「パラダイス文書」~タックスヘイブン(租税回避地)の酷い実態が露見した

 パラダイスといえば楽園のことだけど、このたび「パラダイス文書」の膨大なデータが明るみに出た。
 大西洋の島などのタックスヘイブン(租税回避地)を舞台に、富豪や政治家、大企業が〝税逃れ〟をしているベールが剥がされた。イタリアやフランスでは「税のパラダイス」と呼んでいるそうだ。
 北大西洋の英領バミューダ諸島、人口1萬人の中心都市ハミルトン。パラダイス文書の主な流出元である法律事務所「アップルビー」がある。

       バミューダ諸島・ハミルトン港
       (バミューダ諸島・ハミルトン港)

 ファンドに個人資産を投資して大きな分配金を受ける。英女王やヨルダンのヌール王妃、カトリック新婦、歌手マドンナ、スポーツ用品ナイキ、アップル社など数え上げたらきりがない。
 米国のクリントン元国務長官、トランプ氏(現大統領)や元閣僚ら。カナダではトルドー首相の腹心など。
 象徴的なのは、「世界有数の大富豪」でタックスヘイブンの「巨大帝国」を築いたとされる米国のロス商務長官だ。彼が深くつながる海運会社、その得意先は、ロシアのガス・石油会社である。その会社をオーナーとして支配しているのは、プーチン大統領の娘婿や大富豪の名前がある。米大統領選にロシアが関与した疑惑の源でもある。

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 日本関連では、東京電力、住友商事、商船三井、丸紅、日本郵政と大阪ガス、東京海上火災ソフトバンク、京阪ホールディングス、UHA味覚糖など。
 政治家では、元総務大臣・内藤正光(旧民主、参議)、元首相・鳩山由紀夫、山田太郎・元参議(旧みんなの党)。
 こんな程度ではすまない、もっと多くの企業や政治家らの名前が出てくるだろう。

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 文書の総数は1340万件にのぼるというから、判明しているのはまだ一端に過ぎない。これらタックスヘイブンの金融資産は、少なくとも21兆~32兆円(2010年時点)と推定されるという。
 今回は、南ドイツ新聞と国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)の連携によって綿密な調査が行われ、情報を共有したのだった。
 今回のプロジェクトには日本からは朝日、共同通信、NHKの三社が参加した。

       パナマ文書

 昨年春には「パナマ文書」が明らかにされているが、島国マルタの政府首脳らの疑惑を追及していた女性ジャーナリストが今年10月16日車を爆破され、即死している。
まさに、命がけの取材である。

       オーバーマイヤー記者
       (フレデリック・オーバーマイヤー記者)

 租税回避は「脱税」と違って必ずしも違法ではないという。租税回避する顧客たちを支えているのが、法律事務所や金融機関だ。グローバル経済にはどうやら、金持ち専用の〝隠し金庫〟があるようだ。
 パラダイス文書を入手した南ドイツ新聞のフレデリック・オーバーマイヤー記者は言う。「内部告発者の保護と、情報共有による記者の協働が重要なのです」「グローバル化した世界では、こうした方法で取り上げるべきトピックスがたくさんあります」。
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なんとも空しいロシア革命100周年

  今月7日はロシア革命から100周年である。
 世界初の社会主義国家ソビエト連邦を生んだロシアの「十月革命」のことだ。
 ロシア革命は世界に大きな衝撃を与え、各国で共産党が結成されていく。日本でも、5年後の1922年に日本共産党が結成された。

       演説するレーニン
       (民衆に向かって演説するレーニン)

 私が、マルクスやレーニンに関心を抱いたのは、学生運動で逮捕されて約40日間の刑務所生活(未拘置)の時だった。先輩から差し入れられた「共産党宣言」(マルクス)や「空想より科学へ」(エンゲルス)を感動しながら何度も読み返したものだった。

 出所後、佐世保地区労で働くことになったが、最初の給料で買ったのは「レーニン全集」(約55,000円)だった。書棚に並べてレーニンの画像を額に入れて飾ったものだ。
 しかし全集を読むことはなく、マルクス、エンゲルスやレーニンの著作はすべて文庫本を読みこなした。
 やがて、各労組の若い活動家らとマルクスやレーニンの本の勉強会を開いたものだ。父は検察庁に勤めていたので、こうした私の日常生活のありようをとても嫌がった。

       17.11.4朝日・世界を揺るがした社会主義1 - コピー

 ソ連が崩壊したのが1991年。序章は1989年の「ベルリンの壁崩壊」と冷戦終結だ。
 戦後長く続いた冷戦が終結し、東側を率いた大国ソ連が崩壊するなど、専門家たちも想像できなかったに違いない。

 ソ連崩壊から約四半世紀を経た。ロシア全体では、革命100周年を祝う雰囲気は乏しいらしい。
 ロシア科学アカデミーの革命に関する市民への調査でも、回答者の32%が「評価が難しい」、29%が「功罪両面がある」と答えている。
 これに対し、76%が「国家的な誇り」としたのが、ソ連がナチス・ドイツに勝利した「大祖国戦争」。5月9日の戦勝記念日は、ロシアで最も重要な祝日となったという。

       世界青年学生祭典(ソチ)
       (ロシアのソチで開かれた世界青年学生祭典 2017年10月)

 日本でも、現在の大学生たちでマルクスやレーニンを知らない人の方が多いようだ。私の「レーニン全集」を焼却するのも忍びないので、地元の大学図書室に寄贈すると言ったら「今の学生は読まない」と断られた。

       結婚35周年
       (1982年11月7日 玉姫殿)

 実は、11月7日は私ら夫婦の「結婚記念日」(82年)。私があえてこの日(ロシア革命)を選んだのだった。それから9年後にソ連が崩壊するなんて想像もしなかった。と言ってもソ連の現実には嫌気がさしていたので別に未練などなかったのだが。

 なんとも空しいロシア革命100周年である。

北朝鮮の核、ミサイル開発を許すな!

  私が衆議院議員になったのは2000年6月。その翌月、社民党の土井たか子党首(当時)に随行して韓国青瓦台の門をくぐるという光栄に恵まれた。土井党首は金大中大統領(当時)と兄妹のように親しい間柄で、金正日・朝鮮労働党総書記との初首脳会談の様子などを聞くのが目的だった。
 随行した議員は故・清水澄子参議院議員と田英夫参議院議員のベテランで、新人議員は私だけだった。

     初外遊

  お二人の間ではいろんなお話が交わされた(金大統領は日本語も堪能)が、
 私の関心事は南北初の首脳会談の内容だった。  以下、金大中大統領の話の要点。
  *北朝鮮には〝暗闇の中を手探り〟の状態で行った。
  *金正日総書記は、週刊誌などでの下世話な風評と違って実に聡明な人物だった。
  *米国との「平和条約」協議を望みながら、「在韓米軍は出ていけ!」と言うのは矛盾して
   いるとの私の問いかけに対して、総書記は「それは国内向けのプロパガンダなのだ」
   「南北朝鮮が平和的に統一されたら、在韓米軍は〝平和維持軍〟として留まってい
   い」と明快に応えた。(日本のメディアは「在韓米軍の存続容認」に焦点をあてた)

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 それから17年、北朝鮮の〝暴走〟が止まらない。相次ぐ弾道ミサイルの発射と6回目の核実験。
 対する米韓両国も、戦略爆撃機やステルス戦闘機を投入して実戦さながらの合同軍事演習を繰り広げている。
 北朝鮮の言い分は、「体制の安全を保障し平和条約を結ぶべきだ。在韓米軍は撤退すべき」「核兵器保有国として対等な協議をしたい」というものだ。
 一方の米国は、「国際公約を無視して核実験やミサイル発射を続ける間は、協議の余地はない」「軍事力行使も選択肢の一つ」との立場だ。

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 米国の最大の関心事は、北朝鮮の弾道ミサイルが米本土に届くまで進化したかどうかだ。弾頭の小型化と再突入技術がポイントだ。小型化は米国の予想を超えて進化しているが、再突入技術は難しく実現していないというのが専門家の見方だ。 

 弾道ミサイルを始めて発射したのは1993年5月、以来現在まで約50回発射している。初めての核実験は2006年10月で、今回が6回目となる。
 昨年1月、4回目の核実験では「水爆実験に成功した」と北朝鮮が発表した。爆発規模は過去最大の約70㌔㌧とみられる。(1回目は約1㌔㌧)今回は約160㌔㌧と推測される。

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     (北朝鮮が「水爆」という模型)

 一方、国連では北朝鮮の核実験やミサイル発射は「安保理決議」に反するとして経済制裁を決めたが、大きな成果はない。
 日米両国は制裁強化を求めて「石油輸出禁止」を提案する構えだが、中ロ両国は「当事国の直接対話と平和的手段による解決」という立場だ。
 「六か国協議」もこの9年間一度も開かれていない。

 17年前の状況とは大きく異なる。11年12月、金正日総書記が死去し、翌12年4月に金正恩が労働党第一書記に就任する。
 これまでの核開発停止と引き換えに食料支援など経済的補償という米朝合意は破棄され、核開発と経済改革を同時に進める路線に転換し、在韓米軍の撤退も求めている。

     MD・米国防総省提供
     (米国の迎撃ミサイル)

 こうした状況下、韓国ではTHAAD(高高度迎撃ミサイルシステム)の導入に加えて米戦術核兵器の配備を求めている。
 日本でも、自民党では「敵基地攻撃論」が議論され、石破茂・元地方創生相は「非核三原則の『持ち込ませず』は見直すべき」と主張している。

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        (柳沢協二氏)
 いまやメディアでの存在感も高い元内閣官房副長官補の柳沢協二氏の主張を聞いてみる。
――米国が圧力をかければかけるほど、北朝鮮は核に固執する。圧力政策によって北朝鮮が核を保有する「能力」を止められないなら、北朝鮮が核を持とうとする「意思」を止めるしかない。
――政府は、迎撃ミサイル「パトリオット」の機動訓練を公表したり、Jアラート(全国瞬時警報システム)を使って避難を呼びかけたりしている。「ミサイルを撃たれても大丈夫だ」という対応を取ろうとしている。本当にそれでいいのか。改めて国民全体が考える必要がある。
――日本が考えるべきは「ミサイル発射に備える」ことではない。「ミサイルを撃たせない」ことである。そのためには、核を使う動機をなくさなければならない。重視すべきは抑止力の強化ではなく、米朝の緊張緩和に向けて働きかけることだ。

 安倍政権がこの機に乗じて、高額の兵器導入を図り〝軍事大国〟を目指すことなど断じて許してはならない。

ビキニ事件63年目の真実~被曝人体実験

  被爆72周年の今年、広島に原爆が投下された今月6日、NCC(テレビ朝日系列)でスクープスペシャル『ビキニ事件63年目の真実』が放映された。

 1954年3月1日、米国がビキニ環礁で水爆実験を行い、付近の島民や第五福竜丸などの漁船が被曝した。このとき、被曝の影響を調べる「人体実験」が行われたのではないかと告発するスクープスペシャルだ。

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 米国は、すでに動物で被曝状況を測定していたが、「人体実験なしには必要なデータを得られない段階」に達する。実験後にロンゲラップ島民は非難するが、3年後に米国が安全宣言を出し、帰島した。

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       (2度目の離島。振り返るロンゲラップ島民)

 それから多くの島民が放射能の影響で亡くなった。米国はそのデータを取り続ける。安全宣言は偽りだったのではないか。第五福竜丸の乗員に対しても水爆実験との因果関係は認めない一方で、医学的データは取り続けた。

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 このことについては、前田哲男さん(軍事評論家)や豊崎博光さん(フォトジャーナリスト)からずいぶん以前に聞いていた。お二人は島民たちの実態を長い期間通して詳しく把握しておられ、著書や写真集も出版されている。

 折よく今月9日、前田さんが月刊誌の連載のため佐世保に来られた。夜、一緒に食事しながら話しを聞いた。被曝した島民の名前や病状などを今でも克明に覚えておられ、「アメリカはあまりにもひどいことをする」と、憤っておられた。

       前田哲男さんと

 私の友人が「日本のガン罹患率が高すぎる。その原因は、米・仏が50年代に南太平洋で繰り返した水爆実験で海洋が汚染され、その海流が日本列島を巡回していることにあるのではないか?」と言っていた。それを前田さんに問うたら、「その推論は概ね正しい。根拠となるデータが果たしてあるのか?」とのことだった。

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       (ビキニ環礁)

 今から24年前、原水禁九州ブロックで非核運動の交流でパラオ(ベラウ共和国)を訪れた。その時に、米国の「ズーセオリー理論」というものがあることを知った。
 南太平洋の各島の住民たちに対して、米国に従順な者には「食べ物を与える」。逆らう者には何も与えない、というものだ。人間としての尊厳を認めず、まさしく〝動物〟扱いである。
 
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 〝人体実験〟は米本国でも行われた。よく知られている「ネバダ核実験と兵士の被曝」だ。兵士たちは塹壕に身を伏せて核実験を目の当たりにし、爆発直後に爆心地めがけて突進した。行動後、実験に関わった科学者たちは兵士に「ホースの水で流せば大丈夫」と言い聞かせた。
 被曝して病気になった元兵士たちは、米政府に対して「損賠訴訟」を起こしている。

 今年、国連で「核兵器禁止条約」が核保有国不参加のもとで採択された。
 日本政府は、核保有国と共に会議をボイコットしている。「唯一の被爆国」のぶざまな姿が国際社会にさらされたことが恥ずかしい。

米国の北朝鮮攻撃はあるのか?

  連日ウンザリするほど「北朝鮮」問題の報道だ。知人からも「朝鮮半島で戦争になるのか?」「北朝鮮の反撃ミサイルで佐世保は大丈夫か?」との問い合わせがある。
扇動に載るようで気は進まないが、一応大雑把に点描してみる。

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     (AERA 1992年1月の記事)

◎北朝鮮のミサイル・核開発の状況
  北朝鮮の「祝日」は今月3回もある。金正恩の最高指導者就任5年(11日)、金日成主席の生誕105年(15日)、朝鮮人民軍の創設85年(25日)といった具合だ。
 その都度、国連などの警告を無視してミサイル発射や核実験を繰り返してきた。
 北朝鮮が「核保有国」を急いだ背景ーー「イラク、リビアは核保有を断念して、米国から国を潰された」。「核保有国になれば、米国は対等な交渉相手とみとめるはずだ」、という「教訓」が主な理由だろう。

     イラクと北朝鮮の比較

     北朝鮮を巡る主な発言

◎米国のこれまでの「作戦計画」
  通常兵器や核戦力で圧倒的な米国は、なぜ北朝鮮の動向に神経をとがらせるのか。
  一つは、北朝鮮のミサイル射程がやがて米国に届くことを懸念している。
  二つ目に、過去、北朝鮮の反撃による「被害想定」をしたら、米・韓両軍の死者及び韓国民間人の犠牲者は100万人を超えると の結果を得た。
  北朝鮮の対韓火砲は約1万2千門、その威力はまさに「ソウルを火の海にする」に充分である。
 1993年、4年の朝鮮半島「危機」の折、金泳三大統領はクリントン大統領に激しく抗議している。トランプ大統領といえども、韓国  の頭越しに北朝鮮攻撃をするのは無理である。
  実際、米国の目的は北朝鮮のミサイル発射や核実験の断念であり、武力で崩壊するつもりはない。

     北朝鮮のミサイル戦力

◎中国の思惑
  現在、トランプ政権は北朝鮮と関係の深い中国に説得を頼んでいる。
  中国は、石油供給停止などをちらつかせて、北朝鮮に「六か国協議」に戻ってくるように勧めているようだが、それ以上の深入り を避けているようだ。
  仮に戦争ともなれば、北朝鮮から多くの難民が中国北東部に押し寄せてくることを何よりも警戒している。

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◎最悪の事態を避けるには
  いずれの観点からみても対話による解決以外にない。久しく行われていない「六か国協議」(議長国・中国)を開いて、北朝鮮を 粘り強く説得することだ。
  北朝鮮が「攻撃するなら全面戦争で米国を叩きのめしてやる!」などと繰り返しているのは、北朝鮮の国民向けの引き締めに  ほかならない。

     MD・米国防総省提供

 トランプ政権は北朝鮮を「テロ支援国」に再度指定すると言っており、日本の出番のはずだ。「拉致問題」を優先するのでなく、ミサイル発射や核実験の停止と引き換えに経済協力を約束するのだ。
 ただ、「拉致問題」優先と先島諸島への自衛隊配備、ミサイル防衛しか念頭にない安倍政権では無理な話しだろう。
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今川正美のブログへようこそ!

生年月日 1947年8月7日
住  所 長崎県佐世保市
学  歴 佐世保北高等学校
     卒業(66年)
     佐賀大学農学部農
     学科中退(68年)
職  歴 佐世保地区労書記
       (68年)
     佐世保地区労事務
     局長(94年)
政 治 歴 衆議院議員
     (2000年・1期
      社会民主党)