米国の北朝鮮攻撃はあるのか?

  連日ウンザリするほど「北朝鮮」問題の報道だ。知人からも「朝鮮半島で戦争になるのか?」「北朝鮮の反撃ミサイルで佐世保は大丈夫か?」との問い合わせがある。
扇動に載るようで気は進まないが、一応大雑把に点描してみる。

     IMG_20170412_161733.jpg
     (AERA 1992年1月の記事)

◎北朝鮮のミサイル・核開発の状況
  北朝鮮の「祝日」は今月3回もある。金正恩の最高指導者就任5年(11日)、金日成主席の生誕105年(15日)、朝鮮人民軍の創設85年(25日)といった具合だ。
 その都度、国連などの警告を無視してミサイル発射や核実験を繰り返してきた。
 北朝鮮が「核保有国」を急いだ背景ーー「イラク、リビアは核保有を断念して、米国から国を潰された」。「核保有国になれば、米国は対等な交渉相手とみとめるはずだ」、という「教訓」が主な理由だろう。

     イラクと北朝鮮の比較

     北朝鮮を巡る主な発言

◎米国のこれまでの「作戦計画」
  通常兵器や核戦力で圧倒的な米国は、なぜ北朝鮮の動向に神経をとがらせるのか。
  一つは、北朝鮮のミサイル射程がやがて米国に届くことを懸念している。
  二つ目に、過去、北朝鮮の反撃による「被害想定」をしたら、米・韓両軍の死者及び韓国民間人の犠牲者は100万人を超えると の結果を得た。
  北朝鮮の対韓火砲は約1万2千門、その威力はまさに「ソウルを火の海にする」に充分である。
 1993年、4年の朝鮮半島「危機」の折、金泳三大統領はクリントン大統領に激しく抗議している。トランプ大統領といえども、韓国  の頭越しに北朝鮮攻撃をするのは無理である。
  実際、米国の目的は北朝鮮のミサイル発射や核実験の断念であり、武力で崩壊するつもりはない。

     北朝鮮のミサイル戦力

◎中国の思惑
  現在、トランプ政権は北朝鮮と関係の深い中国に説得を頼んでいる。
  中国は、石油供給停止などをちらつかせて、北朝鮮に「六か国協議」に戻ってくるように勧めているようだが、それ以上の深入り を避けているようだ。
  仮に戦争ともなれば、北朝鮮から多くの難民が中国北東部に押し寄せてくることを何よりも警戒している。

     16.3.6朝日・米韓、最大の演習 - コピー

◎最悪の事態を避けるには
  いずれの観点からみても対話による解決以外にない。久しく行われていない「六か国協議」(議長国・中国)を開いて、北朝鮮を 粘り強く説得することだ。
  北朝鮮が「攻撃するなら全面戦争で米国を叩きのめしてやる!」などと繰り返しているのは、北朝鮮の国民向けの引き締めに  ほかならない。

     MD・米国防総省提供

 トランプ政権は北朝鮮を「テロ支援国」に再度指定すると言っており、日本の出番のはずだ。「拉致問題」を優先するのでなく、ミサイル発射や核実験の停止と引き換えに経済協力を約束するのだ。
 ただ、「拉致問題」優先と先島諸島への自衛隊配備、ミサイル防衛しか念頭にない安倍政権では無理な話しだろう。
スポンサーサイト

ついに朴大統領の弾劾訴追が決まった。

 珍しく風邪をひいて、一週間以上臥せってしまった。
また、気がかりだった肝臓のCT、超音波検査はいずれも良い結果でホッとした。
 ところで、お隣の韓国民衆の怒りがすごい。9日、朴槿恵大統領がついに国会で弾劾訴追された。朴氏がチェ・スンシル被告に機密文書を渡していたことを認め、謝罪してから45日。

     朴槿恵

 テレビ局JTBCが10月24日に報道したスクープが流れを決定的にしたようだ。毎週、ソウル中心部で開かれた集会には30万人を超え、韓国全土で100万人に及んだといわれる。
 韓国ギャラップの世論調査では弾劾に賛成が81%にのぼったといわれる。

     img184.jpg

 弾劾訴追案は、国会議員(定数300人)の3分の2以上の賛成で可決するが、賛成は234人で、与党(128人)では〝非朴派〟も含め半数近くが賛成にまわった格好だ。
 これで、大統領の権限行使が停止され、憲法裁判所が弾劾を決定すれば、大統領は罷免され、60日以内に大統領選挙が行われる。

 すでに政局は、大統領選挙にシフトしているようだ。韓国ギャラップの世論調査では、政党支持率は最大野党「共に民主党」が35%で首位、与党セヌリ党はわずか13%だ。
 年末で国連事務総長の任期切れとなる潘基文氏の名も取りざたされている。

     img185.jpg

 韓国の政治で、軍事政権から民主政権への転換は「盧泰愚政権」からだ。熱烈な民主化運動を背景に盧泰愚大統領候補が「民主化宣言」を行ったのが始まりだ。
 以来、朴槿恵政権まで6代を数えるが、――盧泰愚氏は逮捕・懲役、金泳三氏は次男が脱税・逮捕、金大中氏は息子3人が賄賂で逮捕、廬武鉉氏は自殺(?)、李明博氏は側近・親族の逮捕・起訴、そして今回の朴槿恵氏と連なる。

     韓国歴代大統領の疑惑

 金鐘仁・「共に民主党」前非常対策委員会代表は「民主化後、6人の大統領は誰一人成功しなかった。大統領が民主主義を理解していなかった。自分や側近たちの利益だけを追求しているから、こんな事態になった」と語る。
 そして、「憲法を改正し、帝王的な大統領制を変えて、議院内閣制に移行すべきだ」と言う。
 
 政局が落ち着くにはまだ時間がかかりそうだが、日韓関係の進展のためにも一層の民主政治を確立してほしいものだ。

米国大統領選とトランプ勝利の感想

 このところのTV・新聞報道がかまびすしい。――都知事選で自民党を向こうにまわして圧勝した〝小池劇場〟。米国大統領選で大方の予想を覆して勝利した〝トランプ・ショック〟。お隣の韓国では大統領のスキャンダルに国民の怒りが爆発して、辞任寸前の〝朴槿恵騒動〟。
 今回は、米国大統領選について私の感想を述べておきたい。

     EFBC92E38284E381AFE3828AE382AFE38393E381ABE38197E381AAE38191E3828CE381B0E381AAE38289E381AAE38184EFBC81[1]

 米国はもとより日本のメディアは選挙結果をみて、「番狂わせ」「非本命が逆転」「異端の乱」などの見出しを並べた。
 確かに、ファーストレディーとして振舞い国務長官を務めたヒラリー・クリントン、それに対して暴言を連発し粗暴ぶりを露わにするドナルド・トランプ。選挙前及び選挙戦前半の状況を見る限り、クリントンの勝利を誰もが信じただろう。

     16.11.10朝日・米大統領選・全州の結果

 しかし、現場を取材しようもない私たち国民と違って、メディアは選挙戦の背景や深層をもっとつぶさに取材して、成り行きを予測することはできなかったのだろうか?
 冷戦後に加速したグローバル化の波は、世界中で社会や経済のありようを大きく変えた。米国もその例外ではなく、IT化やグローバル化に置き去りにされた人々の不満と不安は拡大し、政治(家)にすくい上げられることはなかった。

     img_0[1]

 そこに、実業家として「大衆の気持ちを読むことに長けている」と評されるトランプが登場し、「イスラム教徒が米国の安全を脅かす」「不法移民が雇用を奪う」と煽り立てて民心を買った。
 クリントンの「メール問題」が大きく報じられたことも加わり、まさしく〝劇的な勝利〟を呼び込んだトランプ。しかし、彼が掲げる「100日行動計画」の各項目を見る限り、とても実現するにはほど遠い。

     16.11.10朝日・「100日行動計画」の主な項目

 日本との関係で二点だけ触れておく。まずTPPは雇用を奪うので止めると公約に掲げた。米ピーターソン国際経済研究所のゲリー・ハフバウワー氏は、トランプ政権下で「TPPは死んだ」と断言する。――いま国会でTPP承認案を採決する予定の日本は〝一人芝居〟とならないか。
 いま一つは「日米同盟」をめぐって、トランプは「(同盟国として)応分の負担をしなければ、日本を守ることはできない」、「在沖縄海兵隊などをグアムやハワイに引き揚げる」と語っている。――ぜひとも実現してほしいものだが、国防総省や国務省の官僚たちがそう簡単に容認するはずもない。

 来年1月に正式就任するトランプ新大統領。日米関係や米中関係をはじめ国際的にどのような影響を与えるのか目が離せない。 
                                              (敬称略)

英国のイラク戦争の検証を評価するーー日本は?

 参院選の投票日まであと1日、結果がとても気になるけど、やはり書いておきたい。

イラク戦争から13年。米英軍の侵攻後に亡くなった民間人は16万人を超える。海外では、オランダや英国など政府から独立した機関の検証が進んでいる。
英国の判断と対応を7年間検証してきた独立調査委員会(チルコット委員長)が6日、「報告書」を発表した。(ブレア元首相ら120人を喚問し、260万語に及ぶ膨大な内容だ)その要旨を綴っておきたい。

    2016070705120000.jpg
    (朝日新聞 7/7付)

――軍事行動に法的根拠があると決断できる状況にはほど遠かった。従来の「封じ込め」から「フセイン政権打倒」に変質したのは02年4月の米英首脳会談。
 しかも、政権内では「計画や準備について閣僚全体で明確に監視していなかった」と指摘。(米英関係について)「国益や判断が異なる部分で無条件の支持を必要とするものではない」と英政権の姿勢を批判した。

    英・チルコット調査委員長
    (チルコット調査委員長)

――イラク占領を続けた英政府の姿勢も、「課題の大きさと全く合致していなかった」と厳しく批判した。
 戦後のイラクでは、宗派対立や民族対立が高まる中でISが生まれ、隣国シリアに実効支配を広げた。「イラクで軍事行動をとれば、テロ組織の脅威が高まる」との情報機関の警告(03年2月)を掲載している。ISのテロが続く世界の姿を予期したようなものだ。

    PN2016070601002000.-.-.CI0003_size0[1]
    (ブッシュ大統領&ブレア英首相)

――さて、日本ではどうであったか。外務省は12年12月、民主党政権時代に「検証結果」を発表したが、たったの4ページのおざなりな資料だった。
安倍首相は昨年夏の国会で、「悪いのはフセイン政権であって、米英の武力行使は国連決議で正当化されている」と答弁している。
 また、外務官僚らは「人道支援と後方支援のみを行った日本を同列に論じるのは不適切」と語っている。「米国に反対する選択肢はない」ということなんだろう。

    i5p19000[1]
    (ブッシュ大統領と小泉純一郎首相)

 私が議員時代に憤りに満ちた記憶がある。イラク特別委員会で、小泉首相に対して「イラク全土が戦闘地域なのに、自衛隊をどこに派遣するのか」と問い質したら、首相は「自衛隊を派遣する所が〝非戦闘地域〟だ」と、ふざけた答弁をしたものだった。

    大統領宮殿跡のCPU本部
    (イラク・フセイン大統領宮殿前に立つ今川)

 いずれにせよ、安保法制の施行で日本(自衛隊)が戦争の当事者になる可能性はとても高くなった。「米国の同調の求めに、日本は断る術がなかった。問題なのは、日本の外交は日米同盟堅持の方が優位にあることだ」と述懐する山崎拓・元幹事長は語る。

 残念ながら、こんどの参院選で与野党とも、この重大な問題を争点にしなかったことだ。

キューバ危機から半世紀~米国・キューバ首脳会談に思う

 米国とキューバの首脳会談が実現した。アイゼンハワー米大統領とバティスタ・キューバ大統領の会談以来約60年ぶりの首脳会談となる。

  握手するラウル・カストロ議長とオバマ大統領
  (朝日新聞4月13日付)

 フィデル・カストロ(ラウル・カストロ・現議長の兄)らがバティスタ政権を倒すと、米国は国交断絶を通告し、カストロ革命政権打倒を狙って軍事介入するが失敗した(61年)。ソ連は、キューバにミサイル基地を作り準中距離ミサイル(MRMB)や中距離ミサイル(IRBM)を配備したことがきっかけとなって、米国は核戦争の臨戦態勢をとった(62年)。いわゆる世界を震撼させた「キューバ危機」である。

  サン・クリストバルに配置されたソ連のMRBM
  (キューバのサン・クリストバルニ配置されたソ連のMRBM)

 当時、中学生だった私にとって危機感をもつこともなかったが、後年、当時の映像を観て背筋が凍った覚えがある。キューバ上空を偵察飛行中の米軍機がソ連の地対空ミサイルで撃墜された。これに対抗して米海軍はソ連の潜水艦に爆雷を投下した。攻撃を受けた潜水艦では核魚雷の発射が決定されたそうだが、潜水艦隊参謀ヴァシリー・アルヒーボフの強い反対で核戦争は回避されたという。(62年10月27日)

  握手するフルシチョフ首相とケネディ大統領
  (握手するフルシチョフ首相とケネディ大統領)

 その後、フルシチョフ首相はケネディ米大統領の条件を受け入れ、キューバのミサイル基地を解体し、ケネディもキューバへの武力侵攻はしないと約束して、核戦争の危機は回避された。
 あれから半世紀の今年3月、ロシアのプーチン大統領がクリミア半島を併合する際、欧米の妨害を排除するために核兵器使用を準備していたとの報道があった。今なお核兵器への盲信から抜けきれないのが哀れですらある。

 さて、キューバは米国との国交回復を目指して、社会主義体制を維持しながら、ゆっくりとしたペースで市場経済化を図るとの見方がもっぱらだ。やっと〝カリブ海に春〟がくる。
最新記事
カレンダー
03 | 2017/04 | 05
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 - - - - - -
月別アーカイブ
カテゴリ
プロフィール

FC2USER537587ATX

Author:FC2USER537587ATX
今川正美のブログへようこそ!

生年月日 1947年8月7日
住  所 長崎県佐世保市
学  歴 佐世保北高等学校
     卒業(66年)
     佐賀大学農学部農
     学科中退(68年)
職  歴 佐世保地区労書記
       (68年)
     佐世保地区労事務
     局長(94年)
政 治 歴 衆議院議員
     (2000年・1期
      社会民主党)