FC2ブログ
コンテントヘッダー

在沖海兵隊の「グアム移転」は〝どん詰まり〟ーー新たな日米協議を!

  沖縄の「本土復帰」から47年の歳月が流れた。沖縄県民の意思が「辺野古移設(新基地建設)」に反対であることは、沖縄の国政選挙や県知事選挙で明瞭に示されている。
 それにもかかわらず政府は、「辺野古の負担軽減」を理由に移設工事を強行しているが、軟弱地盤の新たな問題が生じて「実施計画」が一部出ていない。「実施計画がないなんて、普通の土木工事ではあり得ない。費用もわからないまま進めることは、通常は考えられない」。(鎌尾彰司・日大准教授)

  在沖海兵隊のグアム移転にかかわる計画 19.4.16
  (在沖海兵隊のグアム移転にかかわる計画 朝日新聞 2019.4.16)

 ところで、在沖海兵隊の「グアム移転」も〝どん詰まり〟状態にある。グアム移転は海兵隊が望んだことではなく、2006年、日米両政府が「辺野古の負担軽減」などを理由にして決めたことだ。
 そのグアム移転が遅れている理由は、辺野古移設の遅延よりも、米国側の事情の影響が大きいようだ。
 米ランド研究所は、➀就労ビザ停止によるグアムの労働力不足➁テニアン島の実弾射撃訓練場整備に対する反対運動――を理由に挙げている。

 当初の移転計画では、在沖海兵隊員と家族の約1万7千人を14年までに移転させるはずだった。だが10年の詳細計画では、建設労働者も含めると約8万人(グアム人口・約16万人)となることが判明し、当時の知事は「急激な人口増を吸収しきれない」として、計画の延期を求めた。
 さらに、米政府監査院(GAO)は計画の見通しの甘さを指摘する報告書(11年)で、グアム移転関連の総事業費は239億ドル(約2兆6千億円)に膨れあがると警告。
 これを受けて米議会は関連予算の凍結を決定して、政府に計画を見直すよう突きつけた。

 グアムの労働力はフィリピン人に頼っていた。だが、米政府は15年、不法滞在を理由に就労ビザの「H-2Bビザ」の発給を停止し、約3千人いたフィリピン人労働者はほぼゼロになった。

  グアム北部の米海軍施設19.4.16
  (グアム北部の米海軍施設。朝日新聞 2019.4.16付)

 ところで、米海兵隊総司令官のロバート・B・ネラー大将は、5月3日、米連邦議会上院の公聴会で、「沖縄に駐留している海兵隊の一部をグアムに移転する現行計画は、再検討する価値がある」と証言した。(軍事アナリスト・北村淳氏のレポートによる)
 主な理由は、➀莫大な移転費用➁労働力不足➂軍事演習への反対運動➃輸送手段の確保の困難、などである。
 沖縄と米本土から約4700人の海兵隊がグアムの新海兵隊基地「キャンプ・ブラズ」に移転してくると、基地施設や生活インフラなどが不可欠だが労働力が決定的に不足している。
 また、米海兵隊は作戦実施部隊と支援部隊が上陸作戦を実施する。しかし、グアムに展開する海兵隊部隊を積載する揚陸艦は佐世保やサンディエゴを本拠地にしており、緊急出動に対応できる状況にはない。

  在沖縄米軍再編

 このように、在沖海兵隊の「グアム移転」の現状は、まったくの〝どん詰まり〟状態なのだ。
 日本政府は、「グアム移転」と「普天間基地返還」はリンクされていると言う。だが、辺野古移設は全く無駄(元米国務長官主席補佐官・ローレンス・ウィルカーソン氏)、グアム移転は停滞となると、普天間は現状のまま「固定化」されるのか?
安倍政権が「沖縄の負担軽減」を繰り返してきた以上、「普天間の固定化」はまさに悪夢だ。
本来、膠着した事態解決に向けて日米間で新たな協議が必要であるが、安倍政権では所詮無理であろう。沖縄と真摯に向き合う新たな政権が待ち望まれる。

スポンサーサイト
コンテントヘッダー

「辺野古の基地建設は愚かな計画だ」(ローレンス・ウィルカーソン・元米主席補佐官)

  2日後の沖縄県民投票では、辺野古の海を埋め立てて「新しい基地」をつくることの是非が問われる。
 米国からはどう見ているのか。今日の朝日新聞のインタビューで、ローレンス・ウィルカーソン氏(元米国務長官主席補佐官)が明快に応えている。その要点を引用しておきたい。

  ローレンス・ウィルカーソン(元・国務長官主席補佐官)
  (ローレンス・ウィルカーソン元・国務長官主席補佐官)

――東西冷戦の終結を受け、米海兵隊本部は1990年代前半、国内外すべての海兵隊基地や構成をどうするか見直し作業をしたことがあります。
 見直し作業では、在沖海兵隊も検証対象となりました。部隊の実弾射撃訓練や飛行訓練、爆弾投下訓練をする地域として沖縄の適合性を調べたところ、運用は「極めて難しい」と判断されました。
 また、朝鮮半島有事の作戦計画「5027」などを始め、対中国、対東南アジアへの展開を含めて在沖海兵隊の戦略的な役割を調べました。在沖海兵隊は戦力規模が小さすぎて、「太平洋地域に前方展開させる戦略的価値はない」との結論に至りました。

  移設工事1
  (移設工事)

――ただし、コスト面から調べたところ、海兵隊を米本土のカリフォルニアに移転させるよりも、沖縄に駐留継続させる方がコストが50~60%安くなることがわかりました。日本側が駐留経費負担をしているためです。
 移転による海兵隊への政治的な影響についても分析され、「海兵隊を米本土に移転すれば、米政府がそれを理由に海兵隊全体の規模を縮小させる可能性が高い」という予測がでました。この結果、海兵隊本部は当面、海兵隊の沖縄駐留を続けることを決めたのです。
 つまり、海兵隊が現在も沖縄駐留を継続している元々の判断をたどれば、何ら日米の安全保障とは関係ありません。
 
  反対集会
  (反対集会)

――私はこれまで何度もアジア太平洋地域における米軍の机上訓練をしてきましたが、在沖海兵隊は台湾有事であれ、南シナ海有事であれ、米軍の戦闘力にはなりません。
 米中戦争がもしあるとすれば、空と海における戦闘。米国は海兵隊員を中国本土に上陸させるような愚かな作戦はしません。
 中国に対する抑止力として戦略的に重要なのは、米国が日本防衛に確実に「コミットメント(関与)」しているというシグナルを明確に送ることです。海兵隊員を沖縄に置くよりも、米本土から核搭載可能のB2戦略爆撃機を日本周辺で飛行させる方が効果があります。

  デニー玉城知事
  (デニー玉城知事)

――日本政府は辺野古沿岸部を埋め立てて建設していますが、軍事基地を沿岸部に建設する時代でもありません。気候変動による海面上昇で自然災害を被るリスクは高まっています。60~70年後には巨額の建設費が無駄になってしまうおそれがあります。
 例えば、マーシャル諸島のクェゼリン環礁にはロナルド・レーガン弾道ミサイル防衛試験場がありますが、最新の研究では近い将来、水没のリスクが報告されています。また、米東海岸のバージニア州ノーフォークの海軍造船所は、近年は急激な海面上昇による高潮などの大きな被害を受けています。30年後は使えなくなるという懸念が出ているのです。

――辺野古の基地は、中国など外部からの攻撃に脆弱すぎるという問題があります。2、3発の精密誘導弾の攻撃を受ければ、滑走路は跡形もなく消え去るでしょう。
 戦略的な観点で言えば、辺野古の基地建設は愚かな計画です。もし私が安倍晋三首相の立場にあれば、現計画に固執して沖縄の人々と敵対する手法はとらないでしょう。
 日本政府にとって必要なのは、こうした変化に適応することです。米政府もまた、変化に適応する必要があるでしょう。

  安倍晋三首相
  (安倍晋三首相)

 安倍政権は、「辺野古移設が進まなければ、普天間移設計画そのものが停滞し、普天間飛行場が固定化されてしまう」と繰り返しているが、ローレンス・ウィルカーソン氏の主張に反論することはできそうにない。
 同氏の主張を実践することこそ、「沖縄の人々の心に寄り沿う」ことになるのではないだろうか。

コンテントヘッダー

辺野古基地建設は無駄。海兵隊は「抑止力」たりえず

 安倍政権が沖縄・辺野古の海への土砂投入を始めた。これまでの護岸造成工事に比べて環境に及ぼす影響は甚大である。
「辺野古ノー」の民意が示された沖縄県知事選挙から、僅か2カ月余の出来事である。

 安倍政権は、辺野古新基地の建設を基地負担軽減の唯一の道と言い張り、それに反対するのは「危険な普天間基地が恒久化する」ことにつながると脅してきた。
 また、菅義偉官房長官は10日の会見で「辺野古基地建設と在沖海兵隊のグアム移転はリンクしている」と発言した。しかし、日米両政府は2012年、二つの計画を切り離してグアム移転を先行させることで合意しているのだ。

   18.12.15朝日・土砂投入を強行
   (土砂投入を強行。朝日新聞12/15付)

 この問題について、朝日新聞(12月17日付)のインタビューに元海兵隊政務外交部次長のロバート・D・エルドリッヂ氏が応えているので抜粋しておきたい。
――土砂投入は非常に残念です。日米関係における「悲劇」だと思います。住民の支持がなければ、同盟が弱体化しかねません。
 海兵隊も辺野古移設を望んでいるわけではありません。移設後の基地は、普天間飛行場よりも滑走路が短く、有事に動く主力の軍用機が離着陸できない。

   元海兵隊・ロバート・D・エルドリッヂ氏
   (朝日新聞 12/17付)

――私は即時、沖縄にあるすべての基地を自衛隊の管理下に置き、日米の共同使用にすべきだと思います。自衛隊管理となれば透明性が高まります。
 長い目で見れば、いずれ米軍はいなくなります。国民のお金を使い、使えない施設を造る。これは、政治・行政の大きな失敗と言えます。
――米国務省や国防総省は、いまは極めて無関心。「あくまで日本の問題」という立場です。
 沖縄問題はお金では解決できない。「哲学」が必要です。
 県民投票が来年2月に予定されていますが、民主主義を実践する最大の手法です。
 県民投票には法的拘束力はありませんし、権力者は住民投票を軽んじたい。ただ、日米同盟は結局のところ、権力者の意向ではなく、両国民の理解と支持に支えられているのです。

   海兵隊のグアム移転計画
   (朝日新聞 10/23付)

 実は、4年前に国防次官補だったジョセフ・ナイ氏も「辺野古移設は長期的解決にならない」とほぼ同様のことを述べている。
 旧知の軍事ジャーナリスト・田岡俊次氏(元朝日新聞編集委員)は指摘している。「沖縄の海兵隊の大部分はグアムなどに移転し、残る約800人の歩兵部隊は『抑止力』にはなりません」。「在日米軍は日本を守るためではなく、西太平洋、インド洋に出動するため待機しています。尖閣諸島に海兵隊が参加することはありません」。「だが、駐留経費の過半は日本が負担し、日本にいる方が安上がりだから駐留が続くという面もあります」。

 各紙とも、普天間基地返還のきっかけは95年の「少女暴行事件」で、翌96年に日米両政府が合意した、と書いている。
 しかし、それより以前に海兵隊は老朽化した普天間の代替基地を求めており、そのきっかけが「少女暴行事件」であったという事実を認識しておかなければならない。米軍は、実に狡猾である。

コンテントヘッダー

米軍ヘリの緊急着陸と米軍の思惑

  今月13日、米軍ヘリが「天候不良、燃料不足」を理由に対馬に緊急着陸した。このところ米軍機の不時着や緊急着陸が相次いでいる。
 専門家の説明では「パイロットの疲労や機体の整備不足」が緊急着陸の原因ではないかと言う。

   米軍ヘリ対馬に不時着
   (米軍ヘリ対馬に緊急着陸)

  しかし、私は「緊急着陸は、きわめて意図的」なものと思う。
90年代に米海軍の空母やイージス艦などが全国各地の「民間港」に寄港したことを思い出した。
 そこで、関係資料を探したのだが見つからない。資料などは一度処分したら、もう二度と戻らない。ーー当たり前のことなのに、「残り少ない人生で読むこともあるまい」と思って大半の保存ファイルを処分してしまっていたのだ。
 幸いにも、「米軍航空機や艦艇の民間空港・港湾の利用」について、残したファイルのなかに当該記事があった。

   10.4.24長崎・安保改定50年2 - コピー
   (長崎新聞2010.4.24付)

  『安保改定50年』。沖縄タイムス・神奈川新聞・長崎新聞の三社共同による長期連載だ。
 1994年、米軍が朝鮮半島有事を想定し、自衛隊側に要求した「対日支援要求」。米側が最も期待したのは、自衛隊による公海上での掃海活動(機雷除去)だった。
しかし、内閣法制局は「国際法上は戦争状態となり憲法9条に抵触する」との判断を下した。

   米軍艦の民間港への寄稿隻数

  これと並行するように、自衛隊内でも具体的な協議が進行していた。
在日米軍司令部から、具体的な要望が届けられたのは1994年4月。民間空港・港湾の使用、弾薬輸送、在日米軍基地の警備など1059項目に及んだ。
冨澤暉・陸幕長は「その後の周辺事態法のベースになった」。石原信雄・官房副長官も「安保再定義、ガイドライン見直しなど、すべてのスタートラインになった」と口をそろえる。
97年の安保再定義、99年の周辺事態法、03年の有事法制三法と急ピッチで進んだ。

   主な在日米軍基地

  「9.11米国テロ事件」後、基地のない民間港への入港が増えている。「港の形状や自治体、住民の反応、娯楽などの環境を情報収集」しているという。
 2009年までの7年間で37都市、155隻に達した。(外務省調べ)
 米側から事前通告があれば、入港料は不要とされる。
 空港では、長崎空港がダントツで2番目は福岡空港、「佐世保基地に滑走路がない」のが理由という。
 一方、米軍は自衛隊基地を利用することで日米の〝軍事一体化〟を進め、併せて基地の整備・維持費などが自衛隊負担なので、経費節減になるという訳だ。
 外務省は、米軍に基地を提供した以上、「米軍の運用には一切口を挟まない」としており、米軍の自由放任がまかり通っているのが現状だ。

     IMG_20180916_152647.jpg

  同シリーズを加筆・編集した本『米軍基地の現場から』(高文研)が7年前に出版されている。
 また、安保改定50年にあわせて連載された「赤旗」(共産党機関紙)の『従属の同盟』は佳作だった。
  2年後は「安保改定60年」だ。沖縄・辺野古の問題はもとより「米軍再編の現状」、「日米同盟のあり方」を根源的に問い直すことが、国会だけでなく国民一人一人に問われているのではないかと思う。

 
コンテントヘッダー

九州大にファントム戦闘機墜落から50年に思う

 「エンプラ闘争」があった1968年の6月2日、九州大学箱崎キャンパス(福岡市東区)に米軍機ファントムが墜落してから50年になる。私が佐世保地区労に入局した翌日の出来事だ。

     九大にファントム墜落
     
 朝日新聞の記事(今年6月2日付)から引用すると、
 ――同事故では、板付基地に向かっていたファントムが建設中の大型計算機センターに衝突、炎上した。操縦士は脱出し、けが人はなかった。
 当時はベトナム戦争の最中で、九大総長が先頭に立って街頭デモに繰り出すなど、基地撤去を求める声が大きく広がった。現場は学生らがバリケードで取り囲み、反戦・反基地運動の象徴になった。

 ――敷地の大半が返還され、72年4月に「福岡空港」となった。
 だが、約353ヘクタールの敷地のうち滑走路や誘導路など48.5ヘクタールが今も日米地位協定に基づく日米共用の「米軍一時使用区域」で、ほかに「米軍専用区域」が2.3ヘクタールある。

――板付基地のルーツは旧陸軍が45年に完成させた「席田飛行場」。戦後、米軍が接収し、拡大が繰り返された。
 米軍機は月8千回離着陸したという。福岡市によると、45年10月から72年1月の間、米軍機の墜落・炎上は34件、不時着や燃料補助タンク落下なども含めると事故は計114件にのぼり、計20人が死亡した。

     福岡市内の米軍機墜落現場

 私たちが若い頃この事故をきっかけにして、その翌年から九州各県の労組青年部による「6.1闘争」が始まり80年代前半まで続く。
 約1万人もの青年労働者が結集して、集会とデモ行進を延々と続けたものだった。佐世保を筆頭に長崎県内からはバス数台で参加したものだ。

 ところで最近、米軍機の「緊急着陸」という事態が相次いでいる。NHKが「不時着」を「緊急着陸」と報道しているのは不正確だ。
 昨年から今年にかけて判明しているだけでも、15件もある。伊計島(2回、AH1ヘリ)、伊計島補助飛行場(2回、オスプレイ)久米島空港(1回、CH53Fヘリ)、大分空港(1回、オスプレイ)、嘉手納基地(4回、F35A、F15、F22)読谷村(1回、ヘリ)、熊本空港(1回、UH1ヘリ、AH1ヘリ)、奄美空港(2回、オスプレイ2機)、築城基地(1回、F35B)といった具合いだ。

       オスプレイ2機が奄美空港に緊急着陸
       (オスプレイ2機が奄美空港に「緊急着陸」)

 専門家は、米国防費削減による整備不足や対北朝鮮対応によるパイロットの疲労などが原因だと指摘している。
 しかし私は、1980年代に第二次朝鮮戦争を想定して、米空母などの大型艦が函館から鹿児島まで全国各地に入港し、戦闘機があえて民間空港に「緊急着陸」を繰り返したことを覚えている。
 まもなく(今月12日頃)米朝首脳会談が開かれる予定だが、〝最悪の事態〟に備えた米軍の「訓練」と思われるのだ。果たして私の考えすぎだろうか?
最新記事
カレンダー
06 | 2019/07 | 08
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31 - - -
月別アーカイブ
カテゴリ
プロフィール

FC2USER537587ATX

Author:FC2USER537587ATX
今川正美のブログへようこそ!

生年月日 1947年8月7日
住  所 長崎県佐世保市
学  歴 佐世保北高等学校
     卒業(66年)
     佐賀大学農学部農
     学科中退(68年)
職  歴 佐世保地区労書記
       (68年)
     佐世保地区労事務
     局長(94年)
政 治 歴 衆議院議員
     (2000年・1期
      社会民主党)