地方自治体の首長も懸念する「集団的自衛権の行使」

 今朝の朝日新聞一面で「『集団的自衛権』大筋合意」との記事が載った。
国民を埒外において延々と続いた与党による密室協議。反対する多くの国民が一縷の望みをかけた公明党であったが、「政権離脱はあり得ない」という前提での協議だから、こうした結論に至るのは見えていた。自民・政府にすれば、合意して閣議決定(7/1予定)に持ち込めばあとは何とでもなるということだろう。

         武力行使・新3要件
          (朝日新聞 6月25日付)

 ところで、この問題に関する全国の主な首長の意見にも、反対や慎重意見が少なくない。なかでも、人口5,100人余りの長野県中川村の曽我逸郎村長(58歳)は村の戦没者・戦争犠牲者追悼式(6/6)での挨拶には胸をうたれた。「かつてのように村儀をすべきだという声があがるでしょう。村長は弔辞で自己犠牲をたたえ、お母さんは悲しみを押し殺して感謝のあいさつをする。私はそんな村儀は絶対にやりたくありません」。

    主な首長の意見
     (朝日新聞 6月25日付)

また、元防衛官僚で新潟県加茂市長の小池清彦さんは、「集団的自衛権の行使にひとたび道を開いたら、拡大を防ぐ手立てを失うことを自覚すべきです。日本に海外派兵を求める米国の声は次第にエスカレートし、近い将来、日本人が血を流す時代が来ます。自衛隊の志願者は激減しますから、徴兵制を敷かざるを得ないでしょう」と語る。

        小池清彦・加茂市長
         (朝日新聞 6月25日付)

 また、元陸将でカンボジアPKO施設大隊長の渡辺隆さんは指摘する。「私が勤務した陸自で言うと、装備も編成も全体のシステムも『敵の着上陸侵攻への対処』を前提にしている。急に『集団的自衛権の行使が認められた』と言われても、現場は明日から対応するというわけにはいかない」。
「『必要最小限だ』と言われても、いざ戦闘になったら、戦場では持てる力を最大限に使って戦うだけです。『個別的』だろうが『集団的』だろうが、戦いに違いはありません」。「今回の集団的自衛権に関して国会の議論の過程がどうも見えてきません。現場の隊員にすれば、そこが不安に思う一つではないでしょうか」。
 
        渡辺隆・元陸将
         (朝日新聞 6月25日付)

有事(戦争)に係って制定された「国民保護法」では、国が地方公共団体の協力を強く求めている。ここで紹介したように、集団的自衛権に関して自治体の首長が大きな懸念と疑義を抱いている現状で、安倍首相が唱える「積極的平和主義」など果たせるはずもなかろう。
       14.6.21朝日・公明党たじたじ
          (朝日新聞 6月21日付)
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非武装中立のオーランド諸島がすばらしい

 「強い自治と非武装中立が、島を豊かにした」――バルト海に浮かぶオーランド諸島のことである。朝日新聞の記事(14年3月14日付)より紹介すると――

         14.3.14朝日・オーランド諸島
          (朝日新聞 14年31月4日付)

 スウェーデンに統治されてきたオーランド諸島は1809年、ロシアに征服されてその支配下にあったフィンランドの一部となる。
 ところが、1917年にロシア革命が起こって島民の間にスウェーデン復帰の運動が高まる。フィンランドとスウェーデンの関係が極度に悪化する中、国際連盟は21年、➀主権はフィンランドに帰属➁島の自治を保障➂スウェーデンの意向に沿って非武装中立化、との裁定を下す。
 
 当時、国際連盟の事務次長だった新渡戸稲造は「将来、諸国間の友好関係を妨げる類似の問題が生じた場合、その処置の先例を確立することになる」と語った。

 オーランドには22年、議会と自治政府が発足。教育・医療・郵便から警察まで、国家並みの強い権限を持つ。
 「隣国との係争をどう解決すべきか」のヒントを求めて、各国から政治家・官僚・学者らの視察が絶えない。

 フィンランド政府と自治政府は92年、平和研究所を設立。係争地の若者の交流キャンプを開いたり、クリミア半島に研究員を派遣して、領土紛争の解決策を探ってきた。
 06年には、日ロの研究者らが北方領土問題に関する会議を島で開催。米軍基地が集中する沖縄の自治のあり方を探るセミナーも開かれた。

            コスタリカ

 〝非武装の国〟と言えば中米のコスタリカが有名だ。19世紀半ばにスペインから独立。1949年に常備軍を廃止して以降、軍事クーデターは起こっていない。ただし、非常時の徴兵制を定め、隣国ニカラグアの3倍の予算をもつ警察組織(約8千人)を英国などは「準軍隊」と位置付けている。また、99年からは米軍が駐留しているが、別途論じてみたいと思う。

               アリアス大統領
           (中米の紛争解決に貢献してノーベル平和賞を受賞したアリアス大統領)

 いずれにせよ、「非武装」の裏付けとなるのは、徹底した紛争防止と平和外交である。ところが、安倍政権は紛争の原因を除去するのではなく、いたずらに隣国との緊張を助長して「武力行使」に道を開こうとしている。もう少し過去の歴史を教訓として、非武装国家や自治政府に学んでみたら如何だろう。

「集団的自衛権」閣議決定へ最終調整~公明党の裏切り

 「積極的平和」とは、ノルウェーの平和学者ヨハン・ガルトゥングによると、戦争という直接的な暴力がない状態を「消極的平和」と呼び、貧困や差別なども取り除いた状態を「積極的平和」と定義した。かつて、南アフリカのマンデラ大統領も同じようなことを言っていた。

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 ところが、安倍首相の唱える「積極的平和主義」ではまったく逆の意味となる。PKOへの派遣にとどまらず国連の集団安全保障の活動、実質的には多国籍軍にも参加して武力行使できるようにすると言うのだ。
 「武器輸出の解禁」を「防衛装備移転」と言い換える。「後方」支援という言葉で戦場の危険を覆い隠す。集団的自衛権を「限定的」に使うという語義矛盾。自衛権発動の条件を国の存立や国民の生命・権利が脅かされる「おそれ」があるとして、無制限の拡大運用。

       14.6.15新3要件案

 「集団的自衛権」をめぐる自公協議では、政府が「15事例」を示してきたが、多くの専門家から失笑を買った。
 例えば、「騙されてはダメです。事例はあまりに非現実的です」(柳沢協二・元官房副長官補)。「この事例があるとしても、個別的自衛権の話しであって集団的自衛権とは何ら無関係です」(小林節・慶応大名誉教授)。「米国が核攻撃された際の米艦防護など噴飯もの。オマーン湾には多くのパイプラインが敷設され、ホルムズ海峡封鎖の意味はない」(前田哲男・軍事評論家)。「多国への攻撃が国民の生命・権利を根底から覆すなど想像できない。安倍さんは戦後体制の破壊・脱却を図りたいという不純な動機です」(杉田敦・法政大教授)。

       事例の役割終えた
        (朝日新聞 6月18日付)

 さて、肝心の「集団的自衛権」行使について、自公協議は「事例」をめぐる議論を離れ、閣議決定案の文言調整に焦点は移ったようだ。
公明党の北側一雄副代表ら幹部は「『事例』は議論のための小道具に過ぎない。役割はもう終わった」と言い切った。結局、公明党は「政策の相違で政権離脱はありえない」と門を閉ざした上で、憲法解釈変更の閣議決定を先送りするだけのことだったのだ。
 
        14.6.18朝日・速攻

 社民党など野党や反対する市民団体は、公明党に一縷の望みをかけていたのだが、見事に裏切られてしまったわけだ。
もちろん闘いが終わったわけでは決してない。政府・自民党は、秋の臨時国会で「国家安全保障基本法案」提出をはじめ、自衛隊法や周辺事態法などの関連法の改正へと向かう「第二ラウンド」が予定されている。
この間、国民の中には〝戦争できる国〟への大転換に対する不安や疑念は大きく広がってきている。私たちは、安倍政権の綻びを見逃すことなく、追撃の準備をしなければならないと思う。

自衛隊は、武装パレードを止めて60年前の『原点』に立ち返れ!

 防衛庁が設置され、自衛隊が創設されて今年で60年、人間でいう『還暦』である。

 きょうの午前中、四カ町アーケードで自衛隊の武装パレードが行われた。端緒は陸自・普通科連隊(通称:西普連)が創設された02年からほぼ毎年西普連単独で行われてきたが、今回は海自や教育隊も加わった規模倍増の合同軍事パレードとなった。

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 地区労・社民党や共産党などは毎年、陸自(相浦駐屯地)にパレード中止を申し入れているが、陸自は「自衛隊のありのままの姿を市民に見てほしい」と言って、とり合おうとしない。
 
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 この日、島瀬公園では海自音楽隊が市民アピールのための演奏会を開いた。アーケードでは、パレード反対の横断幕を掲げた地区労・社民党や共産党、市民団体などが集会を開いて、市民にパレード反対の理由や「集団的自衛権」行使反対などを訴えている。相対してのぼりと日の丸の小旗を持った自衛隊父兄会が並んでいる。

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 旧親和銀行前には閲兵台を模した台座を作って、経済人や政治家らがパレードを待ち受けている。やがて、「軍艦マーチ」とともに抗議のシュプレヒコールを浴びながら各部隊が行進してきた。(「軍艦マーチ」だなんて古すぎて、今はパチンコ店でも流れていない)

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 私は、行進する若い隊員らをデジカメで撮りながら、いじめによる自殺のことや、「専守防衛」をかなぐり捨てて海外の戦争に駆り出されるであろう自衛官の心中を察してみた。

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      (西普連のレンジャー部隊)

 「集団的自衛権」行使の問題は、どうやら政府・自民党が公明党の足元を見透かして「限定容認」の化粧を施し、国会閉会後に「閣議決定」というシナリオで進んでいるようだ。

 吉田茂首相は、自衛隊創設間もない頃、防大1期生にこう語ったという。「自衛隊が国民から歓迎され、ちやほやされる事態とは外国から攻撃されて国家存亡の危機にある時とか、災害派遣の時とか、国民が困窮しているときだけなのだ。言葉を換えれば君たちが日陰者であるときのほうが、国民や日本は幸せなのだ。忍び耐えてもらいたい」
 
 すべての自衛官は、気まぐれな政治家らの言動に惑わされることなく、今こそ60年前の「原点」と吉田茂首相の言葉をかみしめてみるときではないのか。

問題だらけのリニア新幹線

 東北新幹線や長崎新幹線など新幹線の無駄について書いた覚えがあるが、リニア新幹線は輪をかけて問題山積である。

         リニア新幹線
          (試運転中のリニア新幹線)

 最高時速505キロ、東京から山梨、長野などを通って名古屋まで全長286キロのうち、トンネルが86%を占める。2027年開業予定で、品川ー名古屋を40分で結ぶ。事業費は5兆4千億円に上る。
 5日に提出された環境大臣意見について、朝日新聞(6/12付)の記事より問題点を拾い出してみる。

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      (朝日新聞 14年6月12日付)

 トンネルを掘って出る残土は、東京ドーム約50杯分の5680万立方メートルに上り、殆どの処分先があげられていない。
次に、地下水。排水が必要だが、水源や湿地などに不可逆的な影響を与える可能性が高い。
 工事に伴う生態系への影響も大きい。リニアの工事は十数年の長期間に及び、現時点で予測できない変化が起こる可能性もある。さらに、磁界(電磁波)の影響もあるはずだが、環境省は「所掌ではない」と逃げている。

      13.9.19朝日・リニア険しき道
       (朝日新聞 13年9月19日付)

 環境アセスは、開発する際に、事業者自身が環境へ与える影響を事前に調査・予測して対策をすすめる手続きだ。しかし、日本では産業界や事業を所管する省庁からの反対が強く、国が法制化したのは97年である。

          建設中の北陸新幹線の高架橋
           (建設中の北陸新幹線)

 ちなみに、長崎新幹線の総工費(武雄温泉ー長崎)は約3700億円で、在来特急に比べて短縮時間はせいぜい26分である。また、博多ー鹿児島間の全線開通により、鹿児島の旅館業界は「日帰り客が増えて、閑古鳥だ」と泣いていたものだ。
 北陸新幹線では「談合事件」が摘発された。いずれも、〝地域浮揚・経済活性化〟をうたい文句に誘致するのだが・・・
     〝狭い日本 そんなに急いで どこへ行く〟

EUの行方が気になる

  第一次世界大戦から100年。2度の大戦を教訓に、独・仏による鉄鋼・石炭の共同管理に始まって、欧州各国はECからEUへと統合を進めてきた。EUは、議会(立法)・委員会(行政)・司法裁判所を持ち、欧州銀行と共通通貨「ユーロ」を有する。加盟国は現在28か国である。
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 ところが、5月25日、欧州議会選挙で低投票率の下「反統合」「反ユーロ」を訴える政党が躍進した。全751議席の約3割近い議席を得た。長引く不況と失業、福祉削減、緊縮財政を各国に課すEUへの風当りは強い。また、反EU派の多くは、雇用を奪い福祉を食い物にしているとして、移民の排斥を訴えている。
 ウクライナの政変では、ロシア寄りのヤヌコビッチ前大統領が、EU入りの「連合協定」を破棄して市民の抗議行動が起点となったのだから、皮肉なことだ。

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 私が一貫してEUの成り行きに着目してきたのは、「国境」という垣根をなくし「共通の安全保障」を確立したEUは「世界連邦」の萌芽「地域版」と見るからである。
 逆に、国家主義を標榜する人たちはこぞってEUを非難したがる。国家の主権と尊厳が損なわれるという訳だ。

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 しかし、移民や難民を排斥し、国境を超えた存在をスケープゴートとして排除すれば、問題が解決するわけではない。大衆迎合的な人気取り政治の結果が、2度の大戦を招いたという事実を忘れてはならない。

 日本も他人事では済まない。小泉流・劇場型政治から安倍流・脅威扇動型政治へと劣化は進むばかりだ。中国や韓国など近隣国との緊張を和らげ、冷静な対話でお互いの信頼関係を取りもどすためには、軍事ではなく外交の出番である。

県北平和センター青女協の学習会で講演

 きょうは、私が佐世保地区労に入局した「就職記念日」だ。社会人になっての初出勤は、長崎県庁の玄関前で開かれた「原潜寄港抗議集会」への参加だった。翌年から「6.1闘争」と称する九州ブロックの青年労働者による行動が毎年繰り広げられた。

       松浦鉄道全駅の水彩画集[1]

 ところで、一昨日は、県北平和センター青女協の学習会に招かれて講演した。病気をしたこともあって、4年ぶりの講演となった。会場は田平町活性化センターで、久しぶりに松浦鉄道(MR)に乗って約1時間半のゆったり旅を楽しんだ。
 松浦鉄道は、JR松浦線を引き継いだ第三セクター運営で、57駅がある。これらの駅の風景を木下央子さんが水彩画で描かれたことは、先日のブログで紹介した。

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 たびら平戸口駅で降りると、「日本最西端の駅」という碑が建っており、正面には大きなカマキリの模型が飾ってある。田平町は「昆虫の里」で有名だ。

 さて、学習会に参加した皆さんは30数人。新聞やTVニュースはあまり見ない、知りたいことはスマホで見るという世代だ。言葉の意味が分かるか、硬いテーマの話しをちゃんと聞いてくれるか、不安を抱きながら講演では初めてパワーポイントを使った。内容は、①基地サセボと日米安保の歴史②憲法九条はなぜ制定されたか③安倍政権の目指すもの(補)軍事オンブズマン制度。

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 案の定というべきか、与えられた時間内(60分)に話しは収まらず、尻切れトンボ気味となった。前半の①に時間を使いすぎたので、肝心の③集団的自衛権などについて詳しく解説する余裕がなかった。
 講演自体は、地区労時代から県内はもとより九州各地で相当こなしており、「分かり易い。面白い」という評価を頂いていた。しかし、パワーポイントを使ったら、話しにスムーズな流れがなくなり、面白味に欠けてしまった。
 
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           (サムソンホテル)

 翌日は、早朝からホテル内の温泉に浸かり、眼下の海の眺めと対岸の平戸島の風景を楽しんだ。
次は、今月下旬と7月上旬、福岡と久留米での講演が予定されている。より分かり易く、与えられた時間内にきちんと収まるように工夫したいと思う。


 
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今川正美のブログへようこそ!

生年月日 1947年8月7日
住  所 長崎県佐世保市
学  歴 佐世保北高等学校
     卒業(66年)
     佐賀大学農学部農
     学科中退(68年)
職  歴 佐世保地区労書記
       (68年)
     佐世保地区労事務
     局長(94年)
政 治 歴 衆議院議員
     (2000年・1期
      社会民主党)