無定見な兵器導入と日米軍事一体化に反対する!

  全くひどい話だ!日米の外務・防衛「2+2」(8/17)で、日本は北朝鮮の脅威を理由に、新迎撃ミサイルシステムの導入や自衛隊の役割拡大を約束してしまった。国内での説明や議論のないままの対米公約である。
 政府は、向こう10年間の防衛力のあり方を示した「防衛計画の大綱」と、5年間の自衛隊の装備を定めた「中期防衛力整備計画」を前倒しで改定すると米側に伝えたのだ。

       17.8.19朝日・陸上イージス、なし崩し導入 - コピー

 この問題について、半田滋氏(東京新聞・論説兼編集委員)の論評が分かり易いので要約して紹介しておきたい。(現代ビジネス)
――防衛省は北朝鮮の弾道ミサイルへの対処能力を強化するため、米地上配備型の「イージス・アショア」の導入を決めた。同艦は、性能的にはイージス護衛艦の迎撃システムと変わりない。
 近い将来、日米で共同開発中の「SM3ブロック22A」にバージョンアップされた場合、日本海に1隻浮かべれば十分となるにもかかわらず、弾道ミサイル防衛に8隻を保有するのは過剰な装備というほかない。費用も過剰に過剰を重ねることで、あらたに合計約2600億円の巨費が投じられることになる。

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    (イージス・アショア)

 ミサイル防衛関連のカネの多くは米政府に流れ込む。イージス・アショアは他の米国製武器と同じく、対外有償軍事援助(FMS)という米国独特の売買方式で米政府が日本政府に売却する形となる。日本は米政府の金ヅルとなっているだけでなく、武器供給を通じて自衛隊が米国にコントロールされる仕組みを自ら強化している。

     無人偵察機グローバルホーク
     (導入中止が検討される無人偵察機「グローバルホーク」)

 イージス護衛艦は強力なレーダー波を出すため、乗員はレーダーの稼働中、甲板に出ることができず艦内にいることが義務づけられる。迎撃に最も有効な地点を選ぶとすれば、あらたな用地が必要になるかもしれない。どちらの場合も住民に理解を求めるのは容易ではない。

 ミサイル防衛システムは1980年代のレーガン政権で開発が始まり、2002年にブッシュ政権で米軍が正式採用した。これを米国から導入したのは世界中で日本だけ。欧州のイージス・アショアや韓国のTHAAD、PAC3はいずれも米軍が配備したものであり、配備先の国が購入したわけではない。

     運用を支える防衛産業基盤

 今回のイージス・アショアも大綱、中期防と矛盾することから、それぞれ見直され、イージス・アショアという武器に合わせた中身に変更される。
 北朝鮮が上空通過を予告した島根、広島、高知に加えて愛媛の4県にある自衛隊駐屯地にPAC3が配備された。しかし、その一方で落下すれば大惨事となる原発のうち、比較的近い上空を通過する島根原発(島根)、上関原発(山口)、伊方原発(愛媛)を防衛する地点には配備していない。
 半田氏はこのレポートの最後に「防衛省は日本の防衛をどこまで本気で考えているのだろうか」と結んでいる。

防衛費の推移

 防衛省は2018年度予算案の概算要求で、過去最大の5兆2551億円を計上する方針を固めた。17年度当初予算に比べ1300億円(2.5%)増。
 海洋進出を強める中国や弾道ミサイル発射を続ける北朝鮮を〝奇禍〟として、防衛省は新たな装備・兵器導入に余念がない。
 ちなみに、話題のオスプレイは米陸軍が「高価すぎるし脆弱だ」と言って(陸自も持っている)大型ヘリを採用したのに、自衛隊は17機も導入するのだ。

     オスプレイ

 兵器導入には莫大な「利権」が伴うものだ。防衛省汚職事件の象徴的なものは、07年に発覚した「山田洋行事件」である。
 収賄容疑で逮捕された(のち有罪判決)守屋武昌・防衛事務次官。だが、日米の軍需企業・商社と日本の政治家の仲介者だった秋山直紀こそ「防衛利権の黒幕」である。
 
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 秋山は、「日本平和・文化交流協会」専務理事と「安全保障議員協議会」事務局長を兼ね、「日米安全保障戦略会議」を主宰している。
 また、「日米安全保障議員協議会」には、元首相や防衛相、与野党の〝防衛族〟議員が名を連ねていた。(07年の「山田洋行事件」を機に名簿から名が消えた)
 当時、年に数回、こうしたメンバーと米国軍需企業スタッフが「三菱迎賓館」に集まって、兵器売買などが話し合われたという。

     武器見本市
     (武器見本市)

 10年後の現在、議員協議会は「日米安全保障議員協議会」として存続しており、会長・中谷元元防衛相、会長代理・前原誠司、幹事長・長島昭久、会員は78名である。
 かつての防衛施設庁は2年前に「防衛装備庁」に改編され、防衛装備の開発・取得、輸出などを一元的に扱い、「制服組」の影響が一層大きくなった。
 かの守屋元次官が「シビリアンコントロールが危ない!」と嘆くのも、皮肉なことである。

     長距離弾道ミサイル

 いま政治は、9月下旬予定の臨時国会をめぐって、野党は「森友」「加計」問題で安倍政権を追い込むつもりだ。一方、自民党は開会直後に解散総選挙に打って出ることを検討中とも言われる。「森友」「加計」問題から逃れ、民進やファーストなどの野党が態勢を整える前だと勝てると見込んでいるとの情報もある。
 こうした「政局」まがいの局面に隠れて進む、兵器導入と防衛予算増大を許してはなるまい!
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憲法九条と自衛隊ーー「平和基本法」の再検討を

  最近、労組や平和運動の活動家の皆さんから「今の自衛隊をどう説明したらいいのか」という意見を聞くことが多くなった。

  憲法九条では「戦力放棄」を謳いながら、現実の自衛隊は内閣府の調査などで9割以上の人が好印象を持つと答えるまでになった。
  なんと言っても、6年前の東日本大震災の折、10万人を超える自衛隊が派遣されて救援活動を行った、その姿に国民は感動したのだ。

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     (東日本大震災で救援活動にあたる自衛隊員)

  そうした折、安倍首相は第九条の1、2項はそのままにして自衛隊の存在を明記し、改憲時期を2020年としたいと表明した。
  これには、石破茂・元防衛相をはじめ「自民党の『改憲草案』はどうなったのか」との批判・反発が出ている。

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     (5月3日 読売新聞のインタビューで語る安倍首相)

  一方、河野克俊・統合幕僚長は「自衛隊の根拠規定が憲法に明記されるのであれば、非常にありがたい」と発言した。本来なら自衛隊法違反で厳しく処分されたはずだが、何の処分もなかった。
  この変化はいったいなんだろうか。

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     (河野克俊・統合幕僚長)

  国会やTVではすでに自衛隊の「違憲論争」がなくなり、自衛隊に対する社会の緊張感も薄れた。
 「政府や国会が注意しなければ、シビリアンコントロールを放棄したことになる。まさに自衛隊が『ちやほやされる事態』じゃないか」、と語るのは北澤俊美・元防衛相だ。
――自衛隊創設から3年後、吉田茂・元首相が3人の防衛大生に語った。「自衛隊が国民から歓迎され、ちやほやされる事態とは、外国から攻撃されて国家が混乱に直面している時だけだ。君たちが日陰者である時の方が、国民や日本は幸せなのだ」。有名なエピソードである。

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     (吉田茂・元首相)

  6月28日、稲田防衛相は都議選の自民候補応援の際「防衛省、自衛隊、防衛大臣、自民党としてもお願いしたい」と演説した。
 稲田防衛相は記者会見で「誤解を招く言葉は撤回し謝罪する」と述べたが、「誤解」などではなく、自衛隊の政治的中立を揺るがす「自衛隊法違反」なのだ。ことの本質がまったく分かっていない。こういう人物が防衛大臣であることが恐ろしい。

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     (稲田朋美・防衛相)

  「『象徴』としての天皇が被災者を励まし、救援に力を尽くす人々をねぎらう、その存在の確かさ。9条の下に置かれた自衛隊員の、誠実で効果的な救援・復旧活動が、住民の信頼にこたえたこと」――憲法学者の樋口陽一氏は著書「いま、『憲法改正』をどう考えるか」で指摘している。

  「戦争放棄」という憲法の理念と、自衛隊の現状にどう折り合いをつけるか。
 前田哲男氏らの共同著作『平和基本法』が鍵になる。
――①これまでの護憲運動の成果を踏まえて、日本の「安全保障政策の基本法」として方向づける。②「憲法にもとづく安全保障のかたち」を世界に発信する。③自衛隊を改編・縮小の方向に据えなおす「政策実施の指針」の中・長期計画に位置付ける。
 「憲法前文と9条の具現法」としての意義をもつ、としている。

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     (前田哲男氏と私)

  しかし、過去3回ほどの提唱はいずれも護憲・平和運動の現場から受け入れられなかった。――「縮小した自衛隊」を合憲だと言うのか、との批判である。
  前田氏は指摘する。――社会党時代、政府・自民党の安保・自衛隊政策に対し厳しく批判して成果を上げたが、同政策への〝オルタナティブ〟を示す意欲に欠けていた。護憲・平和運動の側から「9条の具現化」に向けた政策提示が必要ではないか。
  前田氏らの提起に基づき3年前の8月、超党派議員による「立憲フォーラム」が『平和創造基本法案』の素案を発表したが、国会提出には至らなかった。

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     (「立憲フォーラム」が『平和創造基本法案』の素案を発表)

  私は、基本的に賛成である。例えば、国民の9割以上が自衛隊を歓迎していると言うが、それは災害時の救援・復興活動の姿に対してであって、海外での武力行使を認めている訳ではない。米国には緊急事態管理庁(FEMA)があり、カナダ・スウェーデンでは、小規模の国防軍とは別にPKO派遣待機部隊がある。

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     (南スーダンPKOの陸自)

  安倍政権下で、これまでの安保・自衛隊の規範が壊されてシビリアンコントロールも危うくなっている今こそ、『平和基本法』のような〝オルタナティブ〟の提示が必要だと考える。

武器調達に係る莫大な維持費ーー自衛隊のリストラを図れ

 いまさらと思うけど、自衛隊の武器調達は超割高で米軍需企業の思いのままだ。

 陸自が購入(17機)予定のオスプレイの場合、調達費1842億円と維持整備費約4600億円(20年間)もかかる。とくに高額なオスプレイ、グローバルホーク、F35、E2Dの4機種で、維持整備費は年平均約860億円に上る。

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 FMS(有償軍事援助)とかいう調達方法が不公平で、米企業の思いのままだ。
たとえば、オスプレイについて、米陸軍は「高価すぎて、装甲も弱く、整備に手間がかかる」との理由で、陸自も保有するCH47大型ヘリを購入しているとのことだ。陸自だって、オスプレイ費用が他の武器購入費を圧迫するとの理由で不評らしい。

     防衛費の推移

 防衛費の17年度当初予算は5兆2511億円。第二次安倍政権発足以来、前年比0.8%ずつ増えている。
 見過ごすことができないのは、「後年度負担」という仕組みだ。「ローン払い」のことで最長10年払い、武器購入だけでローン残高4兆8815億円(15年度)に膨れ上がっている。このため年度の「真水」予算が枯渇しつつあるという深刻な状況らしい。

    後年度負担

 冷戦終結後、欧米などの主要国は「軍備削減」を行ってきたが、日本(防衛省)はほとんど怠ってきた。冷戦時代、「ソ連の脅威」を理由に北海道に大量の陸自を配備し、防衛予算を倍増させてきた。
冷戦後の現在は「中国・北朝鮮の脅威」を理由に「島嶼防衛」とか称して、水陸機動団をつくりオスプレイを買って陸自を南西に配備する計画だ。いわば陸自の〝生き残り策〟に過ぎない。

     海自の展示潜水艦

 「武器禁輸」撤廃から4年、日本は武器の国際商戦に参入して〝死の商人〟の仲間入りとなったが、三菱重工や川崎重工など軍需企業の救出策に他ならない。
 米軍需産業は戦争を求め、米軍は戦争を仕掛けたり紛争に介入して、膨大な武器を消費してきた。
 日本のGDPに占める借金の割合は239.18(16年度)と世界ワーストで、終戦直前の状況に近い。
 米軍需産業とのお付き合いはほどほどにして、防衛のあり方を抜本的に見直すべきである。

自衛隊は南スーダンから撤収し、新たな貢献策を検討すべき

  あまりにもひどい。国会審議での防衛省・自衛隊の混乱ぶりのことだ。
 南スーダンPKOに自衛隊を派遣したのは2012年、すべての日報は電子データで残されていた。当然のことだろう。
 ところが、情報公開請求を受けた昨年12月、防衛省は日報は「廃棄した」と不開示にしたのだった。しかも、防衛省は電子データの存在を稲田防衛相に報告したのは約1か月後のことだ。
 驚いたことに、報告遅れの調査委員会を防衛省が設置しようとしたら、与党が「国会審議への影響」を理由に反対したのだった。

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     (記者団に囲まれる稲田朋美・防衛相)

 南スーダンの首都ジュバでは昨年7月、政府軍と反政府勢力との大規模な戦闘が繰り広げられ多くの犠牲者を出している。「日報」はこの事実を生々しく記録していた。
 ところが、稲田防衛相らは「戦闘」とは認めず「武力衝撃」と言い換えて答弁を繰り返した。その理由を「憲法九条上の問題になる」からと述べている。
 さらに驚くのは、河野克俊・統合幕僚長が日報に「戦闘」という言葉を使わないよう部隊を指導した、と記者会見で語った。

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     (伊勢崎賢治氏)

 ここは〝武装解除人〟こと伊勢崎賢治氏の実体験に基づいた説明を聞いてみよう。
――弾が飛んでこない「仮想空間」をつくり、後方支援や非戦闘地域といった言い方で参加してきたのが、これまでの自衛隊によるPKOです。
 南スーダンも同じで、防衛省は危機感を持ったはずです。今になって、政府は昨年9月から撤収を検討していたと明かしました。
 南スーダンの自衛隊は道路や橋をつくる施設部隊で、国連司令部が歩兵部隊の仕事を命じることはなく、「駆けつけ警護」は蓋然性なき任務付与だったのです。

――安倍政権は、「仮想空間」は崩れているのに認めない。安保法制の目玉だった「駆けつけ警護」ができる部隊を派遣したという実績をつくりたかったのです。
 「憲法九条上の問題になる言葉は使うべきでないことから、武力衝突という言葉を使っている」という稲田朋美防衛相の答弁は、狙いをそのまま言ってしまったものです。
 「日報」問題で撤収すれば、野党に屈した印象になる。矛先が「森友学園」問題にそれたときを狙ったのです。

     South Sudan J-PKO[1]

――もともと自衛隊が現代のPKOに参加するのには無理がある。1999年、国連のアナン事務総長が「PKOは紛争の当事者になる」と明言し、日本のPKO参加5原則とは相いれないものになっていたのです。
 さらに、日本には憲法9条の制約で軍法も軍事法廷もありません。「交戦」する前提がない日本には軍事的な過失を扱う法体系がないのです。
 今後、撤収の背景にあるこうした本質的な原因を明かす可能性があります。

――そもそも、最近の日本のPKO参加が自衛隊の部隊派遣ばかりなのは不自然です。自衛官を非武装の軍事監視団に送ったり、警察を出したりする活動も、国際的には重要な柱です。
 歴代政権(民主党政権を含む)は、PKOを使って、冷戦後の自衛隊の存在意義を正当化してきた面があります。
 今後もPKOに参加するなら、「仮想空間」という空論の上に成り立ってきた与野党、改憲・護憲の対立軸をいったん完全に壊して、今後の貢献のあり方と法体系を話し合うべきです。

 きわめて冷静かつ現実に基づいた分かり易い説明だと思う。
国会では、与党・政府の「非」を責め立てるのは野党の役割だが、そこにとどまらずに建設的な提言を行うことが求められていると思う。

兵器開発のための軍事研究はやめるべきだ!

 潤沢な資金をちらつかせて手招きし、慢性的な研究費不足にあえぐ大学が揺れている。
兵器などに応用できそうな基礎研究を、防衛省が公募して資金提供する制度ができた。その予算が2016年度の6億円から17年度で110億円に急増したのだ。

 「日本学術会議」。学術が戦争に動員された反省をもとに設立された団体である。敗戦から5年後、同会議は「科学者としての節操を守るためにも、戦争を目的とする科学の研究には今後絶対に従わない」と表明する。ベトナム戦争による厭戦気分が広がると、67年に2度目の声明採択をする。

     17.2.16朝日・学術会議シンポ - コピー

 防衛省・防衛装備庁の研究助成制度をきっかけに、学術会議は検討委員会を設けて「安全保障と学術」に関して審議を続けてきた。先月4日には都内でシンポジウムを開催。
 そして今月7日、新声明案をまとめた。検討委員会の杉田敦委員長(法政大教授)は、「研究機関に命令する権限はないが、戦争協力への反省とともに発足した歴史的な経緯もあり、声明案は重みを持って受け止めてもらえると思う」と語った。

 以下、シンポや審議内容について報道などの要旨をまとめてみたい。
――「科学者は、研究が軍事利用される危機を察知して、それを回避する態度を取ったことは重要な論点だ」と指摘。福島原発事故の後、学術会議が「科学者の行動規範」に特定の権威や組織の利害から独立するように記した経緯に触れ、「同じような反省を行うことになってもいいのか」と問いかけた。(兵藤友博・立命館大教授)
――「『日本の安全保障のために』ではなく、『学術研究のために』という視点を優先して行動しなければならない」。防衛装備庁の研究助成制度ができた「今こそ引き返すべきだ」と訴えた。(須藤靖・東大教授)
――「(デュアルユースについて)成果の利用という視点だけでなく、研究の意図も含んで検討しなければならない」と指摘。(佐野正博・明治大教授)
――世界科学者連盟が科学者の役割を定めた憲章を紹介し、「科学者の責任は時代の要請に応えることではない」。「我々は今、思想の大転換点に立っている。科学者はいまこそ団結しなければならない」と訴えた。(福島雅典・先端医療振興財団臨床研究情報センター長)

     17.2.4朝日・軍事研究、政府旗振り - コピー

――GPSやインターネットは元々、軍事目的に開発された技術などを紹介。「軍事研究イコール兵器研究ではない。戦闘行為だけでなく、通信、輸送、医療などに幅広く活用される。(軍事、民生の)境界がない中で技術が日常的に利用される時代に入っている」と述べた。(西山淳一・未来工学研究所参与)
――参加者との公開討論では、「企業や防衛省の研究所だけがやればいいのか」と、学術界が防衛研究に慎重であることに疑問を呈した。(小松利光・九大名誉教授。検討委委員)

     「軍事と学術」をめぐる動き

 学術会議は審議にあたって、憲法9条の論争を避け、論点を23条の「学問の自由」に絞った。
 50年の声明では「『戦争』が定義されておらず、軍事研究に一切の歯止めがないとも読めてしまう」(杉田委員長)。
新声明案では、大学の自治に加え、防衛省・自衛隊の存在を否定するという政治的立場につながらないように配慮した。
 また、大学や学会などに対して、研究の自律性、公開性、輸出管理などの観点から、軍組織からの研究費を受け入れることが学問の自由に抵触しないことの審査などを求めたとされる。
 一方、防衛省とは別に米軍は日本の大学などの研究者に少なくとも9年間で8億円を超える研究助成を行っているという。
 米空軍アジア宇宙航空研究開発事務所の研究助成に西田豊明教授(京都大)は応募した。理由は資金不足と米軍資金は使途が自由であることという。

     米軍の研究助成

 米軍の狙いは、日本側の協力者を通しての人脈づくりらしい。米軍は基礎研究を推進する目的を「成果を軍備増強に活用することで軍事的優位を保つこと」と提言書に明記。
 67年、日本物理学会主催の国際会議に米軍が資金を助成して問題になった。だが95年、学会は「武器の研究といった明白な軍事研究以外は自由」と方針転換した。
 前述の検討委員会でも、米軍やNATOの研究助成の是非も議論され、委員からは「基礎研究であっても軍事力の強化という目的によって方向づけられており、軍事研究にほかならない」(小森田秋夫・神奈川大教授)といった指摘が出たそうだ。

     17.2.18朝日・デュアルユース - コピー

 「平和を望むなら戦争を準備せよ」とのことわざがある。いまの日本では、「安全保障環境の変化への対応」という言葉に言い換えられ繰り返されている。これまで紹介してきた研究資金助成は、「積極的平和主義」をうたう一連の流れの中にある。
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今川正美のブログへようこそ!

生年月日 1947年8月7日
住  所 長崎県佐世保市
学  歴 佐世保北高等学校
     卒業(66年)
     佐賀大学農学部農
     学科中退(68年)
職  歴 佐世保地区労書記
       (68年)
     佐世保地区労事務
     局長(94年)
政 治 歴 衆議院議員
     (2000年・1期
      社会民主党)