ユンカーマン監督と映画『沖縄 うりずんの雨』

 ジャン・ユンカーマン監督――私は不勉強でよく知らなかった。
今月10日、BS-TBSの番組でシリーズ「戦後70年の証言」の第2回「ジャン・ユンカーマン監督に聞く〝沖縄〟」というのがあった。

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     (ジャン・ユンカーマン監督)

 監督の最新作『沖縄・うりずんの雨』を中心に話しが進む。沖縄では3月から5月にかけて「うりずん」の季節だという。大地が潤い、芽吹き始める。それは、かつての沖縄戦の時期と重なる。
映画(2時間28分)は、「沖縄戦」「占領」「凌辱」「明日へ」の4部から成る。

   映画「沖縄うりずんの雨」

 沖縄は、本土防衛の「捨て石」とされ、戦後は主権を奪われ本土からも見捨てられて、植民地化していく。
20年前の米兵3人による「少女レイプ事件」と琉球大へのヘリコプター墜落事件が、今に続く基地反対運動のエネルギーになったように見える。

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 監督は、犯人の一人にインタビューを試みている。若輩兵士は人格形成が未熟であり、被害者だと捉えている。米本国では、軍隊内での女性兵士たちへのセクハラ被害者が声を上げ始めた。沖縄の基地問題は彼女らと共闘できるのではないかと思える。

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 監督は、沖縄に駐留した経験がある。沖縄の人の「不屈の精神」に感銘したという。
この映画は、70年目の沖縄慰霊の日に合わせて6月20日に東京、沖縄などで公開される。

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 監督の作品は他にも、画家の丸木位里・俊夫妻を取材した『劫火 ヒロシマからの旅』(88年)が米国アカデミー賞ノミネート。米国同時テロ後にノーム・チョムスキーにインタビューした『チョムスキー9.11』(02年)。

   日本国憲法

 なかでも、05年に公開された『日本国憲法』。――イラク派兵をきっかけに性急な改憲への動きを、世界に視野を広げて見つめ直す。憲法とは誰のためのものか、戦争の放棄を誓った全分野第九条をどう考えるのか。世界的な知の巨人たちが語った貴重なインタビュー集という。

 沖縄の民意を踏みにじり、〝戦争できる国〟目指して暴走する安倍政治に対峙して、これらの映画を全国的に広めたいものだ。
(※挿入した写真は、いずれも『沖縄・うりずんの雨』制作会社のサイトより。ユンカーマン監督の写真除く)
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「海遍路」~有明海の再生を考える

 有明海の再生を、海上で考えるという朝日新聞の記事(5/28)が興味深い。
日本の海辺をシーカヤックで巡るNPO法人「海遍路」。そのブログには――海に生きる漁師に学び、実感し、発信し、自然と人のあるべき関係を紡ぎながら、未来に繋ぐ新たな価値観を創出する、とある。

    海遍路

 今回は、有明海の再生のための糸口を探る目的で、熊本県玉名市を出発し、反時計回りに有明海を進んで、きょう南島原市の口之津港にゴールインした。

    海遍路・有明海

 海遍路副理事長の八幡暁さんは「砂地、干潟、河口域など、有明海には多様な生き物、漁の姿があったのだろうが、漁師からは『とれない』という話しか出てこなかった」と語る。田中克・京大名誉教授は「有明海の異変は日本の沿岸環境、沿岸漁業の縮図。再生のためには、子どもたちを水辺に呼び戻すような大きな視野が必要だ」と語った。

    有明海を巡る航海

    「あれで有明海は死んだ」(湯江漁師)
   (「あれで有明海は死んだ」と語る湯江の漁師)

    「にし」という巻貝
    (「にし」と呼ばれる巻貝)

 諫早干拓、筑後川大堰など沿岸開発や海砂採取など、有明海の環境悪化の原因は人間だ。本来、協働するべき漁業者と農業者を分断する象徴であるかのように、「諫早干拓」が存在する。

    潮受け堤防上の道路
    (潮受け堤防上の道路)

 地方行政は、公平・中立な立場で相対立する両者を和解させるべきなのに、農業者の側に立っている。同じ構図は、「石木ダム」問題にも見られる。「海遍路」が言うところの〝自然との共生〟という視点に欠けている。
 

オスプレイ墜落事故~配備と運用を止めるべきだ!

 何かと話題になっている新型輸送機「オスプレイ」。米海兵隊のオスプレイMV22が今月17日、ハワイ・オアフ島で訓練中に墜落・炎上して、乗員1人が死亡、21人が病院に搬送された。

    炎上するオスプレイ

 オスプレイには、米海兵隊のMV22と空軍のCV22の2種がある。試験飛行の頃から墜落事故が絶えず「未亡人製造機」と皮肉られ、各地で事故が多発している(図)。専門家によると、通常ヘリに比べて回転翼の半径が小さくて機動性に制約があり、ヘリモードで急降下する時に事故が起きやすいらしい。

    オスプレイ過去の事故

 日本では、3年前に普天間基地にMV22が24機配備され、横田基地にCV22を10機配備すると米軍が発表している。また、陸上自衛隊もMV22を17機導入して佐賀空港に配備する計画だ。
 一方、全国各地でMV22が飛行訓練を繰り返しており、米軍による自衛隊基地の共同使用も拡大して、普天間基地の〝本土化〟が進行している。
 これらに伴い、激しい騒音と併せて墜落や部品落下などの事故が増えていくことが心配だ。

    オスプレイの配備状況

 日本政府は、尖閣諸島などを念頭に在沖海兵隊の「抑止力」が欠かせないと言う。
 しかし、同部隊は大部分が補給部隊で戦闘部隊は一個大隊約800人に過ぎず、「抑止力」と言える規模、装備ではない。中国と東シナ海に関して、軍事評論家の田岡俊次氏は「米国は中国と財政・経済上、密接、不可欠な関係にあり、日本の無人島のために中国と戦争することは考えにくい」と解説する。

    オスプレイ初飛来3 - コピー
    (佐世保・赤崎貯油所に飛来したオスプレイ)

 オスプレイの全国運用と陸自への導入は、止めたほうが賢明だと考える。

原発廃炉への道~〝核燃料デブリ〟との闘い

 世界最悪となった福島原発事故から、すでに4年が過ぎた。
 安倍首相は、国際社会に向かって「フクシマ原発は完全にコントロールされている」と大見得をきったが、事態は一層深刻になっている。

 膨大な汚染土壌や増え続ける汚染水、放射性廃棄物の処理及び貯蔵など、何一つ解決のメドはたたないままだ。
 なかでも、廃炉が決まっている福島第一原発の原子炉の中で、溶融した核燃料がどこにあるのか、何時ごろどのような方法で取り出すことができるのか、全く見通しがたっていない。
 
    燃料デブリ

 ところで、今月17日のNHKスペシャルで原子炉内の様子が映し出されていた。シリーズ:廃炉への道の第三弾「〝核燃料デブリ〟未知との闘い」である。
 溶け落ちた核燃料が原子炉の構造物などと混じり合った〝核燃料デブリ〟。今なお、一瞬で死に至る数千シーベルトもの放射線を出し続けている。
 今回、宇宙線(ミューオン)を使った〝透視〟や小型ロボットカメラなどの最新技術でデブリの姿を捉えようと試みている。

   ロボット・カメラ
   (原子炉内に着座したロボットカメラ)
   1号機の炉内
   (1号機の炉内の様子)
   日立&東電
   (日立と東電の作業チーム)

 米国スリーマイル原発事故では、デブリが原子炉内にとどまっていたので、11年かけてデブリを取り出すことができた。
 ところが、福島第一原発ではデブリが全て原子炉から圧力容器に溶け落ちて、カメラが捉えることはできなかった。
 今回の作業を進めたのは、日立・GEと東電で、放射線が強いため6グループに組んで交代して取り組んでいた。

   スリーマイルの核燃料デブリ
   (スリーマイル原発の核燃料デブリ)

 〝核燃料デブリ〟の所在をつきとめた上で、実際に取り出し処分・解体するのは約40年先だという。
 こうした厳しい現実をまるで無視するかのように、政府や電力会社、政治家らが原発の再稼働にやっきとなっているのは、まさに〝狂気の沙汰〟としか言いようがない。
 原発事故の前と後では、「廃炉」にかかる時間、労力、費用が桁違いなのだ。

憲法施行の記念切手

  記念切手のコレクション。ひと頃はずいぶん凝っていた。とくに、「浮世絵シリーズ」や「アニメシリーズ」、最近では「星座シリーズ」が素晴らしい。

 今頃になって振り返ったのは、「平和憲法の深層」(ちくま新書。今年5月発刊)の著者である古関彰一・獨協大名誉教授が、同書の「あとがき」で憲法の記念切手を収集したとの言及があったからである。

     戦後50年憲法記念切手
 (左は議事堂に向かう御車。右はサンフランシスコ講話条約の調印)

 古関名誉教授によると、「戦後50年メモリアルシリーズ」の中で、「日本国憲法発布」と「サンフランシスコ条約締結」だけは「ペア販売」だった。名誉教授曰く「『発布』とは明治憲法の用語だ。昭和天皇の詔書や憲法100条では『公布』とある」と指摘する。

     憲法施行記念切手
     (憲法施行記念切手)

 さらに曰く。――憲法の記念切手を調べてみると、発行していたのは憲法施行の47年だけで、後は何もしてきていないようだ。政党の憲法への見解がどうであろうと、憲法という国を代表する顔を忘れて半世紀を過ごしてきてしまったのか。

    憲法施行記念切手シート
    (憲法施行記念切手シート)
 私が憲法に関わる講演をするときは、古関名誉教授の「第九条はなぜ制定されたか」(岩波ブックレット)を必ず紹介する。新著の「平和憲法の深層」は、「安保法制」制定を目指す安倍政権へのこの上ない痛烈な批判の書だ。ぜひご一読をお勧めする。

沖縄の本土復帰43年~〝幻想の抑止力〟を直視すべし

 翁長県知事は菅官房長官との会談(4/5)で次のように語っている。――「沖縄県が自ら基地を提供したことはない。県民がいる所は銃剣とブルドーザーで基地に変わった」。「米軍政下のキャラウェイ高等弁務官が『沖縄の自治は神話』と言った」。「官房長官が(辺野古移設を)『粛々と』と言うと、キャラウェイ高等弁務官の姿が重なり合う」。

    銃剣とブルドーザー

 沖縄の基地と兵員の主力は「海兵隊」だ。定員1万8千人と言うが、現在、1万2、3千人程度(米国は正確な数字を示さない)に減っている。その中で戦闘部隊は、「MEU」と呼ばれる2千人規模の海兵遠征隊だが、基幹部隊の歩兵は1個大隊800人程度に過ぎない。

    キャラウェイ高等弁務官

 軍事ジャーナリストの田岡俊次氏は「沖縄の第3師団は司令部機能しかない〝幽霊師団〟だ。兵員も第1、2師団から半年交代で派遣されてくる。戦車もなく軽装備の1個大隊では戦争は無理で、中国・韓国・台湾などの在留米国人の救助が精いっぱいだ」と指摘する。
 沖縄のジャーナリスト・屋良朝博氏は「在沖海兵隊は米軍再編で『国際救援隊』のような部隊編成に変わる。近年は、比・タイ・豪州などとの共同訓練に力を入れている」と言っている。
 実際、国防費に大ナタが振るわれる中で、ハイテク装備を持たない海兵隊の不要論が米議会でも強まっている。

    アエラ5.18号
    (「アエラ」2015年5月18日号)

 一方、日本政府は「普天間の代替施設は抑止力の維持に不可欠」との論理だ。森本敏・元防衛相や岡本行夫・元首相補佐官らは「海兵隊がいること自体が〝抑止力〟だ」と言うのだが、いかにも説得力に乏しい。
 戦闘部隊やオスプレイは沖縄、戦闘機は岩国、揚陸艦は佐世保という具合に全国に分散した「抑止力」が役に立つとは思えない。

  海兵隊の展開状況

 まずは、〝幻想の抑止力〟の実情を直視すべきだ。総工費3500億円もかけて辺野古移設するなど、税金の無駄遣いの何物でもない。

 

米軍基地の環境汚染対策を徹底せよ

  今月8日付の朝日新聞で、米軍基地の環境汚染に関する記事に目がとまった。元米海兵隊の兵士が、枯葉剤が原因で病気を発症したとして米政府に補償を求めているという。

   普天間飛行場で見つかったドラム缶81年
   (普天間飛行場で見つかったドラム缶。81年)

 元兵士は81年夏、普天間飛行場の滑走路の土中で見つかったドラム缶100本以上の撤去作業に従事した。その後、米本国に帰ったが、ぜんそくや心臓疾患、前立腺がんなどを次々に発症したらしい。
退役軍人省の医師に「あなたは典型的な枯葉剤由来の症状だ」と告げられた。しかし、現在まで米政府から補償について最終的な決定は示されていないという。

   嘉手納基地から掘り出されたドラム缶13年6月
   (嘉手納基地から掘り出されたドラム缶。13年6月)

 すでに返還されたキャンプ桑江跡地(沖縄)は、土壌汚染のため未だに跡地利用ができない状態だ。
90年代初めのフィリピンでは、米軍が完全撤退したが、クラーク空軍基地跡から大量のダイオキシンや重金属類による汚染が大問題となった。
韓国の米軍基地でも同様の環境汚染が問題となっている。

   キャンプ桑江跡地
   (キャンプ桑江跡地)
 私が99年に米国視察に行った折、土壌汚染の除去作業の有り様を見たことがある。米本国では、基地の環境汚染クリーンナップのために、約2兆円もの費用を必要としたという。重金属や化学物質などの有害物質は土壌を汚染し、地下水と共に州境を越えて汚染地域を広げていくのだという。

 私たちは、借りていたマンションやアパートなどの契約を解除する時は「原状回復」する義務がある。
 ところが、米軍基地の場合は「日米地位協定」第4条で、「原状回復」の義務を免除されているのだ。
 もういい加減、〝属国〟同然の協定を根本的に見直すべきだ。国内米軍基地の立ち入り調査を徹底して、沖縄をはじめ全国的な米軍基地の閉鎖・縮小を進める時だと思う。

機雷除去や装備導入はまったく無意味だ

 先日、フェイスブックに書いたことを加筆して繰り返しておきたい。
安倍首相が好んで示す事例(ホルムズ海峡での機雷除去)の〝非現実性〟を、二人の人物が鋭く指摘している。(TBS週刊報道)

 --元外交官の佐藤優氏は「ホルムズ海峡はオマーンの飛び地だ。仮にイランが機雷敷設すると『宣戦布告』となる。日本はオマーン側に立ってイランと戦争するのか?あり得ない話しだ」と指摘。

    佐藤優・元外交官
    (佐藤優・元外交官。TBS週刊報道より)

 --前イラン大使の駒野欽一氏は「イランの国家収入の6割は石油輸出でホルムズ海峡から搬出している。仮にホルムズ海峡を封鎖すると、自らの体制の〝存立〟に直接関わる。非現実的な話しだ」と説明する。

    駒野欽一・前イラン大使
    (駒野欽一・前イラン大使。週刊報道より)
 また、イランと米国は以前に比べてかなり良好な関係になってきている。「ホルムズ海峡での『存立危機事態』」という事例は、安倍首相の無知ぶりを晒した〝自作自演〟というほかない。

    ロハニ・・イラン大統領
    (ロハニ・イラン大統領)

 ところで、防衛省が「離島防衛」に欠かせない装備として米国から購入予定の「輸送機オスプレイ」と「水陸両用車」のことにも触れておきたい。
 オスプレイは17機を購入予定だが、総額3,600億円で1機当たり211億円と値段が当初見込みの倍に跳ね上がっている。

    オスプレイ
    (輸送機オスプレイ)

 また、水陸両用車AAV7については、米国は40年以上前の旧式兵器だとして生産中止としたが、防衛省が52両もまとめ買いするというので急遽生産再開となった、と報道されていた。
 ところが、軍事専門家の中では、AAV7は珊瑚礁や防波堤を踏破できずスピードも水上13キロと遅く、本格的な整備は米国でしかできない、と評判が悪い。そこで防衛省は、水陸両用車の後継機を米国と共同開発する方針にしたという。三菱重工と米ゼネラル・ダイナミクス開発に着手したようだ。
 ただし、米国では米軍産複合体の影響力は大きく、米企業に有利な条件を突き付けてくるだろう。

     水陸両用車AAV7
    (水陸両用車AAV7)

 まったく〝無駄な努力〟と言うべきだろう。私は最近、「自衛隊の変容」と題して新聞に寄稿したが、その中で「『島嶼防衛』は、米軍需産業が売り込む兵器に合わせて作った作戦ではないか」と書いた。まさに、そのような展開になっている感じがする。
 そうまでして、米軍需産業の〝お得意様〟になり媚を売ってどうするのか?!
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今川正美のブログへようこそ!

生年月日 1947年8月7日
住  所 長崎県佐世保市
学  歴 佐世保北高等学校
     卒業(66年)
     佐賀大学農学部農
     学科中退(68年)
職  歴 佐世保地区労書記
       (68年)
     佐世保地区労事務
     局長(94年)
政 治 歴 衆議院議員
     (2000年・1期
      社会民主党)