ことばの力で心も癒す~北の大地の赤ひげ・下田憲

 きょう、BS-TBSでヒポクラテスの誓い「ことばの力で心も癒す~北の大地の赤ひげ 下田憲」という番組があった。
下田憲氏は、佐世保北高の同期である。18期会の論文集に寄稿したり、佐世保合同還暦祝いで記念講演しているので、彼の存在は知っていた。

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 しかし、彼が、敢えて遥か北海道・南富良野町で病院を開いて生活しているのか、きょうの番組で知った。――2歳の時に父親を失くし、母親は再婚して二人の子どもをもうけ、家族5人の生活になった。しかし、「自分はこの世に不要な人間だ」との疎外感に悩み、遥か遠くの北海道大学(医学部)に入ったというのだ。

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 南富良野町の診療所を後継に譲り、幾寅に「けん三のことば館クリニック」を開業したのは04年。地域住民の憩いの場として建てたが、住民の希望でクリニックとして使うことになった。内科、小児科、心療内科が専門。治療方針は「悪い薬は用いません。悪い治療も選びません。体を癒すだけでなく、心の癒しもめざします」。東洋医学と西洋医学を併用し、目指すは「安上がりの医療」だ。
診療所にはいたるところに、「言葉」が掲げられている。「患者さんとの触れ合いでいただいたもの」というように患者の「心の声」なのだ。

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 毎日40人ほどの患者に無償で行っているのが鍼治療だ。「よけいな薬を使わずに済み、薬の副作用がなく、何よりも安価で良質な医療を提供できます」と話す。心の傷は薬では治せないので、カウンセリングで治す。無料だとあって全国から患者がやってくる。
在宅医療の〝走り〟ともいえる存在で、ドキュメンタリー番組でも紹介されたことがある。
 トレードマークは、白衣でなくて白い作務衣だ。休日には趣味のアコーディオン演奏で近所の老人ホームに慰問を続けている。腕前はプロ級で、重い楽器を抱えるので健康法でもあるのだという。

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 「今、とても満足している。目一杯の医療をやっているから」と話し、「患者さんが慕ってくれる。こんないい生活をして許されるのか」と思うほど幸せを感じている。
だから「自分に思い上がりがないか、問い直している」と自らを戒める。
医院のなかにある「屋根裏部屋」に一人で住んでいる。幾寅を終の棲家と決めて、体が動く限り診療を続ける覚悟だと言う。

 昨年3月、日本医師会の第2回「赤ひげ大賞」を受賞した。すごい同期生がいたものだ。本当に誇らしい!


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ボーン・上田記念国際記者賞に杉山正・朝日記者

  「ボーン・上田記念国際記者賞」に朝日新聞国際報道部の杉山正記者が選ばれた、との記事を目にした(朝日新聞2月21日付)。
 国際報道で優れた成果をあげた記者に贈られるらしい。杉山記者は、アフリカで紛争の最前線に迫り、人々の絶望、悲しみ、希望といった思いを読者に伝えてきた、とある。

   マリからニジェールに逃れてきた子供たちと杉山記者
(マリからニジェールに逃れてきた子供たちと杉山記者)

 杉山記者は語る。――ナイジェリア、南スーダン、中央アフリカ、ソマリアなど取材は20回以上だという。伝聞や間接情報に頼りきれば、本質を見誤る場合がある。自分が見たものを積み重ねていくのが、事実に近づく唯一の方法だと思う。紛争では場所を変えれば被害者と加害者が逆転することもある。そして「勝者」が善悪を決め、ストーリーを作ってしまう。取材では危ない場所は日々変わる。信頼できる最新の情報を集める。通る道、泊る部屋の位置など細かい点にも気を配った。
 今回、評価を頂いたのは紛争関連の記事だが、国内外で、書かれる側の痛みを考えながら、顔が見える記事を書き続けたいと思う。

   杉山記者が伝えたアフリカの紛争現場

 ジャーナリスト・池上彰さんは「過激派を生む土壌を減らしていくための条件づくりの大切さ。『イスラム国』の残虐行為について、危険だからと言って近づかなくては、報道されません。報道することで、存在が世界に知られ、救援や対策が取られたりするのです。悲劇の存在を伝える。それが悲劇をなくすための第一歩なのです。」と語っている。

    15.2.21朝日・アフリカを見つめる - コピー

 サハラ砂漠以南のアフリカは、豊富な地下資源を背景に経済成長を続けているが、腐敗した政府のもとで富の再配分は進まず、食糧不足や飢餓が発生する。資源を巡る争いや民族・宗教対立で紛争が絶えない。2050年には人口が約20億人になると推計されているアフリカ南部。

 人類発祥の地とされるアフリカ、これまで西欧列強が支配を思うままにし、今も豊かな資源を巡る各国の思惑が渦巻く。私と親交があり、アフリカ通で知られた松本仁一さん(元朝日新聞編集委員)にぜひお話しを伺いたいものだ。

懐かしい人たちと再会した~全国一般長崎地本30周年祝賀会

 総務省によると、パートやアルバイト、派遣社員などいわゆる「非正規社員」が初めて2千万人を超えたという。身分が不安定で差別・解雇され易いが、労働組合による支援とも無縁の人々が多い。

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   (挨拶する中嶋照次地本委員長)

 そうした中で、全国一般という労働組合は中小零細企業で働く人々が集まった労働組合だ。元々は、職域をこえて一人でも入れる労働組合として「合同労組」と名乗っていたが、1955年に全国組織として立ち上げ、60年に総評・全国一般となる。
 総評解散後、連合への加盟をめぐって分裂し、約12万人いた組合員は三分の一に激減した。その後、自治労と合併して「全国一般評議会」を名乗ることとなった。

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 長崎地本の結成は1985年、長崎合同や佐世保合同、諫早中企労、ろうきん労組、長崎造船第三労組などで構成された。
 最大約1000人いた組合員も、企業による組織攻撃や企業倒産などによって約三分の一ほどに減員した。
 主な闘争としては、3年8か月に及ぶ闘いで解雇撤回した「長崎菱光闘争」。直近では3年3か月に及んだ「ミカド観光」の闘いがある。
 私が直接闘争指導で関わった闘いは「川棚自動車学校闘争」だったが、9人の指名解雇を撤回させることができず金銭解決となった苦い経験がある。

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   (元長崎菱光闘争の仲間たち)

 昨日(2月15日)、長崎地本結成30周年・祝賀会が長崎市で開かれた。委員長は中嶋照次氏(元長崎地区労書記長)で私の古くからの友人である。来賓には、懐かしい顔がそろっていた。全国一般評議会と同九地協の各委員長、社民党の城田氏は再建したタクシー会社の社長になっていた。民主党からは国対委員長の高木議員が駆けつけた。
 とくに、県平和運動センターの坂本浩事務局長が今春の県議選に初挑戦とあって、皆さんの熱い視線を浴びていた。
 組合員を中心に約80人の参加者は、バンド演奏や交流を存分に楽しんでいた。

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   (坂本浩・県議選予定候補)

 安倍政権は、解雇や労働時間の規制緩和で一層の格差拡大を進めている。世論調査
によると、非正規労働者の殆どは「労働組合は、公務員や大手企業社員の組織」という認識だという。組織率17%という実態が示すとおり、労働組合の社会的影響力は著しく低下している。非正規労働者の組織化こそ急務である。全国一般の出番だ!

キリスト者平和の会の2.11平和集会(久留米)で講演した

 ちょうど一年ぶりに久留米で講演した。
 ちくごキリスト者平和の会(共催:日本キリスト教団筑後地区諸教会)主催による2.11筑後地区平和集会<信教の自由を守る日>であった。
 日本キリスト教会は、日本で最古のプロテスタント教会(1872年、明治5年)で、改革・長老派の教会だという。

 国は、2月11日を「建国記念の日」としているが、キリスト者平和の会は次のような位置付けをしている。――この日は、戦前には「紀元節」の祝日とされたが、全く架空の神話に過ぎない。天皇を神格化して権力を集中させるものであった。
 戦後一旦廃止されたが、1966年に「建国記念の日」として復活した。これは、民主主義や信教の自由、思想・良心の自由を脅かすもので、憲法と相容れないものである。

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   (キリスト教会のパンフレットより)

 私に与えられたテーマは「今から、平和への道をどう造るか~次の世代にどのような国を手渡しますか。『基地サセボ』から国を考える」であった。
 レジュメは、憲法九条はなぜ制定されたか、安倍政権の目指すもの、沖縄基地・原発などで組み立てた。とくに、視聴者の事前の要望が強かったのは、憲法制定に関わる天皇の違憲行為と「靖国問題」であった。
 私としては、二人の日本人が過激な武装集団「ダーイシュ」(日本のマスコミが「イスラム国」と呼称している)によって殺害された事件も取り上げた。

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 教会の集会所には72人の参加者でほぼ満員となり、私はパワーポイントを使って話しを進めた。信者ではないけれど、大学時代の先輩や同期生も来てくれた。
 講演のあと、参加者から質問や意見が相次いだけど、実に深く勉強されているのに感心した。
 また、お二人の牧師(野中宏樹さんと木村公一さん)が共同で、「原発はもう手放しましょう」というブックレットを先月出版されて、集会後販売されていた。
 
 統一自治体選挙後、国会はいわゆる「安保国会」の様相で安倍政権の暴走ぶりが一層顕著になるだろう。野党の軟弱・分散ぶりを見るにつけ、昨日の皆さん方のような地道な取り組みこそが大切だと痛感する。

「風刺画」とは何か、考えてみる

   フランスの週刊新聞「シャルリー・エブド」の風刺画が、世界中で議論を起こした。
そこで、風刺画とはそもそも何なのか、朝日新聞の記事(2月10日付)を見てみたい。

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――フランスの風刺の歴史では、教会や教皇はたびたび風刺の対象とされてきた。ただ「宗教を利用する権力者は批判するが、神やそれに次ぐ存在に風刺は向けられなかった」。「市井のイスラム教徒の気持ちを傷つけては、良い風刺とはいえない。本当の敵と戦うために、もう少し工夫が必要だったのではないか」。

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――日本の風刺にも長い歴史がある。天保期の浮世絵師・葛飾北斎の風刺画「くそ別所」。明治期の新聞「団団珍聞」は人物風刺のパイオニア。宮武外骨の「滑稽新聞」の伏せ字だらけの論説は、検閲制度を皮肉っている。「言論の自由が制限されていた時代の方が、風刺の表現は豊かだった」と楜沢健・早稲田大講師。

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――川柳は日中戦争が始まる頃にふくらむ。鶴彬は「タマ除けを産めよ殖やせよ勲章をやろう」と詠み、投獄されて亡くなった。

   ジェラール・ビヤール編集長
   (ゼラール・ビヤール「シャルリー・エブド」編集長)

――最近は、風刺を嫌がる人が増えたそうだ。ネットが風刺画の受け止め方を変えたらしい。「風刺とは、正しいとされる価値観や絶対的な権威をひっくりかえすもの」。
 あらためて、考えてみたい。

「イスラム国」が生まれた土壌を考える

 「イスラム国」による日本人二人に続いて、ヨルダン人パイロットも惨殺された。
 憎んでもあまりある残酷極まる行為だが、安倍首相のエジプトでの挑発的演説、米国など有志連合によるシリア、イラクへの空爆、日本をはじめ各国でのイスラム教徒への差別・迫害、日本のメディアの報道のあり方など、問題や課題も数多く残った。

   イスラム国の勢力範囲

 多くの識者たちが認めるとおり、ブッシュ元大統領によるイラク戦争を起点とし、その後の中東の政変とシリアの崩壊が悪逆非道の疑似国家を生み出した。
 ここでは、作家・池澤夏樹の「ムスリムとフランス社会」と題する批評(朝日新聞2月7日付)が示唆に富んでいるので、その要旨を引用してみる。

――フランスは、ライシテと呼ばれる政教分離が徹底しており、国家は宗教の影響力を排除してきた。清教徒が築いたアメリカのような宗教国家とは違う。
 フランスは、海外に植民地を作り、大戦後は安い労働力を求めて旧植民地の人々の移住を認めたが、二級国民として扱った。

   シャルリー・エブドに連帯の人々

――五百万のムスリムを社会に迎えるための努力をフランスは怠ってきた。信仰に貧困が重なると信仰は過激になる。
 シャルリー・エブドの殺戮は歴然たる犯罪である。表現の自由は民主主義の原則だからわかる。しかし、風刺というのは本来は強者に向けられるものだ。今のフランスでムスリムは弱者である。シャルリー・エブドはくりかえしムスリムをからかい続けた。
 風刺漫画にムハンマドが描かれてからかわれるのはムスリムにとっては侮辱であり精神的な苦痛なのだ。
 日本のメディアの無理解も問題。(以下、略)

   15.1.24朝日・米国など「有志連合」の対「イスラム国」作戦

   言うまでもないことだが、空爆や武力で「イスラム国」を追い詰め縮小させることはできても、それらを生み出した土壌をなくさない限り再生産されていくに違いない。暴力の連鎖だけは何としても避けなければならない。
(※「イスラム国」という呼称はやめて、過激な武装集団「ダーイシュ」に呼び換えます。)


謀略に満ちた戦争・テロと武器輸出

 先日、フェイスブックでシェアされたブログで興味深い記事があった。
例の「イスラム国」の必要な武器や物資などはトルコ経由でシリアに運び込まれている。
 また米国は、イスラエルだけでなくサウジ、クェートなどアラブ諸国に資金と武器を提供しているが、それが数種のアルカイダ系イスラム武装勢力に渡っているという。しかも、米軍はそれを知っていながら看過していたというのだ。

   ラッカ竹刀を凱旋するイスラム国兵士

 さらに、イスラム国のパキスタン人幹部が「アメリカから資金援助を受けている」と証言したと言われる。
 にわかには信じがたい謀略じみた話のようだが、過去の米国が関わった戦争を検証してみると似たような事実が浮かび上がる。

   アフガン侵攻・抵抗するムジャーヒディン
   (旧ソ連軍と戦うムジャーヒディン)

 「9.11米国同時テロ事件」の首謀者とされ、のちに米軍に殺害されたウサマ・ビン・ラーディン。ソ連がアフガンに侵攻した(79~89年)時、ムジャーヒディンと称する抵抗運動に入って仇敵・ソ連軍と戦うビン・ラーディンを米国は支援したのだった。

   ウサマ・ビン・ラーディン
   (ウサマ・ビン・ラーディン)

 また、イラク・イラン戦争(80~88年)の時、米国は独裁者フセインに武器などを提供して支援した。イランのパーレビ親米政権が「ホメイニ革命」で倒されたので、「敵の敵は味方」だという理屈であった。

   イランに侵攻したイラク軍兵士
   (イランに進撃したイラク軍兵士たち)

 結局、100万人の兵力と化学兵器を持つ中東最大の軍事国家となったイラクに対して、米国のブッシュ親子二代の大統領は湾岸戦争とイラク戦争を仕掛けてフセイン体制を打倒したのだった。

   フセイン大統領
   (フセイン・イラク大統領)

 湾岸戦争の前夜まで、米国政府はイラクの穀物輸入に関わって供与した総額50億ドルもの債務保証を、フセインは化学兵器開発や兵器調達に充てていた「イラク・ゲート」事件が発覚した。さらに、英・仏・旧西独・旧ソ連などの軍需産業にとってイラクは格好の「兵器市場」となったのである。

   ネオコン・ラムズフェルド国防長官
   (イラク戦争を指揮した・ネオコンのラムズフェルド国防長官)

 ところで、安倍政権は「積極的平和主義」を唱えて「武器輸出三原則」を廃止し「防衛装備三原則」という看板で「武器輸出大国」を目指している。
 イスラエルには、米国経由で最新鋭のF35戦闘機を輸出する。日本が「防衛装備」で軍事協力を深めるイスラエルとフランスは、兵器輸出によって中国の「軍事大国化」に手を貸し、その脅威を増大させている。
 中国の脅威を背景に、韓国・ベトナム・マレーシア・シンガポールなどアジア諸国で軍備増強が続いている。まさしく、留めのない新たな軍拡競争である。

   武器展示会で武田防衛副大臣

 武器輸出と空爆・戦争で、アフガン・イラクはかえって混乱が深まり、数十万人の民衆がその犠牲となった。そして、今回の「イスラム国」という残酷な化け物を生み出したという訳だ。

   イラク・空爆に逃げ惑う子ども
   (米英の空爆に逃げ惑う子どもたち)

 この際、イラク戦争をしっかり検証・総括し「武器輸出三原則」をもとに戻して、「武力によらない平和構築」にじっくり取り組むべきだ。
 いまや、国家間の戦争などありえず、無人機・ロボット・サイバー戦の時代と言われる。「集団的自衛権」を振りかざすような古典的戦争観は、全く無意味である。

 真の脅威はいまや、気候変動と地球環境の変動、F2.5などの大気汚染、鳥インフルエンザなどの感染症などなど、世界規模で迫っている。これらこそ、国際協調に基づく積極的な取り組みが求められているのではないだろうか。
(※「イスラム国」という呼称は日本のマスコミだけが使っており、米国や仏政府などは過激な武装集団「ダーイシュ」と呼び、日本の外務省や自民党も「ISIL」と呼び換えています。従ってここでも「ダーイシュ」と呼び換えます。)
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今川正美のブログへようこそ!

生年月日 1947年8月7日
住  所 長崎県佐世保市
学  歴 佐世保北高等学校
     卒業(66年)
     佐賀大学農学部農
     学科中退(68年)
職  歴 佐世保地区労書記
       (68年)
     佐世保地区労事務
     局長(94年)
政 治 歴 衆議院議員
     (2000年・1期
      社会民主党)