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あまりに杜撰な「イージスアショア」配備計画は止めるべきだ

 あまりにも杜撰きわまる「イージスアショア」(陸上配備型迎撃ミサイルシステム)の配備計画だ。
 防衛省は新屋演習場(秋田市)とむつみ演習場(山口県萩市)を配備候補地として、準備を進めたが、いくつかの問題が噴出して振り出しに戻った。

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  (イージスアショア)

 政府がイージスアショアの導入を決めたのは、北朝鮮による弾道ミサイルの発射が続くさなかの2017年12月。2基2404億円で米ロッキードマーチン社製を導入する。
 イージスアショアにはレーダーのほかイージスシステムが不可欠で、巨額のカネが米政府に転がり込む仕組みになっている。
 しかも、イージスシステムは価格、納期を米政府の都合で決める対外有償軍事援助(FMS)の枠組みで導入する。

  イージス秋田配備を巡る防衛省の検討結果19.6.18朝日
  (イージスアショア秋田配備を巡る防衛省の検討結果 19.6.18朝日新聞)

 配備先は、陸上自衛隊新屋演習場(秋田市)が東日本で唯一の適地だとした防衛省の報告書のデータに、複数の誤りが見つかった(秋田魁新報の指摘で発覚)。
 問題の報告書では、新屋演習場を含め、青森、秋田、山形の計20カ所で検討。平坦で面積1平方㌔メートル以上▽日本海側▽レーダーの障害物がない▽電力・水道・道路などのインフラ環境が存在▽住宅地などから700㍍離れているか、津波の影響――などの条件を検討し、新屋演習場以外のいずれの代替地も「不適」と評価していた。
 ところが、「不適」とした場所の近くにある山の高さに誤りがあったうえ、津波対策の必要性も認める事態に発展。「新屋ありき」の実態が露わになった。

  イージス配備計画と報告書の誤りの事例19.6.11朝日
  (イージス配備計画と報告書の誤りの事例 19.6.11朝日新聞)

 住民は、電磁波の影響、迎撃ミサイルのブースター落下の危険、有事の際に敵ミサイルの標的になる、との心配が絶えない。
 また、住民説明会で防衛省の職員が居眠りしていたことが、住民の不信を買った。

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 維持費などを含めて少なくとも4千億円以上という巨額の経費。搭載レーダーの開発が遅れ、性能確認や設置作業を含めると、運用は早くても25年度にずれ込む見通しだ。
 断続的に進む米朝会談の行方次第では、「イージスアショア」はまさしく〝無用の長物〟となるだろう。

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瀬戸際の防衛産業~武器開発&輸出を見直せ!

  先月、「瀬戸際の防衛産業」という連載記事が載っていた。(朝日新聞 3/22・3/23)
 およそ10年ほど前に朝雲新聞が連載記事を組み、防衛関連の中小企業が相次いで撤退しており防衛省が危機感を抱いている、との内容を載せていたのを覚えている。
  三菱や川崎重工業のような大企業と違って、中小企業は防衛産業だけでは経営が成り立たないというのだ。
 
  戦闘機開発の日英会議が開かれた在日英大使館
  (戦闘機開発の日英会議が開かれた在日英大使館)

  朝日記事の要旨はこうだ。
――日本政府が30年代に開発をめざす次世代戦闘機開発へ、米国・欧州勢が参画を狙って売り込んでいる。実現すれば兆円単位のビッグビジネスになる。
 冷戦終結や金融危機を受け、自国の防衛費削減に見舞われた欧米の防衛関連企業は、日本など海外市場への売り込みを強めてきた。
――日本の防衛予算における装備品購入などの物件費に占める割合は、11年度の7.4%から、19年度には27.6%に達する。米政府からの調達(FMS)はこの間、16倍に急増した。
 欧米大手の防衛部門の売上高は1社で年2兆~4兆円なのに対し、日本勢は数千億~数百億円。開発の資金力で大きな差がある。

  対外有償軍事援助(FMS)が急増

――日本では長年、三菱は戦闘機、川重は輸送機とすみ分けてきたが、「護送船団方式」は高コスト体質につながった。国産のC2輸送機の価格は、米国のF35戦闘機の2倍にのぼる。
 防衛大手10社は、次世代戦闘機の開発に特化した新会社を共同出資で設立する検討を進める。
 日本の防衛産業の市場規模は約1.8兆円、欧米のぼうえい大手1社の売上高にも満たない。国内では事業の継続を断念する企業も出ていた。
――昨年末の「中期防」には、国内防衛産業の「再編や統合」の必要性が明記された。
 米国では冷戦後、国防総省が防衛大手15社の「再編・統合」を促し、業界再編が一気に進んだ。欧米でも国境をまたいだ「再編・統合」が加速した。
――国内各社は長年、「武器輸出三原則」や「防衛費・GDP比1%以内」という制約を課されてきた。だが、政府は14年、「武器輸出三原則」を緩和して武器輸出に道を開いた。
しかし、企業間には「輸出基準が不明確」「武器商人と言われたくない」との声があり、
「防衛部門は利益率が低い」「欧米のような再編が必要だ」との声も強い。 (以上)

  兵器輸出を巡る米ロと各国の関係(18.9.7)

  余談になるが、防衛装備を巡っては、ずいぶん以前から〝利権〟が渦巻いてきた。
 記憶にあるのは、07年の防衛省汚職事件である。秋山直紀(「日米平和・文化交流協会」の専務理事)と守屋武昌・防衛事務次官(いずれも当時)が東京地検特捜部に逮捕された。
  秋山は米兵器産業と日本政界の仲介者の役割を担い、「防衛利権の黒幕」などと称された。
  自衛隊の装備(兵器)調達については長年防衛施設庁が担ってきたが07年に廃止され、15年に「防衛装備庁」が発足して開発・取得・輸出を一元的に担うことになった。
  だが、利権の構造はかえって深まったのではないだろうか。

三菱などが開発した戦闘機X2

  防衛産業や武器輸出のあり方について、抜本的な見直しが不可欠だと思う。
   (※先般の戦闘機F35の墜落に関しては、別途書いてみたい)

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「水陸機動団」関連施設の新設・拡充は許せない!

 「水陸機動団」の関連施設工事(崎辺西地区)の進捗状況を数回にわたって視察に行った。

 今回は、佐世保市役所で防衛関連予算予算の説明会があり、水陸機動団関連で約4億6千万円が計上された、との記事が載っていた(朝日新聞 2019年1月18日付)。
 同記事によると、水陸機動団の崎辺分屯地(仮称、約13.4㌶)が今年3月末までに開設予定とのこと。

  正面ゲート
  (正面ゲート)

 さっそく、同地区に視察に行った。前回に比べてすでに出入口ゲートが出来ており、管理している自衛隊員に写真撮影を申し入れた。(前回は、建設会社の社員と撮影を巡って言い争った。後日、同行していた元報道関係M氏が九州防衛局と掛け合って、敷地外からOKとなった)。

 すでに、隊舎や管理棟、体育館などは完成して昨年末に陸自に引き渡されて、今年3月末までに開設予定だ。
崎辺分屯地は昨年3月末に開設予定だったが、住民説明会の調整や埋め立て地の海水除去などで着工が遅れた経緯がある。
分屯地には、水陸両用車を運用する戦闘上陸大隊など隊員約160人が相浦駐屯地から移ってくる。

  管理棟隊舎
  (管理棟・隊舎)

 新年度には、水陸両用車の模擬訓練ができるシミュレーター施設の調査や工事、水陸両用車が海面に出入りする斜面(スベリ)の設計などを行う。
相浦駐屯地では、水中訓練をつくる調査を行う、としている。

  体育館(緑色の屋根)
  (体育館・緑色の屋根)

一方、防衛省は、崎辺地区東側(約12万9千平方㍍)に、岸壁・桟橋や弾薬一時保管庫5棟、弾薬整備場、管理棟などが、2028年度頃までに整備する計画だ。
ただし、同地区は米軍に提供されており、日米合同委員会で返還合意されたが、消防訓練施設の米軍・赤崎貯油所への移設が条件となっている(同地区の水陸両用艇LCACはすでに西海市に移駐している)。

  正面ゲートの左側
  (左側奥が返還予定の米軍管理施設)

いずれにしても、佐世保の「水陸機動団」と米軍揚陸艦部隊、佐賀の陸自オスプレイ配備、馬毛島に訓練施設、主な施設の管理と費用負担は日本政府、米軍は自衛隊との共同使用。これに在沖海兵隊の佐世保移転が実現すれば、米軍にとっては願ってもない状況が生まれる。
こんな手前勝手で〝前時代的〟な配備、計画を許すわけにはいかない。
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「防衛計画の大綱」改定と空母保有に反対する

 「防衛計画の大綱」が5年ぶりに改定される。報道では、自衛隊が「本格的空母」の導入が「専守防衛」原則に反すると問題にしている(読売を除く)。

 海上自衛隊にとって、空母保有は長年の悲願だ。しかし、歴代内閣は憲法9条の下、自衛のための必要最小限度の範囲を超える攻撃型空母は保有できないという見解を踏襲してきた。
 一方で、歴代の内閣法制局長官や防衛庁長官は、「保有しうる種類の空母はある。例えば、ヘリコプター搭載空母や垂直離着陸機搭載空母は、対潜水艦水上艦艇の一種と考えられ、保有できる」と繰り返し表明している。
 
   18.11.13朝日・防衛大綱の変遷

 実際、空母の実験艦ともいえる新型輸送艦が1993年度予算に盛り込まれた。
 私の旧知の故・佐々木芳隆氏(朝日新聞編集委員)がAERA誌(1993.4.13)で次のように問題にした。
――1993年度予算には、総額が5年間で503億円という戦車揚陸艦(基準排水量8900㌧型LST)の建造費用が盛り込まれている。90式戦車を運べるLCAC2隻を装備する。
 これまでの輸送艦は最大でも2000㌧。新型艦が完成すれば、大きさも性能も飛躍的に向上する。イギリスのジェーン海軍年鑑(92~93年版)は、「巨大な飛行甲板と艦尾ドックをもつイタリア海軍の強襲揚陸艦(LPD)に似たデザイン。明らかに複数のシーハリア―(垂直離着陸戦闘機)を運用することを想定しており、おそらくは空母建造に向かう中間的な一歩だろう」と論評している。
 こうした種類の空母建造では、大型ヘリや垂直離着陸機の重さや、エンジンから噴射される高熱・高圧の噴気に耐えられる強度・材質の飛行甲板など、技術の壁を乗り越えなければならない。
 海自制服組にとって、新型艦の建造と運用は技術上の困難を克服する実験の場と映るかもしれない。
 米国防総省や日本政府内で慎重論もあったが、それを振り払ったのは、国連PKO派遣という「国際貢献」の大義名分だった。

   「いずも」型護衛艦の問題点

 この新型艦は「おおすみ」という艦名で1998年に就役(満載排水量14000㌧)し、3隻が建造された。
 その後、ヘリコプター搭載護衛艦との呼称で、「ひゅうが」型(満載排水量19000㌧。2009年就役)、「いずも」型(満載排水量26000㌧。2015年就役)という具合に大型化している。

 今回導入されるのは「いずも」型護衛艦を改修して、垂直離着陸できる米国製の戦闘機F35Bを運用することを想定している。
 「攻撃型空母」との批判をかわすため「多用途運用護衛艦」との名称にするが、本格的空母であることは明白だ。岩屋毅防衛相は、「攻撃型空母は、戦闘機を常時搭載・運用し、他国を破壊可能とする能力を有する」「他に母基地がある航空機を時々の任務に応じて搭載するのは攻撃型空母に当たらない」と説明する。

 しかし、実際には、「安保法制」に基づいて米軍のF35Bが改造「いずも」に離発着して運用することが想定されていると見るべきだ。
 空母の導入が日本の防衛にどれほど役立つのか、巨額な費用に見合う効果があるのか、敵のミサイル攻撃から空母を守る方法などについて、政府は何ひとつ説明していない。
 空母の運用にあたっては、米国の場合、作戦任務・整備点検・交代のための航海で9隻必要とされる。自衛隊の場合、任務用・整備用・訓練用の少なくとも3隻が必要と言うが、そんな余裕はないだろう。

   18.12.9朝日・米国からの武器輸入(FMS)
   (朝日新聞 2018.12.9付)

 近年、日本政府の米国からの武器輸入はうなぎ登りだ。「対外有償軍事援助」(FMS)による米国製武器の来年度の購入額は、10年前の10倍以上に膨れ上がる。概算要求にはイージス・アショアやF35などを盛り込み、今年度比約7割増の6917億円にはね上がった。
 そのあおりを受けて、例えば射撃訓練の現場では実弾に事欠き口で「バーンバーン」と叫んでいるという。
 また、防衛省は、国内部品納入企業への支払いを先延ばししている有様だ。

 防衛省は、「防衛大綱」の改定理由の第一に国際環境の変化、つまり中国の脅威を挙げている。確かに中国は、国産空母の建造など軍備増強と外洋展開は目覚ましいものがあるが、空母には空母で対抗という発想は東アジアに軍拡競争を招くもので危うい。
 米国は、「自由で開かれたインド太平洋」構想を掲げるが、ASEAN諸国の中には米中の対立構図に巻き込まれることへの警戒と懸念の声もある。
 日本は、憲法9条に基づく「専守防衛」の立場を明確にして、米中対立の緩和に向けて外交努力をすることが求められている。そのためにも空母保有は断念すべきだと思う。


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陸上イージスで米国に「貢献」する安倍政権

 「首相・シンゾウは大量の米国兵器購入を約束してくれた」、とトランプ大統領は満面の笑みで語った。
 中でも陸上イージス(イージスアショア)。防衛省は来年度予算の概算要求に初年度経費2352億円を計上した。
 将来7千億円にも達しそうだが日本防衛には不必要。ハワイ、グアム防衛に有効だ、と説くのは軍事ジャーナリストの田岡俊次氏だ。
 AERA誌でおなじみの田岡氏の説明を、長くなるが要約しておこう。(10月1日号)

   イージスアショアの配備計画
   (陸上イージスの配備計画)

――政府は2017年12月、陸上イージス2基を導入することを決め、陸自新屋演習場(秋田市)と同むつみ演習場(山口県萩市)に配備する計画だ。
 米国への支払いは総額4664億円だが、これには迎撃ミサイル「SM3ブロック2A」は含まれず、2基(48発)で約1900億円、用地買収や整地、建設費なども含めば7千億円に達しそうだ。

――陸上イージスは本来自衛隊が求めたものでない。米国の要請をのんだ「政治主導」で導入を決めたから、必要性の説明に無理をせざるを得ない。
 配備予定地の自治体・住民への説明で防衛省は「イージス艦4隻では常時警戒態勢を続けるのは困難だから、陸上イージスが必要」と説明。
 だから、イージス艦を8隻にし、稼働6隻の内弾道ミサイル警戒に4隻2交代にして、他の2隻は本来任務の艦隊防空に充てられる――というのが海上幕僚監部、防衛省の計算だ。
 2021年には8隻態勢が整うことを言わず、「現在の4隻では苦しいから陸上イージスが必要」と主張するのは詐欺的だ。
 しかも、陸上イージスの納期は2025年、配備はさらに遅れる。

   18.1.16朝日・日本のミサイル防衛
   (日本のミサイル防衛)

――弾道ミサイル防衛の最大の弱点は迎撃用ミサイルの弾数が極度に少ないことだ。
 イージス艦には各種ミサイル90発(新型艦は96発)が入る垂直発射機を備え、50発以上の迎撃ミサイルを積める。
 だが、イージス艦は1隻に8発しか搭載していない。費用が不足する(旧型ミサイルでも1発16億円)からだ。
 つまり、相手が8発以上発射すれば対処できない計算だ。

――地点防衛用の「PAC3」も同様だ。34輌の自走発射機は1輌に16発のミサイルを入れられるのに4発しか積んでいない。「PAC3」は1目標に2発ずつ発射するから、1輌で2目標にしか対処できない。
 実はミサイル防衛は形ばかり、気休めにすぎないのだ。
――防衛白書では「北朝鮮はノドン・ミサイルを数百発配備している」と強調するが、陸上イージスの導入で防衛能力が「抜本的に向上」するはずがない。典型的な誇大広告だ。

   新屋演習場
   (新屋演習場)

 また、北朝鮮の弾道ミサイルが首都圏に向けて発射されれば能登半島上空を通る。近畿地方を狙うなら隠岐諸島付近を経由する。日本防衛に陸上イージスを配備するなら能登と隠岐に置くはずだ。
 防衛省が配備先を秋田(新屋演習場)と山口(むつみ演習場)を選んだのは、ハワイに向かう弾道ミサイルは秋田の上空を、グアムに向かうものは山口の上空を通過する。
 射程が2500キロもある迎撃ミサイルはどこに置いても日本全域が防衛圏内に入るし、イージス艦でも十分な弾さえあればやれる。

   むつみ演習場
   (むつみ演習場)

――問題はまだある。イージス用のレーダーは低い角度で電波を出し続けるから、健康への影響が案じられる。防衛省は「レーダーのSバンドは無線LANにも使われるから安全」と地元に説明するが、イージス用のレーダーは最大4百万ワットで4億倍だから説明はインチキだ。海自のイージス艦は入港前にレーダーを切り、港内や市街地への影響を防いでいる。

――米国は、陸上イージスをルーマニアに配備、ポーランドに建設中で、韓国には「サード」を置いたが、いずれも費用は米国が全額負担し米軍人が運用する。
 日本に陸上イージスを置くのは、ハワイ、グアムの防衛に有効だから、少なくとも経費の半分くらいは米国が出すよう交渉すべきだったろう。

 相変わらず実に詳しく皮肉たっぷりの田岡氏の論説だが、皆さんの感想は果たして如何だろうか?
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今川正美のブログへようこそ!

生年月日 1947年8月7日
住  所 長崎県佐世保市
学  歴 佐世保北高等学校
     卒業(66年)
     佐賀大学農学部農
     学科中退(68年)
職  歴 佐世保地区労書記
       (68年)
     佐世保地区労事務
     局長(94年)
政 治 歴 衆議院議員
     (2000年・1期
      社会民主党)