「安保法案」を廃案に追い込もう!

 安倍政権は、「安保関連法案」の国会審議に先立って、米国との間に「日米防衛協力の指針」(ガイドライン)の改定に合意した(4/28)。
 
  2プラス2
  (日米の2プラス2で「指針」改定に合意)

 同指針とは、言うまでもなく米軍と自衛隊が共同で行う〝戦争マニュアル〟のことである。米国は、財政難で国防費の削減に直面しており、アジア方面に戦力のリバランス(再均衡)を図る上で日本や豪州などに米軍の肩代わりを求めている。
 したがって、新たな指針では、日本が「集団的自衛権」を行使できることを前提にして、自衛隊が地球規模で米軍に協力できる仕組みにした。

  米国の対日提言

 今回の「安保関連法案」は、この新指針を法的に裏付けるものであり、『アーミテージ・ナイ・リポート』という提言書に沿ってまとめられているものだ。
 法案では、「存立危機事態」や「重要影響事態」という難解な概念を導入して、他国のための武力行使や地理的制約の撤廃、あるいは戦闘中の他国軍に補給・兵站支援などができるようになる。

  日米共同作戦の協議

 しかも、最も肝心なことは、こうした「事態」の認定は、「日米共同調整所」主導となり、それを受けた時の〝政権の裁量〟次第ということになる。

  ホルムズ海峡1

 安倍首相は国会審議に際して、「集団的自衛権」を行使できる事例として「ホルムズ海峡の機雷掃海」と「邦人救出の米艦防護」を示した。
 しかし、米国とイランは「核開発停止」で合意し緊張緩和の関係にある。仮に、海峡封鎖するとイラン自身が原油輸出できなくなる〝自殺行為〟となる。

  米艦艇の支援

 また、米艦防護に関しては、避難民の救出はそれぞれ当該国が行うと新指針で決められているのだ。いずれの事例も、極めて〝非現実的〟と言わざるを得ない。

 このような安倍政治の〝暴走〟がまかり通るのは、平和運動の衰退や戦争体験世代の減少に加えて、小選挙区制度による自民党内の異論封殺に依るところが大きい。
 各種の世論調査では、「安保法案」に反対が約6割、理解できないが8割という状況だ。国会前には連日延べ10万人が反対行動に集まっており、とくに若者の参加が目覚ましい。

  国会前の反対行動

 間もなく参議院での審議が始まるが、与野党の差は衆院より拮抗しており、世論と運動の広がり次第で「廃案」に持ち込み、安倍内閣退陣も不可能ではない。
 宗教界や創価学会、農協・漁協をはじめ自民・公明党の支持基盤に積極的に働きかけていきたいものだ。

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「安保法案」の強行採決は断じて許せない!

 7月15日、「安保関連法案」が衆議院で強行採決された。心底より憤りを覚える。
 この問題については、2回に論じてみる。

   15.7.16朝日・安保採決、自公が強行
   (衆院安保特別委で強行採決に抗議する野党議員)

 世論調査によると、国民の約6割が同法案に反対し、約8割が「よく理解できない」と答えている、今国会での成立に賛成はわずか2割である。
 にもかかわらず、政府・与党は「審議時間は110時間を超え、議論は出尽くした」と決めつけて、裁決を強行したのである。

   横畠法制局長官
   (横畠内閣法制局長官)

 国会審議では、安倍首相をはじめ閣僚らの答弁が二転三転して混乱した。例えば、「存立危機事態」など〇〇事態の乱立で、集団的自衛権を行使する境目がますます不鮮明になった。
また、内閣法制局長官にいたっては、「毒キノコとフグ」を例にとって集団的自衛権の限定的使用を容認するなど、権威台無しの有り様だった。

   15.6.10朝日憲法学者の発言
   (朝日新聞より)

 極め付けは参考人質疑で、与党の推薦も含む3人の参考人がそろって安保関連法案は「憲法違反」と断定したことだ。政府・与党は「砂川判決」や「74年政府見解」を根拠に集団的自衛権の限定的使用は可能と説明したが、参考人らは「日米安保と米軍基地の合憲性が問われた裁判」であり、集団的自衛権の行使を認めたものではないと反論した。

 一方で、メディア報道への抑圧姿勢も鮮明であった。自民党の勉強会で、「マスコミを懲らしめるには抗告収入を無くすのが一番」(議員)「沖縄の二紙はつぶした方がいい」(百田)などと、マスコミ敵視の発言が相次いだ。
さらに、自民党内のリベラル系勉強会を抑え込んだり、全議員にマスコミ調査に応じないよう通達するなど、党内の〝異論封殺〟も露骨である。

   安保法制に反対する自民党OB

 安保法案に反対する運動と世論は、日に日に高まってきた。学者、法律家だけでなく、文化・芸能人や女性や若者たちなどあらゆる年代にわたっている。
元・自民党の大物政治家たちも、共同記者会見で安保法案に反対との意見を表明した。

 安倍首相自ら「戦後安保政策の大転換」と言うとおり、11本もの関連法案を一つの国会で成立を図ることに無理がある。1本当りわずか10時間程度の審議で、議論が深まるはずもない。
 議論するほどに、法案の矛盾と政府答弁の混乱ぶりが露呈した。これ以上「だらだらと議論」(菅官房長官)していると、内閣支持率が低下してしまう。米国との間に「今夏までに成立させる」との約束も反故になり兼ねない。
という訳で、批判覚悟の強行採決に至ったのだろう。

新幹線フリーゲージトレインの耐久試験中断を考える

 22年度開業予定の新幹線長崎ルート。
 だけど、肝心のフリーゲージ・トレイン(FGT)の耐久試験が中断している。FGTとは、車輪の間隔を変えて新幹線(1435㍉)と在来線(1067㍉)を行き来する方法だ。

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 昨年10月、熊本などで直通走行を繰り返す耐久試験を始めたが、台車の車輪近くの樹脂製部品32カ所の内14カ所に不具合が生じたという。
「車輪幅が変わるFGTだと呼称が脱線に直結する恐れがあり、深刻な不具合」だと、JRの新幹線技術者は指摘する。

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  (試験走行車)

金沢まで延伸した北陸新幹線では、JR西日本が敦賀―大阪間を暫定措置としてFGTでつなぐ方針だが、雪にも対応できる試験車の設計は止まっている。
政府は敦賀開業を3年前倒しして22年とする方針だが、JR西の真鍋社長は「(FGT開発は)どんなに頑張っても10年はかかる」と懸念をしめしているようだ。

     長崎新幹線ルート

長崎ルート建設の総費用は約4000億円と見積もられており、福岡―長崎間の時間短縮は約20数分に過ぎない。しかも、沿線自治体の費用負担や在来線の廃止などのデメリットも大きいのだ。
 まるで高度成長期のように、空港や高速道路に加えて新幹線も欲しいというのは時代錯誤ではないのか。
〝経済成長〟至上主義の思考から脱して、セーフティーネットが充実した生活のあり様を模索すべきではないかと思う。

安保特別委~参考人・小川和久氏の変節ぶりに落胆

 いま国会で審議中の「安保関連法案」、そのキーワードである「集団的自衛権」の行使容認を閣議決定したのは、昨年の7月1日だった。

 今年の7月1日、安保関連法案を審議する衆院特別委員会で参考人質疑が行われ、5人の「識者」(与党推薦・2人、野党推薦・3人)が意見を述べた。
 私が一番驚いたのは小川和久氏の意見だ。
 ―― 「安保関連法案の議論は、憲法に反する部分はない」。「集団的自衛権を使いたくなければ、同盟関係を解消し独自に防衛力を整備すればよい。ただ、今のレベルの安全を独力で実現しようと思えば、大変な負担(23兆円)だ」。「米国との同盟関係は相互防衛、集団的自衛権の行使が前提だ」。

    小川和久
    (小川和久氏)

 小川氏は以前、日米安保は「片務的」ではなく、日本防衛義務と基地提供(無償)で十分成り立っている、との考えだったはずだ。しかし、政府の危機管理関係の分野に深く関わるようになってから、ものの考え方が180度変わってしまわれたようだ。

 私は、小川氏がずいぶん昔佐世保基地の調査に来られたのがきっかけとなり、衆院憲法調査会で参考人として出席されて以来、年賀状を交わす仲となっている。
 だからこそ、小川氏の〝変節〟ぶりに大いに落胆してしまった。彼が昨年出版された「日本人が知らない集団的自衛権」(文春新書)をフェイスブックでも盛んにPRされているので、読んでみたがまさに〝噴飯もの〟だった。

    柳沢協二
    (柳沢協二氏)

    伊勢崎賢治
    (伊勢崎賢治氏)

 柳沢協二・元内閣官房副長官補は、「各国はPKOの業務でも犠牲者を出している。現場で軍隊を相対させることによる抑止は逆に緊張を高める」と意見表明。
 伊勢崎賢治・東京外大大学院教授は、「誤って現地の人を傷つけたら、軍法がないため刑法で裁くことになるが、海外での過失は裁けない。不安な法的地位のまま海外に送ってはならない」と陳述した。
 
    鳥越俊太郎
    (鳥越俊太郎氏)

 さらに、ジャーナリスト・鳥越俊太郎氏は、「世界の対立構造は、米国など一部の国対イスラム過激派だ。日本が彼ら過激派の標的になる可能性がある。集団的自衛権に突っ込む危険性を一考願いたい」と訴えた。

 こうした参考人質疑だけでなく地方公聴会を各地で開き、国会審議ももっと時間をかけて国民に丁寧に説明すべきだ。
 政府・与党は今月15日に特別委員会での採決を予定しているが、とんでもない!「安保関連法案」への反対世論の広がりを怖れてのことであろうが、何としても阻まないと!!

ブレまくる横畠裕介内閣法制局長官

 安倍首相が集団的自衛権の行使容認の〝典型例〟としている「ホルムズ海峡での機雷掃海」と「朝鮮半島有事での米艦防護」について、横畠裕介内閣法制局長官は「個別的自衛権でも対応可能」と言い出した。

    横畠裕介内閣法制局長官

 岡田克也・民主党代表の質問に対して、横畠長官は「我が国に対する武力攻撃の意図があるならば、個別的自衛権の発動によって機雷を処理することはありうる」と答弁した(6/26)。
 さらに、民主党の長島昭久議員に朝鮮半島有事の際、公海上で警戒する米艦に対する攻撃への対応について問われると、「日本への武力攻撃と認定できるのであれば、個別的自衛権で対処できる」と答弁したのだ(6/29)。

    ホルムズ海峡での機雷除去

 あれれ、これはどうしたことだろう?
 政府は、いずれの場合も個別的自衛権で対処できないと言って、わざわざ武力行使の「新・三要件」なるものまで作り上げたのではなかったか。

 小林節・慶応大名誉教授の解説によると、「内閣法制局は集団的自衛権を解釈改憲で認めることに抵抗してきた。しかし、一昨年、外務省出身の小松一郎長官の就任により法制局内部で大論争となり、当時次長だった横畠さんは抵抗側にいたものの、長官の死去により昇格すると、政権に言い含められてしまった」。「横畠さんは追い詰められていくうちに、法律家としての当たり前の〝知性〟が出てしまったのでしょう。『法の番人』は『政治の番犬』ではない」。
――以上は、日刊ゲンダイの記事(7/1付)による。

 そもそも、この二つの事例はあまりにも〝非現実的〟な設定だ。
 「ホルムズ海峡での機雷掃海」について――駒野欽一・前駐イラン大使が説明するように「イランは原油輸出にホルムズ海峡を使っており、自らの〝体制〟の存立にかかわる」。しかも、イランと米国の関係は緊張緩和の流れにある。

    駒野欽一・前イラン大使

 また、「朝鮮半島有事での米艦防護」について――北朝鮮には米艦を攻撃する意志も能力もないし、仮に戦争となれば自国民の保護・救出は当該国が行うと日米ガイドラインで取り決めているのだ。

    米艦艇の支援

 歴代の政権や内閣法制局が「集団的自衛権は行使できない」と固守してきたものを、閣議決定で変更するという禁じ手を使った、その綻びが次々に噴出し始めた。
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今川正美のブログへようこそ!

生年月日 1947年8月7日
住  所 長崎県佐世保市
学  歴 佐世保北高等学校
     卒業(66年)
     佐賀大学農学部農
     学科中退(68年)
職  歴 佐世保地区労書記
       (68年)
     佐世保地区労事務
     局長(94年)
政 治 歴 衆議院議員
     (2000年・1期
      社会民主党)