改定「日米防衛協力の指針」で自衛隊の行動は地球規模

 日米首脳会談の前日(4/27)、両政府は「防衛協力の指針」(ガイドライン)の改定に合意した。政府間の「約束」で国会審議に枠をはめてしまおうという狙いだ。
 
    米軍などとの連携

 同指針は、米軍と自衛隊が共同で行う〝戦争マニュアル〟のことである。
最初に策定されたのは冷戦時代の78年、「ソ連の日本侵攻」を想定した。冷戦後の97年に改定されたのは、「朝鮮半島有事」を想定したものだ。

    南シナ海巡る日米中

 今回18年ぶりに改定された背景には、中国海軍の著しい海洋進出や尖閣、南シナ海問題がある。しかも、財政難で軍事費の大幅削減を余儀なくされる米国は、自衛隊に米軍の肩代わりをさせる魂胆だ。

 米国は、「同盟の円滑な運用」を理由に、「集団的自衛権」の行使を以前から日本に求めていた。新「指針」では、それを前提にして自衛隊が地球規模で米軍を支援する仕組みにする。
 また、日本が直接武力攻撃された場合から武力攻撃には至らない「グレーゾーン事態」を含む平時まで、日米で「切れ目のない」協力を謳った。

    拡大する自衛隊の活動

 「ガイドライン」は日米安保の下位にある「行動指針」に過ぎず、国会承認を必要としない。しかし、今回の改定の内容はもはや「日米安保条約」を超えている。これほどの法律・条約軽視と国会無視は決して看過できない。

    米国の対日提言

この新「指針」のベースとなったのは、「アーミテージ・ナイ・リポート」(2012年)と呼ばれる提言書だ。アーミテージ元国務副長官はいわば米軍需産業の代理人だ。日米「制服組」の共同作戦や軍需産業の武器売り込みが先にあり、新「指針」はそれらを後追いする形になっていると言うべきだ。
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書評「帰還兵はなぜ自殺するのか」と戦闘ストレス障害

 先日、「帰還兵はなぜ自殺するのか」という書籍の書評が目にとまった。
 私が、自衛官の人権問題に取り組んでからすでに15年になる。その関係もあって、アフガン戦争やイラク戦争での死傷者数、自殺数やPTSDなどの問題を探ってきた。

   帰還兵はなぜ自殺するのか

 同書の評者・保阪正康氏によると――アフガンとイラクに派兵された米軍兵士は約200万人、そのうち50万人はPTSD(心的外傷後ストレス障害)とTBI(外傷性脳損傷)に悩まされており、毎年240人以上が自殺している。

 同書の著者はワシントンポスト紙の元記者であるデイヴィッド・フィンケル氏で、こうした戦闘ストレスに悩む元兵士たち、その家族、さらにはペンタゴン(米国防総省)の自殺防止会議の調査報告にふれながら、この悲劇の実態はどのようなものか、具体的に鮮烈に記述してその苦悩を現代社会に正確に伝えようとしている、と評している。

   死者数と戦費2

 国会図書館の刊行物「レファレンス」に、鈴木滋氏が「メンタルヘルスをめぐる米軍の現状と課題~『戦闘ストレス障害』の問題を中心に」(2009年8月)及び「防衛省・自衛隊のメンタルヘルス対策~米軍の事例紹介を交えつつ」(2015年1月)と題して詳しく論じている。
 また、昨年のNHKドキュメント現代「イラク派遣 10年の真実」でも、帰還自衛官の自殺やPTSDなどを分かり易く報道している。

   元派遣隊員2
   (NHKドキュメント現代「イラク派遣 10年の真実」)

 国会では、照屋寛徳衆議院議員(社民党)が「イラク帰還自衛隊員の自殺」について質問主意書で問い質し、政府は「答弁書」(07年11月13日)で次のように答えている。――「テロ特措法」に基づき、延べ約1万900人の海自隊員を、また「イラク特措法」に基づき陸・海・空自合わせて延べ約8800人。そのうち自殺者は陸自1人、海自8人、空自1人。派遣と隊員の死亡との関係については、一概に言えない。退職後の精神疾患については把握していない。
 前述のNHK報道では、自殺者は28人に増えている。

   海兵隊との共同訓練

 米国では、年間約3万人の自殺者のうち帰還兵が約25%を占めているという。日本でも、安倍政権の思惑どおりに「安保法制」が成立したら、自衛隊は米軍と共に戦闘行動をすることになり、〝帰還兵の心〟の問題は自衛隊員にも降りかかってくる問題である。

チャゴス島民の帰郷を願う

 昨日の朝日新聞「世界発」に、「英領チャゴス」の記事が載っていた。
 私は、チャゴス諸島の中の「ディエゴガルシア」という島の名前をよく覚えている。湾岸戦争(91年)の頃、佐世保港の弾薬所とデ島との間を弾薬輸送船が頻繁に往復したからだ。

   英領チャゴス

 チャゴス諸島は、大小60以上の環礁や小島群からなる。16世紀にポルトガルによって発見され、1814年に英国の保護領になりモーリシャスの一部として統治。
 1965年、「英インド洋領土」に編入。翌66年、米国との防衛協力で諸島内のディエゴガルシア島を米国に50年間貸与する。島民約2千人がモーリシャスやセーシェルに移住させられた。

   ディエゴガルシア島

 ディエゴガルシア島の貸与期限が来年切れることから、元島民たちの帰還願望が高まっているという。これまでも、島民たちは英政府に対して、島での居住禁止措置は違法だとして裁判所で争ってきた。

 米国は、ミクロネシアの島々でも島民たちに同じ仕打ちを行ってきた。46年、ビキニ環礁は原水爆実験を行うために〝戦略的価値〟があるとして、島民たちを周辺の荒海の孤島に移住させた。「第五福竜丸」の被曝はよく知られているが、マーシャル諸島の島民たちは何も知らされずに大量被曝した。まるでモルモット扱いであった。
 
   4.故郷を捨てる-
   (ビキニ島を出ていく島民たち。豊崎博光氏撮影)

 私が、「ズー・セオリー(動物園理論)」という言葉と出会ったのは、パラオに行った22年前のことだ。住民たちを檻で囲って、従順ならば缶詰などを与えて慣らすという「理論」らしい。チャゴス諸島やミクロネシア諸島でも、住民たちを人間としてではなく動物並みの扱いをしてきた訳だ。

   帰島希望で挙手する元島民
   (朝日新聞4月22日付)

 一連の法廷闘争を経て、英国内外に「帰島を認めるべきだ」との世論が高まっているという。
 セーシェルに移住させられた元島民のジョゼット・ナヤさんは振り返る。「ディエゴガルシアでは島民全員が一つの家族のようだった。おなかがすいたらヤシの実を食べ、友人と歌いながら若い頃を過ごした」。娘と息子に語って聞かせた。「あなたたちのふるさとはチャゴス。いつか子や孫に、美しい島の風景を見せてあげてほしい」と。

国会での言論封殺は断じて許せない!

 朝日新聞の報道(4月18日)によると、国会での質問・発言に対して自民党が異例の修正を求めたことが問題になっているようだ。
 社民党の福島瑞穂議員が1日の参議院予算委員会で安倍首相に対して、政府が提出予定の安全保障法制を「戦争法案だ」と質問した。これに対して自民党は17日、一方的な表現だとして修正を求めたというのである。

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   (福島瑞穂議員)

 安倍首相は「レッテルを貼って、議論を矮小化していくことは断じて甘受できない」と反論したが、福島議員は重ねて「戦争ができるようになる法案だ」と指摘。自民党の堀井巌・予算委理事が福島議員と面会して、「戦争法案」とした部分を「戦争関連法案」などに修正するよう要求したが、福島議員は拒否したという。

   わが軍
    (朝日新聞3月25日付)

 福島議員は朝日新聞の取材に対して「国会議員の質問権を、こういう形で抑えこもうとするのは、きわめておかしい。表現の自由に関る」と語った。自民党が福島議員の対応に納得せず、国会質問を記録する議事録の修正を求めれば、一連の関連質疑は「未定稿」扱いとなる。
 前田幸男・東大准教授は「与党の都合の悪い意見はいやだから直せ、と言わんばかりの姿勢だ。言論の抑圧につながりかねないもので、『言論の府』である国会であってはならない」と指摘している。

   安保委質問
   (この映像は予算委員会。私の右二人目が鈴木宗男氏)

 実は、私も全く同じ目に遭ったことがある。衆議院議員になってまもなく、政治倫理や選挙制度に係る特別委員会(略称『倫選特』)で、「利権・汚職は自民党政治に付きものだ」と発言した。すると後日の理事懇談会で、与党筆頭理事の鈴木宗男氏が「自民党に対する侮辱だ。今川議員の発言の一部削除を求める」と声を荒げた。

 野党の理事たちは「国会議員の質問権を封じるのは許せない」と言って、今川発言削除に反対した。結局、自見庄三郎委員長が私に「君が了解してくれないと、私の職権で削除せざるを得なくなる」と泣きを入れてきた。私は、議員になったばかりで要領が分からず、自見委員長の説得に不本意ながら応じてしまった苦い経験がある。
それから数年後、年金問題で名を挙げた長妻昭議員が同様の目に遭い、私に問い合わせてきたことがあった。

 国会での言論封殺など断じて許してはならない。福島議員の「発言修正」問題の行方から目が離せない。
憲法解釈問題に端を発して、まさにやりたい放題の安倍政権になんとか反撃していきたいものだ。

キューバ危機から半世紀~米国・キューバ首脳会談に思う

 米国とキューバの首脳会談が実現した。アイゼンハワー米大統領とバティスタ・キューバ大統領の会談以来約60年ぶりの首脳会談となる。

  握手するラウル・カストロ議長とオバマ大統領
  (朝日新聞4月13日付)

 フィデル・カストロ(ラウル・カストロ・現議長の兄)らがバティスタ政権を倒すと、米国は国交断絶を通告し、カストロ革命政権打倒を狙って軍事介入するが失敗した(61年)。ソ連は、キューバにミサイル基地を作り準中距離ミサイル(MRMB)や中距離ミサイル(IRBM)を配備したことがきっかけとなって、米国は核戦争の臨戦態勢をとった(62年)。いわゆる世界を震撼させた「キューバ危機」である。

  サン・クリストバルに配置されたソ連のMRBM
  (キューバのサン・クリストバルニ配置されたソ連のMRBM)

 当時、中学生だった私にとって危機感をもつこともなかったが、後年、当時の映像を観て背筋が凍った覚えがある。キューバ上空を偵察飛行中の米軍機がソ連の地対空ミサイルで撃墜された。これに対抗して米海軍はソ連の潜水艦に爆雷を投下した。攻撃を受けた潜水艦では核魚雷の発射が決定されたそうだが、潜水艦隊参謀ヴァシリー・アルヒーボフの強い反対で核戦争は回避されたという。(62年10月27日)

  握手するフルシチョフ首相とケネディ大統領
  (握手するフルシチョフ首相とケネディ大統領)

 その後、フルシチョフ首相はケネディ米大統領の条件を受け入れ、キューバのミサイル基地を解体し、ケネディもキューバへの武力侵攻はしないと約束して、核戦争の危機は回避された。
 あれから半世紀の今年3月、ロシアのプーチン大統領がクリミア半島を併合する際、欧米の妨害を排除するために核兵器使用を準備していたとの報道があった。今なお核兵器への盲信から抜けきれないのが哀れですらある。

 さて、キューバは米国との国交回復を目指して、社会主義体制を維持しながら、ゆっくりとしたペースで市場経済化を図るとの見方がもっぱらだ。やっと〝カリブ海に春〟がくる。

天皇・皇后両陛下のパラオ訪問に想う

 天皇・皇后両陛下が4月8日、パラオ(ベラウ共和国)を訪問された。
目的は、ペリリュー島での熾烈な戦いなどで亡くなった日本軍兵士はもとより、すべての戦没者への慰霊とされる。
 両陛下は戦後60年にサイパンへ慰霊の訪問をされており、かねてよりパラオ訪問を希望されていたという。

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 私がパラオに行ったのは93年1月、原水禁九州ブロック調査団の事務長としてだった。九ブロ原水禁はすでに10数回にわたってパラオを訪れて、非核・独立をめざす住民組織『キッタレン』との交流を深めてきた。

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   (『キッタレン』の皆さんと)

 ミクロネシア(小さな島々の意味)の西端にあるパラオ。約200の島々からなり、人口約1万5千人、いまなお母系社会を残す美しい国である。
米国は、ミクロネシア諸島と「自由連合協定」を結んだ。しかし、パラオは米国の強大な圧力にも拘わらず、80年に「非核憲法」を制定した。
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   (調査団と会談するクニオ・ナカムラ大統領)

 ところで、私たち調査団ときさくに応じてくれた日系二世のクニオ・ナカムラ大統領は、「米国との協調は大切だが、わが国に軍隊はなく比較平和こそ尊い」と語っていた。『キッタレン』との交流はトタン屋根の小屋で行われ、相手はすべておばさんたち、夫たちはビール片手に周りから眺めているのだ。

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   (船でペリリュー島に向かう調査団)

 日本は当時、パラオに「南洋庁」を置いてミクロネシア一帯を支配下においたのだった。旧日本軍が神社まで作らせてパラオの人々に拝礼を強要した。名前も言葉も日本人同様に変えさせた。日本人は約5万人が移り住んだ。
激戦地となったペリリュー島に行き、旧日本軍の錆びついた戦車や高射砲、塹壕などを視察した。戦死者は日本兵約1万人、米兵約2千人であった。

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   (旧日本軍の戦車)

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     (慰霊碑)

 帰国後、私たちは、「大国の援助に頼らず、経済的に自立することが大切」という『キッタレン』の皆さんの切望を受け止め、国おこし〈自給自足〉政策を進める大統領との約束どおり、大量の農機具(クワ、カマ、砥石)を贈った。

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 私は、読売新聞に帰国報告を寄稿したが、最後に「頑固なまでに非核憲法を守り抜くベラウと対照的に『国際貢献』を理由に平和憲法の変質を探る日本」と書いた。
私の懸念は、22年後の今日、安倍政権の下で実現しそうな雲行きである。

懐かしい名優が揃った映画『ウエスタン』

 BSプレミアムの映画『ウエスタン』(4/7放映)は、懐かしいスター揃いだった。
ヘンリー・フォンダ、チャールズ・ブロンソン、クラウディア・カルディナーレはいずれも国際的大スターだ。すでに、フォンダとブロンソンは他界している。

    ヘンリー・フォンダ
    (ヘンリー・フォンダ)
 68年製作のイタリア・アメリカ合作映画で、監督は、超有名なセルジオ・レオーネ。黄昏の西部開拓時代を舞台とした作品で、西部劇の金字塔と高く評価されている。音楽は、おなじみのエンニオ・モリコーネ。しかし、ヘンリー・フォンダが悪役を演じたことで、アメリカではヒットしなかったらしい。

    チャールズ・ボロンソン
    (チャールズ・ブロンソン)

セルジオ・レオーネといえば、『荒野の用心棒』『夕日のガンマン』『続・夕日のガンマン』のマカロニ・ウエスタン〝ドル箱三部作〟が大ヒットした。
ヘンリー・フォンダはアメリカ人、チャールズ・ブロンソンはリトアニア移民、クラウディア・カルディナーレはイタリア人である。

    クラウディア・カルディナーレ
    (クラウディア・カルディナーレ)

ブロンソンといえば、化粧品会社マンダムのCM「男の世界」が流行したものだ。
また、クラウディア・カルディナーレは、ブリジッド・バルドー(BB) マリリン・モンロー(MM)と並んでCCとしてセクシー女優としても人気があった。
ジェーン・フォンダはヘンリー・フォンダの娘だ。

洋画や邦画は、撮影技術が発達しスピード感のある現代作より、昔の映画の方がどこが〝味〟があっていいと思うのだが・・・。

SSK「佐世保闘争」の記憶をたどる

 朝日新聞の戦後70年シリーズ「ながさき物語」の第4回で「造船不況」が取り上げてあった。
 登場するのは、SSK(現・佐世保重工業)の山川正行さん(67歳)、労働組合・連合を結成以来私の友人でもある。

  山川正行さん
  (山川正行氏)

 入社は66年、当時は景気もよくて工員は7千人超。「嫁に出すならSSKに」と言われた頃に、山川さんも結婚して自宅を新築したらしい。

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  (SSK第3ドック)

 ところが、73年秋のオイルショックでSSKは深刻な経営危機に見舞われ、合理化の嵐が吹き荒れた。78年春の希望退職募集では、想定を上回る1681人が応募した。
 窮地にたったSSKの救済に敢えて政財界が動いたのは、原子力船「むつ」の修理受け入れや米軍基地との関係だろう。

  スト入り食堂集会80年1月
  (会社食堂でスト突入の集会)

〝奥道後のドン〟坪内寿夫(来島ドック)が社長に就任すると、徹底した合理化を断行。
賃金カットや定昇・ボーナスの停止、多くのベテラン工員が各地に出向させられた。
 SSK労愛会(現・佐世保重工労組)は、ついに5回に及ぶストライキ闘争に突入し、造船重機労連も支援に立ち上がった。
 佐世保地区労や総評系の各産別労組も側面支援したものである。

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  (これは第3ドックを巡る闘いの時、組合・管理職を前に私が講演した。96年1月)

 しかし結果は、労組側が会社の三項目合理化案を呑むことで労使合意したのだった。
 この「闘い」の真相というかいわば裏面史については、当時の労愛会・反執行部派のリーダーだった光武五郎氏(故人)の著書「労働組合は死んだ」に詳しい。(私も、2年前の6月のブログで書いている)

 私は、この「闘い」を通じて光武氏ら反執行部派の皆さんと親しくなり、地区労の支援もあって同グループの田中正純氏(故人)を市会議員(社会党)に当選させたのだった。
 ストライキ終結後、地区労事務所をお礼に訪れた国竹七郎・労愛会会長(故人)は「あんな闘争はもうコリゴリです」と神妙に語っていたのをよく覚えている。

  14.5.24朝日・SSK子会社に
  (朝日新聞 14年5月24日)

 「佐世保闘争」とも称されたSSKの労使紛争に関わる想い出は尽きない。そのSSKは昨年10月、名村造船(伊万里市)の完全子会社となり工員は約750人に激減している。

西普天間住宅地区の返還と「原状回復」義務を問う

  いま沖縄の辺野古移設を巡って、政府は翁長知事を筆頭とする沖縄県民の切実な声を無視して強行姿勢が顕著だ。

 その沖縄で、米軍キャンプ瑞慶覧の西普天間住宅地区(約51㌶)が昨日、日本側に返還された。TV報道では、米軍住宅149棟が残る土中からドラム缶が発見された映像が目を引いた。

   クラーク空軍基地跡で汚染された子供
   (クラーク空軍基地跡で汚染被害を受けた母子)
 フィリピンでは、90年代初頭にピナツボ火山の噴火でスービク海軍、クラーク空軍両基地が返還された。ところが、クラーク空軍では土壌や地下水が重金属類などの有害物質で汚染されて、住民たちに甚大な被害が及んだ。だが、米国は「原状回復の義務はない」として汚染状態を放置したままフィリピンから撤退した。

 韓国でも現在、全く同様の事態となっている。例えば、釜山の米軍基地では、ベンゼンなど(油類)や鉛・カドミウム(重金属類)などの有害物質によって土壌や地下水が汚染されている。韓米の地位協定(SOFA)では「汚染治癒後に返還」として、米軍の費用負担で汚染除去義務が課せられている。
 しかし、米軍は「健康に影響が及ぶ基準以下だ」との理由で除染作業を拒否して、韓国民の怒りを買っている。

   釜山・ハヤリア基地
   (釜山・ハヤリア米軍基地)

 一方、米国内の陸・海・空軍及び海兵隊基地では90年代、約200億ドルもの費用をかけて除染作業を実施した、というレポートを読んだ記憶がある。とくに、重金属類で汚染された地下水は州境を超えて広域に及んだという。

 日本の米軍基地では、日米地位協定で「米国の原状回復義務」を定めておらず、冒頭の西普天間住宅地区では、沖縄防衛局が2~3年かけて土壌汚染対策やアスベスト除去を含む解体作業をするのだという。

   返還される住宅地区
   (返還される西普天間住宅地区)

 こんな理不尽極まるふざけた話しはないだろう。個人レベルでも、借家を出る時は「原状回復」をするのが常識だ。
 私は常々、地位協定は少なくともドイツの「ボン補足協定」並みに改めるべきだと主張してきた。ドイツでは、米軍基地に定期的に立ち入り調査を行い、独政府が不要と判断した基地はすみやかに返還すると定めている。
 立ち入り調査は不可、原状回復義務はなし、しかも駐留米兵一人当たり約1300万円もの駐留経費を日本負担――もうこれ以上、〝自虐的〟なあり方に決着をつけるべきだ。
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今川正美のブログへようこそ!

生年月日 1947年8月7日
住  所 長崎県佐世保市
学  歴 佐世保北高等学校
     卒業(66年)
     佐賀大学農学部農
     学科中退(68年)
職  歴 佐世保地区労書記
       (68年)
     佐世保地区労事務
     局長(94年)
政 治 歴 衆議院議員
     (2000年・1期
      社会民主党)