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寺島実郎の原発論

 きょう、「原発再稼働は断じて許せない」と題して書いたが、補論的に書いておきたい。他でもない寺島実郎氏の「原発論」についてである。
 故・加藤周一に次ぐ『知の巨人』と評する人もいるほど、その知識と教養の広さは群を抜いている。私も、日米同盟論や世界の読み方などは寺島氏の俯瞰的見方を大いに参考にしている。

         014[1]
          (関口宏のサンデーモーニング)

 しかし、原発については寺島実郎らしからぬ論を展開しており、到底同意できない。月刊「世界」7月号の能力のレッスン(特別篇)が分かり易い。大要次のような論理展開である。

――都知事選における細川=小泉連合が惨敗したのは、脱原発に向けて米国と向き合う気迫も覚悟もない〝虚弱なリベラル〟であったからだと。リベラルの虚弱さは、ともするとキレイゴトの言葉に酔いしれ政策科学的構想力に欠けることに由来する。

――07年、東芝がウェスティングハウスを買収、日立とGEが合弁事業を設立、三菱重工は仏アレバ社と合弁会社を設立するなど、「日本産業が世界の原子力産業の中核主体になった」。
脱原発を本気で目指すならば、「日米原子力共同体をどうするのか」に明確な政策を示すべきである。私は原発推進派ではない。こだわるのは「原子力の技術基盤の維持と深化である」。技術と人材を失ったならば、国際社会に貢献も発言もできなくなる。
 第一世代の福島原発とは違い、すでに第三世代の安全性能が根底から異なる原発、さらにはトリウム原発や小型原発の開発の段階を迎えつつある。

         14.1.11朝日・核燃とプルトニウム

――日米協力で核の廃絶と原子力平和利用での安全性の進化に向けて世界をリードすべきである。
 危険を内在させるとしても近代とは科学技術とデモクラシーを両輪とする挑戦であり、怖れ萎縮してはならないと思う。現在は制御不能でもイカロスのごとき失敗を積み上げても、科学的挑戦は人類の未来にとって必要である。

         独・地下貯蔵施設
          (ドイツの核廃棄物地下貯蔵施設)
 「核廃棄物の最終処理のシステムが確立していない限り原発稼働は不条理」という考えは〝局地的真理〟だと言い、「原発は等身大の技術ではなく制御不能で非倫理的」というのは政策科学の議論ではない芸能・文化人らのメッセージにすぎないと言うのである。
 結局のところ、〝巧みな〟原発維持・進化論ではないか!彼のバックが三井資本であることからくる「限界」なのであろうか。残念なことである。
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原発の再稼働は断じて許されない!

 福島第一原発の大惨事から3年余、現在、日本の原発54基はすべて停止している。
ところが、原子力規制委員会は16日、九電の川内原発1、2号機について新規制基準を満たすとの審査報告書を出し、10月にも再稼働する見込みとなった。

       14.7.17朝日・10月川内再稼働
        (朝日新聞 7月17日付)

 安倍首相や自民党幹部らは「規制委が世界で一番厳しい基準で安全と判断すれば、再稼働していきたい」と繰り返してきた。
 しかし、勝田忠広・明大准教授は「新規制基準は世界最高水準のものではない。原発の既存の設計に安全対策を追加させただけで、最低限の安全性に関する要求事項にすぎない。」と厳しく指摘する。

       13.7.9朝日・新規制基準
         (朝日新聞 13年7月9日付)

 例えば、川内原発で注目された「火山噴火対策」について、火山学者が疑問を投げかけるなか、「手探りの火山監視で対応できる」という九電の主張を追認したと言われる。
 また、「新基準では事故は起きうるという前提」(田中俊一・規制委員長)なのに、肝心の避難対策について現実的な計画が描けておらず、地元自治体に丸投げだ。

 さらに、福島第一原発の吉田昌郎所長(故人)の証言「吉田調書」によると、原子炉崩壊が予測された折、所員の9割が命令に反して別の原発に一時退避したという。
 ところが、田中俊一・規制委員長は「調書」の存在自体知らなかったというから驚きだ。
 政府は、こうした事故調査委員会の資料をすべて公開し、『福島の教訓』を国民的に共有すべきではないのか。

        規制委員会のメンバー

 先の国会では、規制委員会の委員(5人)に係る政府人事案が承認された。交代するのは、9月で任期が切れる2人で、特に島崎邦彦・委員長代理は原発の審査が厳しいとの政財界の不満があった。その後任には元日本原子力学会長の田中知・東大教授で、業界団体「日本原子力産業協会」の理事を務めており(10~12年)、独立性・中立性が求められる規制委のルールに反すると野党は反対した。

         福島第一での命令違反の経緯

 朝日新聞は「原発利権を追う」を連載している。特に、九電の存在感は他電力をしのいでいるという。九州経済連合会も歴代首脳が牛耳り、政治資金の提供や選挙支援など寄付を行い、政治家や自治体に影響力を及ぼしている。九州全域から集めた莫大な電気料金が、一部幹部の判断で恣意的に使われているのだ。「再稼働に走る前に、利権構造を透明化するのが先決だ」と、野口陽記者は指摘している。

        審査中の原発

 いずれにしても、福島第一原発の原子炉の損壊状況や事故原因もいまだに究明できず、汚染水対策や汚染土処理もままならない。さらに、〝核のゴミ〟の最終処分場もまったく未定のままだ。仮設住宅で不自由な生活を強いられ故郷に戻れない被災者は19万人以上にのぼる。
 いかなる理由があるにせよ、こうした深刻な状況を放置したまま再稼働に走るのは断じて許されない!
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今川正美のブログへようこそ!

生年月日 1947年8月7日
住  所 長崎県佐世保市
学  歴 佐世保北高等学校
     卒業(66年)
     佐賀大学農学部農
     学科中退(68年)
職  歴 佐世保地区労書記
       (68年)
     佐世保地区労事務
     局長(94年)
政 治 歴 衆議院議員
     (2000年・1期
      社会民主党)