都議選で自民党〝歴史的惨敗〟ーー安倍〝改憲〟の行方

  「安倍一強」の足元が大きく揺らぎ始めた。
 東京都議選の結果のことだ。小池都知事率いる都民ファーストが55議席という大躍進を遂げたのに比べて、自民党は57議席から過去最低(38議席)を大きく下回る23議席で都議会第二党に転落した。
 都議選は、一地方選挙と違って国政に与える影響も大きい。

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  主な敗因は言うまでもない。――森友・加計学園に安倍首相と昭恵夫人が深く関与した問題。下村博文・自民都連会長の加計関係者からの闇献金疑惑。加計疑惑の〝実行犯〟萩生田光一・官房副長官。首相が重用した稲田朋美・防衛相の「都議選で自衛隊の支援」発言。豊田真由子議員の秘書に暴行と罵詈雑言など枚挙にいとまがない。

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  ある閣僚経験者は語る、「安倍首相のメチャクチャな政権運営のツケが一気にきた」。
 ――「集団的自衛権の行使」の閣議決定、「安保法制」の採決強行、「共謀罪」の審議打ち切り・本会議採決(「中間報告」)。
 都議選直前の世論調査では、安倍政権の支持率が急激に下落、不支持が上回った。

     内閣支持率

  永田町では「THIS IS 敗因」が大ウケしているという。「Tは豊田、Hは萩生田、Iは稲田、Sは下村」が自民惨敗の〝戦犯〟いうわけだ(閣僚経験者)。
  だったら、〝1強〟にあぐらをかき独善的な政局運営を突き進めて、国民の不信・不満をかった安倍首相の〝A〟を入れるべきだろう。

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  党内からも批判が噴出し始めた。「都民ファーストが勝ったというより自民が負けた」(石破茂・前地方創生相)。「自民党の自滅。おごりや危機管理に問題があった」(柴山昌彦・首相補佐官)。
  とくに、異論を封じられてきた8回生以上のベテラン中心に不満が爆発しているらしい。10年前に健康問題で辞任した雰囲気に似てきた、と評する者もいる。

     参院本会議

  これで、野党が求める衆院予算委の閉会中審査と臨時国会の早期開会は不可避の状況だ。なかでも、前川喜平・前文科省事務次官を証人喚問して、安倍・菅らのウソを国民の前に晒すべきだ。
  だが、肝心の民進党が心もとない。都議選「議席ゼロ」で連舫代表交代とも囁かれたが、なんとか5議席を確保する低迷ぶりだ。

  安倍首相ら官邸は、今月下旬にも内閣改造人事を急ぎ「人心一新」を図る算段のようだが、「人事は両刃の剣」とも言われ改造断行が裏目にでないとも限らない。

     17.6.23朝日・ササッとつくってカンタン
     (朝日新聞 6月23日付)

  いずれにしても、安倍首相の最優先課題は憲法改正で、来年の通常国会で改憲発議、秋の改憲・国民投票という戦略は崩れつつある。
  一方、小池都知事は、「都民ファースト」を「国民ファースト」に格上げして次期衆院選に殴り込むとの話しを否定していない。
 小池新党を軸にした野党再編などまっぴらだ。政治思想は安倍と小池はほぼ同じだ。
 安倍首相の常套句「築城3年落城1日」となるのか、目が離せない。
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参議院選挙を振り返る

 今後の日本の行方が問われた参院選が終わって、すでに12日を過ぎた。
結果は、自公など4党が改憲発議に必要な議席(162)を確保した。(その後、平野元復興相が自民入党により、自民単独過半数となった)

     16.1.1朝日・衆参の勢力図

 選挙結果を巡っては様々な角度から分析・評価されている。私も、「気の抜けたビール」みたいだが、識者たちの評価を引用し率直な気持ちを記しておきたい。

 まず、朝日新聞・世論調査部長の前田直人氏の評論より。
――「与党勝利、野党敗北」という単純な表現ではとらえきれない世界が見えてくる」。「〝無風激戦〟という変な造語が頭に浮かんだ。一人区の東北6県は、秋田を除く5県を野党統一候補が制した」。
――世論調査の結果によると、与党の勝利の理由は「野党に魅力がなかったから」が71%。比例区で民進に投票した人の8割、共産に投票した人の7割までもが「野党に魅力がなかったから」と答えた。
 「まだら模様」の野党再生の前途には、政党のビジョンを明快に伝える力量が問われる。

     16.1.1朝日・主な参院選結果

 次に、「参院選の勝負は半年前から見えていた。野党、いわゆるリベラルに勝ち目は全くなかった」と語るのは、浅羽通明氏(著述業)。
――民主党があの時期に党名を変えるなど言語道断です。「ダレノミクス?」というCM見ても、すべて「安倍」を前提とする「アベ依存症」です。
 改憲など国民の大多数からすれば優先順位の低い観念的課題なのに、国民が何を望んでいるのかが見えなくなっていく。
 与党を攻撃するのに、ただ「違憲!」という葵の御紋を突き付けるワンパターンにハマり、経済や安全保障の現実的政策を生み出す能力が劣化している。

――確実に予測できるのは、団塊世代の要介護者が急増する「2025年問題」です。
 「もう成長なき社会を前提に再分配するしかない。相続税や累進課税を強化して富裕層から撮りますから、消費税アップも認めて!」と訴えれば説得力ありますよ。
――同時にリベラルは、「どぶ板」の地盤を気長に立て直さなくちゃ。09年の民主党勝利も小沢一郎氏のどぶ板選挙が支えた。
 なのに民進党の岡田克也代表は、敗北を全く直視せず現実逃避している。「ダイエットで3キロやせた!」とはしゃぐ人みたい。まずこの甘えぶりに絶望してほしいですね。

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     (朝日新聞 7/22付)

 もうひと方、五野井郁夫氏(高千穂大学教授)の所見。
――野党共闘の成果を否定的に見る人もいるけど、各地の選挙区で10代から30代の市民が共闘を働きかけたのも大きい。
 アベノミクスの実感はないけど、「生活が苦しい自分」を代表してくれそうな政党がない。護憲、立憲主義も大事だけど、それだけでは貧しい人たちはメシが食えない。「この政党が勝てば少なくとも食べていける」と思わせる政党が今の日本に出てきていません。
 生活感の薄い旧来の護憲リベラルではなく、より生活の実感のあるリベラル。こうした動きが、復活の鍵を握ると見ています。

 さて、私の感想を若干述べておきたい。
 政治の現況からみてまずなすべきは、政治のバランスを取り戻すことだろう。そのためには国民から信頼される「野党再編」が不可欠だが、中心となるべき民進党が頼りない。
 旧民主党時代から、疑似自民党と言えるベテラン議員や改憲派議員も多く、「共産と組めば、保守票が逃げる」とか言って、野党共闘の阻害要因となった。
 
 与党側は「アベノミクスは道半ば、さらに前へ進む」と主張したのに比べて、民進党は「3分の2を阻む!」と訴えたが、これは政策ではなく護憲・リベラル派の危機感の表明であり、有権者に響くものではなかった。
戦略を練る司令塔や企画宣伝部局が、自民と民進では雲泥の差があるようだ。

 私が長く関わってきた社民党は、「2議席確保」に躍起となったが果たせず、党首を落選させる結果となった。比例票は約150万票で2001年の約360万票の半分以下に激減している。村山元首相は数年前から、「社民党はもはや限界だ。安倍政治に対抗しうるリベラル結集に力を注ぐべきだ」と訴えており、私も同感だ。

     衆院憲法審査会での主な発言

 さて、秋の臨時国会では、衆参の憲法審査会が動き始める。
 与党の中でも、自公の間にはかなりの温度差がある。自民は「緊急事態条項」などを先行審議して改憲の扉を開く、いわゆる〝お試し改憲〟で野党を分断してくるだろう。
 これに対して「護憲」の側は九条の中に閉じこもらずに、その理念を活かした具体的ビジョンを示すことが求められていると思う。

参院選が始まった~安倍政治の暴走を止めて、退陣に追い込もう!

 参院選が始まった。〝戦後史的転換〟をかけた闘いと言っても過言ではない。

 安倍政権は、アベノミクスを前面に掲げるが、その狙いが「憲法改正」にあることは明白だ。その実現に必要なのは、参院で自・公議席が「3分の2」を確保できるかにある。
 安倍首相は、「3分の2は難しいので、改選議席の過半数を確保したい」と表明している。

    16.1.1朝日・衆参の勢力図

 これに対して、〝安倍政治の暴走〟を止めて「憲法改正」への道を潰すには、自・公の「3分の2」議席実現を阻止することが野党の最大の課題である。このことは〝最低限の目標〟であり、野党共闘の一層の躍進で〝安倍政権の退陣〟へと道を開くことが求められる。

 野党4党(民進・共産・生活・社民)は、32の「一人区」で統一候補を実現した。
一方、「成長の家」(公称52万人)は与党候補者を支持しないことを決めた。「立正佼成会」(公称120万人)は、比例区で民進2人を推薦する。新日本宗教団体連合会は、4月から「立憲主義の確立を求める運動」平和学習会を始めた。
 伝統仏教の僧侶やキリスト教者などの多くが、「平和をつくり出す宗教者ネット」に参加している。

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 また、この選挙から、18、19歳の若者240万人が初参加する。Sealdsの学生はもとより、多くの若者が〝安倍政治の暴走〟を前にして憲法のことを考え始め、大きな危機感を抱いている。

 「安倍一強体制」とは、とりもなおさず「野党の弱体」を意味する。有権者は民主党政権の混乱にあきれ、自・公の政権復帰と政治の安定を求めた。
 必ずしも〝一強〟とは言えない。それは、12年以降3回の国政選挙で投票率の低さ(50%台)が目立った。投票者数でみると、09年(民主政権)・7202万人に対して14年・5474万人、つまり1700万人が投票に行っていない。
 自民の得票数も、比例区では有権者の5人に1人に満たない支持で推移している。

    16.1.1朝日・主な参院選結果

 つまり、言いたいことは野党の闘いようでは目標達成は可能であるということだ。消費増税を確実に実施するとの約束を破った安倍政権の「責任」をしっかり取らせなければならない。2年半先送りという〝目くらまし〟に騙されてはいけない。
 7月10日までの19日間、全神経を選挙に集中して、野党「統一候補」の必勝目指して前進しよう!

憲法学者らの「国民怒りの声」設立に戸惑う

 今夏の参院選に向けて、憲法学者の小林節氏らが政治団体「国民怒りの声」を設立すると表明した。「反安倍政権」を掲げ、10人以上の擁立を目指すという。

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    (朝日新聞 5月10日付)

  設立理由について小林氏は、「安倍政権の暴走を止めたいが、民主党政権の失政は許せず、共産党に投票する気にもなれない多数の有権者の代弁者として第三の旗を立てる」と述べている。

  野党各党には懸念が広がっている。小林氏が掲げる政策は野党の訴えと重なる部分が多く、民進幹部は「野党票が割れてしまう」と危機感を示している。
  現在、「一人区」での野党共闘は22区からさらに増えつつあるが、こうした動きに水を差しかねない。

    16.1.1朝日・衆参の勢力図
    16.1.1朝日・主な参院選結果

  安倍政権の狙いである「憲法改正」を阻止するためには、グラフに示すとおり野党側が改選議席で「36」を超える必要がある。
 政権・与党側からすれば、改選議席で「86」を確保する必要があり、野党共闘の進行具合いに相当の危機感を抱いている様子だ。

  ここ当分は、参院選情勢の動向から目が離せない。

夏の参院選を占う二つの衆院補選の結果に思う

  夏の参院選の行方を占う二つの衆院補選――昨日(4/24)の即日投開票で、衆院北海道5区では和田義明氏(自民)が競り勝ち、衆院京都3区では泉健太氏(民進)がトリプルスコアで圧勝した。

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  とくに注目を集めたのは北海道5区だった。自民にとっては町村信孝・前衆院議長の  〝弔い合戦〟であり、公明が全面支援した。加えて、北海道で存在感を示す新党大地の鈴木宗男代表が極端に共産を嫌い、結局自民の支援に回った。

  野党側は、池田真紀氏(無所属)を民進・共産・社民・生活の党が「統一候補」として支援した。さらに、学生団体「SEALDs」らの「市民連合」は告示後に現地入りし、地元の若者らの団体「ユニキタ」と連携して池田氏を支援した。

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  結果は、約1万2千票差で与党が勝った。しかし、その評価については、与・野党とも「野党共闘」の善戦振りで共通していた。
 「無党派層」の行方が注目されたが、世論調査では「池田優勢」であり、自民を心胆寒からしめるに充分であった。
  与党は、和田氏支援のため自・公の幹部・閣僚ら約200人、地方議員約2千人を投入する力の入れよう。千歳・恵庭など各地のの自衛隊票で辛うじて勝った状態だ。

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    (朝日新聞 4月25日付)

  野党4党も、それぞれ「野党共闘」に大いに手応えを感じた戦いではなかったろうか。「野党統一候補」を絞り込むまでに曲折があったものの、参院選で改選議席の過半数へ向けて大いに自信を深めたように思う。
  とくに、「初めてのデートにしては、うまくいったと思う」(小池晃・書記局長)という共産党の存在感が増してきた。

  要は、民進党内で「共産と組めば保守が逃げて、負ける」との声が支障となって、「野党共闘」が後退しないか否かである。
  ここは一つ、「ストップ!安倍政治」に向けて大局的判断を強く求めたい。
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今川正美のブログへようこそ!

生年月日 1947年8月7日
住  所 長崎県佐世保市
学  歴 佐世保北高等学校
     卒業(66年)
     佐賀大学農学部農
     学科中退(68年)
職  歴 佐世保地区労書記
       (68年)
     佐世保地区労事務
     局長(94年)
政 治 歴 衆議院議員
     (2000年・1期
      社会民主党)