由を「技術的アドバイスをもらうため」「国とのパイプとして期待しないわけではない」などと答えたという。

 沖縄県知事選で翁長知事が誕生した頃、仲井真・前知事は辺野古移設事業に係る下請け・孫請けまで約束していた各社から猛反発を喰らったという話しがあったのを思い出す。
 もっと遡って、私が衆院議員になった頃、大田昌秀・参院議員(元沖縄知事)は私にある雑誌を示してこう言った。「辺野古の建設工法は、誰が首相になるかで決まるんだ。セメントそれとも鉄のいずれを多く使うのかによる」。

    「普天間」交渉秘録

 防衛事務次官だった守屋武昌氏は、軍需商社・山田洋行の収賄で逮捕され有罪判決を受けたが(08年)、彼の著書『「普天間」交渉秘録』(新潮社、10年)はそこら辺の実情を赤裸々に語っていて、実に興味深い。

 「普天間基地の負担軽減のためには、辺野古基地建設意外に解決の道はない」というのが、日米両政府の言い分だ。
 しかし、米側のホンネは「日本政府の負担で、全く新しい基地が手に入る」というものであり、日本側の政・官・業と沖縄の土建業者などにしてみれば「労せずしておいしい利権にありつける」というのが実態ではないか。

    辺野古の海
    (辺野古の海)

 辺野古問題はすでに利権あさりの場と化し、世界最高クラスの生物多様性を誇る「宝の海」を失うことがあってはならない!

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今川正美のブログへようこそ!

生年月日 1947年8月7日
住  所 長崎県佐世保市
学  歴 佐世保北高等学校
     卒業(66年)
     佐賀大学農学部農
     学科中退(68年)
職  歴 佐世保地区労書記
       (68年)
     佐世保地区労事務
     局長(94年)
政 治 歴 衆議院議員
     (2000年・1期
      社会民主党)