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ワシントン条約締約国から指弾された象牙市場・日本

  日常生活に欠かすことのできない印鑑。実印・銀行印・認め印など、その材質も様々だ。
 特に、実印には「象牙」を使うことが多かったが、現在は厳禁だ。

  草原を歩くアフリカ象
  (草原を歩くアフリカ象)

 その理由は言うまでもない。象牙の取引は、ワシントン条約により1990年以降は原則禁止されているからだ。
 2016年の同条約締約国会議で、密猟や象牙の違法取引を助長する市場を閉鎖するよう勧告する決議が承認された。
 今年5月にスリランカで開かれる同条約締約国会議に向け、ケニアやナイジェリアなど9カ国が、各国に対し象牙の国内市場をすべて閉鎖するよう勧告する決議案を提出した。

  オランダ水牛
  (オランダ水牛)
  
  それに対し、日本は「国内市場は適切に管理され、密猟などを助長しておらず、閉鎖対象にならない」との立場だ。
 しかし、決議案は、日本の国内市場を「世界最大級の市場の一つ」と指摘し、中国への違法輸出の抜け穴になっていると批判。日本やEUなどを名指しし、「国内市場を有するすべての締約国はすぐに市場を閉鎖すべきだ」と主張している。
(以上、朝日新聞 2019年2月6日付より)

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  「印鑑」で検索すると、その材質も象牙・オランダ水牛・黒水牛など様々だ。
 実は私も、結婚記念として仲人さんから最高級の象牙をいただき、数万円かけて実印を作ったものだ。
 私は長女の結婚記念に、「オランダ水牛セット」(実印・銀行印。約8千円)を贈った。
 ちなみに、「オランダ水牛」との呼び名は印鑑専用で、オランダ産という訳ではなく、「陸牛」のこと。「黒水牛」と区別するための呼称らしい。象牙と違って、安定供給されているから禁止対象になっていないという。

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  (私の実印)

  認め印の材質は通常「木材」。実印や銀行印だって人工細工で精巧に作ることはできるはずだ。〝動物愛護〟の観点から、象牙だけでなくすべての動物を取引禁止対象にしたらどうだろうか。
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異常な猛暑と温暖化を考える

 今年の夏は耐えられないほどの暑さだ。気象報道では「危険な暑さ」というこれまでにない表現を使っている。
 実際、西日本では死者200人を超す豪雨に見舞われた。立秋を過ぎても「災害級」の猛暑が日本列島を襲っている。
 地球環境は限界を超えつつあるのか。朝日新聞が「プラネタリー・バウンダリー(地球の限界)」の研究を主導したヨハン・ロックストロームさんにインタビューしている。(8月2日付)

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       (ヨハン・ロックストロームさん)

――私たちは、世界中で豪雨や熱波、ハリケーンなど、異常気象の頻発を目撃しています。ただ、西日本豪雨が温暖化の影響かと問われれば、『イエス』とも『ノー』とも言えます。世界の平均気温は産業革命前より1.1度上昇しました。
――複雑なプロセスの一つが、気温上昇による大気中の水蒸気の増加で、豪雨が増える。温暖化と豪雨災害を切り離すことはできません。
 一方で、個々の異常気象と気候変動を単純に結びつけることはできません。地球の気温は上昇しており、結果として気候変動が起きている。温暖化は異常高温だけでなく異常低温も引き起こします。
――パリ協定(1.5度)を下回る1.1度になっているのは、大気汚染などによるエーロゾル(浮遊粒子状物質)に日射を遮る冷却効果があるからで、これがなくなれば1.5度近くに急上昇することを覚えておくべきです。地球の気温は、すでに最終氷期終了(約1.2万年前)後で最も高くなっています。

     プラネタリ・バウンダリーの概念図

――プラネタリー・バウンダリー(地球の限界)の気候変動の限界値である1.5度は目の前に来ています。2度未満に抑えるには、化石燃料の使用をやめるだけでなく、ほかの項目が限界値を超えないようにしなければなりません。
――地球の陸地や海洋の自然生態系が、いまの均衡状態を保とうとする回復力を失わないようにすることです。そのための土台となるのがプラネタリー・バウンダリーの枠組みで、中核が気候システムと生物多様性です。
 地球の回復力には亀裂が生じています。2015年と16年、世界の二酸化炭素(CO2)排出に歯止めがかかった。大気中のCO2濃度上昇にもブレーキがかかると思ったら急上昇したのです。人間がCO2排出を削減したのに、森林や海などの自然生態系がこれまでのように吸収しなかったのです。回復力喪失のサインでしょう。

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     (南極の氷山)

――気候変動と生物多様性の損失、土地利用の変化、窒素とリンによる汚染の四つはすでに危険領域に入り、事態は悪化しています。
 かつて、自然を守るには犠牲が伴うと考えられていましたが、いまや収益性の高いビジネスや成功の好機になりました。再生エネが化石燃料より安くなって広がったように、いまの変化は持続可能性にこそ収益性があると分かったから起きているのです。
――(日本には、環境対策が経済や雇用にマイナスという考えが根強く残っています、との問いかけに対して)環境問題の解決のために、環境だけに注目するのはやめなければなりません。それは経済や雇用、豊かさ、繁栄の問題なのです。ただ、変革は急を要します。政治やビジネスのリーダーシップが必要です。

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     (地球温暖化)

――プラネタリー・バウンダリーの考え方は、SDGs(持続可能な開発目標)と強い関係があります。SDGsは、すべての国にとって地球の限界内で発展するためのロードマップであると言えます。日本やスウェーデンのような国は、SDGsを最高レベルの政策に位置付けなければなりません。

 ずいぶん以前、このブログで温暖化のことを書いた。北極圏研究の国際的権威と言われた赤祖父俊一氏(現在88歳)の論評を紹介しておいた。
 地球温暖化の原因の六分の五は「小氷河期(1400年~1800年)から地球が回復中」のためであり、もっぱらCO2が原因のように言うのは間違っており原発推進派の陰謀だと主張しておられた。

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     (太陽光発電モジュールの背景)

 いずれにしても私たちは、自然生態系の回復力が喪失するかどうかの瀬戸際に立っているように思う。一人一人が深刻に受け止めて行動すべきではないだろうか。
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「諫早干拓開門訴訟」決裂して判決へーーめざせ有明海再生

  昨年4月の当ブログに「潮受け堤防」設置より20年と題して諫早干拓問題を書いておいた。(環境問題ジャンル。4月14日付)

 それから1年経過。開門を巡る訴訟で和解協議は不調に終わり、開門反対派の漁業者を置き去りにして、7月30日、福岡高裁は判決を下す予定だ。
 振り返ると、2010年、福岡高裁が国に開門を命じる判決を下し、民主党政権が上告せず確定した。

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 その後、干拓地の営農者が起こした「開門差し止め訴訟」で、13年、長崎地裁は開門を禁じる仮処分を決定した。
 国は、14年、確定判決の執行を強制しないよう求めて佐賀地裁に提訴するが、同年、敗訴した。
 国は、開門による漁業被害を認めず開門しない前提の「基金案」を打ち出して、有明海漁協(佐賀県)を説得した。

 福岡高裁は3月、国の意向に沿った基金による和解案を示し、協議が決裂した場合は漁業者に不利な判決になるとまで示唆したのだった。
今年2月、有明海漁協は方針転換し、今月1日、福岡・熊本の団体と連名で「高裁が示した和解の実現を強く期待します」との統一見解を発表した。

       有明海

 反対派漁業者側は「非開門を譲らない国の姿勢にくみし、その和解案だけを裁判所が後押しした」と反発して、和解協議を欠席した。
 和解協議の場では、「有明海再生のあり方」などについての意見調整こそ必要であったはずだ。最初から漁業者側をテーブルにつかせないようなやり方は大いに疑問である。
漁業被害の原因となった潮受け堤防を強制執行した長崎県にも大きな責任がある。

       アゲマキ

 こうした悲観的状況の中でも、干潟の再生に取り組む人々がいる。先日、佐賀新聞に「アゲマキの養殖成功」との記事が写真付きで載っていた。有明海を〝死の海〟にしない再生への道を関係者は模索すべきではないか。
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熱帯林の伐採と環境破壊を憂える

  熱帯林の伐採と輸入国・日本。ずいぶん以前から、インドネシアやアマゾンなどの実態を環境保護団体などが厳しく批判してきた。
 先日(7/8)の朝日新聞「ひと」欄で、熱帯林の保護を建材消費国で訴えるパプアニューギニア人のポール・パボロさんが載っていた。

     17.7.8朝日・熱帯林の保護を訴える
     (朝日新聞 7月8日付)

――東京五輪を控えた都心で相次ぐ高層ビル建設が、母国パプアニューギニアでの熱帯原生林の伐採につながって見えた。切り出された原木は主に合板に加工され、ビルの建設現場で使われるからだ。
――伐採が止まったのは昨年秋のこと。すでに6年で約40万本が切り出されていた。故郷の森を守っても、国全体の原木の輸出は減らない。主な輸出先は日本から中国に代わったが、加工品の大消費地は日本だ。

    カラジャス鉄鉱山
     (カラジャス鉄鉱山)
           スマトラ島1
           (スマトラ島。生物絶滅の危機)

     ベロモンテ水力発電ダム建設に反対するインディオ
     (ベロモンテ水力発電ダム建設に反対するインディオ)

 アマゾンの実態について、特定非営利活動法人「熱帯森林保護団体(RFJ)」などのレポートより引用してみる。
――アマゾンは『生物の宝庫』といわれるように、地球上の生物遺伝子資源の約半分が生息し、全体の2%しか生物種は明らかにされておらず、残りの98%は未だ眠ったままであるといわれる。

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――アマゾンの熱帯雨林は、生態系の見事なバランス――密集した樹林自体が風雨を防ぎ、土壌は微生物によって葉や枝、虫などが分解され栄養素の循環が行われる。――によって表土の流出が行われない仕組みになっているが、このような閉鎖系のシステムは一度、その鎖が壊れると、急速なスピードで表土が流され病気にかかり、死んでしまう。
 森林伐採によりいったん流れた表土は再び元の姿に戻るためには100年ほどの歳月を要する。

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――有史以前より気象変動が皆無であったアマゾンの熱帯林もここ数年、乾季に雨が降り、雨期に雨が降らない日が続き、世界的な異常気象変動の影響を受けている。
熱帯林の破壊は、世界の気候にも影響をもたらす。
森林による保水効果の減少、アルベド(反射光)の増加、森林焼却の際に空気中に放出される二酸化炭素・・・
 
――こうした現象はすべて、大気の流れや熱帯地域から遠く離れた場所の降雨量を変える結果をも生み出している。
 また、アマゾンにおいての生物種の絶滅は、これから発見されるかもしれない医薬品の可能性をも奪っている。

     森林面積変化率
     (森林面積変化率)

  こうした森林破壊の原因は、都市化に伴う開発、人口増と生活様式の変化による開発、森林火災など様々だが、やはり開発に係る企業のあり方や木材の大量消費地こそ問題にしなければならないだろう。

(※この問題については、昨年5月29日、「消える熱帯林と木材輸入大国・日本」と題して書いています。)
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諫早湾締め切りから20年~開門調査は不可欠だ。

  国の干拓事業で、諫早湾を鋼板で閉め切った〝ギロチン〟から、きょう(14日)で20年となる。

 諫早湾干拓は1952年、約1万㌶の湾全体を農地にする大干拓構想として浮上した。その後、減反政策の時代となり規模を縮小。畑地開発や高潮・洪水防止に目的を変え、1989年に着工した。(当時、金子岩三・農水相は事業全廃を提示したが農水族や官僚らに阻まれた)
 
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 1997年、293枚の鋼板で湾の3分の1を閉め切った。長さ7㌔の堤防の内側は干潟が陸地になり、672㌶の農地になったが、ムツゴロウやアゲマキなどの干潟の生き物の死骸が一面に広がり無残な光景であった。
 当時、「湿地ネットワーク」づくりに力を注いだ山下弘文氏は「政府や学者などは干潟の〝浄化能力〟に無知だ」と憤っていた。実際、二枚貝などの底生生物は川などから流れ込む生活用水を見事に浄化してくれる。水産庁も近年その効果を認めている。
 一方、総事業費は2530億円という巨額にのぼった。堤防には砂利を大量に使うがA商事が独占して、島原出身で大臣経験者の某代議士が深く絡んでいたものだ。

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 諫早湾が締め切られた3年後の2000年、有明海特産のノリが大凶作(23億枚、前年の3分の2)に見舞われた。この年衆議院議員となった私は、超党派の調査団の一員として現地を訪れたが、ノリ養殖業者の自殺が相次いでいたのは悲惨だった。

 干拓事業との因果関係の調査が不可欠だが、農水省は中長期の開門をしない代わりに再生事業を始めた。2002~16年度の事業費(予算ベース)は計498億円。
 堤防の調整池の水質改善には、2004~15年度に国と自治体合わせて352億円(決算ベース)を投じたが、毎夏アオコが発生して水質改善できずにいる。

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 いま問題となっているのは、干拓事業をめぐる複数の訴訟だ。干拓が漁業不振の原因と疑う漁業者らの訴訟では、2010年に福岡高裁が「開門」を命じる判決を下して確定。一方、長崎地裁は干拓農地の営農者の主張を認め、国に開門を差し止める仮処分決定を出した。
国は確定判決を履行できず、2014年6月から漁業者側に間接強制金を支払っており、総額7億6500万円に上る。
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 有明海の異変――干拓事業で、海水を浄化し生物の「ゆりかご」になっていた1550㌶もの干潟が消失。湾の閉め切りで潮流が弱まり、海をかき混ぜる力も低下した。――研究者の指摘である。
この他にも、大型開発が複合的に影響したとの主張もある。筑後川の大堰と砂利採取。熊本市沖で進む埋め立て(熊本新港、130㌶)。三池炭鉱の海底陥没(1500万㎥)。
「いずれも海と山のつながりを断ち切った開発。海の豊かさは山から栄養塩類や鉱物粒子を運ぶ水の循環なしには成り立たない」(「森里海連関学」の提唱者・田中名誉教授)。

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 私自身の体験――妻の実家が鹿島市・飯田にあり目先に干潟が広がる。結婚してしばらくの間、義父が干潟に入ってアゲマキをバケツ2杯ほど採って食卓に並べたものだ。みそ汁や酢ものなど実に美味しかった。
それがパッタリ採れなくなった。諫早湾が堤防で締め切られた97年ころからだ。やがて、韓国から稚貝を買って干潟で育ててみたけどうまくいかなかったようだ。

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 「一次産業に携わる者どうし、自然を大切にしたいという思いは同じ」との思いで、7年ほど前から漁業者と農業者の間で話し合いがもたれるようになり相互理解は進みかけたが、裁判闘争でその機運は遠のいたという。
 開門派の訴訟原告団は、「いきなり水門を開けるのではなく、状況を見極めながら徐々に開門を進める『段階的開門』」を提案している。

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 しかし、肝心の国が、有明海再生のための100億円基金案を示し、誘導するための「想定問答集」を漁業団体に示すなど、開門したくないという姿勢では話し合いもうまくいくはずがない。

 病気の治療にはまず「診察」が欠かせない。潮受け堤防を段階的に開門してみないことには、有明海を再生しようがない。

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今川正美のブログへようこそ!

生年月日 1947年8月7日
住  所 長崎県佐世保市
学  歴 佐世保北高等学校
     卒業(66年)
     佐賀大学農学部農
     学科中退(68年)
職  歴 佐世保地区労書記
       (68年)
     佐世保地区労事務
     局長(94年)
政 治 歴 衆議院議員
     (2000年・1期
      社会民主党)